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過去作です。なろうに投稿してなかったので投稿します。
「お義母様、結婚したいですっ!今すぐにでも!(お義母様と)」
17歳になった義理の息子リードル。
すらりと伸びた身長に鍛えた肉体。大人びた顔つきをときどき見せるようになったかわいい息子が顔を真っ赤にしている。
「そうね、リードルももう17歳だもの。任せて!私が良い相手を見つけてあげるから!」
「み、見つける?そうじゃないですっ。僕はお義母様が、その……」
見つけるんじゃない?
「あ!もしかして好きな子がいるのね?」
リードルが頷く。
「じゃぁ、リードルがその子と上手くいくように、手伝ってあげるわ!」
リードルが両手を広げて、私を胸に抱き寄せた。
大きなリードルの胸。
出会った頃は私の腕にすっぽり収まっているほど小さかったのに。10歳になる頃には身長が並び、17歳の今は私の方が子供みたいだ。
「好き……お義母様……好きだよ」
まぁ!手伝ってあげるってことに感激しているのね!
「リードル、私もリードルのこと大好きよ!」
「お義母様、結婚しよう」
ん?
物語の始まりは、今から12年前……。
「お義姉様、いい加減どこかへお嫁にいてくださらない?25歳にもなって家にいるなんて恥ずかしいわ」
「そうだよ。小姑付きだなんて、結婚相手も見つからないよ。邪魔なんだよ」
10歳年の離れた双子の義妹と義弟の主張に、父が持って来た縁談は年の離れた辺境伯の後妻だった。
「良かったわね、お義姉様のように何のとりえもない社交界デビューすらできないような人でも嫁の貰い手がいて」
「戻って来るなよ!お義姉は伯爵家には必要ない人間なんだからなっ」
好きで行き遅れたわけではない……というのは言い訳にしかならないのだろう。
社交界デビューをするはずだった15歳で、私の運命は変わってしまったのだ。
15歳の年に、5歳の義弟妹を残して義母が亡くなった。
それからは義母の代わりに伯爵家の女主人の仕事を引き受け取り仕切ってきた。幼いのに母親を失ってしまった義弟妹を母親代わりに世話もした。
あっという間に10年が経ち、気が付けば25歳で行き遅れとなっていたのよね……。
「かわいそうに、シャリアお嬢様。伯爵様も酷うございます。……親子ほど年の離れた人の後妻に差し出すなんて……」
侍女のマリーだけが私が嫁ぐために馬車に乗り込むのを見送ってくれた。結婚式もあげず、ひっそりと嫁ぐ私が乗る馬車を。
ご覧いただきありがとうございます!
こちら何年か前に書いた作品です。なろうに置いてないのに気が付いたので今更ですが投稿します。
第一部完結まで書いてあります。
義母物であり義姉物であります。
憎しみ合う関係はありません。仲良しです。