468杯目「不穏な薬局」
ゴールデンウィークの日曜日を迎えると、開いた門から親戚一同がうちに集まってくる。
引っ越してから初めてとなる親戚の集会。50人を超える親戚がいても余裕で部屋に収まった。流石は皐月の別荘と言ったところか。今は立派な葉月家の実家と化している。
親戚たちは皐月のこともすっかりと受け入れ、伊織との間に生まれた燈のことも分け隔てなく可愛がっている。だが人見知りなのか、伊織が別の親戚に受け渡す度に大きく口を開けて泣いてしまい、再び伊織に抱かれて泣き止むのを繰り返し、遂に僕と伊織しか抱くことを許されなくなった。最適化ってこういうことを言うんだな。子供たちは固まってゲームの話をしながら親戚の集会の時だけ食べられるパーティー料理を夢中になって食べている。特に人気が高いのはローストビーフだ。唯の影響だろうか。
うちの子供たちは早くもやりたいことを見つけると、一般教養は最小限にし、ひたすら好きなことだけを究めようと計画を練っているが、他の家の子供たちは今の流行ばかりを話し、テスト勉強のことで悩んでいる。早くもホームスクーリングと通学の差が表れている。
美羽が僕の隣に腰かけ、一息吐いた時だった。
「ねえ、あず君の子供たちは学校行ってないみたいだけど、本当に大丈夫なの?」
「問題ない。上の子は将来の夢が見つかったらしい。紫は部屋にいる時はバイオリンを弾いてるし、雅はバリスタ修行を始めた。末っ子式教育が効いてきたな」
「ふーん、うちの子は上の子が8歳で、今小学3年生なの。四則演算ができるようになったとこ」
「うちは紫が高3までの勉強が終わって、雅は中3の勉強をやってる」
「……えっ?」
目を点にしながら耳を疑う美羽。言っている意味が分からないらしい。
「うちは学校みたいにおっそいペースでやってねえからな。何年生の勉強だろうと、問題が解けたらすぐ次に進めるようになってる。だから他の子供よりハイペースで勉強ができる。自分の部屋だったら、他の生徒に邪魔されることもないし、分からないところはAIが丁寧に教えてくれる。教えるのが下手くそな公務員の一方的でつまんねえ授業を6時間も聞いているよりずっと有意義だ」
「でも家だと社会性が鍛えられないでしょ。友達とかはどうやって作るつもりなの?」
「友達なんか作らなくても生きていけるだろ。どうしても作りたいならオフ会にでも行けばいい。うちは定期的に家でオフ会やってるし、幸いにも他人との接し方を習得してる。まあ習得なんかしなくても困ることはないだろうけど、学校で育つよりは健全だ。ていうかよくあんな場所に行かせられるよな」
オフ会は共通の趣味を持った友人もできるし、一緒に遊べるツールがあれば、接するハードルが必然的に下がる。僕の知る限り、成人している中で、今までに接してきた日本人の内、社会性が大人の域に到達していたのは、甘く見積もっても3割程度だ。これは学校に行っても社会性が身につかないことを意味している。何なら自信を押し潰され、社会性を育てるどころではない輩も数多くいた。
子供の数は減っているが、不登校児の数は増えている。多くの場合、不登校児はニートになる。しかもニートの数自体も増えている。これは今の教育が現代社会に対して通用していない証拠だ。これから多くの人を悩ませるであろう7040問題は教育の成果と言っていい。短所や癖を直せと言われ続けて自信を失い、結果的に器用貧乏で何もできない人間ばかりを生み出してきた報いを受けることになる。そんな目に遭うくらいなら、いっそレールなんて最初から外してしまえばいい。
邪道と言われたって構わん。自分の道は自分で切り開く行動力を、自ら学ぶ機会を取り戻すだけだ。
