491杯目「終わりなき氷河期」
10月上旬、旧杉山グループとの決着から1ヵ月が過ぎた。
全国各地に散らばった旧杉山グループの残党の反乱が勃発する。
馬鹿げている契約内容に噛みつかれ、優勝回数勝負を仕掛けてきて張本人が不在の中、しばらくは不毛な争いが続くだろう。旧杉山グループの大半の企業を吸収合併したまでは良かったが、葉月グループはまた1つ悩みの種を抱えることとなる。旧杉山グループ傘下企業の過半数が赤字を抱えており、不良債権となっていた。葉月グループはまたしても罠に嵌められたのだ。
旧杉山グループが勝ったら勝ったで、葉月グループの資源を吸収して拡大路線を継続できるし、負けたら負けたで、葉月グループに負債を押しつけることができる。限界が近いグループ企業にとっては美味しい大博打だったのだ。企業を株券か何かと思って売買するレベルの発想だし、グループ単位で賭けを行うとは敵ながら天晴れだ。相手側の役員には当然伝えていないし、反発を買うのも無理はない。
吸収合併により、旧杉山グループの元幹部たちは一斉にクビになった。元幹部たちが再び集結し、一部の企業を牛耳ってしまった件が事の発端だが、裁判の結果次第で独立を認められてしまう。あんな連中が支配する企業が生き延びるのは社会のためにならない。万単位の社員とアルバイトを抱え、暫定的に現状維持となっているが、天下分け目の戦の後からついてきた連中の面倒まで見るつもりはない。
僕はある決断を迫られていた。旧杉山グループ傘下企業の『解体作業』である。
葉月珈琲に赴き、先にカウンターテーブルに腰かけていた璃子と鉢合わせる。
璃子の隣に腰かけると、璃子はパソコンを僕のそばにまでスライドさせた。
「512社の子会社に6万3473人の従業員か。赤字を抱えながら、これだけのグループ企業を維持するのは大変だっただろうな。うちは今でこそ利益が上昇傾向にあるけど、旧杉山グループみたいな状態になっても不思議じゃねえし、早い内に決断を下した方がいい」
「お兄ちゃん、本当にやる気なの?」
「やるしかねえんだよ。一応葉月グループの人事を派遣して調査したけど、旧杉山グループに雇われている連中の大半は、言わば人的資源として雇われただけの不良債権だ。言っちゃ悪いけど、就労に向いているとはとても言えない。特に50代以上の働かない中年組が些か多すぎる。こいつらはリストラの最有力候補だ。企業と社員は一部を残して全部解体する」
「失業者が大量に溢れ返るけど、そこは大丈夫なの?」
「改革をしなきゃ、柚子の会社と同じ末路だ。早期発見した癌細胞を取り除かない馬鹿はいない。旧杉山グループの企業は、どれも過労死事件に過労入院を量産してきた有数のブラック企業だ。ブラック企業を掃除する丁度良い機会だ。腐敗した社会を維持してきたブラック社員たちにも責任の一端はある」
璃子の表情が曇り、ようやく口を閉ざした。黙認の証だ。
本来であれば、生活保護を受けるべき連中を多く雇い、給料分の稼ぎもできない奴らが会社にぶら下がる格好となっていたことが赤字の原因だ。杉山平蔵が与党に働きかけて非正規社員を増員したのは、主に低コストで使える派遣社員にすることで企業の不良債権を減らし、無能な社員をクビにしやすくするためでもあった。正社員は多くの場合、解雇規制に守られ、無能でも簡単にはクビにできない。
結果、氷河期世代がとばっちりを食らう格好となったが、良くも悪くも実力が繁栄されやすくなったという見方もできる。どこかのタイミングで大量入社をやめ、終身雇用を廃止する必要があったのだ。今の時代に人的資源としての雇用を行ったところで、社会で通用するだけのスキルがなければ使い物にならないのだ。しかも通常の学校教育を真面目に受けても、就労にはほとんど役立たない。
