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「え?」
「二重丸がついている生徒は、本当に殿下のことを好きな子です。家族になる前から殿下のこと愛してますよ。あと、親に皇太子妃に見初められるように頑張れと言われているだけの子でカッコに別の人の名前があるのはその子が好きな人の名前です」
「じゃぁ、あのリストにない子は、俺のこと好きじゃないってことか……」
「いえ、すでに婚約者がいるとか、親に皇太子妃になれと言われてないとか、あとはえーっと、リードルお義兄様のことが好きだとかで、そんなみんながみんな殿下のことが好きなわけはないでしょう?っていうか、ああああ、まさか、俺のことが好きじゃないなんて不敬だ!とか言いませんよね?」
殿下の肩が震えだした。
「あははは、リアちゃん、俺のことそんなバカ王子だと思ってんの?」
うひー、今度こそ不敬発言しちゃいました?
「思ってないですよ!っていうか、そんなこと言う王子はバカ王子じゃなくて、幼くてかわいいなって思います」
皆僕のこと好きになって寄って心の訴えだよね。それをうまく表現できない……し、愛の求め方を知らなくて、好きな子を思わず虐めちゃう子供みたいで……。
「は?いや、リアちゃんって、ときどきおかしなこというよね?」
しまった。若者っぽくなかったか!
「まぁいいや。このリスト借りてもいい?」
え?
「す、すぐ返してくださいよ!絶対に!」
私もレーゼレーラ様から借りたんだもの。又貸しになっちゃう。悪いことだけど、殿下に逆らって返してくれとは言えない。
「で、こっちの男の名前が書いてあるほうは何?」
「結婚相手にふさわしいかどうかのリストです!女癖が悪い、浪費癖がある、悪い人との付き合いの噂があるとか」
「ふーん、この1枚だけ綺麗な紙に書いてあるのは?」
「そっちのは」
ああ、私、気が付いたらペラペラと全部喋ってる!ぎゃーっ!
「俺の名前が一番上、その下が公爵家嫡男、あれ?地位の高い男の順番じゃないのか……あっちの公爵家抜けてるな、おや?リードルが5番?これ何?いい男ランキング?リードルが5番?リードルって順位低いなぁ。そっか、で、俺が1番?」
うー、うー、うー、うー。
「うきぃー!リードルはいい男です!これは結婚相手としてお勧めな男性ランキングで、リードルが5位なのは、領地が王都から遠いから、ただそれだけですっ。顔とか性格とか本人だけのお勧め度なら、リードルが一番、一番はリードルですからっ!」
あっと、思わず我慢しきれず殿下をしたからにらみつけて叫んでましたよ。
だって、うちの子一番……。
「そうだなな、それは認める。このリストの中なら、リードルが一番だな」
お?
「さすが殿下!分かってますね!」
いい人だわ。殿下。見直しちゃった。




