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義母ですが、若返って15歳から人生やり直したらなぜか溺愛されてます ~やっぱりうちの子かわいい!~  作者: 富士とまと


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★皇太子カイン視点★

「いったい、このリストはどこで手に入れたのですか?殿下」

 リアから借りたリストを書き写したものを、皇太子派の信用置ける者に手渡す。父の従者の一人。宰相の息子ロバートだ。

「出所は言えない」

 リアの言っていることが本当であれば、深い意味がないリストなのだろう。

「娘に皇太子妃を目指せと言っている者が、王弟派というのは考えにくいだろう?」

「ええ、そうですね。そうなってくると……王弟派に寝返ったというのは……」

「混乱させて疑心暗鬼にさせ、こちらをかき回すためのデマだろうな」

 ロバートが頷く。

「本人が何と言っても、本当かどうか疑って結局のところ真偽が分かりませんが、娘に嘘を吐かせるということはないでしょうし。信憑性が高いですね」

「ああ、それからこのあたりの悪い評判のある人間のリストだが……。浪費癖と書いてある人物を見てくれ」

 ロバートが別のリストに目を通す。

「……浪費できるほどの資産がある家ではない名前がちらほらありますね。これは怪しい」

「だろう。どこから浪費するための金が流れているのか。王弟派につくことで金を融通するとでも言われているのか……」

「領地は狭いけれど場所的には王都に近く、何かあったときに逃げ道をふさぐことができそうなところ……ますます怪しいですね。調べてみましょう」

 ロバートの言葉に小さく頷く。

「それから、これだ」

 1枚だけ綺麗な紙に書いてあったものを写したリストを見せる。

「殿下の名前がトップに……公爵令息、ああ、辺境伯の名も……」

「おすすめ独身男性リストだそうだ」

 ぷっとロバートが小さく笑った。

「よかったですね、殿下。トップじゃないですか」

「当たり前だろう。って、そうじゃない、自慢しようとして見せたわけじゃないからな。妙だと思わないか?」

 ロバートが改めてリストに目を通す。

「おおむね上位貴族の子息が並べられていますね。……その中に、公爵家が1つしか入っていない……3つあるうち、独身子息がいるのは二つ。そのうちの1つが入っていないというのは……。ですがあの家は皇太子派ですし」

 ロバートの言う通りなのだ。

 いくら探りを入れても怪しい点はなかった。王弟派とのつながりは見つからなかった。

「ただの、杞憂であればいい。だが、このリストに載らない理由が何かあるのは確かだろう。その理由が我々を裏切ろうとしていることにつながるとも限らないが……」

 女性たちの情報網をただの噂だと一蹴することは危険なのだろう。女の勘というのはあてにならないと父も口にすることがあるからな。

 母の女の勘に助けられることがあったと……そう言っていた。

「分かりました。今一度別の角度からも調べるよう命じておきます」

「ああ、頼んだ」

 ロバートがリストを改めて眺める。

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「それにしても……。大したものですね。これだけの……我々でも知りえなかった情報を集めるとは……」

 確かにな。

 それも……わずか1か月の間だ。

 リアが入学してからわずか1か月。

 レーゼレーラたちを味方につけ、あっという間に学園の女性トップに君臨してしまった。

 特に反抗勢力も発生しなかったのは、それまでトップだったレーゼレーラがあっけなく陥落したからか。

 それとも……なにか別の方法を使っているのか。

 リードルが手を貸しているとも思えないし、エリエッタのようなタイプならば丸く収めるよりも力づくで抑え込みそうだし……。

 どんな手を使ったのか……。

 あのかわいらしい見た目からは想像もできないほど策略家なのか。それとも天然なのか。

「かわいい王子……か……」

 彼女の前だと、まるで本当に自分が子供に返ったような気になるから不思議なものだ。

 かわいいと子供扱いされるのが不快じゃない。

「何かおっしゃいましたか殿下?」

「いいや。ロバート、お前はかわいいと言われたら嬉しいか?」

 ロバートが目を見開いた。

「ふっ、そうですね。可愛い人ねって、それは甘えられる女性に言われる言葉ですからね。まぁ、そりゃ、甘えさせてくれる女性は好きですね」

 なるほど。

「まぁ、逆に甘えんな!と叱ってくれる女性も魅力的ですけど」

 なるほど。

「ロバートは意外と経験豊富ということは分かった」

 ロバートがふっと笑う。

「まぁ、どちらもうちの奥さんなんですが」

 のろけかよ!

「で、殿下……誰かに可愛いって言われたんですか?ふふふ、甘えちゃったりしたんですか?」

 ニヤニヤとするロバートの頭をぺしんと叩く。

「さっさと仕事しろ」

 ロバートがリストを手に必要な書類を書き始める。

「まぁいないでしょうねぇ、学園には。カッコイイと言われることはあっても、殿下をかわいいと甘やかしてくれる女性。隙がないもんなぁ殿下。かなり年上の女性ならありえなくもないだろうけれど……。かなり年上の女性を妃に向かえることはできないですもんねぇ……」

 ロバートがちらりと俺を見て何かをつぶやいた。


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