時代遅れな教育のとばっちりを最も受けているのは親世代なのだから。
「あず君が学校で散々な目に遭ったことには同情するけど、子供たちまで巻き込まなくていいじゃん」
「学校ってのは短所とか少数派要素とかを指摘されて、自己肯定感をゴリゴリ下げる土壌がある。あんな場所にいたら、その内無気力になるかもな。一度失った自信を取り戻すのは至難の業だ。もし症状が出てきたら早めに対処することだな。うちの親と同じ過ちだけは繰り返すなよ」
「忠告には感謝するけど、大丈夫だって。子供たちはあず君とは違うんだから」
楽観的に子供を見守るようにしながら美羽が言った。
大丈夫じゃねえんだよなぁ~。仮にもおじいちゃんの曾孫だし。
さっきから美羽の子供の1人がため息を吐いている。話を聞いてみれば、学習面で躓き、みんなについていけないことが大きな悩みとなっている。口頭の説明ばかりで、何を言っているのかが分かりにくいとのこと。どうやら視覚優位のようだ。うちは伝え方を工夫しているが、学校は一律な伝え方をしているようだ。これじゃ説明が分からない生徒が出てきてしまうのも無理はない。
教え方のメソッドとかちゃんと学んできてねえなこりゃ。
うちの子供たちが受けているのと同じ勉強用アプリを使わせてみる。
最初はぎこちない指の動きだったが、すぐに慣れていき、ゲーム感覚で問題を解いていく。
電子イヤホンを耳に装着すると、AIが文字やイラストを用いながら言葉でも説明するユニバーサルデザインであるため、視覚優位でも聴覚優位でも問題なく理解することができる。分かりやすさを保証することが何より重要なのだ。吉樹と美羽の子供が画面に向き合いながら問題を解いていると、さっきまで苦戦していた問題を解くことができ、ようやく笑顔が戻った。
最近の学校はプログラミングを導入していると聞いたが、誰もが学びやすい環境を整えるには至っていない。今こうしている間にも、学校から脱落し、葉月珈琲塾に縋る者が後を絶たないのは社会の責任だ。知識の価値は量の多さではない。社会に出た後使い物になるかどうかだ。何の目的もないまま勉強ばかりさせられて好奇心を保てるのは、暗記に向いている人間だけだ。将来のための教養とは言うが、だったら大人になってから知識を使っている人の例を紹介してほしいものだと心底思った。
スマホが連絡を訴えるようにブルブルと震えた。
宇佐さんからのメールだ。鍛冶議員のメッセージは間違いなく本人のものであるとのこと。
しかし、これだけで鍛冶議員を弾劾できる材料にはならない。決定的な証拠がないのだ。USBメモリーには鍛冶議員と部下と思われる人物の音声が入っていた。だが所々ノイズが混ざり、正確な音声を聞き取ることができなかったのだ。そこで皐月に相談したところ、宇佐さんがコンピューターの扱いに精通している話を聞いた。音声の復元もできるかもしれないと思った僕は彼女に全てを託した。
自室に戻り、イヤホンを耳につけると、復元した音声を聞いた。
『足羽の土地は買収できたか?』
『いえ……思った以上にしぶといです。弱みでも握れれば何とかなると思いますが……』
『弱みがないなら作ればいい。余程の拘りがあるようだが、連中の悪足掻きもこれまでだ。確か一人娘がいたはずだ。そいつを特定してすぐ私に伝えろ。カフェ・オリエントは経営破綻寸前だ。にもかかわらず経営を続けられているのは一人娘が仕送りをしているからだ。なら仕送りを止めてしまえばいい。一人娘がクビになるように仕向ければ、いよいよあの土地は私の物だ』
『もし土地を売らないようなら、最悪消えてもらいますよ。これを使えばいちころです』
『あくまでも最終手段にしておけよ。鷹見の研究熱心さは尊重するが、抜かるなよ』
