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「でも、トータルの条件なら俺が一番なんだろ?」
それは、青薔薇会会員がつくったおススメランキングですから。私の個人的意見ではありません。
「俺、おススメ物件だって。俺からも、リアちゃんにおすすめするわ。俺と結婚しない?」
「はぁ?だから、なんでそ……」
私って、もしかして、余分なこと言いすぎなの?
黙れとばかりに口をふさがれました。……えーっと、今朝のリードルと同じように……。
いや、これは、キスというやつじゃないですかね!王都ではキスカウントしないんですかね!
「はい、既成事実。結婚しようか」
唇を離すと、殿下があっけらかーんと口にした。
「き、既成事実じゃないでしょう!挨拶の延長上よね?こ、こんなの、家族とだってするやつでしょう!もうっ!」
ぷすっとほっぺたを膨らまして抗議する。冗談ですることじゃないよっ。もうっ。
「あはは、既成事実って何か知らないほど子供じゃなかったか!」
知ってますって。そもそも子供じゃないし。
「もう、このリストは貸してあげますけど、すぐに返してくださいね!それから、殿下のこと本当に好きな子もいるんです。地位とか親に言われてとかじゃなくて……。気持ちを向けてくれる子たちのこと……気持ちに答えられないにしても、その……」
「うん、ありがとうリアちゃん」
はい?なんでお礼言われるかな?首をかしげると、殿下が私の髪を一房手にもった。
「気持ちに答えられなくて申し訳ないって気持ちで俺が落ち込むかもと思って心配してくれたんでしょ?」
……それは少しある。殿下優しいもん。
なんだかいたずらっ子だけど。……そういやぁ、リードルが弟がいたらこんな感じなのかと思ったとか手紙に書いてたなぁ。
あれ?エリエッタと殿下が結婚すれば義弟……。
うわぁ、もしかして、リードル、殿下が弟になることを心の奥底で臨んでたり?
ちなみに、私と殿下が結婚したら、義父?どういうことになるのやら……。いや、結婚しませんけどね!
「心配しちゃうって、もうそれ好きっていうことじゃない?」
にこっと笑う殿下。
「好きですよもちろん。リードルお兄様の大切なお友達ですから」
我が子が選んだ友達に悪い人なんているわけないし。子供の友達みんなイイコ。嫌いになるわけないですよ。
「あー。なんか、違う。そうじゃない。まぁいいや。こういうやりとり嫌いじゃないから。じゃぁ、これ、借りてくねー!」
殿下が立ち去るのを見送る。
うーん……リストがなくなってしまった。あれを見ながら、どういう人なのかと照らし合わせてみようと思ったのに……思ったけど。
よく考えたら、名前だけ見てもどれが誰か同じクラスの人以外分からないのよね……。レーゼレーラ様か誰かにご一緒してもらわないと……。