94杯目「パンドラの箱」
5月上旬、ゴールデンウィークがやってくる。
唯はいとこたちの間で噂になっていた。
リサが毎回必ず唯の姿を見かけていたこともあり、僕とつき合っているのではないかという噂すら広まっていたのだ。唯が修行していることも知っていた。
「それで唯ちゃんが毎日うちに来るようになって、あず君とすっごく仲良いんだよ」
「へぇ~、その唯ちゃんってどんな子?」
「凄く可愛くて、ゆるふわな色の薄い茶髪のロングヘアーの女の子なんだけど、とても子供とは思えないほど大人しくて、ルックスもスタイルも良い美少女なの」
「年はいくつなの?」
「確かまだ14歳だったかな」
「14歳でバリスタの修行をしてるってことは、あず君のお店に就職するの?」
「うん、そうみたい」
「でも将来のことを考えたら、高校くらいは行ってもいいと思うけどねぇ~」
親戚たちは唯の不登校事情は知ってはいたものの、やはり将来のことが気になるようだ。しかしそれは余計なお世話の域を出ない。できれば唯の家にエスプレッソマシンがあれば、もっと練習に時間を費やせるのだが、唯の家は貧しいために練習ができない。
唯の両親が来てくれるのはいつも週1回程度。うちの親と同じ頻度だ。
唯は日本に来てから貧困から脱出するためにルックスやスタイルを活かせる子役をしていたのだが、不登校と共に辞めてしまった。正直勿体ない気もするが。
僕は唯の境遇に昔の自分を重ねていた。何というか……放っておけない。
「そういえば、あず君ってもう20歳だよね?」
「そうだけど」
「男は所帯を持って一人前なんだから、そろそろ結婚相手探したら?」
「……断る」
吉子おばちゃんには1つ困ったところがある。元々仲人の仕事をしていたこともあり、成人した親戚に次々と縁談を持ちかけていた。昔はお節介おばちゃんがいて、結婚適齢期になると、近所の人の中から最も釣り合いの取れた相手を紹介される。故にコミュ障で非モテでも結婚することができた。
今は個人情報保護法があるために、仲人が絶滅危惧種と化している。
「出会いがないなら、今度お見合いをさせてあげるけど」
「……いらない」
「吉子おばちゃん、お兄ちゃんに結婚させたところで、苦労人が1人増えるだけだと思うよ」
「そうかなぁ~、あず君は結婚した方がうまくいきそうだけどねー」
「何でそう思うの? お兄ちゃんだよ」
「今まではずっと身内以外に理解者がいなかったから、こんなにも性格が捻くれたんじゃないかって思うの。結婚すれば外国人観光客限定にはしなくなるんじゃないかな」
「そうかな?」
璃子が人差し指を顎に当てながら首を傾げた。庇ってくれるのは嬉しいが、独身の方が向いてるかと言われると、それはそれで怪しい。今までも璃子に店を手伝ってもらってきたわけだし、ずっと璃子と一緒に住んでいる時点で、ある意味結婚しているようなものだ。
僕1人だったら……何1つ成し得なかったかもしれない。
「お兄ちゃんには私がついてるから大丈夫だよ」
「そう、でも結婚したくなったらいつでも言ってね」
多分、その機会は来ない。バリスタの仕事は得意だが、恋愛においては素人同然だ。それに結婚はしたくないし、もう妹だけで十分な気がしてきた。
5月下旬、WCTCまで残り1ヵ月になると、大会のために始めたカッピングがもはや日常の一部になっていた。味を当てるクイズみたいで楽しかった。
一応璃子にもやらせてみた。璃子もこの大会には興味があるらしく、カッピングをしてみたいと思っていたらしい。これが何と8セット全問正解。璃子にもこの手の才能はあるようだ。
