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大人の童話

作者: シゲさん

 昔、昔、地球から遠く離れたCOSMOS雲内に、高度に発達した文明を持つ宇宙人が住んでいました。

 しかし、あまりに高度に発達し過ぎたがゆえ、彼等は、今、重大な問題をかかえていました。

 食料不足という問題です。

 彼等の持つ高度な医療技術は、人口増加という問題を生じさせ、また、高度な土木技術に支えられた交通網の整備は、食糧を生産する場所を、奪ってしまったからです。

 宇宙人の大統領は、食糧生産に適した星を探そうと決意します。

 大々的に、優秀な科学者、技術者、宇宙飛行士を高給で公募し、生産に適した星を探すプロジェクトを立ち上げ、採用された者達も、使命感に燃え、日夜一生懸命 訓練に励み、そのかいもあり、ついに半年後、食糧生産に適した星を探す旅に、旅立つ事になったのでした。




 宇宙船は、銀河系を調査していました。

 広い宇宙空間をに点在する幾多の星を訪れ、食糧生産に適した星かどうかの検証する事、

 1年余り、いまだ、適する星は、見つかりません。

 当初、意気込み元気だった搭乗員達も、今では疲れ果て、船窓に浮ぶ暗い宇宙空間を、眺めていました。

 そこに、青くかすかに浮ぶ小さな星。空気も、水もありそうです。早速、搭乗員達は、調査を開始。

 気温、湿度、気圧等すべてに関し、食糧生産に適していそうです。

 彼等は、思わず歓喜の声をあげ、吉報を待ち望んでる大統領に報告する為、急いで帰還の途につきました。




 報告を受けた大統領は、歓喜し、そして、その星を地球と命名しました。

 高度の遺伝子操作技術を利用し、短期間のうちに急成長し、かつ、大量の食糧となる生き物を研究開発し、そして、それを地球に放牧し、この食糧不足を解決しようと考えた大統領は、以前にもまして大々的にそして高給で、遺伝子技術に詳しい科学者、技術者を公募したのでした。

 そして、今回採用された科学者、技術者達も、前回同様使命感に燃え日夜一生懸命研究開発を行い、半年後には、ついに数十種類の雄と雌の生き物を作りあげる事に成功し、その報告を受けた大統領は、早速生き物を放牧する事を命じまたのでした。




 前回、宇宙探査に使われた宇宙船は、今はフルスピードで青い星地球に向かっています。

 宇宙船内には、将来食糧難を解決するであろう作りたての生き物がいます。長旅は生き物を弱らせます。

 だから、フルスピードで地球に向かっているのです。




 ついに宇宙船は、地球に到着、周回軌道にはいり、搭乗員達は、船窓からどの地点が一番放牧に適する場所か調査を行い、いく種類もの調査の結果から数箇所の放牧場所が決定され、宇宙船はその場所に着陸、数十種類の雄と雌の生き物をまるで大事な宝物の様にやさしく慎重に扱い、そして放牧したのでした。

 すべての生き物を放牧し終えた後も、宇宙船は地球の周回軌道を回りながら、確かな足取りで成長する生き物の様子を観察を続けました。




 観察を続ける宇宙船に、「我が国民の食糧事情は、当初の予想を超えて深刻な状態に陥っている!もう少し生き物の成長を早められないか?」と大統領からの再三の無線電話!




 責任感の強い搭乗員達が、大統領の要求に答えられる良きアイディアが無いかと考えている時、船窓に映る地球の周りを公転している小さな星。搭乗員の一人がその星を見てヒラメキました。

 そして、そのアイディアを嬉々とし、そして多少自慢げに、次のように仲間達に語り始めたのでした。

「成長の速さは、気候に左右される要素が大きい。同じ遺伝子を持っていても、寒いところにすむ物は成長がおそく、温暖な所に住む物は成長が速い。地球には四季があり、夏は確かによく成長するが、冬の気温は成長を促進する気温とは言いがたい。そこで私は考えたのだが、地球の周りを公転している小さな星に、数機の大きいレンズを設置、それにより太陽光を集光し、集光した光で地球を照らしたら、地球に四季は無くなり1年中真夏となり、生き物の成長は数段早まるのではないだろうか!」

 この意見に対して、そんなに急速に成長させたら、肉質が悪くうまくない生き物しかできないのでは。

 現在宇宙船にはレンズ等の機材がないがどの様にするか。 等の問題が搭乗員間で議論されました。

 そして、搭乗員達は、、色々な意見が出尽くしたところで、この議論内容を大統領に報告し決断をあおぎました。




 報告を受けた大統領にとって、食糧事情は深刻であり、味の事などどうでもいいことでした。

 宇宙人の国民は、飢えているのです。空腹の時は、何でも美味く感じるはずと考え、レンズを設置する事を決定。

 早速設置する為に必要な機材器具、それらを運ぶ大型宇宙船、設置に必要な人員等の手配を1週間で行い、直ちに出発する様に部下に命じそして、この決定を、生き物の様子を宇宙船で観察している搭乗員に連絡したのでした。




