49杯目「新たなコーヒーへの挑戦」
8月下旬、ようやくシグネチャードリンクを完成させた。
この時はスペシャルティコーヒーの1つであるコロンビアのコーヒーを使い、フレーバーを更に引き上げたドリンクを実験の末、遂に完成させたのだ。
僕が抱えている課題は全部で2つ。
1つ目の課題はどのコーヒーを使うかだ。目当てのコーヒーが買えなかった場合に備え、シグネチャードリンクは何通りか完成させようと考えた。ちなみにアルコールは厳禁だ。
JBCでもWBCでも、アルコールを使わないドリンクの提供がルールで定められている。どうしてもノンアルコールにする必要がある。ゲイシャのコーヒーは念のため、色んな業者を当たって確保できるようにした方が無難か。
最悪、穂岐山珈琲を頼ることになるかもしれない。
ある日のこと、葉月珈琲に唯がやってくる。
裏メニューとしてシグネチャーを紹介した。僕にとっては生まれて初めてのシグネチャーだ。
緊張を隠せないまま、シグネチャーを唯に試飲してもらうことに。
「これ……凄く美味しいです」
「よかったぁ~」
唯に喜んでもらい安堵する。味は事前に自分で確かめていた。
不味いと言われる心配はなかったが、初挑戦は成功のようだ。
「このコロンビアコーヒーはメインフレーバーがトロピカルフルーツだったから、トロピカルフルーツを濾して液体化したものを少しだけ加えて、更に火で熱した同じコーヒーを少し加えて、このコーヒーに足りなかったボディを補強してみた」
「他のバリスタもこういうの使うんですよね?」
「いや、大半のバリスタはここまでしない。だってこんな豆でシグネチャーの実験とかやったら、あっという間に赤字になるからな」
「あず君は赤字の心配しなくていいんですか?」
「赤字になった時は、最悪これを店に出して高値で売る」
「もしお店で売るとしたら、いくらかかるんですか?」
「1杯3000円はかかるだろうな」
「さっ……3000円……」
僕の答えに唯はしばらくの間顔が固まっていた。無理もない話だ。1杯のコーヒーに3000円も出すとなれば、間違いなく金持ちの道楽だ。味の組み合わせを描く感性には自信がある。僕が料理の献立を考える時、頭の中がパズルの状態になる。辛い味を加えたら今度は甘い味を加えたりなど、味のバランスを崩さないように献立を組み上げていく。この感性は料理を通して研ぎ澄まされていったが、これがシグネチャーを作る際、大いに役立った。僕は自分の感覚を信じた。幸いにもシグネチャーはコーヒーをあまり消費することはなかった。もちろん利益なんて度外視だが、優勝するならそれくらいはしないと世界相手には勝てない。僕はWBCを見て世界の広さを知った。
並大抵の努力では優勝なんてまず無理だと思った。
大会で使用するコーヒー豆として、パナマゲイシャを選択し、食材の味を活かせるように考慮しようと考えた。一刻も早くゲイシャのコーヒーを手に入れる必要があった。柑橘系のさっぱりした酸味や、ブラックのままでも美味しく飲める絶妙な甘さ。あれを使わない手はないだろう。
WBCはもっと先だ。JBC優勝が決まったらまた仕入れないといけない。そのためには利益を上げるしかないか。
2つ目の課題は密集する日本人だ。JBCはそこそこ有名な競技会だし、ジャッジも恐らく全員が日本人だろう。それまでに日本人恐怖症を少しでも緩和させておく必要がある。この2つをクリアできれば、恐らく決勝まではいけるだろう。目標はあくまでも店の宣伝であることを忘れてはならない。ファイナリストに残れば居座るだけで宣伝になるし、決勝までは絶対にいきたかった。
しかもJBCの前回チャンピオンはWBC決勝まで進出している。あの時点で国内予選もそれなりに厳しい戦いになることは分かっていた。
入念に準備ができているかは大きい。
9月を迎えると、僕は相変わらずシグネチャーに没頭していた。アメリカからの外国人観光客のラッシュは段々と勢いを失いかけていた。それでも利益は出せたし、夏場の儲けのお陰で景気は良かった。
「! えっ! 何で美羽がここに?」
驚くべきことに、そこに美羽が現れた。
美羽は僕に嫌われたものだと思っているのか、どこか悲しそうな顔をしている。
「あず君、この前は冷たい態度を取ってごめん」
「……いいんだ。本当のことだし。僕も言い過ぎた」
美羽の方から来てくれたこともあり、あっさり和解した。この頃は10代でバリスタの大会に出る人はまずいなかったこともあり、面白がられた。
「美咲に言われたの。あず君は受動的な人だから、自分から言わないと駄目だって」
「あいつはくだらないことだけはよく覚えてるからな」
「それと美咲から聞いたんだけど、JBCに出場するんでしょ?」
「そうだけど……」
この時、僕は美羽の中でつまらない人から面白い人にランクアップしたらしい。
ならスーパーヒーローにもなれるかな?
