402杯目「襷を渡す時」
親戚の集会は葉月グループの動乱を知らぬままお開きとなった。
営業初日を迎え、晴れて伊織が葉月珈琲のマスターに就任する。
僕はみんなの前で伊織に制服を手渡し、使い古したピンク色の制服を持ったまま、伊織はバックヤードへと着替えに戻る。まるで新しいおもちゃを買ってもらった子供のように廊下を走り、しばらくして戻ってくると、可愛げのある姿を新しいスタッフにも披露した。
前々から僕が忙しくなるにつれてマスター代理も務めていたが、いざマスターを辞めると、去年までの日常はもう戻ってこないのだと、時代の流れを肌で感じるのだ。
ピンクを基調としたチョッキに白いブラウスが、伊織の可愛らしさをより一層引き立たせた。
伊織が名実共に、2代目マスターとなった瞬間である。
「これでいつでも、あず君を感じられます」
「なんか言い方が愛人だねー」
「愛人じゃないです。立派な恋人です。私、立派にマスターの仕事を務めてみせます」
「ああ。葉月珈琲のこと、頼んだぞ」
「はいっ!」
身を引き締めた伊織を見ながら、つり目を光らせながら皐月が歩み寄った。
今年からは僕と響が葉月珈琲を去る代わりに、皐月と桃花が葉月珈琲のスタッフとなった。2人にとっては念願の葉月珈琲での勤務だ。特に順位は定めていないが、ここはメジャー店舗の中でも最上位ランクに位置する店舗と見なされている。葉月グループばかりか、多くのバリスタが目指すべき到達点とされ、優子や真理愛などの前例もあり、葉月珈琲経由で独立を果たした者は成功すると言われている。
無論、それはプロ契約制度ありきの話だ。
「立花皐月です。今日から葉月珈琲で働けることを嬉しく思います」
「皐月ちゃん、みんな身内なんですから、いつも通りで大丈夫ですよ」
「そうか。伊織、マスターの仕事も大変だとは思うが、普段は伊織のサポートをさせてもらう」
「私も大会の時は、皐月ちゃんのサポートをさせてもらいますね」
「ああ、よろしく頼む」
にっこりと伊織に微笑みかける皐月だが、時折寂しそうな眼差しを僕に向けている。
「えっと、桃花ちゃんだっけ?」
那月が気を利かせ、物怖じしている桃花に声をかけた。
「はい。佐奈桃花です。去年まで葉月ローストに勤めてました。実績は皆さんに及びませんが、これから追いつけるよう、精一杯頑張ります」
「私も同じ気持ちだ。私たちの内、3人はメジャー競技会の覇者、那月さんは2つの異なる分野で国内予選を制覇している。負けてられないな」
「そうですね。私、今回はあず君の助言で、エアロプレスでJBrCに挑むんです」
「! ……あず君から助言を受けたのか?」
「はい。私がエアロプレスを得意としていることを一発で見抜いてたんです」
「……そうか」
桃花はすぐ伊織たちに馴染んでいった一方で、皐月はどこか距離を感じている様子だ。
自らの役割を察知すると、すぐに仕込みを始めた。エスプレッソマシンやコーヒーのコンディションを確認する動きが洗練されていて無駄がない。以前は入ってきた連中に僕や伊織が指導していたが、それはマイナー店舗の役割になりつつある。メジャー店舗は最初からできて当たり前だ。
一流にしか務まらないカフェを夢見ていたが、僕はやっとの思いでこれを実現した。
「千尋君、外はどう?」
「龍だね。それもかなりだよ」
「龍?」
桜子に視線を向けながら首を傾げる皐月。
「葉月珈琲はお客さんの長さを動物に例えるんです。少し長い時は蛇、長い時は鯨、凄く長い時は龍と表現するのが習わしなんです」
「さっきここに入った時からやけに人が多いと感じたが、あれは全部客だったんだな。葉月創製も人気店舗ではあるが、あそこまで客が待っていたことはない」