不登校となり、葉月珈琲塾で学んでいる子供の内、勉強の苦手な子供たちについては、手に職をつけさせることで食いっぱぐれを免れている。本来は親と学校がしなきゃいけないことを民間企業が賄っている時点で、教育システムは機能不全と言っていい。計画を実行に移せば、無事に就職レールに乗れた氷河期世代の連中さえ苦難の道を辿る。多くは定年を迎えても蓄えがなく、生活保護まっしぐらだ。
当然だが、失業率は大幅に上がるだろう。
無敵の人や餓死者が増加すれば、政府も放っておけなくなる。
「伊織ちゃんの姿が見えないけど、今日は休みなの?」
「ああ、伊織がまた妊娠したからさ、当分は休みだ」
「お兄ちゃん、すっかりどうしようもないスケベになって……」
「責任は取ってるんだから別にいいだろ」
「どうりで急に僕がマスター代理になったわけだ」
どこからともなく現れた千尋が僕と対面するように両肘を置いた。
千尋のすぐそばには、葉月珈琲塾を卒業した後、マイナー店舗で実績を重ねたバリスタたちがいる。
書き入れ時を過ぎたのか、千尋が新入りのバリスタにマニュアル行動を説明している。
新入りはコーヒーイベントにもマイナー競技会の競技者として顔を見せていたが、ここにきてようやく葉月珈琲デビューを飾った。妊娠中で動けない伊織の他、パナマでコーヒー農園での研修を行っている桜子が復帰するまでの間、ここでの業務に従事するわけだが、マイナー店舗とはレベルが桁違いだ。
マイナー店舗にはプロ契約に漕ぎつけようと日々奮闘するバリスタが集まるが、メジャー店舗には既にプロ契約を結び、本気で頂点を目指すバリスタしかいない。生活費を稼ぐためだけに仕方なくやるような生半可な労働ではない。立ち振る舞いから創造性に至るまで一流であることを求められる。一流の定義は人それぞれだが、共通するのは裏打ちされたプロ意識だ。プロ仕様の道具が高いように、プロバリスタが提供するコーヒーにも付加価値として料金を高くできる。無課金勢に多いクレーマーをシャットアウトしつつ、世界中から舌の肥えた客が集まる店舗となった。他のメジャー店舗も破竹の勢いだ。
特に皐月と弥生を輩出した葉月創製は、今年度の売り上げだけで葉月珈琲を上回った。差は広がるばかりで、シグネチャー開発に特化したことが世のトレンドと一致した結果と言える。様々なタイプの店舗を張り巡らせたことで、売り上げの高い店舗を見れば、世の流れが手に取るように分かる。結論を言えば、今のコーヒー業界はシグネチャーを求めている。葉月珈琲は僕が伊織にマスターの座を譲ってからは勢いが振るわない。伊織が言うには、僕というブランドだけで売り上げを伸ばしていたとのこと。
僕に言わせれば、マスターとしての伊織が過小評価されているだけにも思えるが……。
千尋は既にFA権を取得し、メジャー店舗を構える資格を持つが、葉月珈琲が気に入ったらしい。
自分が本当の一流かどうかはわからないが、人を遺すくらいはしてみせる。店の外にも中にもバールスターズのポスターが貼られ、バールスターズにちなんだ新メニューまでもが発売されている。ハロウィンの時期ということもあり、10月の間は男性スタッフがヴァンパイアの衣装、女性スタッフがウィッチの衣装を着用している。デザインは全て璃子が雇ったファッションデザイナーの友人が手掛けているとのことだが、好評につき、期間限定で発売するまでになった。
「それで? 今日はバールスターズの練習はしないの?」
「事が済んだらやる。今は重大な決断をしないといけねえからな」
「じゃあ僕がやるよ。僕だって旧村瀬グループの社長代行としてリストラを何度も見てきたからさ、やるなら僕にやらせてよ。あず君1人で悪役になることない。ここは全部僕が背負うからさ……あず君は十分戦ったよ。だから今は大会に集中して。プロが大会前に練習をしなくてどうするの」