ショコラティエとして訓練を積んでいた経験が役立ったのだ。これも味覚が問われる職業だし、何か共通項があれば、転職後の適合率が高いと聞いたことがある。
やはり璃子は僕に似ているかもしれない。
季節は流れ、WCTC本戦がある6月を迎える。
6月上旬、僕は20歳の誕生日を迎えた。同時に東京まで赴き、全身の無駄毛を脱毛した。理由は単純に髭剃りが面倒なだけである。髭自体はほぼ生えてこなかったけど、将来的に髭剃りにかかる料金を考えた上で、余分な毛が一切生えてこないようにする方が得策だろう。
奇しくもこれでますます女子っぽくなってしまった。髭を剃る時間を丸々仕事に使えるし、時間の面でも効率的な処置と言える。何で他の人はやらないんだろうか。
大人になった実感は全くなかった。
ある日のこと、唯の両親がやってくる。
「6月の世界大会なんですけど、私たちも一緒に行きますね」
「応援に来るってこと?」
「はい。それとロンドンで私たちの祖父母に会ってほしいんです」
「別にいいけど」
唯の祖父母ってどんな人だろうか。レストランを経営してるって聞いてたけど、イギリスの飯はまだ食べたことがない。警戒心が真っ先に出てしまう。噂って恐ろしいな。
「まさか私たちの故郷であず君の活躍が見られるなんて、思いもしませんでしたよ」
「運命だよねー」
「偶然だろ。世界大会は大都市になるほど地元開催率が上がるし、ロンドンなら不思議じゃない」
「すみません。うちの兄は空気が読めないんです」
「ふふっ、知ってる」
「いつものことですから。慣れると案外可愛く思えてくるものですよ」
もうすっかりと変人耐性がついたようだ。一体誰得なんだろうか。
6月下旬、WCTCの舞台、ロンドンへと飛行機で赴いた。
奇しくも唯とジェフの故郷でもあり、実家も会場から近くにある。唯から自分も連れて行くように頼まれたこともあり、一緒にロンドンまで赴くことに。
今回からは璃子の自主性を尊重し、誘わないようになった。
大会3日前、僕らはロンドンに着く。しばらくは唯に案内してもらうことに。
僕、唯、ジェフ、咲さんの4人でロンドンの町をキョロキョロと見渡しながら唯の祖父母の家へと向かう。この大会におけるサポーターの役割は、練習場所の確保のみであり、大会中は観戦しているだけでいいのだが、唯は僕の練習時間を確保したいのか、彼女の方からサポーターになることを申し出た。僕はこれを快諾するが、積極性を見せたのは今に始まったことはではない。
「僕のサポーターになるのはいいけど、何か策でもあるの?」
「うちのおじいちゃんとおばあちゃんの家にあるキッチンを借りて、大会まではそこでカッピングをしてもらおうと考えてるんですけど、構いませんか?」
「それは願ってもないことだけど、許可は貰ってるの?」
「はい。葉月梓の名前を聞いた途端上機嫌になって、帰国するまでずっと泊めてくれるそうです。私たちも里帰りですから、しばらくは一緒ですね」
唯が僕の左手に抱き着いてくる。彼女の手と一緒に豊満な胸が密着してくる。しかも体型が分かる服着てるし、いつになっても慣れないもんだな。
ロンドン郊外の少し大きめな一軒家に辿り着く。唯が慣れた手つきでインターホンを鳴らす。何だか久しぶりに帰ってきたって感じが伝わってくる。
岐阜からロンドンまでは物凄く遠いのだ……。
「おっ、ジェフに咲に唯、おかえり」
「おかえり」
唯の祖父母が同時に扉の向こうから現れると、笑顔のまま英語で唯たちを迎え入れて抱きしめた。
――そういやここはハグの文化だったな。
