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社会不適合者が凄腕のバリスタになっていた件  作者: エスティ
第4章 有名バリスタ編
85/500

85杯目「レッツカッピング」

 少し前から大会の参加登録を済ませていた。


 7月頃、協会のホームページを見ていると、また新しいバリスタ競技会が追加されていた。そこには金華珈琲のマスターが言っていた通り、JCTC(ジェイクトック)の公式サイトがあった。


 要するに『カッピング』をして、コーヒーの味を当てる大会である。


 ルールは簡単だ。まず全ての参加者に8つの問題が出題される。


 問題1問につき、3つのコーヒーカップが置かれており、3つのカップの内、1つだけが違う味のコーヒーが入っている。使用するコーヒーは全てドリップコーヒーだ。この味の違うカップをカッピングで当てるというクイズ形式の大会である。


 カッピングとは、一言で言えばコーヒーの『目利き』である。


 味が分かりやすいように啜って味見をする。8分以内に正解だと思うカップを解答エリアのマスに全て移動させ、正解した数が1番多かった人が勝ちになる。正解数が同じ場合は全問回答にかかった時間が短い方の勝ちになる。見極めの正確さと速さが求められる、今までにないバリスタ競技だ。


 正解のカップは、底に赤い小さな丸のマークがついている。赤いマークが張っていれば正解となる。基本的には成績の良い順に決まった人数の勝ち抜けが決まり、段々と人数が絞られていく。


 決勝で最も成績の良かった人が優勝だ。これに優勝すれば、ワールドカップテイスターズチャンピオンシップ、略してWCTC(ワックトック)日本代表として参加できる。今までとは異なり、世界大会は来年に行われるため、優勝者は開催時期まで待たなければならない。準備期間が長いのは地味にきついな。これも今年から正式に競技化された国内予選だ。


 世界大会はもっと前から毎年行われている。僕は生まれつき嗅覚と味覚が鋭いため、僕にとってはかなり有利な競技と言っていい。ハンバーグにちょっとだけ入っていたピーマンに鼻と舌で気づいて親を困惑させた特性をようやく活かせる時がやってきた。まるで僕のために作られたような競技だ。とはいえ他にも感覚が鋭い人はいる。決して油断してはいけない。


 予選は9月に行われ、決勝大会は10月だ。


 この大会の良いところは、ほとんど手ぶらで行けるところだ。実際はエプロンを持ってくる必要があるものの、たったこれだけである。お題となるコーヒーも、必要なスプーンも運営が準備してくれる。カッピングしたコーヒーは紙コップに吐き出すことになる。そうしなければコーヒーだけで腹いっぱいになってしまうし、人によっては途中から味が分からなくなってしまうためである。


 8月下旬、僕はこの大会で結果を残すべく、営業時間終了後に早速カッピングを始める。


 感覚を研ぎ澄ませるために、大会と同じ形式でカッピングをしまくった。


 合計24個のコーヒーカップに3つ毎に1組に分け、種類も味も異なるインスタントコーヒーをマークのあるカップを確認しながら淹れていく。璃子にコーヒーをシャッフルさせ、どれがどのコーヒーかを当てられるようにセッティングした。競技はスプーンと使い捨ての紙コップを持ち、レッツカッピングと言い終わった直後からスタートする。競技がスタートした瞬間から右手のスプーンですくったコーヒーを口に含み、瞬時に味を見極めると、スプーンを紙コップを持っている左手の人差し指と中指に挟みながら、正解と思うカップを解答エリアのマスへと移動させる。


 1分を少し過ぎたところで全てのカッピングが終わる。


「――凄い、まだ1回も外してない」

「何セットくらいやったんですか?」

「8月になってから始めたから、もう20回以上はやってる」

「20回以上やってまだ外れを引かないなんて、凄いですね」


 この日は営業時間中にやってきた唯が、営業が終わった後も店に残っていた。リサも柚子もとっくにバイトの時間が終わっていたが、僕の競技練習を見るため、店に残って手伝いをしてくれていたのだ。