「あたし、あず君がJBCに出ることをお父さんに伝えたの」
「また余計なことを」
「まあまあ、そしたらお父さんがJBCの参加募集が始まる時期をあず君に教えてやってくれって、あたしに言ったから伝言しに来たの」
「何でそれを早く言ってくれないんだよ?」
「お兄ちゃんはコーヒーが絡むとすぐ態度が変わるね」
「ふふっ、まだ正確な日は決まってないけど、お父さんが言うには、11月上旬から募集開始だって」
「11月上旬か。なら問題ない」
パナマゲイシャの収穫時期は10月から。JBCの募集開始が11月だが、11月に遠征すれば、その間に募集が終わってしまう危険性がある。12月はもう全てのコーヒー豆を売る相手が決まっているかもしれない。なら、決まりじゃねえか。
10月になったらパナマ遠征を心に決めた。
「なあ……美羽」
「何?」
「……ありがとう」
「!」
美羽の顔が赤くなりそっぽを向く。嬉しいというよりはホッとしたという印象だ。
「べっ、別にいいの。あず君のためだから。せめてもの罪滅ぼし」
「罪滅ぼし?」
「うん。あず君が東京に来てくれた時、あたしがあず君と一緒にいたくて、冗談で脅しちゃったことがあったでしょ? あれの罪滅ぼし」
「……あー、あれか。もういいのに」
「あたしのせいでお父さんの評判まで下がっちゃったら、穂岐山珈琲に入社なんてしてくれなくなっちゃうし、だから……反省してる」
「別に美羽の評判が下がったところで、穂岐山社長の評判が下がる理由にはならないだろ」
「?」
美羽は返しの言葉に驚いていた。
日本では誰かが悪行をやらかすと、何故か身内の評判までもが悪くなってしまう。
凶悪犯の身内というだけで、本人は特に悪いことをしていなくても、結婚ができなかったり、職場や学校にいられなくなったりする。これは世間の横暴である。正当な理由ではないし、僕に言わせればただのいじめである。だが世間が人をいじめる場合は、残念ながら誰も文句は言えない。凶悪犯の身内もまた、世間の被害者である。世間とは未熟な暴君でしかない。
だから僕は……世間が嫌いだ。
僕は個人主義者である。誰かの評判が下がったところで関係者の評価まで下げたりすることはない。ましてや美羽は成人しているわけだし、少なくとも親の責任ではないだろう。
だが奴らには個人という概念がない。みんなで1つであるという考え方が前提である以上、誰かのやらかしは、その組織全体のやらかしと見なされてしまうのだ。恐らくこの感覚が美羽にも染みついていたのだろう。世間という監視者がいるからこそ、それが犯罪の抑止力となり、助け合って治安を保っている良い面もあるのだが、僕はどうも世間というものが好きになれない。
良くも悪くも世間への依存が集団主義なのだ。
「少なくとも、おじさん以外が原因でおじさんの評判が下がることはないから安心しろ」
「ふふっ……あず君って、やっぱり面白い」
よく言われるよ。まあ、悪い気はしないけど。
美羽と和解すると、彼女は注文したランチセットを平らげ、そのまま東京へ帰った。
かなり遠いはずなのに、実に不思議な人だ。
僕は若曽根と望まぬ再会を果たして以来、買い物には行っていない。せっかく璃子と一緒に出かけられるようになったと思ったのに――。
数日後、今度は小夜子がやってくる。
「いらっしゃいませ」
「あっ、璃子ちゃん、こんにちは」
「こんにちは。何だか落ち込んでるように見えますけど、何かあったんですか?」
「うん……ちょっとね。エスプレッソ」