直後に何かを落としたような物音が聞こえた。
ここからしばらくは走り去る靴音だけが聞こえ、やがて何も聞こえなくなった。
これを使えばイチコロか、恐らく薬品だ。鍛冶は料亭、薬局、介護施設を営んでいる。一見何の関連性もない事業を同時に営んでいるようにも思えるが、実はそうではない。どれも少子高齢化社会でこそ売れる事業だ。料亭は熟年層人気が高いし、薬局も介護施設もこれから増えてくる老人御用達だ。若者を相手に商売をする気はないことが見て取れる。だとしたらバリスタランド創設のために奔走する行為に矛盾が生じる。バリスタランドのターゲットは若年層だ。所有権がうちに渡ってからも特に何もしてこないし、取られても問題がないかのようだ。何か匂う。やけに大人しすぎるのがかえって不気味だ。
それにしても――。
「鷹見が1枚噛んでいるとはな」
不意に後ろから声が聞こえた。
「うわっ! 皐月かよっ! 脅かすなよ」
咄嗟に振り替えると、後から上がってきていた皐月が佇んでいる。
「悪いな。どうしても伝えておきたかった。私にも宇佐から同じメールが来ていた」
「あくまでも立花社長のためってわけか」
「恐らく親父には伝えられていない。迷惑をかけたくないなら、伝えない方が賢明だ。親父は杉山グループにいつ乗っ取られても不思議じゃない状況だ。伝えたところで、下手には動けないだろうがな」
「皐月、鷹見のことを教えてくれないか?」
「鍛冶議員が言っていたのは恐らく弟の方だ。鷹見秀秋。アマチュアチームにいる鷹見輝元さんの弟だ。私の元同級生で、大分のカフェで私が修業していた頃の同僚でもある。本人は貧困からの脱出を目指して、医学部を目指していた」
皐月が言うには、鷹見家は大分にあった『鷹見珈琲店』というカフェを営んでいた。
だが誰も店の後継ぎになろうとはせず、鷹見はバリスタとして店を継いだ。鷹見弟は医者の仕事に興味を持ち、医学部を目指すこととなった。鷹見は乗っ取られる前の穂岐山珈琲に入社し、鷹見弟は受験するはずだったが、受験を前に店の常連で会った皐月に告白するも、あっさり振られてしまったのだ。
鷹見弟は失恋のショックから立ち直れず、引き籠りになってしまった。
高校にも通わず引き籠りとしての日々を送る。それからは皐月でさえどうなったかを知らないが、宇佐さんからの報告によれば、鷹見弟は株式会社鍛冶の傘下で展開されている薬局で調剤薬局事務員を任されているという。この短期間でここまで調べ尽くすとは恐れ入った。
鷹見弟がいる場所は『鍛冶薬局』と呼ばれる店だ。
福井市にある薬局の1つであり、10年ほど前から営業が行われている。
少子高齢化につれて売り上げが上昇傾向にあり、鍛冶議員の事業も一応の成功を収めているが、これから団塊世代を中心とした大量死の時代を迎えれば、長期的に見て先細りになる事業だが、今はバリスタランドを追い出された鍛冶が後を継ぐ格好となっている。
「鷹見に会いに行くつもりか?」
「もちろん。でもそいつは神をも恐れぬ所業を行っている人物だ。接触は気をつけた方がいいかもな」
「まさか土地を買い漁って、暗殺まで企てているとは思わなかった。振って正解だったな」
「ていうか何で振ったの?」
「興味がない。それだけだ。それに私は、あず君にぞっこんだからな」
「じゃあ……僕が好きだってこと、鷹見弟に伝えたのか?」
「他に好きな人がいると伝えたが、あず君の名前は出してないぞ」
「……もうばれてるかも」
嫌な予感がした。男心は基本鈍感だが、どうでもいい時に限って敏感さを発揮するもので、すぐに僕であると気づいたことが手に取るように分かった。皐月はすぐ岐阜に赴き、葉月珈琲塾経由で葉月グループに入社していることは、皐月ファンであれば誰もが知る事実だ。
