431杯目「内縁の側室」
全国を巻き込んだ包囲網編の始まりです。
葉月グループ対杉山グループによるコーヒー業界の覇権争いがメインとなります。
腹の内の探り合いに注目です。
7月上旬、コーヒーイベントに向けた戦いが幕を開けた。
欲を言えばここで全勝してリーチを決めたい。千尋たちは例年以上に真剣な姿勢を見せているが、以前のようにアマチュアチームを舐めることはない。
もっとも、マークしたところで成績が変わるわけじゃない。ただ気合が入る材料になるだけで、結局は自分の競技に集中するしかない。個人競技の宿命だ。1勝でも多く稼ぐにはやはり強化合宿が必須だが、ここまでの強化合宿で成長が顕著なのは主力ばかり。他は勝てばラッキーと言っていい領域だ。
子供時代から好きな物事に没頭してきた経験の差が、こうも明確に現れるとはな。
7月は地方予選に最大1000人まで参加するが、8月には200人まで減っている。9月のコーヒーイベントが始まる頃には、シード権保持者を含めて20人しかいない狭き門。各競技会はここで1人も残れなければ自動敗退となり、手痛い敗北を喫することとなる。アマチュアチームは全員がシード権保持者であるため、勝利条件がやや緩くなっている。皮肉にも僕の立案で始まったシード権が、アマチュアチームにとって有利な要素となっているのは大いに不覚だ。
強化合宿当日、千尋はJCCのシード権、弥生はJCTCのシード権を持っているが、参加するもう片方の競技会についてはシード権がなく、やはり地方予選からの参加を自覚しているのか、いつも以上に気合が入っているのが昨日の時点で分かる。
僕はバリスタランドでバイトたちの様子を窺いながら強化合宿に途中から参加する。
皐月は午前9時頃からJLACとJCTCの準備中で忙しい。営業が終わっても帰るのが遅く、半日以上を練習と営業に費やしている。奇しくも弥生とは競技が被り、バリスタ甲子園以来のライバル対決が早くも注目されている。皐月も弥生を強く意識している。どちらかと言えば蹴落とす対象として見ているが、蹴落とすべき相手は他にいる。
憮然とした顔のまま、僕の前に佇む皐月。
「今日の千尋はまた休みのようだ」
「らしいな。まだ来てないみたいだし」
「千尋は毎月最初の金曜日から日曜日まで新人研修で休むと聞いたが、いくつか不自然なところがある。新人研修にしては長すぎるし、バイトは入れ替わりが激しいはずだ。量をこなす必要があるならもっと多くてもいい。今はコーヒーイベントに向けた大事な時期だぞ。いつまで新人研修をやらせるつもりだ?」
腕を組みながら咎めるように皐月が言った。
ここまで考察が鋭いと、流石に誤魔化すのはキツイ。
新人研修と言って納得してもらったが、秘密裏に宿泊して強化合宿をしていると、千尋たちの様子もあからさまに変わってくる。千尋も弥生も練習時間は十分にあるが、どちらかと言えば他のバリスタのサポートに回っている。神崎がいるとはいえ、ある程度上達すれば、トレーナーよりもコーチの方が必須になってくる。基礎を教えるトレーナーこそいるが、より卓越した技術を教えるコーチは不足している。僕が赴いてもいいが、バリスタランドを放っておけなくなった今、誰かに任せる必要が生じた。
しかもコーチの適性がある人ほど主力級だ。卓越した技術を持つ者という時点で、コーチよりも競技者に回ってもらった方が大きな戦力になる。競技者としての実力はないが、人の競技を分析し、改善を促せるような絶妙な位置にいるバリスタは、他のコーヒー会社にごっそり取られてしまっている。
