表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
義母ですが、若返って15歳から人生やり直したらなぜか溺愛されてます ~やっぱりうちの子かわいい!~  作者: 富士とまと


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

33/59

33

 きゃぁーという黄色い声が周りで上がる。

 ちょっと殿下っ!男色疑惑がリードルについちゃうでしょ!

 殿下が男色だったとしてもどーでもいいけれど、うちの子巻き込まないでくださいよっ!

 ああ、でも待って……。

 私、親として偏見を持つつもりは無いの。

 リードルが男の人が好きだというのなら、それはそれで応援するわよ?

「リードルも、殿下のこと愛してる?」

 こそっとリードルに聞いたら、リードルはぶはっと噴出した。

「冗談じゃない。僕が好きなのはお義母様です!」

 そういう好きを尋ねたんじゃなくて、恋愛的な話を聞いたんですけどね?

 ……まぁ、どちらにしても、恋愛的な感情を殿下に持っているわけではないということですね。

 それでは。心置きなく、青薔薇会で持たされる情報を元に、婚約者探しをしなければ……。

 でも、嬉しいから、私もリードルに伝えておこう。

「リードル、私もあなたを愛しているわ」

「お……義母さ……」

「さぁ、かわいい義息子。どれほどダンスの腕が上達したか見せてちょうだい」

 リードルがけっつまづいた。

 ありゃ。ドジな子。でもそういうところもかわいいんだけど。いや、親ばか親ばか。ほっといてください。

 リードルがしっかり力強く私をホールドする。

 んん?

 んん?

 リードルの胸が私の目の前に。

 ありゃぁ。リードルが見上げていたのに、今は私が見上げないといけない。大きくなったなぁ。……当たり前だけれど。

 そりゃそうだよね。もう17歳だ。

「お義母様、殿下と何を話していたんですか?」

 リードルが私の頭に顔を載せるようにして尋ねてくる。

 おや?こういうの覚えていますよ。

「僕のお義母様だぞっ!」

 と、使用人の子供を抱っこしたら嫉妬したリードルが泣きそうな顔で飛んできたんでしたね。

 ふふ。そうかぁ。そ、う、か、ぁ。によによ。

 気になっちゃいましたか。

 大丈夫。さすがに、殿下のママになることはありませんよ。だって、それって王妃ですよ?お王妃様は生きていらっしゃいますよ?

「えーっと、何を話していたんでしたっけ……ああ、そう、エリエッタが1番じゃなくて何故私が1番なのかと不思議がっていましたね」

「ああ、それか。そんなのお義母様が一番に決まってるのに、殿下には分からないんだな……と、分からないか。むしろ分からなくていい。お義母様のすばらしさは僕だけが知っていればそれでいいんだ……」

 もにょもにょと何かリードルがつぶやいていますが、何を言っているのか聞き取れず。

「お義母様……リア……」

 おやおや。まるでダンスのホールドが私を抱きしめるみたいな形になってますよ。

 いくら身長差があって、私の手が短くて距離が近づきがちとはいえ……。

 ……踊りにくいんでしょうね。5歳のリードルと踊った時、私も不自然な体制で結構大変でしたし。

 なるほど。身長差があると、ダンスが大変。メモメモ。

 リードルのお嫁さんになる人はある程度身長があった方がいいかもしれません。新たな発見です。

 曲が終わりました。

「ごめんね、リードル。疲れたわよね」

「疲れ……あ、お義母様2曲続けて踊って疲れてますよね?もっと踊りたいけれど……」

 リードルが私をエスコートしてダンスホールから出る。

 私が疲れてる?

 そういえば……。2曲も続けて踊れば、疲れていましたね。30歳を境目に、どんっと体力の衰えを感じて……。

 ……んん?

 あれ?疲れていない。20歳若返ったおかげか……なんだか体が軽い。まだ、なんか全然いけそう。

「リードル、もっと踊りたいなら、ほら、次はエリエッタでも別の女性でもいいから踊っていらっしゃいな」

 リードルの背中をぽんっと叩く。

「え?お義母様は?」

「えーっと、ちょっと休憩?」

 リードルが頷くのを確認してから、パーティー会場となっている広間を出る。

 広間を出て、走ってみる。

 全力疾走!

「ひゃー。体が軽い。早い。すごい。うわー、あの頃の体力が戻ってる。何て素敵なのかしらっ!」

 それにしても……この体の軽さ、動き。

 鍛錬をやめる前の、私が一番動けた時の状態よね?

 すごい、すごい、すごい、すごい!再び鍛錬を始めたら、騎士になれるんじゃないかしら?

 ……1年生の間は、普通科のみ。

 2年生から、広く色々学ぶ普通科と、普通科に比べて剣術や馬術や護衛術などの授業が多い騎士科と、逆に剣術などの授業がいっさいなくなる領主科に別れるんでしたわね。たしかリードルから貰った手紙に書いてありました。領主になる予定だけれど、剣術などの授業も受け続けたいから普通科を選ぼうと思うって。

 ちなみに、女性は家を継いで領主にはなれないんですが、優秀な妻を迎えて領地運営を支えてもらおうという人もいるため、領主科に女性もいますし、王女様や女王様などの女性の警護には女騎士が必要ですから騎士科に女性もいます。どちらも少数らしいですが。

 騎士科に進学すれば男子生徒も多いから、青薔薇会の情報もより多く集めることができるんじゃないかしら?エリエッタの婚約者探しがはかどりそうですよ。やっぱり、強い相手がエリエッタにはいいかしら。

 いえいえ、賢い相手が好きかもしれません。

 ああ、なんていうことでしょう!

 私ったら、エリエッタやリードルの好みを確認もしていませんわ!

 やっぱり、一番大切なのは、好みよね。

 リードルはどちらが好みなのでしょう。大人しい女性か、活発な女性か。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