 10台の大型宇宙船は、暗黒の宇宙空間をフルスピードで飛行しています。

 船内は、レンズ設置に必要な機材が整然と積まれているばかりでなく、大型冷凍庫も備え付けられています。

 この宇宙船は、機材運搬の任務だけでなく、成長した生き物を腐らせることなく持ち帰る任務も背負わされたのでした。




 地球に到着するや直ちに、地球を公転する小さな星にレンズを設置する作業にとりかかりました。

 宇宙嵐に耐えられるように基礎は、当初の設計値より安全率を高くとり頑丈に、レンズの組み合わせにより焦点距離が任意に調整出きる様に、そしてレンズは傷が付かない様に細心の注意を払い、作業は整然とすすめられ、作業開始から3週間後、設置工事は大体終わり、後は最終調整を残すのみです。

 最終調整とは、太陽光の収束をどの程度にするかを決定する作業です。あまり収束し過ぎると温度が上昇しすぎ、放牧した生き物は、死に絶え、収束が甘いと温度が上がらず成長が促進されません。

 地球上の色々な地点に温度及び湿度センサー等を取り付け、そこから送られてくる観測データーを見ながら、生き物の成長に最適な環境になる様に調整は、進めらました。

 その結果、地球上の環境は最適となり、宇宙人達が放牧した数十種類の生き物は、急速に成長しはじめ、その数も増え始めました。




 宇宙人達は、生き物が健やかに成長する様に宇宙船より観測し、生き物がインフルエンザにかかった時は、宇宙船より風薬を散布し、集団食虫毒にかかったときは、下痢止めの薬を散布しました。そのかいがあり、生き物は、当初放牧した数の数十倍に増加し、大型冷凍庫が、満杯になる量に達していたのでした。




 船内では、活発な議論がなされていました。どの様ににして生き物を殺し、大型冷凍庫に運び込むかと言うテーマーについてです。

 爆弾を投下して殺したのでは、肉に傷が付き食糧になりえないし、毒薬を散布して殺したのでは、肉に傷は着かないが、その肉は、宇宙人の健康上によくない。宇宙人達は、生き物の殺し方法に悩んでいました。

 船窓からは、太陽光を収束し地球に照射しているレンズが見えます。もう太陽光の収束の必要は無く、この装置を解体しなければなりません。この作業は大変そうです。




 前回レンズの設置を提言した搭乗員も議論に疲れ、今では無用の長物と化したこの装置を何気なく眺めていました。

 良きアイディアとは、一生懸命考えている時は出なく、精神を開放した時生まれるのが世の常のようです。

 この搭乗員は、今この状態にありました。装置を何気なく眺めているうちに、彼の頭の中にあるアイディアが、沸々と湧き出て来ました。

 そして、アイディアがまとまるやいなや、語りはじめました。以前と同様、嬉々として、そして多少自慢げに。


「今や無用の長物になってしまったと思われるレンズ装置こそ、我々が悩んでいる問題、つまりどの様にしたら、我々の食糧となる生き物を完全な形で捕獲出来るかと言う問題を解決するに無くてはならない装置である。我々は、収束した太陽光を地球にあて生き物の成長を促進した。発想の転換である。逆にレンズ表面に黒いペンキを何回も塗り、地球を照らす太陽光を完全に遮断したらどの様な事が予想されるだろう。地球上の温度は急激に下がり、生き物はすべて凍死するだろう。なんら我々の労力を使う事無しに、生き物を完全な形で、かつ食糧としての安全も高い状態で、捕獲できるだろう。宇宙船に積み込む作業が長引いたとしても、カチンカチンに凍っているから腐る心配もない」


 語りが終わるやいなや、このアイディアの素晴らしさにたいして、他の搭乗員から自然発生的に拍手が起こり、満場一致でこの案を採用することに決定したのでした。


 そして、宇宙人の大統領にこの案の実行の許可を取り付け、レンズにペンキをぬりはじめたのでした。




 地球上の温度は急激に下がり、生き物は死に絶え、そして、太陽光を遮断してから1週間後には氷点下を割り込み、生き物はカチンカチンに凍りついていました。その後、10台の大型宇宙船は地球に降り立ち宇宙人達は、大型重機を使ってそれらを冷凍庫に運びいれていました。氷点下を超える環境は、厚手の防寒着を着ているとはいえ、冷暖房の効いた環境でしか暮らしたことのない彼等にとっては、厳しいものでした。「寒い!寒い!」と言い、白い息を吐きながら頑張ったそうです。




 宇宙船の大型冷凍庫が一杯になると、今度は、地球の周りを公転している小さな星に設置したレンズ装置の解体に取り掛かりました。

 宇宙人達は、もう少しで帰れると思うとうれしくなり、最後の力を振り絞り、またまたがんばったそうです。

  


 そして、すべての仕事を終え、宇宙船は、フルスピードで帰還のとについたのでした。





             つづく!  つづく!  つづく!  つづく!  つづく! 




 追伸(1)

 現在発見されている恐竜は、鳥類の先祖などではありません!


       それは、


 宇宙人が、食用に放牧した生き物だったのです!


       それは


 大型冷凍庫が一杯になり、地球上に残していったものです!


       それは

 

 決して 鳥類の先祖でありません!


       だって


 かわいい小鳥と恐竜が親戚だなんて、読者の皆さん、信じれますか! 



 追伸(2)

 現在月にあるクレーターは、決して、隕石が月に激突して出来たものではありません!


       だって


 地球より遥かに小さな月に隕石が激突してクレーターが出来たとするなら、地球にも多数のクレーターが在ってもいいと思いませんか?

 読者の皆さん!


       それは 


 宇宙人が作ったレンズ装置の跡なのです!

 読者の皆さん!その様に思いません?








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