 残業代を払わないといけないからさっさと帰れと一応言っておいたが、それでもリサたちは残業代はいらないと言って断った。そんなに見たいのかと思いながらも練習は続く。もしかしたら、リサたちもバリスタ競技に興味を持ってくれるかもしれない。


 この店からもっと優秀なバリスタを輩出できれば、店の株も上がるってもんだ。


「でもよくそんなに味分かるよね」

「どれも慣れた味だし、まだ分かりやすいってだけだ。今後は飲んだことのないコーヒーとか、正解と不正解の味が近いパターンでも試してみる。試合になったら、そういうパターンも出てくるだろうし」

「そこまで考えてるんだ……」

「前々から思ってたけど、あず君って課題発見能力高いよね?」


 ――何だ? その説明不要な能力は?


 言われてみればそんな気がしないでもない。


「それにしても、皆さん制服がとても似合ってますね。全員パステルカラーなんですね」


 唯が唐突に僕らの制服を指摘する。


 僕はピンク、璃子はライトブルー、リサはライトパープル、柚子はレモンを基調とした制服だった。


 やっぱり僕、こういうカラーが好きなんだよなー。


「なんかこれだと戦隊ヒーローみたいで、ちょっと恥ずかしいって思っちゃうこともあるけど、今はもう慣れてきちゃったんだよね。お客さんからも好評だったし、あず君って裁縫のセンスもあるよねー」

「璃子と一緒に作った服だけどな」

「私も制服着てみたいです」

「まだ余りの制服あったっけ?」

「ない。ていうかこれ以上人を雇う気はないから、当分は作らない。うちは制服じゃなくても、作業に適した服なら何でもいいぞ」

「そうだったんですねー」


 ただコーヒーを淹れるだけがバリスタではない。


 店の装飾やメニューから制服まで、全てに細かいオシャレが行き届いていなければならない。カフェのマスターも楽じゃない。僕は璃子たちの話を聞きながら練習用のコーヒーを処分する。勿体ないが。こればかりは仕方がないのだ。人がもっと多くいれば捨てずに済むのだが、営業時間中にこれをやるわけにも行かない。ラテアートをたくさん描いた後も同じことが起きていた。


 オープンに練習できて、見ている人全員に振る舞うのは難しい。


 しかもこのカップに至っては僕の使用済みスプーンを浸けちゃってるわけだし。


 競技ではもっと多くのコーヒーが処分されることになるのだろう。


 ――あぁ~、心が痛い。


 こんなことがある度に僕は傷つくのだ。実にめんどくさい性格だって自分でも分かってる。


 ただ、練習用の量産型コーヒーとはいえ、極力無駄にはしたくないのだ。


 月日が流れ、9月がやってくる――。


 遂にJCTC(ジェイクトック)の日がやってきたのだ。


 結論から言えば、これは今までに参加した大会の中で1番楽だった。僕は9月の東京予選を全問正解で突破した。タイムも申し分ない。たまたま知っている味が多かったこともあり、10月の決勝大会へと進出する。決勝大会では、予選を突破した12人が4人1組で準決勝を行い、上位4人が決勝に進出する。4人で決勝を行い、最も正解したカップ数が多く、よりタイムの短い者が優勝だ。


「まずは予選突破、おめでとうございます」

「ありがとう」


 唯に予選突破を祝ってもらい、つい顔が赤くなってしまう。唯に褒められたり祝ってもらったりした時は何故だかいつもより嬉しくなる――。


 この時、唯はうちの唯一の常連となっていた。他の仲が良い日本人はみんな忙しくて全然来れない。僕の同級生はほとんどが大学へと進学し、大人の階段を上っていた。


 果たして彼らの内、普通と呼ばれている人生を送れるのはどれくらいなのだろうか。恐らく少数派だとは思うが、少数派である時点で、もはや普通ではないことにいつになったら気づくのだろうか。


