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気まぐれ妖精



 イーシャが同じ宿を使うようになって三日経過したが、思っていた以上にアピールを食らった。

 アピールといっても朝食と夕食を一緒に取って色々な話を聞くという感じだけれど。



「例えば俺はスピネルランクなわけだけど、キミコの奴隷になった場合は奴隷だから冒険者としての資格は無くなる」


「えっ大変じゃん」


「いや、キミコの奴隷枠だから全権キミコ持ちになるだけ。スピネルランクじゃ無くなるとはいえ俺が達成した依頼はキミコのポイントになってキミコのランクが上がるし、キミコのランクが上がれば実質俺のランクも上がるのと同じだからねえ」


「……というか全権私にって、イーシャはそれで良いの? 私、クダの時はよくわからんまま押されちゃったんだけど」


「うん、全力で押したー」


「全権任せるっていうのはやらかした時の責任もキミコに行くっていう事なんだけど、そこで俺の心配をしてくれるのがキミコだよね。ただその気遣いの分だけ俺を奴隷にしようっていう気持ちになり難そうだから、いっそ俺も強めに押しちゃおうかなあ」


「既に結構押されてると思うんだよね私は!」



 そんな感じでこちらのシステムを聞きつつアピールを食らう感じである。

 興味深い話を聞けるのでありがたいが、責任取れるかみたいな部分がどうにもこうにも。


 ……ペット飼う時もそうだけど、全責任がこっちに来る分、相手の人生背負うだけの覚悟が要ると思うしなあ……。


 クダの時は成り行きとごり押しだったとはいえ後が無い事もあり腹は括っていた。

 しかしイーシャの場合はまた違うし、明らかに実力がありそうなので自分が背負っても良いんだろうか、みたいな葛藤がある。


 ……や、クダも相当に実力あるっぽいけどさ。


 そういうの考える余裕のない状況下だったのであんまり深く考えにゃい。



「というわけでどうしたら良いか助言ください」


「偶然再会した冒険者仲間に聞く時点で相当に考えが煮詰まってると考えるべきか、殆ど答えが出てると見るべきか……」


「でもヨルムンガンド族相手でも普通に対応出来た辺り凄いと思ったけど、まさか重種のケンタウロスに奴隷にしてって言われるなんてすっごいわね!」



 川の近くで偶然再会したザグテは困ったように苦笑し、カプゥは牛の顔で笑みを浮かべた。

 カプゥのその顔は牡牛な気がするが、まあ人外なので性別はあまり気にしない方が良いか。





 魚を幾つか確保して欲しいという依頼だったので川へ来たのだが、殆ど張り切ったクダによる独壇場だった。

 狐でもある為かまあ獲れる獲れる。

 手掴みでぽんぽん確保しては魔法で冷凍してアイテム袋に放り込むスピードが速い。


 ……冷凍の時に生命判定が無くなってアイテム袋に入れられるようになってるんだろうなあ……。


 さておきそんなクダの邪魔をするのもなあという事で眺めていたら、テングザル獣人であるザグテに遭遇。

 しかも丁度お店で使う香草が足りないみたいだからと採取に来ていたカプゥもやって来たのだ。

 採取依頼は高くつくし、時間が無いなら買いに行くけど時間があるなら採取した方が安く済むから、という理由らしい。


 ……でもこれはチャンス!


