451杯目「決戦の年」
第19章逆襲編の始まりです。
あず君の最後の戦いが遂に幕を開けます。
葉月グループの底力をどうぞご覧あれ。
年が明け、2025年の正月を迎えた。
親戚の集会が始まり、皐月とも交際していることを全員に告げる。
更には伊織が妊娠していることを知った親戚一同は、意外にもあっさりと受け入れた。
半数が初詣に出かけ、半数は料理を作る側へと回った。今回は料理する側として残り、腹部の愛らしい膨らみが目立つ伊織は、本来作るはずだったおせち料理の調理役を免除され、代わりに皐月が調理を担当することに。申し訳なく思いながらも、伊織は段々と大きくなってくる腹部を優しく擦った。春頃に出産予定だが、一刻も早く伊織を安心させたい。メジャー競技会に再び唯が復帰したのも心強い。
皐月を引き入れたのは人間性を評価しているだけではない。自らの練習時間を増やすためでもある。
葉月珈琲のスタッフはまたしても再構成された。今年からは唯が葉月珈琲マスターとなり、伊織と上の子供に下の子供の面倒を任せることに。他は桃花と桜子に加え、陽向、弥生、花音が晴れて正式に葉月珈琲スタッフとなった。本当は皐月を葉月珈琲マスターとしてうちに戻す予定だったが、本人の希望で3月末まで期間を延長することとなった。那月は独立を果たすまでの準備とマスターとしての修業を兼ねて珈琲菓子葉月マスターに就任した。週一の強化合宿は集まる人数を制限し、集まれない人は家で練習を重ねており、進捗状況を随時皐月に報告することとなった。
最も心配していたのは千尋だ。完全にブロックされているし、こっちから連絡を取ることもできない。明日香にも連絡できなかったが、彼女も千尋のことはよく分からないままショックを受けているという。離婚の危機さえ感じた。小夜子も気づいているようで、明日香は2人の子供を抱えながら実質シングルマザー同然の状況だ。千尋からは長期出張のため、しばらく会えないと告げられ、妻と子供を置いて単身で東京へと向かってしまったのだ。本来の千尋はそんなことはしないと思っていた。
ますます自分の人を見る目を疑ってしまう。
唯は伊織を気にしながらも、伊達巻を丁寧に長い箸で掴み、重箱に詰めていく。葉月家も楠木家も家族が増えていくにつれて料理の量も増えていくが、いつも必ず余らせてしまう。余ったおせち料理は1週間ほどかけて消費していくが、年々期間が長引いている気がする。そこで作る量を必要最低限とし、足りない分は他の料理で補うことを思いついた。正月におせち料理以外の好物を食べてもいいのだ。
ただ、問題なのは家の狭さだ。50人くらいは入るが、家族が増えていけばもっと面積が必要になる。どうせなら100人くらいでパーティができるくらいの家が欲しい。そうすれば葉月珈琲をいちいち休みにしなくても済むようになる。家と店を同じものとして扱う弊害が表れる前に何とかしたい。
「そういうわけだからさ、そろそろ引っ越しがしたいと思ってる」
「だったらうちを使ったらどうだ?」
「まさか……皐月の別荘か?」
「ああ。別荘は私の名義で建てられている。名義を変えればあず君の持ち家だ。子供全員分の部屋も確保できる。普段は私と宇佐の2人暮らしだ。部屋をたくさん余らせてしまっているから丁度良い」
「宇佐さんはどうするんだよ?」
「ハウスキーパーとして住み込みで雇うのは駄目か?」
「駄目だ。人手は足りてるし、上の子も家事に参加させる」
「そうか……宇佐とはもうお別れだな」
寂しそうにため息を吐く皐月。長年のつき合い故の思い入れだろうか。
「じゃあその人、うちで雇ったらどうですか?」
話を聞いていた唯が皐月と対面する席から問いかけた。
「宇佐はハウスキーパーの経験しかないぞ」