「あぁ~、やっぱりいつ飲んでも美味しいです」


 唯は僕が淹れたドリップコーヒーを温泉にでも浸かっているかのような表情で飲んでいる。


 彼女にとってはここが落ち着ける場所なのかもしれない。


「唯っていつも来てくれてるけど、飽きることってないの?」

「ないです。ここのコーヒーは私にとって、常食みたいなものですから」

「常食か、そんな感覚で飲んでくれる人はいなかったなー」

「どっちかって言うと、テーマパークに来るような感覚で来る人が多いですもんね。まるで一種のアトラクションのように、味わってすぐに帰っていく。私としてはもっと雰囲気を楽しんで、家にいる時のようにリラックスして、楽しんでほしいんですけどね」


 唯が寂しそうな表情で、コーヒーを見つめながら静かに話す。


 時刻はもう6時になるかどうかというところだ。


 ラッシュが終わり、客は唯ただ1人。この日は店も僕1人だけであり、璃子はヤナセスイーツに修行へと出かけている。2人共シフトがない日は大変だ。時間を忘れてゆっくりしていってほしいという想いから時計は店に置いていないが、実は客席から見えない位置に時計を置いている。


「唯、余韻に浸ってるところ悪いけど、そろそろ魔法が解ける時間だ」

「もう店仕舞いですか……ここにいると、時間があっという間に過ぎますね」

「それだけ楽しめてるってことだ。なあ唯」

「はい……」

「うちで修業したいって言ってたよな?」

「そうですけど……」

「考えとくよ」

「本当ですかっ!?」

「ああ、本当だ。リサも柚子も大学を卒業したら就職か起業でうちを辞めることになるだろうし、店が大きくなったら、もっと人手が必要になる。唯だったらいいかなと思ってさ」

「……いつでも誘ってください。私、葉月珈琲に骨を(うず)める覚悟ですから」


 唯が椅子から立ち上がり、目をキラキラと輝かせながら、大胆にもうちに一生を捧げる宣言をする。


 そこまでしなくてもいいのだが、彼女の言葉にはどこか力強いものを感じた。


「期待しないで待っててくれ」

「はい、そうさせていただきます」


 唯は会計を済ませると、満足した顔で葉月珈琲を後にするのだった。


 10月を迎え、ようやくJCTC(ジェイクトック)の決勝大会の前日となる。


 予選と決勝大会だけで、2回も東京に行く破目になった。いるだけで体力を奪われるというのに。


 大会前日、璃子と共に真由の家まで赴いた。真由も高校を休んで来てくれる。そこまでしなくてもいいと思うが、僕だったら迷わず来ていただろうし、人のことは言えない。


 翌日、決勝当日を迎えた。


 会場には少し多いくらいの観客がいる。僕らはスタッフに案内され、控え室へと赴く。最終登録を済ませると、大会中の休憩時以外は持参したエプロンを着用する。


「めっちゃ可愛いエプロンやな」


 声をかけてきたのは丹波だった。最後に会ったのはJLAC(ジェイラック)神戸予選以来。決勝まで来れなかった時点で、こいつが予選落ちなのは確定なのだが、彼の競技は見たことがない。


「そんな驚かんでもええやん」

「……なんか用?」

「俺もここにいる連中もな、みんな葉月みたいな天才バリスタになりたいんや。天才になるのに必要なものって何やと思う?」

「……才能と努力」

「えっ、それって相反するものとちゃうの?」


 何を言ってるんだこいつは?