「そちらの方には、いらっしゃいませかな?」
「葉月梓。よろしく」
「ああ、よろしく。チャールズ・グラント」
「私はメアリー・グラント。よろしくね。息子や孫がお世話になってるみたいで」
「世話なんてしたことねえよ。唯はうちの唯一の常連だ」
「そうかい。余程好きなんだね」
唯が突然顔を赤らめる。彼らは唯が言っていた通り、既に事情を知っているらしく、帰国するまでは唯の祖父母の家に泊まることに。またホテル代が浮いた。
しばらくは客用の部屋で寛いだ。この時はもう午後6時を過ぎていた。このふかふかのベッド、旅の疲れもあるし、このまま寝てしまいそうだ。扉の向こうから現れたのは唯だった。下ろした茶髪に赤紫を基調とした薄いタンクトップ、外からでも分かる豊満な胸、絶妙なカーブを描くほどにくびれた腰、スラッとした細長い足、モデルとかできただろうに。
幼気な唯の体をジーッと眺めてしまう。
「もう、どこ見てるんですか?」
唯がツッコむように言いながら、恥ずかしそうに手で胸を隠した。
「……全部」
「ふふっ、素直な答えで何よりです。もうすぐ夕食ができるみたいなので、一緒に食べませんか?」
「僕は端っこの席ね」
「はい、じゃあ行きましょうか」
唯に連れられて一緒に部屋から出る。ここは2階だった。リビングのある1階まで下りると、テーブルの上にはイギリス料理が並んでいた。フィッシュアンドチップス、小鹿のローストといったメニューがある。僕らは6人で食事を取るが、やはり僕だけが黙々と食べた。
「まさか世界的バリスタが、息子たちの近所に住んでいたとはな」
「今回は応援しに来たの?」
「あ、ああ、そうなんだよ」
ジェフがどこかぎこちない応答だ。調子悪いのかな?
それにしてもこの小鹿のロースト……柔らかくて美味い。
やっぱレストランをやってるだけあって、食べる側に寄り添った味だ。
「味はどう?」
「うん、美味い」
「アズサはもっと活発な子だと聞いていたけど、やけに大人しいねぇ」
「普段の彼は大人しいよ。特に集団の中にいる時は端っこの方で目立たないようにしてるの。こう見えて結構人嫌いなところがあるから」
特に何の変哲もない雑談が続く。僕のことは主に唯が解説してくれていた。チャールズもメアリーも息子であるジェフのことを心配しているようだ。
本名、ジェフ・グラントはイングランド系の父親とスコットランド系の母親との間にロンドンで生まれ育った生粋のイギリス人である。岐阜和傘を売る店に勤めており、今では店長を任されるほどだ。
そこらの日本人よりも岐阜の事情に精通していた。
「それでもう年々客足が減っていくばかりで大変だよ」
「地方都市に住むからそうなるんだろう。ジェフ、もう十分日本を満喫しただろう。そろそろうちに戻って店を継いでくれないか?」
「……考えとくよ」
この時、ジェフは彼らしくもない曖昧な回答をしてしまっていた。
日本に長く居すぎると、自然とこうなってしまうのだろうか。
そういえば、店が倒産したら帰る約束だったな。できることならそうはならないでほしいものだが。
この日は熟睡することを優先し、翌日からキッチンを借りてカッピングを繰り返すのだった。
3日後――。
――大会1日目――
WCTCがロンドン市内の会場で始まり、38ヵ国から38人が参加した。
開会式に日本代表としてコールされると、耳を塞ぎたくなるほどの大喝采だ。この時も地元のロンドン市民を中心に世界中から人が集まっていた。他の会場では別のバリスタの世界大会が行われていた。唯は一緒に来た家族と共に客席にいた。全員国内予選を突破したカッピングのエキスパートだ。
