444杯目「疑心伝心」
10月上旬、強化合宿の時期がやってくる。
意気消沈していた小夜子たちは、強化合宿にさえ苦手意識を持っている。
しかしながら、璃子が言うには、この中から多くのバリスタがコーヒーイベント決勝にまで駒を進めたのは大きな収穫であるとのこと。決勝進出を果たせば次回大会は予選が免除される。コーヒーイベントに進出できることが証明されただけでも十分であるとのこと。
璃子の目的は単純明快だった。コーヒーイベントに多くのバリスタを送り出し、勝率を上げることだ。しかもアマチュアチームの連中が葉月グループのバリスタがいなくなった途端、気の抜けた競技を行っていたことも多くのコーヒーファンたちの知るところとなり、優勝したアマチュアチームのバリスタがまたしても次々と世界大会を辞退したこともあり、コーヒーイベント終結後に大きな批判を浴びていた。あくまでも葉月グループのバリスタに勝つことが目的と民衆に悟られると、来年は必ず世界大会に出させると杉山社長自らが釈明するほどであった。辞退する理由は仕事に専念してほしいからとのことだが、バリスタ競技会をプロの競技として見ていない証拠とも言える。世界大会に出る場合は更なる予算がかかる。
決着さえついてしまえば、後はどうなろうと知ったことではない。
葉月グループのバリスタとして、唯一メジャー競技会優勝を果たした花音だけは世界大会を辞退しなかった。負け越しはしたが、プロバリスタとしての直向きな姿勢は全国中のコーヒーファンの心に伝わっていたようで、プロ契約制度廃止を見直す声も上がり始めた。特に批判が集中したのは杉山珈琲だった。
倒すべき相手のいない決勝で、鷹見の気の抜けた競技には民衆も何やら物足りなさを感じながら一斉に大声を上げ、ブーイングを送るほどだ。皮肉にも怠慢な競技によって、民衆はプロの競技が如何に素晴らしいものであるかを思い知ったようだ。しかも葉月グループのバリスタはジャッジだけでなく、観客をも楽しませることを意識した競技を行ったことで民衆の支持を得たのだ。
――まさか、璃子の狙いって……。
合宿先のロッジでは、千尋たちが来年の競技に勝とうと練習に没頭する。
2日が過ぎた合宿最終日、いつもの合図で千尋を呼び出した。
「まっ、そういうわけだからさ、プロ契約制度廃止は撤回できそうだ」
「今のところはでしょ。それより優勝回数勝負、大丈夫なの? 王手されてるのに、随分余裕だね」
「そうだな。誰かさんが負けてくれたお陰で、伊織と言い争いまでしちまったよ」
「えっ、もしかしてハワイに逃亡する気だったの? まだ決着ついてないのに?」
「璃子にも同じことを言われた。ていうか何でみんなこの状況で余裕の顔をしてるのか、理由を聞きたいくらいなんだけどな。乗っ取られたらみんなクビになるかもしれないってのに」
「クビになるのは能力のない人だけだよ。葉月グループはブランドとしての価値はあるから、メジャー店舗は残ると思うよ。葉月グループ傘下の部署と店舗が全部なくなるわけじゃないし、いきなり失業者が大量に出ちゃったら、国中が大パニックだよ。ほとぼりが冷めたところで大量リストラとかだったらありえそうだけど。それより素朴な疑問なんだけどさー、この強化合宿って意味あるの?」
「ないこともない。同じ競技に挑み続ければ、段々精度が増してくるだろ。僅かな可能性に全てを懸ける方向で話がまとまったけど、一体どうなることやら」
「――僕だったら、もっと確実な方法を使うけどね」
風が吹く空を見ながら、ボソッと千尋が呟いた。
「なんか言ったか?」
「何でもないよ。それよりさ、彼女をどうにかした方がいいんじゃない?」
「彼女? ――!」
旋律が走った。強化合宿の場所は、僕と璃子を除けば当事者以外は知らないはず……。
なのに葉月珈琲で働いているはずの皐月が何故かここにいるのだ。つり目を光らせながら呆れた表情を崩さずに練習場所へと立ち入った。誰かの後を追ってきたのか、それとも誰かに教えてもらったのかは分からない。いつかこんな日が来るとは思っていたが、ちょっと早すぎないか?