「人のお世話をする仕事なら、うちの傘下にもあるじゃないですか。ねー、柚子さん」
「そうだね。あず君、その人うちに紹介してよ。葉月マリッジカフェが深刻な程人手不足なの」
「だろうな。バリスタと婚活アドバイザーを同時にこなすなんてまだ未開の分野だし、どっちか片方を究めるだけでも難しいんだから、そりゃそうなるって」
「他人事みたいに言ってるけどさ、結果を出さないと方針を見直さないといけなくなるんだから協力してよね。私と理恵さん以外の人は1年も続かないし、常時募集中にしてみたら、他のマイナー店舗スタッフが配属されたかと思えば、すぐバリスタ専任になっちゃうし、結果的に私と理恵さんが婚活アドバイザーに徹することになるの。私としては両方やってほしいんだけどなー」
「それでいいんだ。マイナー店舗の役割は次世代トップバリスタ候補生を育成することだ」
「婚活アドバイザーはコミュニケーション能力を伸ばす訓練にもなるよ。これくらいのマルチタスクをこなせない人が、これからより厳しく、より複雑になっていくバリスタ競技会で生き残れるのかな……」
意味深なことを冷淡な顔で言ってのける柚子。
それを言われると弱い。柚子の言うことにも一理ある。
バリスタ競技会のレベルはこれからも上がっていくだろう。競争の中でも競技を楽しみ、優勝を目指す姿勢を持てるバリスタが生き残る構造に変わりはない。才能の差、環境の差、努力の差はより浮き彫りになる。国民総中流とか、横並び意識なんてものは直ちに叩き潰される。日本は最も成功した社会主義国家だが、いずれ生まれ変わらなければならない。僕らの戦いは改革か滅亡だ。
皐月がメールを送ると、すぐに宇佐さんが意気揚々と扉を開けた。
「失礼しますっ! 宇佐美香、只今参上しましたっ! 親愛なる皐月さんのためなら、どこまでも飛んできますよー! 皐月さん、用件は何でしょうか?」
「宇佐、大事な話がある。隣に座ってくれ」
「はい。もしかしてあず君と結婚ですか? それとも妊娠ですか? なら社長に連絡ですねー」
「早まるな。宇佐の進路を決める会議だ」
「……えっ?」
目が点になりながらも、皐月の話を聞く宇佐さん。
「つまり皐月さんは、あず君と別荘に引っ越して別荘の所有権も譲るというわけですね――ってそれじゃ私クビじゃないですかぁ~!」
「さっきからそう言っているだろう。お前は立花グループの正社員だ。お役御免になれば、大分に戻ってから、どこかの部署に転属されるだろうな」
「そんなの嫌ですぅ~。私は皐月さんのお供がしたくて引っ越しにも応じたんですよ」
「そこで1つ提案なんですけど、うちで一緒に働きませんか?」
途中からは柚子の熱心な勧誘を受け、戸惑いを見せながら両手を猫のように丸めている。
メイド服が可愛らしく見える。量産型ではない。独特のデザインだ。指には包帯で巻かれた跡がある。自分で服装まで手掛けているということは手先もかなり細かいようだ。この前会った時、宇佐さんが淹れてくれたコーヒーはとても美味しかったし、ご丁寧にラテアートまで描いていた。
調理中は皐月に指導していたし、もしかしたら――。
「うーん、お気持ちは嬉しいんですが、私は婚活には興味がないんです。できれば皐月さんと一緒に働きたいんですけど……駄目ですか?」
「駄目に決まってるだろう。贅沢言うなら親父に頼んでお前を大分まで強制送還するぞ」
「そんなぁ~」
肩を落としながらため息を吐く宇佐さん。
「1つ聞きたいんだけどさ、皐月が無断欠勤していた時、何で代理で連絡を寄こさなかったんだ?」
「一応代わりに連絡しようとはしたんですけど……皐月さんに止められまして」
「あの時は無断欠勤をすれば心配してくれると思った。どうかしてたんだ。私も修行が足りないな」
申し訳なさそうに声を小さくしながら話す皐月。