 大分イーシャに情が湧いてきているというか気持ちが揺らいでしまっていて、しかしこっちの常識も足りてない異世界人が複数の命を背負っても良いんだろうかという葛藤。

 その辺について、ちょいと相談しようと思ったのである。



「で、どう思う?」


「どう思うも何も、それだけ気が揺らいでるなら普通に奴隷にしちゃえば良いんじゃない?」


「イケメンテングザル獣人にさんせーい」



 結論が早い。


 ……というか声は確かにイケメンとはいえ顔がテングザル過ぎてイケメンかどうか不明だったけど……ザグテってイケメンなんだ。


 鼻が顎近くまであるのはイケメンで良いんだろうか。

 テングザル基準なのかな。



「いやでもほら、奴隷になるっていうのは問題がさ」


「無い無い」


「人間でまともな奴隷使いって時点で宝石よりレアな人材よ? 自信持っちゃいなさい!」


「偏見のせいで歪んだ思考に取り憑かれた奴隷使いとかだと、誘拐して奴隷にしようとするくらいだからねえ」


「基本的に人外は犯罪者として正式に契約で抵抗不可能レベルに縛られてるならともかく、そうじゃなければ人間くらい簡単に仕留められるわ。

 だからちょっとしたお出かけ気分で捕まりつつ他の被害者である人間を保護したりもするんだけど、うっかり事件になる時もあるものね」


「ああ、アレは酷い事件だったよね……。そう思うとちゃんと相手の事を考えた上で、希望されたとしても相手を奴隷にして良いかどうか悩むキミコは偉いよ」


「いや何があったの?」



 ザグテの表情が大分沈痛。

 カプゥはあまり変わりないが、話を聞く限り妖精系種族は過去を引きずらない性質が多いらしいのでその辺のアレだろう。



「子供のゾウ獣人が、歪んだ人間の奴隷使いに奴隷として攫われた事があってね」


「え、それは酷…………待ってゾウ獣人っつった?」


「気付いちゃった?」



 あはは、とザグテは苦笑する。



「子供のゾウ獣人の方は下手な抵抗をしたら人間なんて死んじゃうかもしれない、って大人しくしてたんだけど……まあ、本能だからさ」


「母親のゾウ獣人が正気を失う程にキレて大暴れしたの。奴隷使い……っていうか奴隷商人とその子を買おうとしてた悪徳貴族が皆殺しにされてたわ。

 程度によっては悪い事をした人間が殺処分されるのは当然だし、ゾウ獣人の母親を刺激した方が悪い、って事で大暴れした母親な彼女は無罪になってたけどね」


「だろうねえ……」



 母親のゾウとか絶対に近付いちゃいけないランキング上位に食い込む存在だ。

 子供のゾウに近付いただけで激おこな危険性があるというのに誘拐するとか、チキンレース参加者だって辞退するだろう普通は。

 人から向けられる偏見のせいで歪みきって、とっくに普通じゃないんだろうか。



「うん、だからキミコは大丈夫だと思うよ。ここで人間にも非があるけど殺すなんて、って言ってたらちょっと不安だったけど、ゾウ獣人って事を加味して納得してるから」


「え、だって当然じゃないの?」



 母親のゾウとかアンタッチャブルにも程があろうに。



「人間は同じ人間種族を虐げる特殊な共食いの性質がある癖に、何故か他種族に人間を傷付けられたら凄い勢いで主張し始める性質もあるのよね。人間同士なら見捨てるのに。

 そういう人間はいざっていう時に人外を見捨てる可能性があるから主にするには危ないけど、そうじゃないなら大丈夫よ!」


「それって相手を奴隷にして全責任を背負う事になっても背負い切れるって意味?」


「途中で放り出すような浅い人間じゃないって意・味♡」



 チョン、と指先で鼻をつつかれた。

 というか牡牛の顔でウインクとか初めて見たぞ。


 ……まあ変身能力で作られた顔らしいし、獣人とかならやるかもしれないしなあ……。


 そもそも牡牛を見るような環境に居なかったし、草食動物の目は基本的に横向きについているので見た事無くて当然か。



「寧ろ相手が重種のケンタウロスなら、尚の事キミコが主になった方が良いと思うわ」


「何で?」


「野放しのケンタウロス、それも重種なんて怖いじゃない」


「重種は穏やかな性格が多いって知ってても、ケンタウロスは酒癖が酷い種族って事で有名だし……なにより冒険者をやってるってなると、気性の荒い個体って可能性があるのかなあって懸念が生まれちゃったりね」



