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東方賢者録  作者:
第一章 第三の賢者
9/9

幻想は現実から見えるのか?

あの二人組の登場です。(魔理沙の出番はもうしばらくお待ち下さい)

あと桂朔の仕事も分かります。

魔理沙が平行世界に旅立ってから数日。桂朔は外の世界の拠点にいた。


「夢の世界、『蓮子』・・・」


彼女が読んでいるのは幻想郷縁起、未解決資料の項に記載されたメモ。賢者として幻想郷の存在を外の世界から隠すのが仕事の彼女にとって、この資料は見過ごせないものである。しかし、誰がこのメモを書いたのか、どうやって幻想郷に入ってきたか、そもそも生きているのか、何も判明していない。


「やはり、彼女の力を借りるしかないか」


桂朔は、胡散臭く皮肉屋な夢の管理者の顔を思い浮かべる。正直言って会いたい相手ではないが四の五の言っていられるような状況ではない。大異変を前にして仕事は少しでも片付けておきたいのである。


なお、何らかの理由で幻想郷と外の世界を行き来できる外来人が現れた際は幻想郷の存在を秘匿するよう契約を結ぶ事になっている。オカルトボール異変の主犯、宇佐見菫子はその契約を了承したことで幻想郷に来れている。


それでは、もし断ったら?永遠に首と体が泣き分かれることになる。


閑話休題。


そんな訳で、彼女は非常に不本意ながら夢の管理者の元に出向くことに決めた。


「香仙。いるか?」


「ここに」


「少々出かけてくる。お前はワーハクタクに会って幻想郷の過去1000年間の資料―特に迷いの竹林関連の物を調べてきてくれ」


「了解です」


そして運命の歯車は動き出す。






二人の女子大生がいた。


「じゃ、不老不死の薬が手に入ったら蓮子は使うの?」


「不老不死の薬?もちろん使うわよ」


蓮子と呼ばれた方は黒髪、黒の眼。片方は金髪、青の眼。


「物語なんかで不老不死は辛い事とされているのは何故だか分かる?あれはみんな欲深さへの戒めと権力者への反抗を謳っているだけよ。でもそれが反対に不老不死の薬の実存性の裏付けになっているわ」


そして蓮子は足を止める。


「不老不死は死が無くなるんじゃなくて、生と死の境界が無くなって生きても死んでもいない状態になるだけ。まさにの顕界でも冥界でもある世界―ネクロファンタジアの実現だわ」


彼女の名前は宇佐見蓮子。「星を見ただけで今の時間が分かり、月を見るだけで今の場所が分かる程度の能力」を持つ、世界の仕掛けが全て見えている女子大生。


「生と死の境界。それが無くなった人間は、果たして人間と呼べるのかしら」


彼女の名前はマエリベリー・ハーン。「結界の境目が見える程度の能力」を持つ、ちょっと変わった夢を見る女子大生。


二人の運命は既に動き始めている。

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