「千尋……璃子はいいのか?」
「まあ優勝回数勝負に勝てたのは、どれもお兄ちゃんの成果だし、今ここで身を引いても、誰もお兄ちゃんに文句は言わないと思うよ。それに経営に慣れてる千尋君の方が活躍してくれそうだし」
「……分かった。任せたぞ」
「! ……うん、任された」
千尋は顔を赤らめながら僕と視線を合わせると、恥ずかしそうに視線を逸らした。
弥生が駄目なら最悪千尋を誘う手もあったが、もう2ヵ月しかないし、準備不足が浮き彫りになるのは必至。弥生は二冠達成を果たしたことで自分に自信がついたし、皐月と比べても遜色ない。
10月中旬、旧杉山グループ企業の管轄権を得た千尋によって『大粛清』が実行に移された。
500を超える企業が解体され、6万人程度の社員が一斉に首を切られた。
どれも万年赤字を記録し続けていた飲食店や介護施設ばかりだ。旧杉山グループに依存していた企業も数多く潰れた。セーフティゾーンにいた氷河期世代にも大打撃となり、日本経済に多大な影響を与えた。失業率は急上昇し、行政は路頭に迷う者たちの対応に追われ、ハロワなんかは大忙しだ。大して生産性を上げられない連中を雇用し続けても、お互いのためにならない。
生活保護受給者の数も急速に増えるだろう。令和恐慌以来の大騒ぎだ。
僕らによる、ブラック企業を維持し続けた社会への、せめてもの復讐だ。
残った有用な企業と人材は全て葉月グループ体制へと移行を完了し、杉山グループは面影を残すこともなく完全に消滅した。杉山景子が再婚したことで、杉山平蔵の娘全員が既婚者となり、彼女たちは何事もなかったかのようにひっそりとした余生を過ごした。また1つパンドラの箱を開けてしまったような気もするが、それくらいの度胸がなければ、世の中を変えるなんてまず無理だ。
現状維持は必ず衰退の一途を辿る。歴史が証明してきた事実だ。
労働の機械化が進み、大勢の人間が働く必要はなくなった。だが働かなければ生きていけない社会構造だけが残ってしまったために、何の生産性もない仕事のための仕事が蔓延ってしまっている。この現状に一石を投じるならば、経営者の利益のためだけに存在し、なくなったところで誰も困らない事業を全て潰すことだ。失業者が溢れ返れば、政府もベーシックインカムの導入を検討せざるを得ない。
Fラン大学も、就労支援施設も、労働意欲もなければ就労適性もないような連中を半ば強引に就職レールに誘導するシステムの弊害だ。就職も起業もできない時点で立派な障害者だってのに……ああいう連中の生活保護受給のハードルを下げるだけでも十分な成果である。社会システムによって割を食っている連中の面倒は社会システムで見ろってんだ。なのにみんな障害者雇用促進法なんてふざけた悪法を真に受けてやがる。本来自分たちが背負うべき責任を民間企業に押しつけてんじゃねえ。
増税するなら、相応の対価を払えってんだ。
10月下旬、千尋に背中を押された僕は、家でバールスターズの準備に没頭していた。
以前より広くなったリビングを田舎風木造カフェにリフォームし、エスプレッソマシンや直接教える際はここを使って練習できる。やはり僕にはカフェがなければならないようだ。全てのコーヒー好きにとってカフェは心のオアシスなのだ。遠征先でも場所を借りて練習するのが当たり前だった。どこに行っても欠かせない。皐月と弥生は葉月グループの動向を把握していたのか、どこか浮かない様子だ。
伊織が腹部を擦りながら、2人の代わりに口を開いた。
「あず君、大量リストラの件ですけど、生活に支障が出ないように、ちょっとずつクビにして、新しい就職先を紹介するのじゃ駄目なんですか?」
