プロローグ
ちょっと、書きたくなって書きました。
よかったら、読んでいって下さい。
夕暮れ時。
一人の少女が歩いている。
黒髪ロングのストレート。
身長は130センチ前後。
17歳にしては、かなり低い。
なかなか整った容姿をしており、どこか儚げな印象を受ける。
どうやら学校帰りのようで、セーラー服を来ている。
少女の名前は美霊院 花蓮。
高校三年生。一人暮らし。
両親は、二年前に事故で死んだ。兄も一緒に。
不幸中の幸というべきか、花蓮はもともと家事が得意で、両親が残してくれた遺産と、三人の保険金のおかげで、贅沢さえしなければ十分に生活費を賄えたため、今日まで生きてこれた。
そんな花蓮は、一人帰路を歩く。
(あー、今日も疲れたな~。ご飯何作ろう。てきとうでいっか。明日学校行ったら、明後日はバイトかー。それにしても、進路か~。特にやりたいこともないし、大学にに行くぐらいの資金はあるけど、そうまでして勉強したいこともないし。どうしよっかなー。そういやあ、昨日のラノベどこまで読んだっけ。)
そんな、まとまりのないことを考えながら。
もうすぐ、アパートにつく。
人通りの少ない裏道を抜ければ、もうすぐだ。
いつもなら、その角を曲がれば、薄暗い裏道が見える。
しかし、その日は違った。
最初に見えたのは、黒。
そして、それは全身を黒い服を着た男だと理解する。
顔はフードを目深にかぶっていて、口元しか見えない。
次に見えたのは、包丁。
男が包丁を握って立っている。
咄嗟に、動けなかった。
男が包丁を突きだしてくるのが、スローモーションに見える。
そして、突然襲い来る激痛。
男の口元が笑っていた。
どうやら腹を刺されたらしい。
痛みに耐えられず、踞る。
(熱い、痛い、何これ、私、死ぬの?)
包丁は抜けており、腹部から止めどなく血が溢れでる。
(寒い。なんか、眠くなってきた。)
花蓮の意識が、だんだんと薄れていく。
そして、花蓮はその短い生涯に、幕を降ろした。
はずだった。
気が付くと、いつも通っている裏道に立っていた。
あの焼けるような腹部の痛みも、寒気も感じない。
(夢?)
ふと、そう思う。
(でも、あんなにリアルな夢を、こんな寝てもいないのに、見るものなの?)
確かめようと、腹部に手を伸ばし、顔を向ける。
腹部には、問題はない。
しかし、足下には、血の海が広がり、そこに、花蓮自身が倒れていた。