2 新しい家族
2000年のとあるいつのもの日曜日。
私と優斗はコーヒーを飲みながら、テレビを観ていました。
私は、この日も子犬の事でモヤモヤとして悩んでいました。
しかし、とうとう、私は決心がついたのです。
私は、新しく家族を迎え入れようと思いました。
私はおもむろに優斗に話しました。
「優斗くんさ、犬飼ってもいいかな?」
「別にかまわないよ?ここのマンションペット可だし」
「だったら、ペットショップに連れてって!!」
「今?」
「そう、今直ぐによ!!」
「わ、分かった」
優斗はハトが豆鉄砲を食らったような表情をして驚いていました。
急いで、着替えを済ませてくれました。
正直に話すと、優斗とは結婚して5年が経っていました。
夫婦生活もあまり良くありませんでした。
夫婦の愛情とは平均して3年くらいで終わるようです。
私は、そんな環境を少しでも変えたかったのです。
それに私と優斗には子供はいませんでした。
何かお互いのかすがいになる様なものが欲しかったのかも知れません。
でも、飼うからには、最後まで看取る覚悟はできていました。
優斗は、直ぐに車を出してくれました。
手始めに、ペットエコ行くことにしました。
でも、ペットエコに行ったら、赤毛のロングの子は居たですが、他のお客さんが品定めをしていました。
お店の人に他に赤毛のロングは居ないの?と聞くと、別館に居ますと、言ってくれました。
彼女は、私に3000円割引クーポンを渡してくれました。
それを受け取った時、とても複雑な気持ちになりました。
優斗にヨネヤマまで行ってもらいました。
そこで、話はもう通っていたので、赤毛のロングを見せてもらいました。
確かにダックスだったけど、鼻は短いし、胴も短いし、ちんちくりんな感じのダックスでした。
でも、その子は一生懸命私に「お家に連れてって、連れてって!!」って私に言っているのです。
その姿を見て、私は即決しました。
この子を我が家に連れて帰ろうと思いました。
「この子、連れて帰りますから。お願いします」
私は店員さんにそう言いました。
子犬はトリミング室で赤い可愛いリボンをつけてもらいました。
小さなお耳に可愛いリボンが似合っていました。
こうして、赤毛のダックスは我が家にやって来ました。
まだ、幼児でティシュの箱にすっぽり入ってしまう程の小さな子犬でした。
私は、帰りの車の中、子犬が入っている箱を大事に持っていました。
私はとても嬉しくて、嬉しくて仕方がありませんでした。
これから、この赤毛の子と沢山楽しい事ができます。
考えただけでワクワクしました。
これが2000年9月10日の出来事でした。