プロローグ
この話は魔法少女の説明みたいなものであり、本編とはあまり関係がありませんが、
博士と助手はそのうち本編と関わってきます。
☆登場人物☆
『博士』
謎の人物。女性。
世界的に有名な研究者であり、魔法少女になってしまう病気「魔法少女病」の研究をしている。
「魔法少女病」の特効薬を開発するため、被験体として送られてきた魔法少女に対して、あらゆる実験を行っている。
『助手』
博士の助手。女性。
博士をことを信頼しているが、非人道的な研究態度に対しては懐疑的。
「博士、例の子を連れてきました。」
扉は自動で開いた。
助手と思しき人物は一礼すると、すぐに退出した。
博士と呼ばれる女性は眺めていた資料とコーヒーを机に置き、
連れてこられた少女の前に立った。
「そうか、君が……」
「私!魔法少女なんです!!」
少女は博士の言葉に食い気味で答えた。
「魔法少女、ねぇ。」
博士は頭を抱えた。
博士の仕事は未知の病や不治の病の治療薬の開発することである。
実績もあり、博士の治療薬により数億人の人々が救われると言われるほどだ。
少女もまた未知の病気にかかっている。
「魔法少女」になってしまう病気。
ふざけた症状だが、博士の元に連れてこられたということは冗談ではない。
少女は間違いなく「魔法少女」だ。
「あの、私、治るんでしょうか……」
少女は治療を望んでいた。
だが、ここで行われるのは治療ではない。
臨床実験もとい人体実験だ。
「ああ、尽力しよう。」
博士は少女の頭を撫で、そう言った。
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「調子はどうですか、博士。」
博士は助手の淹れたコーヒーを手に取り答えた。
「彼女の体液から異常反応が見つかった。
実験を繰り返せば特効薬が作れるだろう。」
「よかった。それで、あの子は助かるんでしょうか。」
博士は口につけようとしたコーヒーを一旦机に置き、言った。
「彼女には、まだ実験に付き合ってもらうつもりだ。」
「もう、必要ないのでは……」
助手は不安そうに言った。
「必要以上の犠牲を出さないためだ。病気の症状について調べる必要がある。」
博士はそう答えると、白衣を着てから少女の部屋へ向かった。
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『魔法少女』
コミュニケーション能力に人と変わりはない。
また、食事、排泄、睡眠といった日常生活も人と同様である。
だが、髪や爪が伸びない、体重が変化しない、という肉体的成長が見られない。
魔法少女に変身すると、容姿が変化する。理由は不明。
身体能力が大きく向上しているようだが、筋肉量の変化などは見られない。
魔法少女は体の再生能力が高く、どんな重症でも、数十分で完治できる。
即死でなければ、致命傷でも回復できるだろう。
しかし、治療中は回復に専念するためか、魔法少女の力を使うことはできない。
食事や睡眠による健康状態に関係なく、魔法少女は次第に衰弱していく。
魔法少女は死ぬとき、体の四肢が腐るように落ち、暫くして液状化する。
さらに時間が経つと気化し、完全に消滅した。
液状化した魔法少女の保存を試みたが、失敗した。
密閉空間すら貫通し痕跡の一つも残さなかった。
魔法少女は一種の病気である。
極端に精神状態が衰弱している人に多く見られる。
私はこの病気を『魔法少女病』と名付けた。
現在、特効薬の開発を急いでいる。
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「博士。新たな魔法少女が送られてくるそうです。」
「そうか。」
博士はいつものように助手の淹れたコーヒーを口につけた。