皐月を獲得したことで、僕は慢心していたのかもしれない。多くのコーヒー会社は競技者よりもかつてバリスタ競技会に参加していたバリスタマネージャーを優先的に雇っていた。うちはレッドオーシャンを避ける戦略を採っていたこともあり、競技者が自ら試行錯誤できる環境を整えればそれでいいと考えていたが、ここにきてバリスタマネージャーの必要に迫られるとは思わなかった。才能ある者は試行錯誤だけでいいが、才能に乏しい者はバリスタマネージャーがいなければ成長率が低いのだ。そのためにうちは才能格差を許す結果となった。璃子は練習環境だけでなく、育成環境の重要性を説いていた。
アマチュアチームには、伊織や皐月ほどの圧倒的才能を持つ者はいないが、奴らはとんでもないバリスタマネージャーを配下に置いていたのだ。1人は鍛冶議員の息子にして根本の異母兄である鍛冶、もう1人は穂岐山珈琲育成部にいた石原の2人。美羽は石原のことを評価していた。バリスタとしてではなく、バリスタマネージャーとして。競技者としては根本や芽衣には及ばないものの、相手の欠点を見つけて改善を促すことにおいては一流であった。よく分からないものに対して脊髄反射で否定するだけじゃなく、根拠を見つけるのが得意なのだ。ただ嫉妬深いだけではないことを見抜けなかったのはとんだ誤算だ。
鍛冶は親父である鍛冶議員が社長だった頃からコーヒー業界に興味を示し、最初は競技者を志すも経験の差を埋められずに挫折したことが判明している。副社長を務めていたこともあり、マネジメントの才能に長けていた彼はバリスタマネージャーとなり、去年のコーヒーイベントで複数人の国内予選チャンピオンを輩出した。バリスタオリンピック経験者がいるとはいえ、アマチュアチームの面々を決勝にまで導くのは容易ではないことを僕は知っている。バリスタは一様にはいかないのだ。
「そこは千尋に任せてる。限界だと思ったら、別の人に任せるんじゃねえの」
「地方予選とはいえ、バリスタ競技会は何かを兼任しながらこなせるほど甘くはないぞ。8月の最終予選はコーヒーイベントを目指す猛者が集まる。全国だけじゃない。去年も世界中のバリスタが日本の国内予選に集まってきている。日本国籍を持つ外国人バリスタも当たり前のように参加するようになった。今まで通りにはいかないだろうな。本当はもっとたくさんの大会に臨みたいところだが、JCIGSCは20歳を迎えていないせいで出場できない。JCRCはロースターとしての経験に乏しいからな。それにメジャー競技会は2種類までしか参加できないルールもある。まあそれは別にいいが、アマチュアチームも参加するらしい。またしても優勝しながら辞退するようなことがないといいがな」
殺伐としたオーラが皐月の全身を纏っている。
皐月にとって勝ち逃げは競技会への侮辱以外の何物でもなかった。
無論、何度勝ち逃げしてもペナルティはない。杉山社長が協会の会長に就任したのは、勝ち逃げに手を加えることを阻止するためだろう。コーヒー業界に対して影響力を持った僕がアマチュアチームへの対策として、勝ち逃げ防止ルールを呼びかければ、すぐにでもルール改正ができる。
シード権も僕が呼びかけて作られたルールだし、奴もここまでは計算ずくだ。
競技会の同時出場が2つまでとなったのは、2021年から決まったルールだが、バリスタオリンピックのルールも制定されている。バリスタオリンピックに参加する場合、参加者は他のメジャー競技会に同時出場することができない。参加者の集中力を切らさないためであることや、日程の調整が大変であるからとのこと。かつては同時出場を目指す者もいたが、結局バリスタオリンピックに集中するために他のメジャー競技会を辞退する者が相次いだことを受け、このルールが制定されたわけだ。
無論、皐月なら問題なく同時出場できそうだ。
アマチュアチームの勝ち逃げ行動が問題視されていないわけではない。
寄りによってチャンピオンになった全員が辞退したわけだし、何のために参加しているのかと疑問の声を上げる者もいる。辞退する理由は一身上の都合としか説明されてない。千尋も優勝していないために、世界大会に出ることには抵抗があるようで、葉月グループでは唯一の世界大会辞退者となった。