僕の前に立つと、皐月は捨てられた狼のような顔を僕に押しつけるように近づいた。
「これはどういうことだ?」
「どういうことって、ただの強化合宿だけど」
「そうじゃない! 私に嘘を吐いただろ! 新人研修なんて真っ赤な嘘じゃないか!」
「一応新人研修にも参加してたけど」
矛盾が生じないように、一月毎に行われる新人研修に参加した。一度だけだがな。
「私は言ったはずだ。あず君に直々にコーチをしてほしいと。なのに弥生たちのコーチをして、私だけ仲間外れにして……コーチを拒否するとはどういうつもりだ?」
「コーチをしなかったのは君1人でも十分と思ったからだ。トレーナーもコーチもバリスタの実力が足りないからこそ需要がある。完璧なくらい実力十分な奴にはトレーナーもコーチもいらねえよ」
「……何も分かってないな」
声を震わせながら歯を食い縛る皐月。目からは大粒の涙を零し、嫌悪の目を向けたまま離さない。
「私は完璧じゃない! 私の競技には決定打が欠けていた! だからコーヒーイベントの前に、私には何かが足りないと思ってコーチを頼んだ! あず君なら分かると思って何度も尋ねたはずだ! なのにあず君は騙し騙し頼みを断って嘘まで吐いた! 強化合宿のことを全く言わなかったのは、他に隠したいことがあるからとしか思えない! 私は試行錯誤を重ねて、コーヒーイベントに挑んだ! 結局決定打に欠けている競技では優勝なんてできなかった! 私が一体何をしたって言うんだ!? 何でっ……何で私だけこんな目にっ……ううっ……うっ……」
僕の服に掴み掛かり、この場に泣き崩れる皐月。周囲は興が醒めたまま口を開けている。
今まで溜め込んでいた想いが、ダムが決壊するかのように溢れ出る。
気づいてやれなかった。ずっと孤独に戦い続けていた……皐月の健気さに。
ふと、コーヒーイベントでの皐月の競技を思い出した。
見ていて思ったのは、小さくまとまりすぎていて、自分の殻を破れないように感じた。皐月なら大丈夫と高を括っていた慢心は僕の目を曇らせ、彼女の中に隠れていた課題を見つけ出せなかった。JLACもJCTCも皐月にとっては経験のない要素があった。ふんわりとしていても、皐月には課題が見えていた。彼女のコーチなんて、いつでもできるなんて思ってたけど、今の僕は紛れもなくコーチ失格と言っていい。
本当のことを全部話すべきか――。
「あず君がそんな奴だと思わなかった。見損なった。ううっ……うっ……」
皐月が袖で涙を拭き取り、長い黒髪を靡かせ、ロッジから走って遠ざかっていく。
さっきまで乗っていたタクシーに乗り、下山していく。
遂にバレてしまった。もし立花グループが杉山グループと通じていたら強化合宿でこっそり訓練を積んでいることがバレちまう。何でバレたかを聞きたいけど、あの様子じゃ、当分は話してくれそうにない。伊織にメールを送ってみると、皐月は今日休みだった。千尋と桃花が抜けているため、できればシフトに入ってほしいと伊織自ら願い出たが、皐月はどうしても外せない用事があると言った。
「あず君、仲間外れはちょっと酷いと思うなー」
「そうだよ。皐月ちゃんも一緒に強化合宿に参加させてあげれば良かったのに」
「……そういうわけにはいかねえんだよ」
「あっ、もしかして皐月ちゃんの才能に嫉妬してるとか」
「んなわけねえだろ。できれば僕を超えてほしい。皐月は次世代トップバリスタを担える逸材だ。ここに呼ばなかったのは自習ができると思ったからだ」
「あたしたちは自習できないと思ってたんだ」
「というより自習だけじゃ限界があるだろ。でもみんな僕が作ったメニューをちゃんとこなしていて何よりだ。正直半数がコーヒーイベントに行ければラッキーと思ってた。でも予想以上だ」