「はい。お兄ちゃん、エスプレッソ1杯ね」
「うん、分かった」
小夜子に言われるままエスプレッソを淹れる。
璃子が私で良ければ相談に乗りますよと言うと、小夜子は璃子の言葉に甘えるように語り始めた。
「私、大学に行くか、自分の夢を追うかで迷ってるの」
「進路で迷ってるんですか?」
「うん。璃子ちゃんは将来のこと、考えてる?」
「はい。私も迷ってましたけど、今はお兄ちゃんのお陰で、ショコラティエになる決心がつきました」
「あず君のお陰?」
「はい。私は世界の広さを知って、それで夢を諦めかけてた時に兄が背中を押してくれたんです。才能がないとか、挫折したって言えるほど、何かに死に物狂いで没頭したことあるのかって言われて、何事にも全力を出せない中途半端だったが故に、ただ逃げているだけだって思い知らされたんです」
「あず君ってハッキリ物を言うよね」
「……そうですね」
璃子はすっかり小夜子と仲良くなっていた。
璃子だけに利口だ。あらゆるタイプの人間とすぐに仲良くできてしまう。
妹がいなかったら、僕どうなってたんだろ?
「――今も学校に行き続けていたら、今の小夜子さんみたいな心境になっていたかもしれません。学校にいると、どうしても現状維持ばっかり考えちゃうんですよね」
「それ分かるー。ずっとみんなと変わらず、仲良くやっていきたいって思っちゃうよねー」
「道連れ不登校になった時はどうしようかと思いましたけど、良い意味で選択肢が狭まりました」
確かに大学まで行けば、選択肢が増えることは間違いない。だが選択肢が増えるということは、その分将来を決めることに慎重になる可能性も高まるということだ。やりたいことがハッキリしている人にとっては天国とも言える状態だが、やりたいことが分からない人にとっては地獄でしかない。
選択肢は判断力ありきだと思っている。
いくら選択肢があっても、それを決められるだけの判断力がなければ意味がない。単に悩む要素が増えるだけだ。下手に選択肢を増やすと、結果的にどこにも決められない人は多い。璃子は皮肉にも道連れ不登校によって選択肢が狭まり、手に職をつける決断がしやすくなったということだ。元々やりたいことなのであれば問題ないし、他にやりたいことが見つかれば切り替えてもいい。
「大学に行ったら、余計に迷うことになるのかな?」
「それは小夜子さん次第だと思います。小夜子さんの夢は何ですか?」
「美容師。昔っからずっと憧れでさー、今でも通ってるお店とかあるんだよね」
「私、ずっと良い店探し続けてるんです。もしよければ紹介していただけませんか?」
璃子が真剣な表情で小夜子に懇願する。
「ふふっ、いいよ。ねえ、璃子ちゃん連れて行っていいかな?」
「店が終わってからにしてくれ。夏場ほどじゃないけど、今だってそれなりに客がいるし、ワンオペになったら多分死ぬぞ」
「小夜子さん、どうしますか?」
「もうラストオーダーの時間だし、30分くらいなら待てるよ」
「分かりました。なるべく早く終わらせます」
「はぁ~、やれやれ」
2人のやり取りを見ながらため息を吐き、呆れるように言った。
来年の大会に向けてシグネチャーを作り続けてるし、遊んでいる暇はない。こうしてみると、僕以外の人がみんな呑気に見えてしまう。璃子はショコラティエになると決意表明した日から毎日チョコを作り続けている。基本的なチョコは作れるようになったみたいだが、独学ばかりではいつか限界が来る。もっと高等な教育を受けられればいいのだが。