「皐月ちゃんと一緒に働くなら、トップバリスタになって、メジャー店舗での勤務ならできるかもね」
「――今、何と仰いました?」
ゆっくりと顔を上げる宇佐さん。
「トップバリスタになれば皐月ちゃんと同じお店で働くチャンスが出てくるかもしれないってこと。でもメジャー店舗で勤務するにはマイナー店舗で修業を重ねて、バリスタ競技会で結果を出して、社内貢献度で上位に入らないといけないの。宇佐さんはバリスタ経験ある?」
「いえ、ありませんけど、皐月さんの世話役として、社長令嬢としての立ち振る舞いを教えてきたつもりです。マナー講座、各科目の学習法、有名作品の考察法なんかも教えてきました」
「「「「「!」」」」」
宇佐さんの周囲に怖気が走った。こいつはとんでもない逸材かもしれん。
バリスタとしてではない。バリスタマネージャーに向いた逸材だ。彼女が淹れたコーヒーは決して悪くなかったし、鍛え上げればバリスタ競技会でも通用する。だがそれ以上に人としての立ち振る舞いを教える技術に優れている。皐月の普段の生活態度にも表れている。時折素が出てしまうが、だらけているほどではない。教えるのが得意なら婚活アドバイザーだってできるはずだ。皐月には並々ならぬ愛着があるようだし、このまま帰らせると遺恨が残りそうだ。
皐月が高等な教育を受けられた背景がよく分かった。
「宇佐さん、それ今うちでやろうと思っていたところなんです。お恥ずかしいことに、うちのバリスタはメジャー店舗に上がることばかり考えていて、バリスタの仕事ばかりをやりたがるんです。葉月マリッジカフェは結婚相談所を兼ねたカフェなんですが、同時にバリスタたちにも、相手から求婚されるような、立派な人格を持った人間になってもらうことを目標にしています。みんなあず君や皐月ちゃんに憧れて入ってきた人たちなんです。ただ、うちのバリスタはみんな――」
「実力的には優れていても、人格が伴わないということですか?」
「はい。宇佐さんが皐月さんの育成に貢献したことはよく分かりました。物は相談なんですけど、その指導力をうちで活かしていただきたいのです。先ほど申し上げたように、メジャー店舗昇格さえ決めれば、皐月ちゃんと一緒に働けますよ」
「……分かりました。ですが、すぐに決められることではないので、一度考えさせてください」
用が済んだ宇佐さんがそそくさと扉を開けて帰っていく。
親戚たちが宇佐さんを見送ると、何事もなかったかのように再び談笑し始めた。
コーヒーやビールを飲みながら言いたいことばかりを話し、去年溜まったフラストレーションを洗い流すかのように過ごす時間は、あっという間に過ぎていった。子供たちはおせち料理をピラニア軍団のように平らげていき、テーブル席にいる子供たちの行動には顕著な差が表れていた。
うちの子供が他の家の子供と話しながら意気投合している。だが会話のレベルが全然違う。他の家の子供は小学生レベルの内容ばかりを話すが、普段のうちの子は大人でも難しい話ばかりをしているし、小さな教授を見ているような感覚に陥るくらいだ。けど他の子供と話す時は、相手の話にレベルを合わせているのだ。ここまで大きな違いが表れたのも無理はない。長女の紫はもう10歳だ。普通の10歳の子供は小4レベルまでの勉強内容しか知らないが、紫は学習が早く、既に中学の勉強を始めている。長男の雅は今年で9歳になる。紫と同様学習が早く、中学の勉強を始めた。主要科目を全部制覇した上でだが、うちは座学よりも実学を重視している事実を忘れてはならない。家事の基礎訓練から自立後の生活能力の習得だけは徹底指導し、興味がある分野については放任主義を貫いた。
末っ子式子育ては成功の一途を辿った。
子供たちは自ら学習するばかりか、自ら思考を巡らせ、シグネチャーの実験に没頭中だ。
