【60秒で一気読み! キャラクター小噺】 〜もしも、こんな○○がいたら
【60秒で一気読み! キャラクター小噺】 〜もしも、こんな軍司令官よりも作戦行動に詳しい恋人がいたら
【ブリーフィング下手な司令官との付き合い方】
ある軍隊の司令官は長年のキャリア、実績に比べ話ベタだった。
皆の前に出るとアガってしまい、ゲキを飛ばす時などは噛んでしまうので威厳はなかった。
酷い時は、壇上に上がらず、隊員たちの席からスライド説明して顰蹙買っていた。
そんな彼は悩みを逐一最愛の恋人に手紙で書き送っていた。手紙には作戦内容がかなり詳細に、ご丁寧に資料つきで送られていたため(資料ないと彼女に悩みが伝わりにくいと感じたようだ)、その彼女は軍の中でも事情通になってしまい、上層部よりも精度高い情報と分析を持つようになってしまった。
そんなわけで『情報通』の彼女の元にはいろんな人がコンタクト取るようになってしまったのだが、噂がウワサを呼び、話がどういう訳かねじ曲がり『お悩み相談のスゴイ人』と評判になっていた。
近所のいじめられっ子、不妊で悩む高齢女性、当たらない占い師など、様々な人が彼女に悩み相談にやって来た。
そこに食いついた新聞記者が彼女に『悩みと私』の題でロングインタビューを敢行。話の流れで司令官の話を資料つきで掲載。
その新聞を読んだ兵士たちは納得した。
そうか、こないだの司令官の話はこういうことが言いたかったのか。
以来、兵士たちはブリーフィングには参加せず新聞読んで作戦行動を正確に把握した。