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とある菊の節句の出来事

作者: 白鷺雪華

今宵は重陽の節句。または菊の節句

ひな祭り、こどもの日と並ぶ五節句の一つである。


あたしは朝の支度を終えてのんびりと本を読んでいた。

「今日が菊の節句ってのは知ってたけど、

具体的にどんな日なのかは知らないな」

「ふ〜ん、菊が咲き乱れる季節だし、

無病息災や長寿を願って宴などが開かれた……か」

「無病息災を願うってのは他の行事でもあるよね。

菊酒や栗ご飯を食べることがある……か」

「菊は難しいかもしれないけど、栗ご飯ならできるな」

あたしは頭の中でリストを作成しながら立ち上がる。

今日は栗ご飯だなっと計画しながら外出の用意を始める……



時間は少し進み、普段使いのスーパー店内

あたしは買い物かご片手に買い物を楽しんでいた。


「食用菊は……さすがにないか……」

食用菊を探しているとあるものが目に入る。

「おっ! たくあんっていいんじゃない?」

食用菊はないみたいなのだが、

馴染みのあるたくあんに目をつける。

「これなら同じ黄色だし、華やかだしこれにしよう!」

「あとは栗ご飯だから栗ね……あった!」

生栗を手にしてかごに入れる。

「地域によっては茄子も食べるって書いてあったな……」

「いいねいいね。茄子もまだまだ季節だからね」


その後も浮かんでいるレシピと照らし合わせながら、

食材やお酒を吟味して選んでいく。

そして買い物を終えて帰宅したあたしは早速土鍋の準備を始める。



それから数時間後……


料理が完成してテーブルにセッティングすれば、

今宵のディナーの幕開けである。


茄子のお味噌汁、たくあんを散らせた土鍋栗ご飯、生野菜サラダ

肉や魚は今回は一休み。

植物性食品で体を整えようではないか。

「いただきます」と手を合わせて感謝を込める。

まずは茄子のお味噌汁を一口飲む。

「ふぅ〜 体が温まるし、気持ちも落ち着くね~」

トロトロの茄子と人参、玉ねぎなど野菜のみなので、

くどくなく五臓六腑に染み渡っていく。

「栗ご飯は栗がホクホクして最高だね!

散らしたたくあんも目にあざやかで食感もいい」

たくあんのポリポリした食感がアクセントとなり、

ご飯はもちろん、お味噌汁やサラダも引き立ててくれる。

もともとご飯との相性が抜群なのだから

これは必然というものである。

あたしは言葉を発することなく、

自然の恵みをゆっくりかつ濃厚に味わっていく。


「ごちそうさま」

箸を置き、手を合わせて自然の恵みにお礼と感謝を込めた。



それから数時間後……


あたしは一人飲みを楽しむためにテーブルにお酒とグラスを置く。

食事とお酒は分けて楽しむタイプなのだ。


グラスにお酒を注いで一口口に含ませる。

馴染み深い味わいと香りが舌と鼻をくすぐる。

「ふふっ やっぱりあたしにはこのお酒があうな~」

「もちろん美味しいお酒は無数にあれど、

高ければいいってものじゃないしね」

「外飲みならともかく、家飲みは

そんなに高いお酒じゃなくていいしね」

「高い安いなんてどうでもいいし関係ない。

自分にあって、納得できるお酒が見つけられるかどうかだよね」

自分の考えに納得しながらあたしは一口お酒を飲んだ。

酒は百薬の長なんていうが過ぎれば毒だ。

何事もほどほどがちょうどいい。



野菜や発酵中心の食事、適度な運動、

睡眠のゴールデンタイムをほどほどに続けたあたしは

今年も病気知らずで過ごすことができた。


来年は菊を眺めながら恵みをいただきたいな……

その時はなにを作ろうかなと

イメージを膨らませながら「ふふっ」と微笑んだ……

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