 妖精やテングザル獣人から見てもやっぱり重種のケンタウロスは怖いのか。


 ……というか多分、ヒグマ獣人のグリーやアシダカアラクネのシラも普通はめっちゃ怯えられるタイプの種族だよね。


 動物は可愛いし犬猫とか普通に飼ってるけどやっぱライオンとかアナコンダとなると怖いよねー、みたいな事だろうか。



「…………あれ、カプゥさんや、ちょっと聞きたいんだけど」


「なぁに?」


「最初私が食事処行った時、お客さん多いからって相席になったよね」


「ええ、頼んだわね」


「お相手はヨルムンガンドなガルドルだったよね」


「お客様の名前は知らないけれど、ヨルムンガンド族だったわね」



 確かガルドル曰く、ヨルムンガンドの元祖は国を一周出来る程のサイズだとか。

 そして十メートル前後あるというガルドルでも人間で言うなら身長百センチレベルという病気か疑うような小ささ。

 となると平均的なヨルムンガンド族は想像も出来ないレベルの巨体という可能性があり、


 ……重種が怯えられる辺り、力が強くて大きいだけでアウト寄りなんだよね……。



「ちなみに通常より小さいらしい十メートルサイズとはいえヨルムンガンド族ってだけで人外から見て恐怖の対象に」


「「なる」」


「田舎から出て来たばっかりで人外慣れしてない人間相手に人外でも怖い相手の相席頼んだの!?」



 真顔で頷かれた事に思わず叫べば、だって、と前にも見た綺麗な女性の顔に変身してカプゥは言う。



「仮に怖がったとしてもああいう大型な人外ってあまり接することができない分とびきり人間好きだったりもするし、こっちが何かしない限り怒ったりもしない穏やかさを持ってる事が多い……とはいえやっぱり機嫌は取りたいじゃない?」


「それを何も知らん人間に任せるかね普通……」


「仲良く話してたみたいだし結果オーラーイ♪」



 確かに仲良く話せたし良い人だったけども、キャピルン笑顔で流されて良い部分なんだろうか。

 思ってる以上にヤベェ状況だと思うんだけど。

 ザグテもカプゥをドン引き顔で見てるので恐らくどころじゃなく相当だろう。


 ……人間基準で言うなら、一般人がヤのつくご職業の親分辺りと知らず知らずに相席したみたいな?


 超怖い寒気したコッワコッッッワ!

 良かったガルドルが優しくて丁寧で色々教えてくれる良い人で。

 いやまあ人じゃないけどさ。





 少し離れたところから上がって体を震わせ水気を飛ばしたクダは、アイテム袋を掲げて笑顔で戻って来た。



「主様、目的の魚と他色々沢山獲ったよー!」


「うん、ありがとクダ」



 撫でやすい位置に来たクダの頭を両手で掴んでわしわし撫でる。

 水気が飛ばされているとはいえ、先程まで川の中に居たからか微妙にひんやり。


 ……でもべちょべちょって感じじゃない辺り凄いよね。


 時々頭突っ込んで魚を咥えて獲ったりしていたので結構ずぶ濡れだったように見えたが、やはり体を震わせて水気を飛ばすアレの威力は凄いらしい。

 そう思いつつ、耳の付け根などをカシカシと掻いてやる。



「てかやっぱり他の魚も獲ってたんだ」


「獲れる位置に来たからついでに獲っちゃった。売ってお金にするなり宿に渡してご飯にしてもらうなり出来ると思って」


「あー、良いねソレ。煮付けとか頼めるかな」


「全種族対応なだけあって極東料理も対応してるし大丈夫だと思う!」


「今から楽しみになっちゃうねえ」



 よーしよしよし、とクダを撫でる。

 確かにこっちでは何故か普通に日本料理、こっちで言う極東料理が見られるので期待出来そうだ。


 ……今までもちょいちょい勇者が来たりしてるっぽいし、その縁かな?


