ジジイ、話が長い
その名を何と読むか。バシャリリスの言葉は読めないか。黄泉津国の方言のようなものだ。何?放っておけ。私はまだ妖魔王がこのシャツゲイナに君臨する前からこの地にいたのだ。中満の人間曰く、隣国の黄泉津国の名は正しくないらしい。ドクトルが言うには、そうだ。ヴァンナか。若者の言葉に聞こえる。妖魔王がかの地を黄泉津国と呼んだのは、イザナミの墓があったからだ。高天原の史実は、王の故郷で、さも己の国に存在してあったかのように言い伝えられている。誠、奇妙だ。高天原は天界、王の故郷は、人間界だ。全くの、別の世界。歩んできた歴史は異なる。知らぬ。天界は存在する。クシフォラスは人間界の存在を頑なに認めていたが、そういえば王の妃も、人間界から来た、と言っていたか。人間だけが存在する世界、やちるの言う楽園だ。だから天界は存在する。即身成仏のバイトで小銭を稼いでいたことがあってな。どうかな?人間界はやはり存在するだろう。世界の数は星の数だ。無数という数字が持つ可能性は、人間界の環境を持つ世界を作り出すこともありえるが、果たして妖魔王の言っていた人間界と一致するか。せんだろう。余りに膨大な数の確率に頼りすぎている。中満家の考えてることは読めん。しかしな、妖魔王、ディーオは確かに王となれた。黄泉津国の言葉は、バシャリリスの言葉を溶かした。言語統制をした、というような話は聞かぬが、黄泉津国の書物、歌が大量にバシャリリスに流入していったのだ。例え妖魔王がヴァンナを黄泉津国と呼び違えようと、確かに今のバシャリリスの言葉はそのときに形成された、黄泉津国の方言なのだ。おい。話を聞いてるか。だから。何。天界か。なら紫煙にでも聞け。中満家の令嬢であるが、彼女は頻繁に高天原へ行き来している。彼女と仲が良いのだろう?どうせならば、炉鬼尊の神社にでも行っておけ。ああ、そうだ。これな。紫煙に?いや、これは、何?何を遠慮だ?ああ、待て。持っておけ。私は使わん。まだ使えるだろう。これさえあれば、言語の壁など無い。概念語は、覚える必要は無い。便利だぞ。必需品だ。概念語機は、世界を旅行する上でな。行って来い。金?紫煙のとこでよろしくして貰ってやれ。或いは、何か仕事を探せ。もしかすると、行けるかも知れぬぞ?中満家に付いて行けば、いずれ
妖魔王が生まれた、日本にな。
思いついたことドバーと書きました