 成功するのに必要な『才能』と『努力』が相反するものなわけねえだろ。


 むしろ相反するどころか比例するものだ。才能を発揮するには努力が必要だし、努力をするには才能が必要だ。このどちらが欠けてもうまくいかないことは先人たちが証明済みである。後は運だ。いくら才能があって努力をしたとしても、活躍できる舞台に恵まれていなければ意味がない。


 僕だってバリスタ競技会がなければ、ただの高機能社会不適合者だ。


 コーヒーが僕の人生を変えたと言っても過言ではない。


「何も分かってないな」

「えっ……」

「才能なしに努力はできないし、努力なしに才能は発揮できない。ただそれだけ。くだらないことをしてないで勉強しろみたいな言葉に屈してきた連中には分からねえよ」

「……」


 丹波が何かを考えながら黙ってしまう。


 またやってしまった。多分、僕が言っている言葉の10%も理解していないだろうが、ほとんどの人は向いてもいない何かを強制させられ、時間を費やすことになる。その圧力に屈しなかった者と屈した者が同じ土俵で争えば結果は見えている。悪魔の洗脳は才能と努力に対して歪んだ意識を植えつける。この2つを反対語として認識させ、人を天才と凡人に二分するのだ。


 何かで成功したいなら、向いている分野発見し、そこに努力を費やすべきなのだ。天才と呼ばれている人たちはそれをやってのけただけだ。故に彼らを雲の上の存在として見ること自体間違った認識だ。


 自分がやらなかっただけのことを、天才という言葉を盾にして誤魔化してんじゃねえ!


 僕は天才ではない。向いていることを早期に発見し、他をそっちのけにして努力を費やした。それがたまたまバリスタという職業であっただけのこと。何も特別なことはしていないのだ。ピアノに関して言えば、耳コピの才能はあったが、作詞や作曲の才能はなかった。何度か試したが全部酷評され、良質な作品を自分で作曲できないことを良しとしない僕としては、あまり面白いとは思えなかった。小さい頃にピアノじゃ安心して食っていけないと言われた部分も大きい。


 当時の僕は今よりも素直だったため、不覚にも鵜呑みにしてしまった。


 鈴鹿に勧められるままピアニストになっていたら、バリスタより大きな実績を残せていただろうか。正直に言えば、自信はなかった。故にピアノは趣味の範囲に留めた。


 あの誘いのお陰で、僕の才能が『バリスタ>ピアニスト』であることがハッキリ分かった。


 鈴鹿には感謝している。道を選ぶ覚悟を試されていた気がする。


「それでは今から予選を勝ち残った12人の競技者たちによるカッピングを行います。全員で一斉にレッツカッピングと言い終わりましたら、競技を始めてください。制限時間は8分です。まずは最初の4人に来ていただきましょう。合図と共に競技開始です」


 4人の競技者が準備を始める。全員競技用のエプロンを着用している。僕がいるのは最後のグループであり、エプロンも一応持ってきたのだが、ハートのピンクを基調としたエプロンであったために目立ってしまう。だが僕は決めた。世間には従わないと。


 最後の3組目であったため、しばらく待つことに。


「それでは最後の3組目です」


 観客から大きな歓声と拍手が沸いた。


 おいおい、明らかにさっきまでと反応が違うじゃねえか。


 余計な嫉妬を買うことになるからやめてほしいんだけどな……。


「全員スプーンと紙コップを持ちましたね。では、レッツ――」

「「「「「カッピング!」」」」」


 僕を含む参加者が一斉にスプーンでカッピングをし始める。


 目の前に8セット24個のカップにコーヒーが注がれている。スプーンですくったコーヒーを啜り、すぐに紙コップに吐き出す作業を8セット繰り返す。味の違うコーヒーを味覚のみで判断する。


 より多くの種類を知り、その些細な違いが分かる人ほど有利だ。歓声は全く聞こえなかった。正解と思うコーヒーを次々と解答エリアへと置いていく。マークが正解と違うところに貼られていない限り正解できる自信があったし、違いどころか種類さえ手に取るように分かる。