「あのさー、何でもっと私たちのことを信じてくれないかなー」
「そうですよ。もっとあたしや皆さんのことも信頼してほしかったです。つきっきりなのは嬉しいんですけど、何だか実力を疑われているような気分でした」
沈んだ顔を浮かべながら桃花が言った。
今気づいた。敗因は仲間たちを心情を顧みなかったことだ。優勝回数勝負に勝つことばかりを考えるあまり、周囲が見えなくなっていた。自分のことばかり考えた挙句、ハワイに逃げることまで画策し、葉月グループの敗退が決定した後、こいつらがどんな処遇を受けるのかを考えもしなかった。何よりの原因はこいつらを信じ切れなかったことだ。つきっきりなのは僕が育成の本質を忘れていたからで、心配して手をかけてしまった結果、肝心な時に自分を信じ切れなかったのだ。
伊織の育成をしていた時、僕は彼女を疑いもしなかった。
なのに小夜子たちの時は疑いながらの育成だ。やっと分かった。この国が教育に失敗しているのは教える相手のことを信じられないからだ。疑心暗鬼は言わずとも相手に伝わり、相手もまた指導者を心配し、学習や練習に集中しきれなくなる。疑心は伝染する。人から信じてもらえなかった者ほど、まず自分を信じられない。安心して信じられることが何より重要であると知る。
「今日はもう帰っていいぞ。こんな状態で練習なんて無理だからな」
「あの、せめて自主練にしていただけませんか?」
僕の足を止めるように弥生が声をかけた。
「別にいいけど、日が暮れるまでには帰れよ。皐月が言っていた通り、名目上は新人研修ということになってるからな。これは他の企業の連中には内緒だった。特に杉山グループには知られちゃいけない。情報収集でもされて、アマチュアチームを強化されたら困る。データも練習も奪い取れる時代だ。自分の武器を参考にされた時点で、既に相手の武器にもなっていることを忘れるな」
「はい、ありがとうございます」
「言うねぇ~」
両手を頭の後ろに組みながら千尋が言った。
確か葉月商店街の近くに家を構えていると聞いたが、一度行ってみるか。唯には夕食は外で済ませるとメールを送っておこう。強化合宿で最も悔しさを露わにしていたのは弥生だった。メジャー競技会では皐月との初対決となったが、惜しくもあと一歩及ばずに敗れた。ましてや皐月は2種類のバリスタ競技会に臨み、誰よりも準備が忙しかった。弥生はまたしても才能の差を思い知らされた。
敗退確定後、みんなを労おうと控え室に赴いてみれば、弥生は人知れず壁の前で啜り泣いていた。
誰よりも優勝を望み、比較され続けた皐月に勝ちたいと思い望んだコーヒーイベントで結果を残せなかったばかりか葉月グループのバリスタがアマチュアチームに後れを取っていることを証明してしまった。優勝以外の入賞トロフィーは、ある意味では一生忘れられない負の遺産だ。葉月創製には弥生の3位入賞トロフィーが燦々と輝いている。客からは評価されているが、弥生にとっては煽りにすら聞こえていただろう。強化合宿で居残り練習をしたのは初めてだ。今度は皐月が参加することのないJBC、予てから皐月へのリベンジの場として考えていたJLACに挑む予定だ。皐月を避けているようにも思えたが、そうではない。弥生は逃げることなく戦うつもりだ。
アマチュアチームとの戦いではなく、皐月との戦いに勝つために。
運転手兼任の響を連れ、車に乗りながらロッジを去っていく。
3台あった車の内、2台が発進した。残った数人は弥生につき合うらしい。
下山を済ませると、葉月商店街の看板が見えた。
「ここで降ろしてくれ」
「まだ家じゃないぞ」
「いいんだ。やるべきことがある」
「あず君、皐月だけを強化合宿に呼ばなかった理由だが、他に何か事情があるんじゃないか?」
