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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

うちのダンナ詩集

On the way back 帰宅

作者: 陸 なるみ

死と不在のうたです。




遠くの丘の稜線に

白い雲がかかる


うねる丘の斜面を

金色の西陽が照らしだす


振り返れば

収穫あとの麦畑


平坦な地平線に日が沈む

牧場の羊を逆光に浮かばせて


そんな景色の真ん中を縫って

バスは私を帰宅させる


ふたりで作り上げた生活の場へ

あなたが守ったマイホームへと


最期を迎えたホスピスを過ぎ

入院した大病院を訪ね


あなたの育った町に着き

バス停下りたらいつものコンビニ


「駅」、「市役所裏」、「もうおまえの匂いがしそうだ」

「5分前」、「買い物済んだ?」、「道路渡った?」


ショートメッセージの応酬が

繰り広げられることは二度とない


「まだかよ?」と振り向く姿を

たそがれに貼り付けて


姿を見ると駆け出していた自分を再生する

「待たなくていいって言ったのに」


返事はいつもぶっきらぼう

「なんでだよ?」


一日のうちで一番饒舌なあなたと

歩いた川沿いの道


青い橋の架かったうちへの道




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i517735
バナー作成:秋の桜子さま。ありがとうございます。
― 新着の感想 ―
[一言] >「もうおまえの匂いがしそうだ」 カッコイイ (/ω\※) 自分には言えませんね。 凄いです☆彡
[良い点] 拝読しました。遅参です。 描写から、仲睦まじくやり取りをされるご夫婦の姿に胸を打たれます。 陸さんの紡ぐ言葉は、描写から情景が浮かぶだけでなく、その中から滲み出るような感情も見えてきて、…
[一言] お二人のご様子が目に浮かぶようでした。 すみません、うまく言葉にできないのに書き込んでしまいまして…。 お二人が幸せそうに過ごされていたことは、とても良く伝わってまいりました。
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