「何言ってんの。そんな中途半端なやり方をしてたら余計に中途半端な社会構造になっちまうだろ。今は人海戦術で労働する時代じゃないんだ。ほとんどの人間は大した意欲も能力もないまま働かされてるし、労働意欲も就労適性もない奴は、大人しく家に引き籠って、生活保護を受けながら一生オンラインゲームでもやってりゃいいんだ。才能があれば配信で稼げるようになるしさ、動画配信者とか社会不適合者多いだろ。サラリーマンが多数派の時代にサラリーマンにならなかった奴にはな、それなりの事情ってもんがあるんだ。サラリーマンに向いてない奴をサラリーマンにするための付け焼き刃な訓練をして送り出したところで、幸せにならない奴だっているんだ。でも今の社会は集団生活に向いてない奴が想定されていないし、そのくせ誰も改革をしたがらない。だから僕がやるしかねえんだ」
「それは自己紹介ですか?」
「ふふふふふっ! 自己紹介……」
弥生が笑いながら呟いた。笑いのツボにハマったらしい。
ていうか笑うとこじゃねえだろ……状況そのものはギャグみたいなものだけど。
旧態依然とした解雇規制があるため、正当な理由もなく労働者を辞めさせることはできないが、会社を畳む場合は話が別だ。業績悪化とコストダウンという名目で、更には銀行からの融資を全て打ち切ったこともあり、一度に多くの旧杉山グループ企業がお取り潰しとなったが、当分は恨まれそうだ。
まあでも、氷河期世代を生み出した張本人たちは無事に過ごしているし、度胸もない連中がわざわざ復讐する度胸もない。杉山平蔵暗殺事件は例外と言えるケースだ。直接的に恨みを持つ理由があった。石原は当分出てこれないだろうが、被害者が多くの人に恨まれている分、情状酌量の余地はある。
「まっ、そういうわけだ。僕はただ、働く資格のない連中が堂々と無職でいられる社会になってほしいだけだ。他意はない。それに良い知らせもある。来年から岐阜市で無職の人限定のベーシックインカムを試験導入することが決まった」
「もしかして、そのために大量失業させたんですか?」
「それもある。でも気にするな。生活のために嫌々やっていた仕事が、本当にやりたかった仕事になるだけで、ほとんどの人は無職の引き籠り生活には耐えられない。そのことは令和恐慌が証明済みだ」
「あー言えばこーゆー」
ジト目のまま僕を見つめる伊織。何だか璃子を見ているみたいだ。
「しかし、いくら旧杉山グループがブラック企業ばかりのグループだったとはいえ、失業率の急上昇は今までに類を見ない。このままだと、あず君は自分のことしか考えない暴君と思われるぞ」
「噂を広めているのは既得権益で飯を食っていた旧杉山グループの幹部たちだ。各地方で他の保守派の連中とつるんで、未だに僕らに対して睨みを利かせている。大粛清の影響で、葉月グループとは取引しないと宣言する企業が後を絶たない。取引先まで芋蔓式に倒産させられたのが気に入らないと見える」
「それだけ多くの企業が旧杉山グループの恩恵を受けていたということだ。あず君は過重労働と引き換えに保障されていた、この国の安定した雇用システムの受け皿を破壊してしまったからな。他の著名なグループ企業も打撃を受けている。どの道何らかの形で責任を負わされるぞ」
「心配ない。改革が一通り終わったら、僕は総帥を辞める。株の配当だけでのんびり生活できるようになったら、本当にやりたかったことを始める」
「「「「「……」」」」」
周囲が静まり返り、唯たちまでもが手を止める。
燈が泣き出すと、伊織の代わりに唯が小さな体を持ち上げ、リビングから離れていく。
コーヒーを淹れる機会は以前よりも減った。自分でコーヒーを淹れるよりも、こうして誰かがコーヒーを淹れることを見守る機会の方が断然多いくらいだ。どうしてもこの状態に納得がいかなかった。
「ところで、バールスターズって、どんなルールなんですか?」