正月だというのに、年が明けたことなどとうに忘れ、コーヒーに様々な副材料を投入し始めた。まずは自分で味わってから他の子供たちにも試飲させ、大きな刺激を与えている。他の家の子供たちだが、優等生は伸び残しの兆候が、劣等生は積み残しの兆候が表れており、学力でも人生経験の差でも、うちの子に圧倒される格好となってしまっている。何故通学しているのにここまで知恵が働かないのかと、子供ながらに気づいている様子。吉樹と美羽の子供たちは葉月珈琲塾に通うことを希望したが、あくまでも不登校は許さない姿勢なのか、結局反対されてしまった。葉月家はホームスクーリング寄りになっているが、楠木家は通学を貫いている。葉月珈琲塾と学校は真反対の気質だ。
個人に合ったカリキュラムを作る葉月珈琲塾のに対し、学校はプロイセン式に則り、全員一律のカリキュラムを押しつけるため、集団生活が得意かつ成績が平均レベルの子供しか成長が見込めない。
子供を一様一律に扱っている時点で、学習機会すら平等ではないのだ。
家族で話し合った結果、引っ越しは3月下旬に決定した。
葉月珈琲の2階は他の店舗と同様、歴代マスターの住居となるため、今のマスターである伊織にとっては実質別荘だ。当分はマスターを続けることになるが、後継者が生まれるのが楽しみだ。メジャー店舗とマイナー店舗にいるバリスタは鎬を削り合い、僕が何もしなくても成長してくれることだろう。
数週間の時が過ぎた――。
強化合宿に集まる人数はバラバラになったが、それでも10人は集まっている。
1日で帰宅することもできるようにし、大会前は出張扱いで1週間ほど居座って練習することも可能にした。指導法を改め、放っておかれた中で育つ末っ子方式をここでも採用すると、小夜子たちは伸び伸びと練習を重ねることができ、本気で勝ちたい緊張感、見ているだけで楽しい雰囲気が同居する。
「小夜子、久しぶり」
「久しぶり。しばらくの間、来られなくてごめんね」
「気にすんな。そっちにも事情があるんだろ。千尋と明日香のことは無理に聞かない。けどもし事情を話せる状況になったら、いつでも連絡を寄こしてくれ。小夜子のこと、信じてるから」
「……ありがとう」
小夜子が涙ぐみ、人目も憚らず僕の正面から抱きついた。
「でも千尋君、うちを裏切るなんて、どういうつもりなんだろうね」
「余計なこと言わないの」
「あいたっ!」
紗綾が香織の広い額に軽くチョップをぶつけた。千尋の裏切りには非常にショックを受けている。
しかし、落ち込んでなどいられない。うちを出たあの日だけ、いつもとは異なる態度だった。以前から裏切りの兆候を見せていた。杉山社長と顔を合わせたオープン記念挨拶の日だ。千尋はあの日から何かを迷っている様子だったし、話しかけても考え込んだまま気づかないと伊織が言っていた。裏切り行為を実行に移すかどうかで迷っているならば全ての状況に対して説明がつく。下手をすれば、千尋はうちの情報を杉山グループにばらしているかもしれない。彼の投資家としての側面を忘れていた。一流の投資家は、これから沈みゆく株を事前に捨ててしまうものだ。
葉月グループの本部株は持っていないが、代わりに杉山グループの本部株を手に入れた。
「あず君、これは神に誓って本当のことなんだけど、私、本当に何も知らないの。明日香と連絡を取ろうとしても全く応答がないし、家を訪ねても留守だったの」
「最後に会った時、何か変わった様子はなかったか?」
「――うーん、あっ、そういえば、これから何があろうと私は大丈夫だから安心してって笑顔で言ってたから、ちょっと不自然に思ったの。いつもはそんなこと言わない子だから」
「それだけ情報があれば十分だ」
「えっ、そうなの?」