僕の場合はおじいちゃんという偉大な先生がいた。独学と掛け合わせたことで、ここまで成長することができたのだ。教えだけでは創造性を伸ばせず、独学だけでは経験値を伸ばせない。どちらが欠けても本当に良いものは生み出せない。もちろん例外もあるが、それができるのは天才だけだ。
僕は天才ではない。何故なら最高のコーヒーを淹れられる理由を説明できるからだ。
本当の天才は理由を説明できない。恐ろしいくらいに簡単な話だ。
璃子は午後6時を迎える前に店仕舞いを済ませると、カウンター席で待っている小夜子と共に、ライトの輝く町中へと消えていった。しばらくすると、小夜子と夕食を済ませて帰ってくる。璃子の髪は整ったゆるふわのロングヘアーになっていた。これはこれで可愛い。
さっきのポニテが1番可愛いけど……。
2週間程度の時が過ぎた――。
外国人観光客のラッシュに滞りが出始めた。
ラストオーダーを迎える前に、誰もいない日が珍しくなくなった。
ある日の正午、静乃がやってくる。
「あの、アイスコーヒーとデミグラスオムライスのランチセットください」
「分かった。ちょっと待っててくれ」
葉月珈琲のサイドメニューは季節毎に少しずつ、その数を増やしていった。だがあまり数を増やしすぎると赤字の原因になるため、サイドメニューはホットサンドやパンケーキといった基本メニューだけ通年にし、他のメニューは季節限定にした。
客の中にはコーヒーよりサイドメニューの方が美味いと答える人もいた。
料理人としては嬉しいのだが、バリスタとしては複雑である。
「あっ、静乃じゃん、久しぶり」
「久しぶり、璃子も元気そうだね」
「お兄ちゃんの人使いが荒いせいで、病気になってる暇もないよ」
璃子も皮肉を言えるようになったんだな。一体誰に似たんだか。
「静乃は今何してるの?」
「何って、高校受験に決まってるでしょ」
「高校受験……あっ、もうそんな季節だったんだ」
「ずっとお店にいたら分からないよね。じゃあ受験勉強も――」
「……うん、してない」
「璃子はどこの高校に行くか決めた?」
「!」
璃子が静乃の言葉に驚く。高校進学前提の質問をされたからだ。
果たして、友達の前で自分の本音を言えるのだろうか。
「どうしたの!? そんなに驚いて」
「私は――専門学校に行こうかなと思ってる」
「えっ!? 専門学校って、確か高卒からじゃないと行けないよ」
「ええっ!?」
「知らなかったの?」
「うん、知らなかった。誰でも行けるって思ってた」
「じゃあどうするの?」
璃子が回答に詰まり、しばらくの間は沈黙が店内を支配する。
葉月珈琲は離れ小島だった。見るに見かねた僕は恐る恐る口を開いた。
「そんなことは、その時になってから決めればいいだろ。先の心配をするよりもさ、今やるべきことに集中するべきだろ。璃子は高校に行くことが目的なのか?」
「それは……」
「だったらやり方が違うんじゃねえか?」
「……そうだね。先のことなんて、気にしてもしょうがない。お兄ちゃんはいつもそう言ってたもんね。静乃、私は高校には行かない」
「えっ、じゃあどうすんの?」
静乃が驚いた顔で返した。彼女もまた、悪魔の洗脳によって進学以外の選択肢がなくなってしまったのだ。自分が何者で、何が得意で、何が苦手なのかを考えてこなかった者の末期症状だ。
所詮はモラトリアムを伸ばすだけの場所に、無目的のまま居座ったところで時間の無駄でしかない。学校はやりたいことを見失った者たちが、暇な時間を持て余すだけの巣窟でしかないのだから。
