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マシックガールズ  作者: まーだ
第一章 魔法少女という病
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第15話 決意

☆登場人物☆


『衛堂ミコト』

主人公。17歳。

黒のショートボブヘアで赤い瞳の少女。

至って普通の女子高生。頭は良くない。

育ての親を失い喪失感に駆られていた所、人外の化け物「マジン」に襲われる。

「死にたくない」という願いを抱き魔法少女として覚醒する。

魔法少女形態【命の魔法少女】

まるで医者の白衣のような衣装。グローブとブーツは白色だが、白衣の下は黒いタイツ。

頭には二本の丸っこい角が生えている。

白衣の裏から尻尾が伸びており、尻尾の先は注射器のようなデザインになっている。

白衣には緑色の線がデザインされている。それはサイリウムのように発光しており、ミコトの心臓の鼓動に合わせて心電図のように波を流す。

使用武器は「ミコトカリバー」

ミコトの身長ぐらいの大きさの剣であり、両手に持って戦う。

剣のグリップ真横には緑色の液体が入ったタンクがあり、タンクから伸びた管はミコトのグローブの中へと繋がっている。

使用魔法は「???」

黄金の光を纏い、対象の人物を蘇生させる。

また、自分に使うことで戦闘能力を大幅に上げることが出来る。が、それなりのリスクもあるらしい。



『奏美音』

もう一人の主人公。17歳。

地面擦れ擦れの長さの青いポニーテールと青い瞳の少女。

ミコトより色々とひと回り大きい。

ミコトの学校に転校してきたが、実は世界各地でコンサートを行う超有名ピアニスト。

「自分の両親に再び会いたい」という願いを抱き魔法少女として覚醒。

その後、同じく魔法少女であるミコトと意気投合する。

しかし、何の罪もない魔法少女を殺したことでミコトと決別。自分の願いを叶えるため、今日も魔法少女を狩り続ける。

魔法少女形態【音の魔法少女】

黒の燕尾服のような衣装。ひらひらしておらず、すらっとしており男性的なデザイン。

ピアニストがモチーフにもかかわらず、黒色の手袋をしている。

使用武器は「メゾフォルテ」

右手に強弱記号のフォルテを模した剣、左手に「m」の形をした盾を持っている。鈍器。

使用魔法は「メロディボム」

音を爆弾に変える魔法。大きい音程威力も高くなる。



『レン』

黄色いロングヘア―と金色の瞳の少女。

「妹の幸せ」を願い魔法少女に覚醒。

妹を溺愛するあまり、マジンに捕らえられいいように使われていた所、ミコトに救出された。

魔法少女形態【雷の魔法少女】

黒と黄色を基調とした警告色のドレス。

胸元には何本かの導線が張り巡らされており、背中にはバッテリーのようなものがついている。

使用武器はないが、雷を自在に操り、矢のように飛ばして攻撃ができる。



『ユイ』

レンの大切な妹。


年が明け、学校の登校日になった。


「衛堂、遅刻だぞ。」


「はい。」


私は歩いて席に着いた。

もしかしたら学校に来ているかも、という希望を持っていたが、当然のように美音はいなかった。


噂話を聞いた。近いうちに美音は海外に引っ越すそうだ。


しかし、私にとってはどうでもよかった。

それが美音にとって一番幸せな選択なのだろう。


授業が終わり、その帰りに私は歩道橋に来ていた。


全てが始まった場所。

あの日の崩壊が嘘のように賑わっている。


身を乗り出せば、死ねるだろうか。

死んだところで自己満足だ。

自分の死を喜ぶものもいなければ、悲しむ者もいないだろう。


そんなくだらないことばかり考えていた。


電話が鳴った。携帯を取る。


「もしもし、レン?」


電話の相手はレンではなかった。

似てはいるが、すこし幼い。


「ユイ?どうしたの、そんなに慌てて……」


私はユイの話を聞き、電話を切った。

そして、魔法少女に変身し、地を蹴った。


----------


数時間前



「ユイ、そういえばそろそろ誕生日だな。何か欲しいものあるか?」


レンはベッドでごろごろしている妹に話しかけた。


「絵具が欲しいかなー」


ユイは漫画を読みながら、適当に答えた。


『緊急警報!緊急警報!』


ユイは驚いてベッドから転がり落ちた。


「大丈夫?ユイ。」


レンはユイに手を伸ばしながら、警報の内容を聞いた。


『施設内に凶器を持った不審者が、至急応援を……』


通信は途中で途切れた。


レンは何となく察しがついた。

きっとマジンがテレビ局に襲来したのだ。


「ユイ、ここでおとなしくしてて。」


「うん、わかった気を付けてね。」


レンはユイに軽く手を振った。


テレビ局1階ロビー。


武装した警備員は全て無惨に死んでいた。

辺り一面は血の海となっており、見るに堪えない光景だ。


そんな中で、レンはたった一人立っている人を見つけた。


「あなたは……」


特に関わりのない人だがレンは彼女を知っていた。

ミコトの親友。


「奏美音……」


美音はレンに気付くと、挑発するように武器を振った。


レンは困惑で動けなかった。

なぜ彼女がこんなことをするのかと。

しかし、見て見ぬふりはできなかった。


