私は目を覚ます。
私は目を覚ます。
ベッドのバネの軋む音が心地よく白いカーテンが私の頬を掠める、カーテンの奥に広がるは草原、その向こうには海、青い空に白い雲
目玉焼き、ベーコン、パンを平らげ家を飛び出し草原を走る走る、緑の絨毯の終わりには崖、その向こうに青
私の水晶体が青一色に染まるのを感じ、私は一歩を踏み出す。
私は目を覚ます。
布団のカビの匂いが心地よく白い障子から日が私を照らす。障子の奥に広がるは草原、その向こうには海、蒼い空に白い雲
銀シャリ、豆腐の味噌汁、お新香を平らげ平屋を飛び出し草原を走る走る、緑の芝生の終わりには崖、その向こうには蒼
私の水晶体が蒼一色に染まるのを感じ、私は一歩を踏み出す。
私は目を覚ます。
鉄板に残る私の温もりが心地よく白い電球が私を見ている、鉄格子の奥に広がるはコンクリートに囲まれた廊下、その向こうには海、青い空に白い雲
ネズミ、虫、雨水を平らげ牢を飛び出しコンクリートを走る走る、灰色の苦渋の終わりは崖、その向こうには蒼
私の水晶体が蒼一色に染まるのを感じ、私は一歩を踏み出す。
私は目を覚ます。
雲の優しい柔らかさが私を不機嫌にする、白い海が私を見下す。カーテンの奥に広がるは空、その向こうには氷河、白い空に白い雲
目玉焼き、ベーコン、パンを平らげ私は飛び出し雲を走る走る、白い憂鬱の終わりには崖、その向こうには白
私の水晶体が白一色に染まるのを感じ、私は一歩を踏み出す。
私は目を覚ます。
ウツボの不機嫌そうな顔が私を不機嫌にする、周りの妖精が私を見下す。鉄格子の奥に広がるはカエルの合唱、その向こうには福笑い、青いネオンに白い猫
ウツボ、妖精、カエルを平らげ貝殻を飛び出しカエルの腹を走る走る、白い憂鬱の終わりには崖、その向こうには猫
私の水晶体がネオン一色に染まるのを感じ、私は一歩を踏み出す。
私は目を覚ます。
今度二十歳になる冷蔵庫が私を不機嫌にする、周りの七人の親指たちが私を見下す。陽炎の奥に広がるは闇、その向こうには夢、赤い陽炎に黒いコーヒー
グローブ、無花果、ラッパを平らげ私は綿の大地を飛び立ち黄色い横断歩道を昇る昇る、天国の階段の終わりは崖、その向こうには苦渋
私の頬が赤く染まるのを感じ、私は一歩を踏み出す。
私は目を覚ます。
虹の七色が私を不機嫌にする、周りの星々が私を見下す。白夜の奥に広がるは宇宙、その向こうにはアポロ宇宙船、黄色いオーロラに茶色い月
ニール、バズ、マイケルが私を見送る地球を飛び立ち透明の酸素を昇る昇る、重力の終わりは星々、その向こうには月
私の呼吸が止まるのを感じ、私は目を覚ます。