「じゃっ、後はよろしく。今年の初営業だ。頑張ってくれ」
正午を迎えると共に、那月が葉月珈琲の扉を開けた。
クローズと書かれた木の板をオープンと書かれた面に裏返すと、雪崩の如く客が押し寄せた。
伊織たちは当たり前のように対応するが、皐月と桃花は何やら慌ただしい。他の店舗は正月明けからこんなにも押し寄せることはない。2人共葉月珈琲での勤務経験はあるが、繁盛期ではない。これだけの客が押し寄せる時は、決まって新商品が発売された時だ。
正月明け限定で、樽熟成させたコーヒーが飲めるのだ。
1杯1万円の超高額商品だが、それでも客は喜んで払う。
2階に戻り、雁来木染に変装すると、裏口から外に出た。それにしても、雁来木染は策士の女だ。僕と似た性格ではあるが、璃子に似せているだけあって変に目立つことはないし、人に嫌われることもない。対人関係が二の次なのは僕も璃子も同じだ。しかし二の次の意味が違う。僕にとっては無視、璃子にとっては敬遠だ。無視を敬遠に変えるだけで、これほど生きやすくなるとは。
相性の悪い相手と物理的に距離を置けないなら、相手が諦めるまで辛抱強く仲の良い知り合いを装い、徹底してつき合わないことが重要と璃子は言った。気が合うふりをして誘いは丁寧に断り、つけ入る隙を与えず、精神疲労を蓄積させてから弱点を突く。まさに持久戦略だ。
不寛容で原始的な類人猿を無視すれば殴り合いになる。璃子は僕の経験から学んでいた。
そんな璃子が葉月グループ本社副総帥となったのは必然とも言える。
――もし敵に回していたなら、今頃は璃子が総帥になっていただろう。
雁来木染となった僕は客の1人に紛れ、伊織たちの様子を見守った。
長蛇の列に耐え、葉月珈琲の目前に迫ると、待っている客たちが離し始めた。
「あず君って今年からマスター辞めるって知ってた?」
「うん、知ってる。私も誰がマスターになったのかを見に来たとこ」
「でもさー、あず君ってこのままバリスタ辞めちゃうのかな。バリスタのあず君はもう見れないのかな」
「プロ契約制度が条例で禁止されるってニュースにもあったけど、それを見越して引退するんだろうな」
「バリスタもこれまでかー。まっ、あず君と伊織ちゃんだけで持ってたようなもんだし、伊織ちゃんもバリスタオリンピックチャンピオンになった今、これ以上大会には出ないって言ってたし」
相変わらず勝手なことばかり……。
だがコーヒーファンたちが懸念しているのもよく分かる。
次世代を担うスーパースターがいなければ、業界は衰退の一途を辿る。
メジャーリーグでは某安打製造機が引退した後、襷を渡したかのように某二刀流選手が現れ、次世代のスーパースターとなったことで、人気が低迷していた野球に再起の火を灯した。コーヒー業界も襷を渡す時が迫っている。伊織も収まるところに収まり、勢力図はガラリと変わった。
鍵を握るのは恐らく――。
「なあ、最近葉月グループの社員が一斉にいなくなる現象知ってる?」
「えー、何それ怖ーい」
「葉月グループの有力なバリスタが時々神隠しに遭ってるって噂だよ。月に一度くらいのペースで、各店舗のエースが一斉に行方を晦まして、ユーティリティー社員が滅茶苦茶忙しくなるんだよ。それで戻って来たバリスタに話を聞いても、出張してきたの一点張りでさー、大会のない時期だってのに、みんなして出張って、おかしいよなー」
「あー、それなら聞いたことあるよ。あず君がハーレムを作るために気に入った人を呼び出してるって」
おいおいおいおい! そんな噂まであんのかよっ! 神隠しって誰か見てたのか?