千尋を破ったエヴァはチェコ代表のため、日本代表の権利はないが、何故チェコ代表で出場しないのかという声もある。アナに至ってはロシア代表の枠すらない。代表権が認められるまでの間は誤魔化しが利くだろう。ここまで様々な事情を抱えた者たちが一斉に参加するんだ。何も起きないわけがない。
「忘れたのか。あいつらの目的はプロ契約制度をなくすことだ。プロバリスタに勝る戦いぶりを見せつけた上で辞退する。これを何度も繰り返すことで戦意を喪失させるのが狙いだ。じゃなきゃわざわざ外国人バリスタまで呼んだりしないだろ。皐月、あいつらをぶちのめしてやれ。どの道勝たないと、プロとしてやっていくのが厳しくなるぞ。制度は人が作ってる。プロ契約制度の廃止を決めるのは民衆だ。納得させることができれば、民意がこっちに傾く。これはプロとアマの戦いだってことを忘れるな」
「海外はプロ契約制度の普及でバリスタが増えているというのに、日本だけこの有り様とはな」
「もしプロがアマとの戦いに負ければ、日本の優秀なバリスタはみんな外国に出ていっちまうかもな」
「……」
苦虫を噛み潰したように皐月が押し黙った。
今は他のバリスタのことなんて気にしてる場合じゃないと伝えたかったんだが、地雷を踏んでしまったように皐月が静かにロングタオルを使い、流し台に溜まったカップを拭き始めた。
うちではコーヒーソーサーが廃止されている。代わりに搔き混ぜたスプーンを入れるためのスプーンケースが客席に置かれている。元々は机を汚さないようにするためのものだが、結局机を汚す客が定期的に現れたため、机は汚れるものとして考えるようになり、次第に使わなくなった。しかもシグネチャーが台頭してからはスプーンを使う機会が激減し、ソーサーは鳴りを潜めていった。
シグネチャーと入れ替わりで消滅したものと言っていい。どのカフェでもシグネチャーが必須級となったため、カフェを起業するハードルは更に上がっている。プロを志す者がいなくなれば、やがて外国チェーン店の上陸を許し、日本のバリスタは淘汰されていくだろう。
葉月珈琲の扉がカランコロンと音を立てながら開く。
「いらっしゃいませ。えっ、真理愛さんに柚子さん」
「こんにちは。あれっ、あず君じゃないですか。お久しぶりです」
「久しぶりってことは、真理愛さんのお店に行ってないの?」
「ここんとこ忙しかったからな」
真理愛は産休を取りながら俊樹にマスター代理を任せている。じっくりとリハビリを重ねつつ、子供のことも考えなければならないのだから大変だ。とはいえ人生がうまくいっている人の大半は放っておかれた子供だ。面倒を見れば見るほど弱体化していくって、親からすれば相当複雑なんだろうな。
唯も干渉したいのを我慢して、子供を遠目から見守っている。
柚子は早くも葉月マリッジカフェへの復帰を果たし、放っておけば結婚できそうにない悩める子羊たちの面倒を見ているが、子持ちになったことでより説得力が増している。性格は以前よりも常識人としての色が弱まり、人の性格を幅広く受け入れるだけの器を手にしている。俊は育児休暇を取り、しばらくは子供の面倒を見ることになったあたり、かかあ天下であることが見て取れる。
「あの、出産おめでとうございます」
「ありがとうございます」
「ありがとう」
嬉しさを露わにする真理愛に対し、柚子はクールにサラッと言葉を返す。
2人は子供が生まれてからハウスキーパー制度を利用しており、ハウスキーパー研修を受けているリサたち4人兄弟に日替わりで子供の面倒を見てもらっている。
