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第二話

二話目です

第二話



 こ、これは一体どういう状況?

 お父様と目の前に立つ三人の男の子……着てるものは高価そうね、って事はいいとこの子って事は確定ね。もしかして私の従兄弟!? 私が寂しいって言ったからお友達として連れてきたとか! 今はそれが有力ね。

 でも……皆全く似てない。

 従兄弟だからかな、確かに前世でも全くそっくりな従兄弟なんていなかった。



「お父様この方達は……」


「ミア紹介しよう。今日からお前の兄と弟だ」



 まさかの兄弟〜!!

 え?? どういう事?何か事情があってこれまで離れて暮らしてたとか?

 それかお父様の……隠し子!?

 お、お父様はお母様だけを愛してたと思ってたけど。そ、そうよね。そういう話貴族だとよくあるわよね。それにお母様は私を産んで死んだって聞いた私は今12歳……12年もあいてるもんねお父様も人肌恋しくなるわ。



「ミア……何か誤解してそうだから言っとくが、私はエルロア以外と関係を持った事は無い」


「へ……!!」



 うそ! 私顔に出てた!?

 え……でもということはどういうこと?



「紹介する……ゼニアス。ルード子爵との愛人の子だったが母が死に奴隷のように扱われていたところを私が引き取った」



 お父様がそう言うとゼニアスと呼ばれた男の子がが前に出てきた。

 紺色の髪に緑色の瞳……び! 美少年だわ!!

 

 う! キラキラしてる!!



「ミフィロアお嬢様ゼニアスと言います」


「ゼニアス、兄弟になるんだ敬語は要らぬぞ。ミアもそれを望んでいないようだしな」



 え! お父様エスパー!? なんでさっきから私の思ってる事が分かるの!!

 確かに今日から兄弟になるなら敬語、ましてやお嬢様呼びなんて必要ない。

 見た目からして私より年上よね



「お父様の言う通りですわ。ゼニアスお兄様。どうぞ気軽にミアとお呼びください」


「え……あ」



 ゼニアスお兄様は戸惑ったように私とお父様を交互に見る。お父様が優しくにこりと微笑むと



「あぁ、よろしくミア」 



 まだ戸惑ってる様だけどそのうち慣れてくれるといいな。



「ハイル次はお前の番だ」


「…………ハイルだ。よろしく」



 素っ気ない挨拶をした茶髪の髪に灰色の髪の少年。これまた美少年だが所々かすり傷があったり包帯が巻かれている。背はゼニアスお兄様より少し低い。

 


「ハイルは平民の出だが毎日父親から暴力を受けていた。だがかなりの魔力の持ち主で私が引き取った」



 お、お父様そんな暗い話を笑顔で軽々と言います……??

 でも、ここに来たら暴力は無いと思うから一安心。



「ミアです。よろしくお願いしますわ。ハイルお兄様」



 にぱっと微笑んでおく。

 ちらっとハイルお兄様の様子を伺う。



「ふんっ」



 そう言って顔を逸らしてしまった。

 うむ、ハイルお兄様との信頼関係は少しづつ築いていくしかないな。


 となると最後はこの子か……



 ふわふわの金髪に蜂蜜色の瞳をした可愛い男の子。女の子と一瞬見間違うほどだが男の子の格好してるから男の子だろう。この中で一番幼い。他二人は暗い事情があったがこの子にもあるのだろうか。



「最後はユリウスだ。ユリウスはエルヴァーネット家の親戚の子だが両親が事故で他界し孤児だったところを引き取った」


「そうでしたのね。ユリウス、ミフィロアと言いますどうぞ気軽にミアお姉ちゃんって呼んでくれると嬉しいわ」



 ぷるぷると小動物のように震えてるユリウスに手を差し伸べる。

 ユリウスは今にも泣き出しそうだ。

 見た目からして五歳くらいかしら、その歳で両親と死別なんて悲しいわよね。お姉ちゃんとして優しく接しなきゃ!



「ミ……アおねえさま?」


「……!!」



 め、めちゃくちゃ可愛い!!

 何この子! 天使!?



「はい!ユリウス!」


「……ミアおねえさま!」



 ぱああっと可愛い笑顔を浮かべてユリウスが手を繋いでくれた。嬉しい



「ミアどうだろうか。こんな形になってしまったが弟が欲しいというミアの願いは叶っただろうか?」



 お父様が心配そうに私を見る。

 お父様、私が兄弟を欲しがっていると勘違いしたのね……。

 それにこんなお父様見た事ない……あの私の発言は相当なものだったのね。



「はい!!とても嬉しいです!三人もの家族が増えたんですもの!」



 それに不遇な三人を救えた事にもなる。

 これから私が幸せにしなきゃ!


 

「そうか良かった。ミアの言う通りこれから私達は家族だお前たちも私をお父様と呼ぶといい」


「それより、何故女の子はいないんですの?」



 私が不思議に思い聞くとお父様は爽やかな笑顔を浮かべ――



「ミアがこんなにも愛らしいから、女の子だとミアばっかり可愛がって贔屓してしまいそうでね……」


「な、、なるほど〜」



 にこっと笑ったお父様を見て私は執務室を後にした。

 他三人は屋敷の案内や部屋の準備等で別れた。

 部屋に戻ってきた私は内心うきうきだった。


 だって!! あんなに素敵な兄弟ができたんだよ!? 興奮せずにいられない……! 今すぐ仲良くなりたいけど焦っちゃダメよね……うーんユリウスはすぐに懐いてくれたからいいとして問題はゼニアスお兄様とハイルお兄様よね。


 ゼニアスお兄様は戸惑いを感じた。

 そりゃそうよね子爵の愛人の子が国に六つしかない公爵家の子になるんだもん。でも私の家族になったからエルヴァーネット家の一員地位とか気にする必要ないわ!

 ゼニアスお兄様には暖かく接しよう!


 ハイルお兄様は……平民の出って言ってたわね。しかも虐待を受けてたから簡単に心を開くはずはないわ。虐待を受けてたと言ってたけどハイルお兄様の瞳には恐怖のじゃなくて反抗の意思が見えた。強い心の持ち主なのね凄いわ。

 ハイルお兄様は……当たって砕けろ! いつもの私でいこう!!



 私は心の中でガッツポーズをとった



「お嬢様そのようなポーズをお取りになって何かありましたか?」


「わあ!!」



 執事いたの忘れてた! 恥ずかしい!!


読んでいただきありがとうございます!

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