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うおお、二重丸多い。さすがうちの子、モテモテですね。
って、私の義娘になるかもしれない子リスト……ちょっと複雑な気持ち。
「素晴らしく細かな情報ですわね……」
「まぁ、お茶会を何度も繰り返していれば、話の内容のほとんどが恋バナですので……」
それからと、今度は男子生徒のリストを見せられる。
「残念ながら男子の情報はまだ集めきれておりません。婚約者がいる人はこちら。付き合っている人がいる人、女性にだらしない人、このあたりは女生徒から情報が洩れています。暴力的だとか、浪費家だとか悪い噂はすぐに集められるのですが……。思い人がいるかどうかまではちょっと難しいですね……情報源となる男子生徒を今は取り込んでいるところです」
おお、なんだかすごいスピードで青薔薇会は進んでいるみたいです。
「それから、こちら!」
他の用紙に比べて、ちょっぴり豪華な模様入りの紙をレーゼレーラ様が取り出しました。
「超おすすめ男性一覧、つまり、VIP男性リストですわ!」
おおおおお!
「筆頭は当然皇太子殿下ですわね。悪い噂も聞きません。ただ、マイナス…としては王妃教育を受けることになり大変ということでしょうか。次に残念ながらリードル様ではなく、公爵令息ですわ。昨年卒業した方のお兄様に当たります。探りをいれたところ、まだ婚約していらっしゃらないということで。今年20歳。悪い噂も聞きませんし、公爵家も問題はありません。もう一つの公爵家は最近あまりよくない商人が出入りしていると商業ギルドに顔が聞く子爵令嬢からの情報が入りましたので……おススメリストには載せておりません。それから3人目もリードル様ではございません……あの、気を悪くなさらないでくださいねリア様。リードル様が5番目なのは、王都から領地が離れているというところがマイナス要因なんですの。ああ、もちろん田舎だという話ではありませんわ。王都に近くに家族がいるとなかなか会えなくなって寂しくなりますので……」
そうね、そうね。そうね!私だって、リードルもエリエッタも領地にいて一人だけ王都とかいやですもの。地理的なこと大事。
……と、それにしても。すごい情報量。商人サイドからの情報もあったり……よくない商人って何かしらねぇ?投資を持ちかけっれて詐欺られるとかいう方向かしら?信用が置けない者が近寄ってくる家の人間は確かにあまりよろしくないですね。
「お借りしてもいいかしら?」
「ええ、もちろんですわ!」
リストを手に青薔薇会密会の場を後にする。