「その時考えるよ。もし決まらなかったら、決まるまでずっとここで働く。学校を卒業したら、給料が出るようになるからね」
「……分かった。応援してるね。璃子がショコラティエになれるように、私も応援するから」
「ありがとう」
「璃子のチョコレートだけど、また食べさせてよ」
「うん、いいよ」
璃子が満面の笑みで返事をする。
僕だけじゃなく、静乃にまで背中を押されたんじゃ、もう後には引けなくなったな。
「良し、できたぞ」
「お待たせ。アイスコーヒーとデミグラスオムライスね」
僕が作ったランチセットを璃子が静乃の席まで持って行く。
「うわぁ~、美味しそー」
静乃が目をキラキラと輝かせながら、恋する乙女のような表情で出来立ての料理を見つめる。料理とは作った本人も美味いと思うものでなければならない。
自分の口に入れられないものを客には出せない。僕はそんな拘りを持っていた。
静乃がふわふわになった卵をデミグラスソースのかかったライスと一緒に口に頬張った。
「んんっ……」
「静乃……どうかしたか?」
「……凄く……美味しいです」
「それは良かった」
静乃が僕を見つめ、一言に集約された感動の言葉を述べると、安堵したように答えた。
リアクションが半端ねえなと思う暇もなく、あっという間にランチセットを平らげてしまい、支払いを済ませると、笑顔のまま葉月珈琲から立ち去って行った。
数日後の雨の日曜日、夕方を過ぎたあたりに金華珈琲へと赴き、マスターと親父に10月からパナマへ行くことを伝える。店内は僕と親父とマスターだけだった。
「そんなに凄いコーヒーがあるんだ。世界は広いね、和人さん?」
「ああ、あず君がそんな大層なコーヒーを手に入れるために、わざわざパナマまで行くなんてな。でも気をつけろよ。荷物とか取られないようにな」
「分かってる。外国は二度も経験してるんだ。問題ねえよ」
「璃子がまた寂しがるな」
「もう伝えてる。あんまり買いすぎないようにねって釘を刺された」
「でも全部使うんだろ?」
「もちろん」
親父には僕の意図は全部お見通し。僕がお小遣いを全部使い果たす子供であったことを知っていた。人間の本質は、そう簡単には変わらないのだ。
「マスター、僕、来年のJBCに出る」
「へぇ~、じゃあ僕とも競争になるね。あっ、でも日本人恐怖症は大丈夫なの?」
「日本人恐怖症……あっ!」
「やれやれ、後先考えないとこは相変らずだな」
どうしよう、JBCに出るとなると、日本人と会うことになる。
せっかくチャンスが目の前にあるってのにっ!
「あず君っ! 涙出てるよ」
「えっ!?」
これが日本人恐怖症の症状の1つ、悲しみだ。
あいつらと一緒に過ごすことを考えただけで、自分の意思と関係なく涙が出ることがある。
こんな状態でJBCに出られるのか!? ――答えは否だ。
「あず君、一度病院で診てもらうことを検討したらどうだ? じゃないとJBCに出た時にお前の精神が持たない。今のままじゃ、確実に予選落ちだぞ」
「……」
「その時までにちゃんと決めとけ。なーに、心配すんな。俺が一緒に行ってやるよ」
「……」
「何だよ、いつものあず君らしくないな」
「……考えとく」
落ち込んだ表情のまま力なく言うと、金華珈琲を後にする。
ボーッとしたまま、持っている傘を差すこともせず、雨の中を帰宅するのだった。
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