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プロローグ
辺りは怒号と罵声で溢れていた。
周りの大人たちはお互いがお互いを嫌悪し、掴み合い、殺し合いにまで発展している。
そんな中でも私はどうすることも出来ない。
頼れるお兄ちゃんも私と同じようにどこかに連れていかれてるはず、誰の助けも来ない。
そんな事を思っていた。
しかし聞こえる。私を呼ぶ頼もしい声。
「お兄ちゃん!!」
呼応するように私も出せる限りの声を張り上げた。
お兄ちゃんは素早く私を抱き上げ、形容しがたき地獄絵図ともとれるその場から必死に逃走した。
私たちには帰る場所も行く宛てもない。
でもお兄ちゃんは私を抱える手に力を込めて言った。
「デリベル。この命に変えてでも絶対にお前を守る。」
初投稿。拙かったらすまない。