 ――やはりこれは僕には簡単すぎた。


 全部で8問の問題が終わると、手を挙げてジャッジにタイムとコールする。無論、制限時間を過ぎれば失格になるが、僕はいつも1分程度で終わるため、時間はいつも余っていた。僕の番が終わった後、しばらくの間は他の3人が深刻そうな顔で首を傾げながらカッピングを続けている。その中には丹波もいた。さっきまでのとぼけたような表情はどこへやら。


 司会者の笛が鳴り、ようやく全員が競技を終える。全員が解答エリアに置かれたカップの裏を確認しながらマークの有無をグッドかバッドのジェスチャーで伝える。僕は全問正解だった。もし他に全問正解者がいれば時間の勝負になるが、負ける気はない。最後に全員が集められる。よく見てみると、金華珈琲のマスター、桂川慶さんがいた。彼は最初の1組目の競技者だった。準決勝まで無事に進出できたようだ。マスターが僕に気づくと、無言のまま微笑みながら手を振ってくる。


「それでは決勝進出者を発表します」


 決勝に進めるのは12人中4人、ここにいる内の8人が脱落する。


「2人目の進出者は、葉月梓バリスタです」


 全問正解したこともあり、最後の4人に残った。マスターと丹波は進出できなかった。生き残った知り合いはもういない。これが正真正銘最後の戦いだ。


「それでは今から決勝を始めます。決勝に残った4人の方は定位置にお立ちください」


 僕らは定位置に立たされると、スプーンと紙コップを渡され、24杯分のコーヒーがタイヤのついたテーブルに乗せられて目の前に運ばれてくる。


「準備はよろしいですか? では、レッツ――」

「「「「「カッピング!」」」」」


 いつも以上に集中していた。さっきとは別の種類だったが、味の違いが手に取るように分かる。


 3杯のコーヒーの味見、正解となるカップの判断、解答エリアに運ぶ作業、これらの工程を最適化することに尽力する。もはや誰も僕を止めることはできない。破竹の勢いで最後の問題に達する。1杯目はグアテマラ、2杯目はマンデリン、つまり3杯目がこのどちらかだ。


 酸味とコクのバランスがいい、そして後から花の蜜のような甘さがジワジワと伝わってくる。


 これはグアテマラで間違いない。正解は2杯目と思い、解答エリアにカップを置いた。


「タイム」


 全問を1分程度で終わらせる――。


 ふと、横を見てみると、まだ他の競技者が続けている。まだ4問目が終わっていない人もいた。全員の競技が終わり、司会者の笛が鳴り響いた。制限時間ギリギリまで競技を続ける者がいたためか、僕は待ちくたびれていた。結果発表がすぐに行われる。正解数が同じなら、僕の優勝確定だ。


 1個ずつ正解かどうかが発表されていく。最後のカップまでの結果が発表された。僕はまたしても全問正解して優勝が確定する。他にも全問正解の人がいたが、圧倒的な時間差で勝利した。全問解くのにみんな2分以上もかかっていた。大会が進行するにつれ、難易度が上がっているとは思わなかった。


「今年のジャパンカップテイスターズチャンピオンシップ優勝は……葉月梓バリスタです。しかもここまで全問正解での優勝です。おめでとうございます!」

「良しっ!」


 両手でガッツポーズを決め、安堵する。無事に世界大会への切符を手にした。


 WCTC(ワックトック)は来年の6月にロンドンで行われる。


 ロンドンか……予てから一度行ってみたいと思っていたし、丁度良かった。ロンドンは唯の故郷でもあるわけだし、何だか楽しみになってきた。最後に集合写真を取った。


 いつも通り、リクエストして距離を置いてもらった。


「それでは以上をもちまして、ジャパンカップテイスターズカップ全工程を終了とさせていただきます。皆様、本当にありがとうございましたー!」


 集合写真には、心ここにあらずな表情の僕が写っていた。


 安心したのも束の間、大会が終わると同時に、大勢の報道陣が押し寄せてくるのだった。

気に入っていただければ、

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