一筋の焦りが僕の背中を滑るように伝う。まさかとは思うが、皐月にも伝わっているんじゃ。
バリスタが出張する時は、ほとんどの場合において大会である。大会の時期を問わず出張している者は全てがうちの主力だ。桃花はドリッパーの扱いがうまく、伊織と相性が良いし、まだまだ伸びしろを残している。穂岐山珈琲から転職した中では特に出世した部類に入る。うちに入れたのは当然だ。
最も期待が大きい皐月は指導するまでもない。より練習に集中してもらうべくうちに入れた。それに強化合宿の件を特に疑っている存在でもある。そばに置いていた方が無難だが、ここまで噂が広まってしまえば、皐月の耳に入るのも時間の問題だ。ここは伊織に相談して、クローズキッチンに入ってもらうか。
「いらっしゃいませー。1名様ですか?」
何も知らない伊織が元気良く声をかけてくる。
「うん、1人だよ」
「――あの、勘違いだったら申し訳ないんですけど、どこかで会ったことありませんか?」
「いや……勘違いだと思うよ。私はここ初めてだから」
「そうでしたか。申し訳ありません。カウンター席にどうぞ」
「パナマゲイシャのエスプレッソ1つ」
「畏まりました。よろしければ、タブレット注文もご利用ください。こちらの方が効率的ですので」
「へぇ~、結構便利になったんだねー」
「はい。先代が注文を効率良くするために始めたんです。メニューも飛び出す絵本で、コーヒーがここに届くまでのストーリーまで描かれてるんです」
伊織たちが僕に気づくことはなかった。
特に問題もなく、接客から調理に掃除までをテキパキとこなしている。
桃花も葉月ローストで随分と鍛えられたようで、若々しい肌と胸が客の目を吸い寄せている。
今年で三十路を迎える姿とは到底思えないが、つき合ってる人とかいないんだろうか。
「伊織ちゃん、初めてのお客さんなのに、結構話してたよね」
「私も不思議です。普段は人見知りなのに、あのサングラスの女性とは自然に会話ができたんです」
「マスター効果が早くも表れたみたいだね」
「何ですかそれ……」
「出世すると、その地位に合った能力を発揮しようと思って、いつもより潜在能力を発揮する効果だよ」
「変な名前つけないでください。それより注文が入りましたよ。早速作ってください」
「はいはい……ったく伊織ちゃんってば、マスターになった途端こき使うんだから」
伊織には聞こえないくらいの小さな声で愚痴りながらも、作業に取り掛かる千尋。
オートタンパーで圧縮されたコーヒーの粉がたっぷりと入ったポルタフィルターをエスプレッソマシンに装着してスイッチを入れると、すぐにデミタスカップを取り出して落下地点に置く。時間差でエスプレッソが抽出されると、すぐに片方のデミタスカップをカウンターテーブルに置いた。
学校には行ってないが、高等な教育を受けている。
ここにいる連中が中卒や高卒ばかりであることなど、客たちは全く気にしていない。
「お待たせしました。こちらパナマゲイシャのエスプレッソです。ごゆっくりどうぞ」
普段は目の当たりにすることのない千尋の丁寧な接客は実に新鮮だ。
今年もマスターを務めていたら、僕もこんな接客になっていたんだろうか。
最高のカフェは客がたくさんいても静かなのが特徴だ。家に帰ったような寛ぎと安心を与えるサードプレイスとしての役割を果たせていると胸を張って言える。伊織がマスターになっただけで、こうも雰囲気が変わるもんだな。やはり伊織はマスターに向いている。競技者よりもずっと。
「ねえねえ、神隠しの噂って本当なの?」
客の1人が千尋に尋ねたが、頭を傾げることもなく口を開いた。
「あー、それはただの研修だよ。この頃入れ替わりが激しいからさ、新人教育に力を入れてるんだよ」
もっともらしい言い訳だ。千尋にしては機転を利かせてるじゃねえか。
「あの、神隠しって何ですか?」
聞き耳を立てていた皐月が千尋と対面する客に声をかけた。
「去年から葉月グループの店舗にいる主力が一斉にいなくなる時があるんです」
「新人研修だったんだー」
「葉月グループは通年採用なので、毎月新人研修をしないといけないんです」
「でも新人の人は、いつもお店にいるんですよねー」
勘の鋭い客の1人が呟いた。
馬鹿っ……余計なことを……。
皐月の顔色が変わった。今月も金曜日から日曜日まで強化合宿がある。
明らかに怪しんでるし、念のために皐月を見張りたいが、杉山社長との会合に備えないといけないし、店の仕事に集中させてやりたい。こんな時、璃子ならどうする……駄目だ、全く思い浮かばない。コーヒーと向き合うことはできても、人と向き合う経験に乏しい僕には無理だ。
「千尋、新人がみんな店にいるのは不自然じゃないか?」
「僕もそう思ったけど、別にどうでもいいでしょ」
「……良くない。私が新人の時にも研修はあったが、全部店内でやっていたぞ。それに教える側の主力に私が入っていない。私は信頼されてないのか?」
「まさか、そんなわけ――」
「ちゃんと答えてくれ。千尋は知っているんだろ?」
殺伐とした目を尖らせている皐月が千尋の小さな肩に掴みかかる。