家族だけで子供の面倒を見るのは限界がある。ましてや3世帯家族でもないのに誰にも頼ろうとせず、父親と母親だけで育てようとすれば、不備が出るのは当たり前だ。昔は近所の人にも面倒を見てもらっていたからこそ、安心して子供を育てられる土壌があった。
1人でも多くの人に頼れる土壌がうちにはある。
「妊娠してる時も、子供が生まれる時も、本当に死ぬかと思った」
「分かります。あそこまで痛いとは思いませんでした……」
「……そんなに痛いんですか?」
伊織が顔を真っ青にしながらカウンター越しに対面する2人に尋ねた。
「そりゃあもう、想像を絶するというか、あんな思いはしたくないって絶対に思うだろうねー」
「唯さんはそれを5回も体験してるんですから、大家族のお母さんには頭が上がりませんね」
「次は伊織ちゃんの番だね」
「なっ、何で私なんですかぁ~!?」
今度は真っ赤な顔のままツッコミを入れる伊織に、柚子と真理愛がクスッと笑う。
「伊織ちゃんもあず君と結ばれたじゃん。健康なら子供の1人くらいできても不思議じゃないでしょ」
「2人の彼女が両方共子供を産むって、色々とまずくないですか?」
「何言ってるの。浮気者扱いされる覚悟で一緒になったんだから、唯ちゃんみたいにとことんズブズブの仲にならないと、立派な彼女とは言えないと思うよ」
もじもじと小刻みに体を揺らす伊織。可愛い。
どこか遠慮がちだと思ってはいたが、そういうことだったか。
伊織の肌触りの良さは一級品だ。手で撫でるように触る度、小振りな体をビクッと震わせ、背徳感の混ざった快感の声を上げてくれる。だが唯ほど頻繁に添い寝してくれるわけではなく、一緒に寝ようと誘っても、子供たちを寝かしつける役目に徹しようとする。
「せっかくマスターになったんですよ。もし離脱なんてしたら、次いつ戻れるか分かりません」
「えっ、そんな心配してたんですか?」
「はい。メジャー店舗は競争が激しいですから、ブランクができてしまうのが怖いんです」
「仮にも伊織さんはバリスタオリンピックチャンピオンなんですよ。もっと自信持ってください。バリスタ競技会に出ないというなら、もう実績なんて関係ないと思いますよ」
「……バリスタオリンピックチャンピオンは、バリスタとしての模範を示すべき存在と、バリスタオリンピック憲章にも書かれています」
「だったら新しい模範を示していけばいい。伊織は子供たちにとっても、良い手本になってるぞ」
「それとこれとは別です。子供ができた時、異母兄弟の存在に戸惑いを感じるんじゃないかと思って」
おいおい、そんなことで悩んでたのかよ。
異母兄弟がいる人なんていくらでも存在する。それで気まずくなったりするのは、大体周りのせいだったりするから厄介だ。人より羞恥心の強い伊織は、一緒に寝る行為を控えめにしている。
そんなこと気にする意味なんてないのに。
「唯ちゃんだって結婚してないし、子供たちだって、伊織ちゃんと一緒に住んでることに戸惑いなんて感じてないでしょ。そりゃ特殊な家庭ではあるけど、そのことを悪く言わない限り、変わってるとは思わないよ。人の価値観なんて、成人するまでに集めた偏見のコレクションにすぎないんだから」
「柚子も言うようになったな」
「誰かさんのお陰でね。私も仲人バリスタっていう変わった仕事をしてるし、あず君と一緒にいればいるほど、本当の自分は変人なんだって思い知らされるの」
「あず君のそばにいる人って、みんな変人ですよね」
「というより、あず君が変人を引き寄せているんだと思います。最近は全国から集まったバリスタが葉月グループのマイナー店舗で働くようになって、メジャー店舗にも県外からバリスタが昇格するケースが増えてきています。そんな人たちを見ていると、油断なんてできません」
伊織は競技者を引退してもなお、バリスタを辞めようとはしなかった。
