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【SF 宇宙】

完成体

作者: 小雨川蛙

 ある日、一人の男の子が生まれた。

 その子はいわゆる愚鈍な子で同年代の子供達に虐められていた。

 その子はとても悲しい思いをしたがかと言って虐めに立ち向かう勇気もないためされるがままだった。


 そんなとても辛い日々を追っていたある日。

 不意に世界中で新型のウイルスが流行り数えきれないほどの人々が死んだ。

 その子の周りでも多くの人々が死に、その子はほとんどひとりっきりになってしまった。


 ほとんど。

 そう表現するのには勿論理由がある。

 何故ならその子と同じように生き残っていた人達もいたからだ。

 しかし、奇妙なことにその生き残った人々は皆が虐められた経験を持つ人達で、元も子もない言い方をすれば愚鈍な人々ばかりだったのだ。


 そんな人々だからこそ、人間のほとんどが死に絶えた世界で生きていくのは難しい。

 けれど、全滅をしたりはしなかった。

 何故なら、愚鈍であっても彼らは皆人間の強みである知恵や知識をしっかりと持っていたから。

 しかし、愚鈍であるが故に隆盛することもない。


 彼らによって人類は辛うじて血を繋ぐ。

 云わばあり触れた生物として生きていことになったのだ。



 視点を広げてみよう。

 拡げ続けてみよう。

 例えば地球規模に。


 するとどうだろう。


 人間と言う種は地球の維持には非常に良い塩梅の能力を持っているとも言える。

 他の種族を滅ぼすこともなく、環境を汚すわけでもない。


 ある意味、それは。


 完成形と言えるのではないかと私は思う。

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― 新着の感想 ―
面白い考え方だと思います。 地球の維持にとって良い塩梅の生物。 地球を保護する役割の人間。実はほとんどの人間を滅ぼしたウイルスは地球が産み出したものなのかもなと想像しました。 また別のものも読ませてい…
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