「明日香が言ったんだろ? 大丈夫って。だったら安心だ」
可愛らしく首を傾げる小夜子。明日香は小夜子に対しては嘘を吐かない。しばらく様子を見よう。
やはり小夜子から事情聞き出すのは無理か。何も知らないとなれば、千尋と明日香が結託している確率は非常に高い。夫婦総出で杉山グループに寝返る覚悟をしたわけだ。千尋にも養うべき家族がいる。千尋と明日香の子供たちは、明日香と共に美濃羽美容室に住んでいる。子供たちを守るために鞍替えしたと考えても不思議じゃないが、明日香を巻き込みたくない気持ちがあるとも受け取れる。
後ろからじゃりじゃりと足音が聞こえる。
「おっ、早速やってるやん」
「神崎、それに美月まで」
「私たちも強化合宿に参加させてください」
「別にいいけど、子育てはいいのか?」
「はい。子供の面倒は優太さんに任せてますから」
嬉しいことに、かつてJLACで璃子と死闘を繰り広げた美月が復帰した。
しばらくは妊娠と出産を繰り返し、リハビリを重ねてからバリスタの仕事に復帰した。入れ替わるように今度は成美が大輔の子供を妊娠したため、丁度良い復帰だ。2人は去年のコーヒーイベントでの結果を受けて奮起し、2種類のバリスタ競技会に出場する。美月は珈琲班、神崎は喫茶班に入った。大輔も優太もすっかりと尻に敷かれているのが見て取れる。
今の男は本当に弱くなった。いや、女が強くなったのだ。
唯と伊織と一緒に暮らすようになって初めて分かった。
僕は大和撫子のような危なっかしくて守ってあげたくなる存在と相性が良いのだ。今は弱い女性がめっきり減った。女も強くならざるを得ない時代の影響なんだろうが、みんな無理して強い女性を演じているような気がする。璃子でさえ本当は絵に描いたような大和撫子タイプなのに、メディアは今の時代を象徴する自立した強い女性として祭り上げている。人よりも繊細な璃子は、強くその風潮を嫌い、僕と同様に芸能界から姿を消した。今でも動画配信はしているが、ひっそりとチョコレートやプラモデルの制作に明け暮れている様子だ。誰とも接しないで制作をしている璃子が最も輝いている。
世間にも時間にも縛られない生き方を璃子は実現した。
一生分の財産を稼いでからは、とっとと戦線を離脱し、大会にも出なくなった。
世界一のショコラティエという称号だけで飯を食っている。
「あず君、この絵をラテアートにしたいんだけど、あず君だったらどう描く?」
「あー、ナマケモノか。フリーポアで描くんだったら顔だけをピックアップして、木の枝に捕まっている全体図を描きたいなら、より複雑な絵を描けるようにデザインカプチーノに回して、エッチングした方がいいかもな。極力難しいものほどデザインカプチーノに回して、特に自信のある絵をフリーポアで描いてスコアを稼ぐのがコツだけど、大事なのは自分がどう描きたいかだ。凜はどっちで描きたい?」
「うーん、フリーポアだと簡単すぎるから、前回はそれでスコアを落としちゃった気がするの。今度はデザインカプチーノで描きたい」
「じゃあまずは自分でやってみろ。もし躓いたら聞いてくれ」
「うんっ!」
可愛らしい歯を見せながら頷き、ミルクピッチャーを右手に、コーヒーカップを左手に持ち、ベースを描いてからペンスティックを持ち、絵師のようなペン捌きで、陰影までを細かく描いていく。JLACに参加する他のバリスタにも大きな刺激となっている。
身近にいる誰かが活躍すれば自分も負けていられないと奮起する。放っておかれた子が育つのは、自分で考える機会が必然的に多くなるからと、僕は思い知った。
強化合宿参加者の層が一気に厚くなる。僕は安心を顔に表しながら練習を見守るのだった。
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