葉月珈琲にいられなくなっても、ここに住むことはできるが、それでも気が収まらないのは、伊織がプロバリスタである証拠だ。間違いない。伊織は葉月珈琲のマスターで居続けたいのだ。
元々は後継者を探すために伊織を育成したが、伊織はその意思を汲み取り、期待に応え続けた。恐らくは最初で最後のチャンスであろう、バリスタオリンピック2019ダブリン大会制覇を可能にしたのは、常に最高のコーヒーを追求する真心以外の何ものでもなかった。
「まるで私が変人みたいな言い草だが、当たっているだけに反論はできんな」
「もしかして、この人が昇格した人なんですか?」
「いえ、皐月さんはメジャー店舗の葉月創製からスタートした人で、今年からはあず君と入れ替わりで、皐月さんがここに所属することになりました」
「立花皐月です。真理愛さんと柚子さんのことは、以前からあず君に窺っています。大先輩とここで再会できるとは思いませんでした」
凛々しくも健気に頭を下げる皐月。真理愛も柚子も、皐月が憧れているバリスタの1人だ。
大会で一度会っているが、意外にも今日までちゃんと話したことはなかった。葉月コーヒーカクテルは成人していなければ入り辛い店舗だ。場所はそこまで遠くはないが、まだ10代の皐月にとっては、バーを兼ねているカフェという時点で十分すぎる距離感であった。僕とてコーヒーカクテルは真理愛がいなければ手を出すのが遅れていたかもしれない領域だ。皐月も来年は20歳を迎え、ようやく本格的なコーヒーカクテルの研究ができる。
作るだけなら今すぐにでもできそうだし、ルール改善の余地が垣間見えた。
スタッフであることを忘れ、積極的に質問を繰り返す皐月に対し、真理愛も柚子も快く答えている。
千尋を疑っていたことなどすっかり忘れ、動画でしか見たことのなかった存在と語らい、クールな表情は子供のように情熱剥き出しのホットな姿へと変わっていく。こんな皐月は初めて見た。普段は無表情で何も考えてそうにないようにも見えるが、計画性は緻密そのもの。競技会にかける想いは本物だ。
「真理愛さんは次世代のコーヒーカクテラーを育成していると莉奈から聞きました。話を聞く限り、とても大変な仕事と聞きましたが、コーヒーカクテラーって、そんなに難しいんですか?」
「そうですね。でも慣れれば大丈夫ですよ。莉奈さんはまだ始めたばかりですけど、実は莉奈さん、下戸のコーヒーカクテラーなんですよ」
「存じてます。いつも誰かにテイスティングをさせていましたけど、そんな方法もあるんですね」
「皐月さんはコーヒーカクテルに興味があるんですか?」
「はい。将来はバリスタオリンピックチャンピオンを目指しています。頂点を究めるには、コーヒーカクテルの習得が必須です。そこで真理愛さんに1つお願いがあるんですけど、私が20歳を迎えたら、コーヒーカクテルを教えていただけませんか?」
「いいですよ。皐月さんは相当な逸材と聞いています。通常はマイナー店舗からスタートですけど、メジャー店舗からスタートできる人ってそんなにいないんです。私で良ければ応援させていただきます」
真理愛は皐月からの申し出を二つ返事で快諾する。
誰かの受け売りじゃなく、自らの経験で培ってきた知識や技術を次世代に受け継がせるんだ。
それだけでも一生自慢できる偉業だが、真理愛は開祖であることに驕ることはなく、変に隠したりもしない。彼女にとってコーヒーカクテルを普及させることは長年の夢でもある。意欲的に次なる技術を学ぼうとする確かな意思を皐月は持ち合わせている。それは好奇心以外の何ものでもなかった。
話題を掻っ攫われる格好となった伊織は他の客と談笑しながらコーヒーを淹れている。
コーヒーカクテルの話に夢中の皐月を見届け、変装してから強化合宿へと出かけるのであった。
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