「ざっくり言うと、先に相手を3アウトにした方が勝つスリーアウトルール。合計3000人1000チームが20チーム1組の予選をスイスドロー形式で戦って、生き残った50組が準決勝進出。そこで勝ち抜いた上位10チームが決勝トーナメントを戦う。予選は何回アウトになっても同じ参加者が続けて参加できるけど、準決勝以降はアウトになった参加者は競技に参加できなくなる。5組のグループの中で上位2チームに入れば決勝進出で、残り2チームになる前に3アウトになった場合はその時点で強制リタイアになる。決勝トーナメントも先に相手を全滅させて、先に3アウトを取ったら勝ちだ」
「結構難しい勝負なんですね」
「しかも対戦相手との競技が全部ルーレットで決まる上に、合計30種類もある。だから参加者はどの競技になってもいいように練習を積む必要があるってわけだ」
「コーヒーを時間内に何杯も淹れたり、ラテアートの類似性を競ったりする競技もあるんですね」
「ツーオンツーの競技で負けた場合はダブルプレイ、つまり2人共アウトになる。でも残り1人の時は自動的にルーレットから削除される。シグネチャードリンクの創作を除けば、今までに参加した大会の競技が全部採用されている。しかも新しい競技まである」
ざっくりと説明すると、伊織が首を傾げながら僕の顔を不思議そうにジッと眺めている。
「どうかしたか? 顔に疑問符がついてるぞ」
「いえ、あず君だったら、ひけらかすような感じの説明だったと思いまして……昔のあず君は大会のルールを説明する時、もっとハイテンションで、聞いているこっちまで引き込まれていたような……」
「確かに言われてみればそうだな。昔はもっとジェスチャーが激しくて、意欲的で声も大きかった気がしないでもない。でも今のはどこか機械的で、表情にも変化が見られなかった。一体どうしたんだ?」
「……知らねえよ。ほら、練習再開だ」
パチンと手を叩いて空気を一変させると、皐月たちは一瞬表情を沈ませながらも切り替えた。
どうしたんだって言われても、原因が分かっていたら苦労しないっつーの。
何だか気にしていることを言われたみたいで腹が立つ。
自虐的な人が他人から言われると怒る理由がちょっと分かった気がする。意欲的という言葉には刺さるものがあった。仮にこれが正しいとするならば、今の僕には意欲がないってことなのか? 大会には参加する気でいる。惰性で参加するわけじゃない。出るからには優勝を目指すのが当たり前だ。でも何か大事なものを失った気がしないでもないが、頭の中がもやもやする。何が問題だってんだよ! こんなことで悩んでて、チームリーダーが務まるのかよ。
段々と心臓の鼓動が早くなる。昔は練習中に緊張することなんてなかったのに……。
何かが僕を変えてしまった――いくつか思い当たる節がある。
毎年バリスタ競技会に参加し、僕の中では恒例化し、葉月グループにとっては躍進の起爆剤となっていたが、僕の他に参加するバリスタが年々強くなっていることに恐怖感すら覚えている自分がいる。昔の僕だったら、強敵を前にした時、もっと別の感情を持っていたような……。
あるいは多くの出会いと別れを繰り返し、時に追い詰められてきた内に僕自身が競争に駆られ、バリスタ競技会から葉月グループの経営に至るまで、死に物狂いで没頭している内に余裕がなくなってきたのかもしれない。自信がないわけではない。何なら数多くの敵を倒し、伸し上がってきた実績がある。
過去を思い返してもピンとこない。何かが足りない感覚は合ってるはず。
勘の鋭い伊織が真っ先に気づくあたり、やはり何かがおかしいのだ。
漠然とした違和感に、僕は昼夜を問わず悩まされ続けた。
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