 服やらで色々爪痕残しまくりのようなので、食べ物にも爪痕が残されている可能性は大いにあり得る。



「ところで主様、イーシャの件については纏まった?」


「うん、ザグテとカプゥに相談して…………聞こえてた?」


「聞こえてたっていうか、クダ普通に二人が来てるの気付いてたよ。ザグテの方は前に会ったから知ってたし、カプゥ? の方は知らないけど初日に主様から嗅いだ事のある匂いだから多分知り合いだろうなーって」


「わあい頼もしい……」



 諸々把握した上で無害と判断し、魚を獲る方を優先していたという事か。

 ミレツとニキスの時もそうだったが、初日の匂いから接触しただろう相手を把握するというのも凄い。


 ……ま、この世界初心者な私からすればありがたいし良っか。



「それじゃ、相談乗ってくれてありがとね二人共。っていうか呼び止めちゃってごめん。二人共それぞれ仕事中だったよね?」


「いや、俺は依頼じゃなくて休みのリフレッシュとして森に来てただけだから全然良いよ。昼寝するくらいしか用事無いし」


「私も問題なーし。午後からの仕込みに間に合えばオッケーってくらいだもの。種族が妖精だから気まぐれな性格してるのは店側も把握してるしね」



 ふむ。



「妖精ってそんなに気まぐれなの?」


「真面目な妖精も居るけど、定住せずに好き勝手するタイプなら基本は気まぐれよ。私は働く気もあんまり無かったけど、用意されてる制服を渡されたからそれなりに真面目に働いてるってわけ」



 どういうこっちゃ。

 そう思っているのがわかったのか、んー、とカプゥは眉を下げて微笑む。



「元々何かをくれる相手にはちゃんとお礼をするっていう種族なのよね、プーカって。でも妖精らしく気分屋でもあるっていうか……形から入るタイプって言うと人間にはわかりやすいかしら」


「…………クダ、わかる?」


「要するに渡された服が上等な物だった場合、上等な物を着る人らしい生活をしなくっちゃ! ってなるの。それまで真面目に粉挽いてても、上等なスーツを貰ったらこんなに良い服着てるなら紳士らしく世界を見て回るくらいはしなくっちゃ! って感じで」


「あー、つまり仕事用の制服を渡されたのがプレゼント認定になって、仕事用の服だからこそ、これ着るなら真面目に働かなくっちゃ、みたいな?」


「そういうこと!」



 にっこり笑顔のカプゥに肯定され、成る程なあ、と己は頷く。

 クダの説明は大分わかりやすかった。


 ……小人と靴屋、だっけ? 絵本のヤツ。


 パンとミルクのお礼としてお爺さんの代わりに素敵な靴を作っておいてくれる妖精が居て、ボロの服を着ているとか裸だったからとかでお爺さんがお礼に小人用の服をプレゼント。

 そうすると喜んだ小人達はそれを着てどこかへ行き、その後現れる事は無くなる物語。

 お爺さんはそれから自分で気持ちを込めてしっかり作るようにして皆幸せになりました的な終わり方になっていたが、妖精製品無くてアレ本当にその後大丈夫だったんだろうか、とちょっと思う作品だ。


 ……でも妖精の話を幾つか見ると、服を渡す事で居なくなる妖精って結構な確率で居るんだよね。


 多分プーカの場合もそうなんだろうが、プーカという種族の場合は渡された服に見合う行動を、となるっぽい。

 だからスーツを着たら紳士の真似事として旅立って、仕事用の制服を着たら真面目に働いて、となるのだろう。

 成る程形から入るタイプとはそういう事か。



「妖精って人間から見ると理不尽な性格ってよく言われるけど、一応理由だってちゃんとあるのよ。キミコもそこは覚えておいてちょうだいね?」


「や、まあ、今の話聞くと辻褄は合うなって思ったけど……理不尽な性格扱いされてるの?」


「人間の方が辻褄の合わない性格してると思うけど、人間からすると妖精の方が難しいみたい」


「いや実際難しいよ」



 ザグテが半目でカプゥを見ながらそう零す。



「妖精によっては面と向かってお礼を言うだけでキレるのも居るからね」


「えっ理不尽」


「それは面と向かってお礼を言うからよ。面と向かってお礼を言われるのが嫌ってタイプは嫌がるわ」



 面と向かってお礼を言われるのが嫌だからキレるとはこれ如何に。



「えーっとね、妖精って基本的に人間の子供みたいな性格が多いの。だから人間程難しくは無いんだけど、人間よりもわかりにくいかも。本当にただ気に入らなくて怒るとかがデフォルトだから」