結論、鷹見弟は鍛冶に利用されている。男同士は対抗心を抱きやすい傾向にある。
僕は鷹見弟の標的となっている確率が非常に高い。
「だが不自然だ。鷹見は中卒で、薬局に勤められるような身分じゃないはずだが」
「薬剤師は資格が必要だけど、薬局の事務員は資格がなくても勤められる。今は高卒認定試験に通って医大に通いながら薬局勤めだ。ここまでよく素性を調べたな」
「宇佐さんは企業諜報員だった祖父から探偵としてのスキルを叩き込まれてる。相手の素性を割るくらい造作もない。あず君のことも宇佐さんに調べてもらった」
「今さりげなく怖いこと言ったよな? ……まあでも、これで次の目的がハッキリした」
「どうするつもりだ?」
「決まってんだろ。鍛冶薬局に乗り込むんだ」
「私はもっと頭脳明晰な男だと思っていたんだがな」
皐月は少しばかり僕と距離を置きながら呟き、螺旋階段を下りようとする。
「他に確かめる方法があるか?」
「狙われたら最後、家族にまで危害が及ぶ可能性もあるんだぞ」
「そうなった時のために、今の家を選んだ。防犯設備は万全だし、身元を特定されても簡単には侵入できないようになってる。設計したのは宇佐さんの親父だろ。立花グループの役員やってるみたいだし、元同級生なら、尚更信頼できる」
「気づいてたか。分かった。だが1つ条件がある。私も一緒に連れて行ってくれ」
「あのなー、皐月の身に何かあったら、僕が立花社長に怒られるんだぞ」
「案ずるな。鍛冶議員はこれから選挙だ。当選すれば念願の与党国会議員だ。政治家はたった1回の躓きで転落してしまうデリケートな存在だし、鍛冶議員が創業した企業の人が著名人に手を出したとなれば、一巻の終わりになりかねない。簡単には手を出せないはずだぞ。私に考えがある。任せてくれ」
「……危ないと思ったらすぐに手を引けよ」
返事をすることなく、皐月は足音を立てながら螺旋階段を下りていった。
親戚の集会は無事に終わり、この日は皐月に代わって伊織と一緒に寝るのだった――。
5月中旬、正午を迎え、僕と皐月は鍛冶薬局へと赴こうと家を出た。
スマホで地図と現在位置を確認しながら車を運転する。皐月は運転免許を取っていたようで、皐月が所有する真っ黒なワゴン車をガレージから出し、大きな門から外に出る。子供の頃には想像もできなかった外出の仕方だ。大手の社長にはなったが、偉くなったとは微塵も思っていないし、むしろ大きな責任を感じている。出世すればするほど、つき合う相手が面白いくらいに変わっている。
皐月と話しながら移動していると、鍛冶薬局の目の前で車を停める。駐車場はない。道路沿いにしか停められないということは、何も整備しなくても客の方から来てくれると高を括っているのだろうか。車の窓越しに薬局の中を覗いてみると、中はまるでスーパーのように食品が並べられ、奥には化粧品が販売されている。薬局は1番奥にあり、薬剤師と思われる人が客に案内をしながら佇んでいる。
家で雁来木染に変装していた僕は、可愛らしいぶかぶかな紫のフリルを着用し、サングラスをかけたまま車の後部座席から外に出ると、エンジンを止めた皐月も僕の後に続いた。変装セットはバリスタランドから回収している。定期的にファッションを散らすことで、正体はばれにくいが、いつもの服装と同様、相手からは15歳の派手な女子中学生にしか見えないし、皐月と一緒にいれば姉妹と間違われるだろう。鍛冶薬局の自動扉が開く。中に入ってみれば、まだ夏でもないのに冷房が効いている。
薬剤師の女性が僕らに気づく。
「いらっしゃいませ」
「あの、ここに鷹見さんいませんか?」