「何でそう思うわけ?」
「嘘まで吐いた理由が気に掛かるんだがな」
「……事が済んだら全部話す。しばらくは話せそうにないけど、1つ確かなのは、次のコーヒーイベントに勝たないと全てが終わるということだ。皐月との一件にも密接に関係のある話だ。もし不信感を抱かせてしまったなら済まなかった。でも今は僕を信じて、来年の戦いに必ず勝ってほしい」
「分かった。私の実家がピンチの時、あず君は私を信じて助けてくれた。少しでも恩返しがしたい」
「その気持ちだけで十分だ」
車から降りると、響の車が去っていく。
響は早くも葉月コーヒーカクテルのエースとして活躍している。
JCIGSCやWCIGSCでの活躍は本物だ。得意な競技会に参加していれば、まず負けることはなかっただろう。
――そういえば、アマチュアチームは全員得意な競技会に参加していた。なのに僕らは戦力をうまく分散しようとするあまり、挑戦したこともない競技会に参加させてしまっていた。戦略ではなく、戦術が間違っていたのだとすれば、誰をどこに参加させるのか、もう一度考え直す必要があるな。
皐月の別荘に着く。青色を基調とした3階建ての立派な邸宅で、屋根にソーラーパネルが敷き詰められている最新の家だ。皐月のために建てたんだろうが、立花社長の設計でないのは分かる。1人で住むには広すぎるし、家の掃除はどうしているのか心配になる。部屋の広さは時に孤独さを拗らせる。
インターホンを押すが、一向に返事がない。やはり今は無理か。
誰も出ないことを確認した僕は、無念を内に秘めたまま、帰宅するのだった――。
数日後――。
皐月は一度も店に顔を出さなかった。無断欠勤だ。心配になり、再び皐月の別荘に赴いた。またしても面会謝絶の可能性もあったが、僕の懸念は一瞬で掻き消された。
若い女性が庭に佇んでいた。
「どちら様ですか?」
「葉月梓。バリスタ兼社長。皐月はいないか?」
「あー、葉月社長ですね。本物に会えるとは思ってもいませんでした。いつも皐月がお世話になっております。いつも葉月社長さんのことを楽しそうに話すんですよ」
「会わせてくれ。どうしても話したい」
「……それが、数日前から部屋に引き籠っておりまして、酷く落ち込んでいる様子ですので、今は刺激しない方がよろしいかと」
「僕が何とかする。すぐ帰るから入れてくれ」
「……は、はい」
半ば強引に家の中まで案内してもらった。
皐月の部屋は3階の奥の部屋だ。場所を聞いた時点で分かった。本来の皐月は身内にさえ心を開かない閉鎖的な性格だ。立花社長との会話を聞いた限りの理解だが、皐月はきっと孤独なのだ。短絡的な言い方をするなら彼女は天才だ。ただ何かを圧倒的にこなせる意味ではない。他者の理解を超えた存在だ。故に誰からも理解されず、孤独に打ちひしがれていることに気づいてやれなかった。
僕ならすぐ分かったはずなのに……僕と皐月は似ている。
「皐月……話がしたい」
扉越しに話しかけるが返事がない。恐る恐るドアノブに手をかけた。
今ここで引き返したら、皐月は絶対に戻ってこない……そんな気がした。
中に入ってみれば、明かりもつけないままベッドの上で三角座りをしている皐月が見えた。
「! ――何故勝手に入ってくるっ!?」
ベッドの布団に入り込み、鼠のような部屋着姿を隠そうとする。
「ごめん、どうしても話したいことがある」
「言い訳をしに来たなら帰ってくれ。話なんて聞きたくもない。どうせ私は信用されてないんだ」
「むしろ逆だ。最も信用しているからこそ、強化合宿につき合わせる必要なんてないと思ってた。でもそうじゃなかった。今回のコーヒーイベントで分かった。君は助けを求めていた。なのに僕は君のSOSに気づこうとすらしなかった。正直に言う。僕は疑っていた……君がスパイじゃないかって」