「…………つまり、赤ん坊の夜泣きみたいな?」


「あー、主様近い! でもどっちかというと暑くてギャン泣きするとかの方が近いかな!」


「正面からお礼言われるのが、っていうのは恥ずかしかったりするからなのよね。手紙とかだと結構素直に受け取れるんだけど、正面から顔合わせて言われると緊張とか諸々でキレる子が居たりするわ」


「人見知り期と思春期が併合した結果反抗期みたいな事になってるって感じなのかあ……」


「それは初耳だったなあ」



 うわあと思いつつ聞いていると、ザグテは顎に手を当ててほうほうと頷いていた。

 顎に手を当ててるので鼻の長さが改めて目に入ってくる。

 アレ食べ辛くないんかな。



「人外は人外情報に詳しい気がしてたけど……ザグテも今のは初耳なんだ」


「人外は確かに人外について詳しいけど、他種族についても博識っていうわけじゃないからね。あと知らなくてもそれなりに生きて行けるから結構適当だったりも多いかな」


「わあいわかりやすく雑ぅ……」



 まあ実際、自分なんかはカタツムリについて碌に知らないけれども、それでもカタツムリは普通にその辺で生きていたりするのだ。

 積極的に関わりに行こうとしなければ、相手について知らなくとも普通にすれ違いつつ生きていけるという事だろう。

 実際知らなくても問題無く生活出来るし。



「じゃあクダがやたらと詳しく解説してくれるのは?」


「クダは管狐で、家系に取り憑く妖怪だから。例えば主様に取り憑けばその両親に取り憑いてまたその両親に取り憑いてそこから主様の従弟やらにだって取り憑いて……って分裂繰り返してすっごい増える事が出来るんだ」


「わお」



 狐憑きの家系がどうのこうのというのは何かで読んだ事がある気がするが、結婚がめっちゃ大変だとか何とか書かれていたのはそういう事か。

 感染系と考えるとそりゃあ結婚は難儀しそう。



「でも違う人間に取り憑いた時点でただの分裂じゃなくて株分けってなるのね。根本的な部分では繋がってるからお互いの知識とかを共有出来るんだけど、基本的にはもう別個体。それぞれ個性も違うんだよ」


「……どういう事?」


「大きな川があるとして、それが枝分かれして違う川としての名称があったり成分や棲んでる魚が違ったりするともう別の川よね? 名称違う時点で別の川扱いだけど」



 カプゥの説明にふむふむと頷く。



「でも川上に行くと元は同じ川だから、大本は同じなの」


「親が同じでも兄弟じゃ見た目や性格に個体差あるみたいなものだろうね。でも根底部分で繋がってるから、知識は蓄積され続ける……って事か」



 ザグテが何やら理解したっぽいがこっちはまだいまいちわかってない。


 ……それぞれの端末があるとして、誰かが得た知識をネットに流せばそこにアクセスした人はその知識を端末で見る事が出来る、みたいな事?


 クダAが見聞きした知識はクダBもクダCも把握してる、という事だろうか。

 よくわからんが多分そう、だと思う。



「記憶や感情の共有は無いから大丈夫だよ、主様。共有されてるのは知識だけだから」


「そっかあ」



 他のクダにもこっちの情報が自動で流れてるわけでは無いっぽい事に一安心。

 もしこれで私の理解が及んでなかったり、今の答えが間違ってたりしたら察したクダが訂正を入れるだろうが、ソレが無いという事は大体この理解で合っているという事らしい。



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