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「ええ、主だった独身貴族に、有力な商家の子息……皆で力を合わせれば、とても有益な情報が集まりますわ!きっと!」
「そうですわね!女性の情報収集力の腕の見せ所ですわ!」
……なんだか、目がランランとして怖いくらいだ。
えーっと……。
エリエッタがちょっと冷めた目で令嬢たちの様子を見ています。
「お兄様の欠点ならば私が死ぬほど語らせていただきますわ」
ええええ?エリエッタ?
「あら、エリエッタ様は、お兄様がどなたかの目に留まることに嫉妬なさっていらっしゃいますの?大丈夫ですわ。リードル様に関してはわざわざ情報を集める間でもなく、素晴らしい方だと皆がご存知ですもの」
レーゼレーラ様がニコリとほほ笑む。
「本当ですか?そうなんです!うちの息子……じゃない、リードルお義兄様はとても素晴らしい方なんです!そろそろ婚約してもいいと思っているんですよ!ですから、あー、そう、情報収集がてら、女生徒たちが、誰に婚約者がいて、誰が皇太子妃になりたがっていて、誰がお兄様に興味があるかとか……そういったことも分かると……」
レーゼレーラ様がほほ笑んだ。
「リア様はお義兄様思いでいらっしゃいますのね。ええ、もちろん。3年生2年生の女子のことはほとんど存じております。この学園の女生徒をまとめる責任もありましたので……」
ええ?
まとめる?
「も……もしかして、学園で一番位が高い女生徒はは、学園の女生徒たちのまとめ役……にならないといけないのでしょうか?」
私?えええ?
無理でしょう。無理、無理。
「問題ありませんわ。私も入学したころは、3年生のそれまでまとめ役だった伯爵令嬢……マルガレッタお姉様にご指導いただきましたの。リア様がおいやでなければ私共が全力でサポートさせていただきますわ」
「ありがとうございます!では、全力でお任せいたします。できれば、2年生、1年生にも全力でサポートしていただける方をご紹介願いたいのですが……」
丸投げいたします。そうします。
だって、私には、まとめ役なんてどうやったって無理です。
「分かりました。心当たりがございます」
と、いうことで。
秘密結社、よりよき婚約者探しのための情報収集隊が結成されました。
……ええ、勝手に命名いたしましたが。
「よかったですわね。エリエッタ。頼りになる先輩がいて」
「……お義母様……人を操るのお上手ですね……」
ん?