「スパイ? ……どういうことだ?」
警戒を解くように布団から出ると、灰色の分厚い服を晒す皐月。
「立花グループは杉山グループと業務提携を結んでいるだろ。もし両方が通じているなら、杉山社長が立花社長を通して僕を陥れるために、君をスパイとして派遣していても不思議じゃないと思っていた。皐月は穂岐山珈琲に誘われていたけど、誘いを蹴ってうちに来てくれた。気づくべきだった。皐月は立花グループの方針と関係なく、最初から僕の味方をしてくれていたことに。気づいてやれなくて済まなかった。もし穂岐山珈琲に入っていたら、君は途中から乗っ取った杉山珈琲の一員として何も知らないまま、僕らと敵対する破目になっていた。そうだろ?」
「やっと……気づいてくれたな」
「皐月が競技で使っていた最新式のグラインダーを調べさせてもらった。立花グループが作ったグラインダーで、穂岐山珈琲からの依頼で作ったものだろ?」
「ああ。私は親父が持ってきた縁談を断って葉月グループに入った。というのも、婚約相手が杉山社長の息子だったからな。杉山社長が敵対している葉月グループの傘下に入れば婚約を免れると思った」
「ちょっと待て。杉山社長には6人の娘がいるだけで、息子なんていないはず」
「杉山社長には隠し子がいる。昔浮気していた相手との間にできた息子だ。今はどこかの家に養子入りしているらしい。証拠はないがな」
浮気相手との間にできた息子って――それが本当ならスキャンダルじゃねえかっ!
でもそれが誰なのか、何となくだけど想像がつく。獰猛で人の心を平気で踏み躙り、演技がうまくて表面を健全に取り繕う術に長けていて、相手を陥れることにおいては右に出る者がいない。
けど何で……立花社長がそこまで知ってるんだ?
「……そういうことかよ」
「それと、私もあず君に謝らないといけないことがある。穂岐山珈琲が乗っ取られる話だが、実はかなり前から知っていた。親父が言うには、別の誰かに乗っ取らせて、大手コーヒー会社のブランドを手に入れてから葉月グループを吸収合併するつもりだったらしい。けど私はあず君に伝えていなかった。どうしても確信できなかった。あの杉山社長に勝てるかもしれない人間だとな」
皐月は杉山社長に妙な嫌悪感を持っている。
論理的な説明ができないなら話は簡単だ。恐らく生理的に無理なんだ。女性が男性に敵対する理由はそれだけで十分だ。しかし、話を聞く限りでは、息子は特定できていないとのこと。
また御曹司探しかよ。でも無理ねえか。嫁いでこないと分かった相手に教える理由はない。
皐月と根掘り葉掘り話し合えたのは初めてだ。最初から心を開いてさえいれば、こんなことにはならなかった。疑心が新たな疑心を生み、皐月ばかりか他の連中にまで不信感を抱かせてしまった。紛れもなく僕の責任だが、ハッキリしたこともある。皐月は信用に値する人間であると確信できた。自分の芯を持っていて、何事にも妥協せずに突っ走る。たとえ家族の事情であっても己の考えが本位とは異なる方向に傾くことはない。それは競技を見ていれば分かる。皐月はコーヒーに選ばれし者であり、コーヒー業界を救いたいと心から願っている。まずは僕が彼女を信じ抜く覚悟を決めようではないか。
純粋なコーヒー大好きガールが、まだこんなところにいたんだな。
全ての責任は僕が取る。今は腹の探り合いなんてしている場合じゃない。心から信じ合い、団結して巨悪に立ち向かうべきだ。リスクなんて考えちゃいけない。
だから……ちゃんと話しておくべきだ。僕らの本当の事情を。
読んでいただきありがとうございます。
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