ルールはJCTCの時と同じく、8つの問題の正解数を競い、正解数が同じ場合は競技時間が短い方が優先され、スコアの上位16人が2回戦進出だ。
何組かに分かれて1組ずつ競技を行う。
この組の中の上位ではなく、あくまでも全体の上位16人である。他に上位の人がいても進出の可能性はある。だが僕が戦っているのはナショナルチャンピオンじゃない。他の誰でもない……己自身だ。
僕の番が来ると、エプロン姿をした参加者たちの中に混ざり、ステージに立つ。
全員がスプーンと紙コップを手に持った。
「レッツ――」
「「「「「カッピング!」」」」」
ここにきてようやく僕の組の競技が始まる。今までの成果を発揮する時だ。この時は何も気にすることなく、カッピングに全神経を集中し、2回戦に進出する。2回戦は16人が戦い上位8人が準決勝進出だ。これも1回戦と同じく全問正解しつつ、トップスピードでクリアした。僕の平均解答時間はかなり短い方であり、1分30秒かかっていない。正解数が同じなら確実に僕の勝ちだ。
最後の組が競技を終了し、準決勝進出となった。
「今日はここまでです。明日は準決勝と決勝を行います。準決勝進出の方は明日もう一度ここに来てください。他にも色んな世界大会が各会場で行われていますので、そちらもお楽しみください」
WCTCは一度中断となる。この大会は2日かけて行われるのだ。
僕が会場内で他のバリスタの世界大会を見ていると、唯たちが挙ってやってくる。
「あず君、まずは準決勝進出、おめでとうございます」
「お、おう。何とか切り抜けた」
「全部1位通過でしたね」
「まあ、今までの競技の中で1番楽だったからな。でも手を抜く気はない」
「あず君が手を抜かないのは、後悔したくないからですよね」
「うん。来年法人化するって色んな人に言っちゃったけど、今のままだと、もっと宣伝しないと到底間に合わない。最低でもファイナルまではいかないと」
「法人化して設備を整えられないと、優子さんを雇えませんもんね」
「理由話したっけ?」
「璃子さんから聞いたんです。あず君がいない時に璃子さんが全部教えてくれました」
璃子はお喋りだからなー。唯には法人化することは話したが、理由は伏せているつもりだった。優子の生活を守るつもりで彼女を守ると言ったが、璃子が言うには、男が女を守ると言った時点で、結婚を示唆しているものと見なされるらしい。思い込みもいいところだ。
会場では別のブースでWBCやWLACが行われていた。見学することにしたが、一部のバリスタはゲイシャを使うようになっていた。
優勝する人は予測できないが、ファイナルまで確実に行けそうな人は予測できる。
1人が僕に気づくと一斉に群がってくる。璃子に教えてもらった通りに空気と一体化するようにしているが、見つかる時は見つかる。僕がファンサービスをしないことを知らない人もいるため、どこに行っても必ずサインを強請るのが、自称ファンの欠点だ。
会場を去り、唯たちと一緒に宿泊先に戻る。
みんなは僕の準決勝進出を喜んでくれていた。ジェフは時々ではあるが、深刻な表情になっていた。僕の宿泊部屋に唯が来ると、事情を聞いてみることに……。
「最近ジェフの様子がおかしいんだけど、何か心当たりない?」
「……あず君も気づいてましたか」
「何かあったの?」
「……昨日の夜、あず君が寝静まった頃、お父さんに言われたんです。会社が倒産したって」
あちゃー、そういうことだったかぁー。
――えっ、でもそれじゃ……唯はどうなるんだ?