「はい。鷹見なら奥の実験室にいますので、呼んできますね。鷹見君、お客さんがあなたに用だって」
開いた扉の先に声をかけると、1人の短髪の男性が欠伸をしながらめんどくさそうに姿を現した。
「僕に一体何の――あれっ! 皐月ちゃん! 久しぶりー!」
「久しぶりだな、鷹見。何をしているかと思って知り合いにお前のことを尋ねたら、ここで働いていると聞いて来てみれば、どういう風の吹き回しだ?」
「兄ちゃんがアマチュアチームにいて、僕の職場として紹介してくれたの。あれっ、その子は?」
「雁来木染。私を今の職場に紹介してくれた人でな、今でも時々一緒に飲み歩く仲だ」
「よろしく」
「鷹見秀秋です。ふーん、皐月ちゃん、今はどこで働いてるの?」
「葉月珈琲だ」
「……」
目がムッと細くなる。鷹見弟のことは宇佐さんから詳細を聞いている。ニート生活が長く続き、我が儘で無節操な性格が際立ってくると、立花グループで仕事をしようと考えたが、鷹見弟は人と関わる仕事が大の苦手だ。彼を心配した両親は反対し、兄である鷹見から薬局勤務を勧められたとのこと。鍛冶と鷹見はバリスタマネージャーと指導を受けるバリスタという立場にいる。
最初から知り合いであれば、弟の将来を心配して相談していても不思議ではない。
鷹見は恐らく、弟が良からぬことに利用されるとは微塵も思っちゃいないはずだ。
ニートの親は多くの場合、自分の子供が周囲から嫌われることを極端に恐れ、先回りして子供が嫌われることを防ごうとする。嫌われずに済む方法、それは存在感を消し、何も行動を起こさないことだ。
何か行動を起こそうとする度に反対し、何もさせない。結果どうなるか、答えは簡単だ。行動を起こそうとしても無駄と思うようになる。無駄と思うようになれば何もしなくなる。行動とは少なからず嫌われることだ。表面上は誰にも嫌われず、行動もせずに生きるならニートしかない。雁字搦めにされたところを失恋のショックが襲えば、大半の奴は引き籠りになる。無気力ニートはこうやって出来上がっていく。伊織のお袋のように、放っておけばニートになっていた人の親たちを見てきて分かった。
ニートの親は行き過ぎた平和主義者が多い傾向にある。
可哀想なのは本人だ。表情を見る限り、見事に嫉妬心を拗らせてやがる。
「どうかしたか?」
「あず君と一緒に働いてるの?」
「いや、あず君は私と入れ替わりで葉月珈琲を辞めた。今はあず君の愛弟子が後を継いでいる。今は育児休暇を取っていることもあって、私がマスター代理だがな」
「そのマスター代理も仕事を休んでここにいるってことは、店には代理の代理もいるってか」
茶化すように笑いながら言った。鷹見弟は競争が嫌いだ。
「葉月グループは人材の宝庫。誰かが休んでも、別の人が立派に代理を務める上に、下からトップバリスタの卵がうじゃうじゃ湧いてくる。一度降格したら、またメジャー店舗に上がるのは困難だ」
「じゃあここにいる場合じゃないんじゃないの?」
「今日は休日だ。それよりお前に尋ねたいことがある」
「質問なら後にしてよ。今勤務中だよ」
鷹見弟が実験室に立ち去ろうとする。
「あ、でも――」
何かを見透かしたような顔を再び僕らに向ける。
「実験室に来るんだったら別にいいよ。どうせ暇だし、丁度積もる話がしたかったところだからね」
薬剤師の女性は何も言わない。どうやら鷹見弟の方が立場が上らしい。その気になればいつでもクビにされることを悟っている。常に喉元に刀を突きつけられている人の顔だ。
誘われるがまま、僕と皐月はお互いに顔を見つめると、僕が先に頷いた。
皐月も僕に頷き返し、鷹見弟の後をつけた。
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