レンは雷を纏い魔法少女に変身した。


----------


ロビーは吹き抜けになっており、遮蔽物は少ない。


遠距離攻撃ができるレンが美音を圧倒していた。


しかし、レンの放つ雷の矢は美音の盾によってすべて防がれている。


「あの防御をどうにかして崩さないと……」


とは言いつつも、レンのやることはただひたすら矢を放つだけだ。

近づかれたら、レンは負ける。それは明白だ。


一方、美音はどう近づこうか考えていた。

真上に飛べば相手のいる3階まで届きそうではあるが、空中に飛ぶのはリスクが高い。


「……」


美音はにやりと笑った。


「来る!」


レンは美音の殺気を感じ取り、身構えた。


直後、美音は右手の剣を投げた。


剣は2階の天井に命中し、レンのいる足場を崩した。


「私を落とすのが狙いか……!」


レンはすぐさま上に向かって矢を発射した。

ワイヤーがついた移動用の矢だ。

自身を牽引させて上の階に逃げる。


その瞬間、美音が飛び上がる。

空中で自分が投げた武器を回収し、レンに迫る。


美音が剣を振るう。レンは空中でその攻撃を間一髪で避けた。


二人の魔法少女は同時に階に着地した。


「ここからは私のターンだ。蹂躙してやる。」


美音がじりじりとレンに詰め寄る。

レンは後ずさりをし、美音から離れた。


「違う……あなたはそんな人じゃない。」


レンは美音に言った。

これは泣き脅しではない。

前に会った時は、確かに冷酷であったが、ここまで荒んでは無かった。

こんな人が、ミコトの親友であるはずがない。

レンはそう思った。


レンは弓を引いた。


その一瞬で美音はレンとの距離を詰めた。


美音の間合い。レンはもう逃げられない。


「……?」


しかし、美音の攻撃が届く前に、レンの攻撃が命中していた。


美音は武器を落とした。

レンの攻撃に当たり、感電したのだ。


美音は自分の武器が落とされたことよりも、目の前の敵に驚愕していた。


レンは雷の剣を構えていた。


「私は雷の魔法少女だから剣も使える、弓矢は得意だから使っていたの。」


レンは申し訳なさそうに答えた。

そして隙だらけの美音を雷の剣で切り刻んだ。


美音は逃げようとしたが、体の自由がきかず、雷の連撃を受けた。


美音は仰向けに倒れた。

レンは美音の上に馬乗りになり弓を構える。


「奏美音、どうして……」


レンの問いに対し、美音は何も答えなかった。

より強く弓を引く、しかし美音は動じない。

レンは弓を射ることを止めた。


「できない、私にはこんなこと……」


レンの涙が、美音の頬に落ちる。

そんなレンの様子を見て、美音は笑った。


次の瞬間、一本の光線がレンの頭を貫いた。


「え……」


レンの力が抜ける。

美音はレンの拘束から抜け出し、すぐさま剣と盾を拾った。


レンは必死で立ち上がった。

目や鼻や口、あらゆる場所から血があふれた。


レンは攻撃された方を見た。

白い箱のようなものがふわふわと浮いている。

そして箱の中には銃口のようなものが見えた。


一瞬、光ると同時に、レーザー光線が発射された。


それはレンの腹部を貫いた。


レンはなすすべなく倒れる。


「これも、あなたの能力……?手を抜いていたの……か。」


瀕死のレンから少し離れた所で、美音は答えた。


「いいや。殺し合いに手は抜かない。こいつらは私を目撃した人や監視カメラを破壊してもらっていただけだ。丁度、今、終わったようだな。」


美音の周りに同じような箱が集まってきた。

白い箱が7つ。そして、同じような黒い箱が5つ。


「ふふ……、やっぱり……あなたはミコトの親友にふさわしくないね。」


既にレンの意識は朦朧としていて、勝ち目がないのは明らかだった。

レンは最期の抵抗として、こう言った。


そして一応、剣を構えた。

レンは自分の肉体を捨て、己のすべてを雷に身を任せて美音に突撃した。


(ダメなお姉ちゃんでごめんね)


(プレゼントは、またいつか買ってあげるから)


(元気でね、ユイ)


----------


「テレビ局が何者かに襲われてね……」


「お姉ちゃんの姿がどこにもいないの……」



ユイからその連絡を受け付けた数分後、私はテレビ局にたどり着いた。


あまりにひどい惨状に言葉を失った。

とにかくレンの部屋に向かった。


「ミコトさん!」


そこにユイはいた。

ユイは私の姿をみるやいなや泣きついてきた。


「ユイ……」


ユイから詳しい話を聞いた。

だがしかし、肝心の犯人が誰かわからなかった。


私は再び現場となったロビーに訪れた。


ドス黒い床の上に光るものを見つけた。

それを手に取る。


遊園地のキャラクターのペンダントだ。

私自身も同じものを身に着けていた。


「美音……」


再びこの惨状を眺めた。

これを美音がやったなんて信じたくない。

だけど、嫌でも美音の姿が目に浮かぶ。

そして美音はレンも殺した。


「……」


そしてそのペンダントをその場に置いた。


わかったよ、美音。

あなたは本気なんだね。

だったら私も覚悟を決めるよ。


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