「そのことはみんな知ってるの?」
「いえ、知っているのは私とあず君とお父さんだけです」
「じゃあ今は無職なのか。それ結構まずいんじゃねえか?」
「……はい。祖父母にばれたら帰らないといけなくなります……でもっ、そんなの嫌ですっ!」
唯が涙声になったかと思いきや、急に僕に抱きついてくる。
「ううっ……うっ……」
ずっと啜り泣きする唯を、僕はそっと両腕で抱きしめた。
唯はうちの店で修業することを生き甲斐としていた。しかし、その願いはもう叶わなくなる。彼女は居場所として自信を支えていた希望を失おうとしている。
「もっと……もっとあず君のお店で修業したかったです」
「そんなに辛いか?」
「はい……あず君がコーヒーを奪われるくらい辛いです」
「確かにそれは応えるなー。僕にとってコーヒーは血液みたいなものだからさ」
「私にとって葉月珈琲は心臓のようなものです。だからっ……もうそこに行けないのがっ……もう耐えられないです。ううぅ~」
「別にいつでも来れるだろ。今生の別れじゃないんだからさ」
「あず君は寂しくないんですね。私はそこまで強くなれないです」
寂しくないと言えば嘘になる。このまま唯とお別れしてしまうのは心が痛む。言葉にはしにくいが、大切な何かを失いかけているような……そんな気がする。
――そうか……だからあんなに深刻な表情だったのか。じゃあ唯たちが帰郷したのは僕の応援のためじゃなくて、唯に一刻も早く故郷の環境に慣れてもらうためだとしたら……だが咲さんはこのことを知らないし、荷物もそこまで多くなかった。引っ越しはまだしていないはずだ。
まだ間に合う。どうにかして引っ越しを阻止する方法はないものか。
「唯、ジェフを呼んでくれるか?」
「は、はい」
唯はスタスタと歩きながらジェフを呼びに行く。こんな時に唯のことで話し合いをするのもどうかと思うが、この時の僕にとっては最優先事項だ。どうにかして唯の笑顔を取り戻したかった。
僕にとって唯はただの常連ではない。葉月珈琲になくてはならない存在だ。他の連中が受験やら仕事やらでここへ来なくなってからも、店が繁盛してからも、ずっと店の創成期から通い続けてくれた。
できる限りのことはしてやりたい。
唯に続いてジェフが入ってくる。
「あず君、お父さんを連れて来ました」
「一体どうしたの?」
ジェフがきょとんとした顔で僕を見る。
「事情は唯から聞いた」
「事情って?」
「会社が倒産したんだろ?」
「……!」
「唯を連れて帰るのか?」
「それは……」
ジェフは黙ったままだ。自分だって好きで倒産したんじゃないと訴えかけるようなあの目、どうやら彼自身が1番応えているようだ。しばらく沈黙が続くと、ジェフが痺れを切らした。
「――実を言うと、私がいた会社はあの虎沢グループに投資してもらっていたんだよ」
「虎沢グループに?」
「ああ。でも虎沢グループの株が暴落してからはうちの会社に投資をする余裕がなくなって、今年の3月に倒産することが決まったんだよ」
「虎沢グループって、この前あず君を襲った人の父親が社長で、岐阜で1番のグループ企業だよね?」
「ああ。うちのように虎沢グループから継続的に投資してもらわないと続かない企業が数多くあったんだけど、正義のためとはいえ、あず君の告発で多くの人の人生が変わってしまった。私も唯も然りだ」
嘘……だよな? じゃあ唯がイギリスに戻ることになったのは、僕のせいだっていうのかっ!?
あの告発で悪を懲らしめたつもりになっていた。だがそれは僕の思い上がりであったことにようやく気づかされた。あのナチ野郎を告発してからというもの、虎沢グループは信用を失い、株価が暴落し、虎沢グループから投資を受けていた多くの企業が倒産した。警察があのナチ野郎をすぐ釈放した上で事件を隠蔽したのは、虎沢グループの株価暴落を防ぎ、岐阜県内にある多くの企業を守るためであった。
それなのに僕は……怒りに任せてパンドラの箱を開けてしまった。
正義感は時として人の判断を誤らせる。どうすればよかったんだ?
あのナチ野郎をやっつけながら唯を引っ越しさせる方法はなかったのだろうか。
これが正義の代償とでもいうのか?
だったらもう……正義なんていらない。だから……だから唯を返してくれっ!
「――! あず君っ!」
唯が異変に気づきながら呼びかける。僕の目からは大粒の涙が出ていた。
自らが犯した過ちを悔いた。これが後悔という気持ちなんだろう。しかも僕が原因で起きた問題だ。
だったら僕自身の手で、この問題に決着をつけるまでだっ!
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