「はぁ~」
段々と悪化する状況に思わず息を吐いた。
「あの、どうかしましたか?」
「いやー、ちょっと思い詰めたことがあってね」
「差し支えなければ、話を聞きましょうか?」
皐月の興味がこっちに向いた。これはチャンスだ。
「実はねー、私には優秀な部下がいるんだけど、小さいことでくよくよ悩むのが唯一の欠点なの」
「お勤めの方なんですね。えっと……」
「私は雁来木染。木染でいいよ。普段はコーヒー会社の社長やってるんだけど、仕事内容が結構変わっててね、色んなコーヒー会社にバリスタを紹介しているの」
「立花皐月です。皐月と呼んでください。葉月グループには名札がないんです。制服だけで誰かが分かるバリスタになれという意味だと聞いています」
「……け、結構変わった風習だね」
それ考えたの僕なんだけどな。何者も葉月グループの伝統を超えることはできない。
実際、名札をつけたところで、客がスタッフの名前を覚えることはほとんどないし、覚える気があるなら自己紹介してもらえばいい。有名バリスタになれば、自己紹介の必要さえなくなる。
うちに来るからには、名札がいらない人間になってほしいのだ。
しばらくは皐月の注意を惹き、神隠しの噂を頭から離れさせた。伊織は接客に夢中で、スタッフの異変には気づいていないようだ。バリスタとしては立派だが、マスターとしてはまだまだだね。
「バリスタ派遣会社なんですねー。昔はそんな仕事なかったですよねー」
「そうだよ。バリスタって数は多いけど、バリスタ競技会で通用する人はあんまりいないし、バリスタ競技会で結果を出せば、店の宣伝にもなるってことをみんなが知ってからは、バリスタの需要が一気に高まったんだけど、そのせいで質の低いバリスタに高い給料を払う問題が発生してるの。そこでバリスタ専門の派遣会社を創設すれば儲かると思ったわけ。意外と思うかもしれないけど、ビジネスは常に需要のあるところに生まれるものだからね。プロ契約制度を利用した経験を持つバリスタか、バリスタ競技会で決勝までいったことのあるバリスタしか入社できないようになってるから、信用もバッチリってわけ。私は社長をしながら、将来有望なバリスタのスカウトもやってるの。どんな石だって、磨けば光るんだから」
「……知らなかったです。コーヒー業界はそこまで進んでいたんですね」
葉月グループは『株式会社葉月ユーティリティーサービス』を創業し、バリスタの育成に力を入れた。
自前での育成は株式会社葉月珈琲塾があるものの、世界規模でバリスタの需要が高まっている今、それだけでは供給が到底追いつかないことに気づかされ、外部からもバリスタを募集する必要に迫られた。
しかし、バリスタだけでトップレベルに到達することはできない。
バリスタを育てるバリスタトレーナーがいなければ、この商売は成立しない。
まずはバリスタ教育を盤石なものとするため、バリスタトレーナーを雇っている。
若年の方が有利ではある。だが教えるのは熟年の方が長けている傾向が強いのだ。そのために神崎を始めとした氷河期世代に注目し、世間が見捨てた才能を拾い上げている。他のコーヒー会社はこのことに気づいていないようで、バリスタ甲子園で見つけた才能あるバリスタを引き上げることしか考えていないのが実に滑稽だ。才能があるなら、当然取り合いになることは自明の理だ。
何故みんなは自分の会社だけが勝ち取れると思っているのだろうか。
ドラフト制度があるわけでもないのに――ん? ドラフト? そうかっ! その手があった!
僕の脳裏に一筋の雷が颯爽と走った。
コーヒー業界にドラフト制度を導入すればいいんだ。多くのコーヒー会社は昨今のバリスタブームに乗ろうとしている。故に優秀なバリスタに飢えているはずだ。今は最も実績のある葉月グループばかりを選ぶバリスタが大半だし、バリスタ側に選択権がある状態なら、実績のあるコーヒー会社ほど有利だ。
ここまで何故思いつかなかったのだろうか。
ドラフト制度が導入され、一般大衆の信用と注目を集めることができれば、プロ契約制度廃止条例を撤回できるかもしれない。民意がプロバリスタを否定するというなら、誰も文句を言えないくらいにプロバリスタの価値を向上させ、民意を変えてしまえばいい。力が使えないなら頭を使えばいいまでのこと。
無論、これにもリスクがないわけではない。バリスタの職業選択の自由、大手コーヒー会社の既得権益消失といった問題もある。葉月グループに優秀なバリスタが入ってくる確率も下がり、戦力が他のコーヒー会社に渡ってしまう可能性もあるが、僕には1つの確信があった。
――即戦力なんていない。だから育てるんだ。
かつての親父の言葉が僕自身の言葉として蘇ってくる。
この言葉が正しければ、ドラフト制度に外れなんてないし、むしろ育てられない会社側の責任だ。優秀なバリスタを確保できずとも、優秀なバリスタトレーナーさえ確保できれば、世界に通用するバリスタを輩出することができる。僕にも優秀なトレーナー兼コーチがいた。
「皐月さん、ちょっといいですか?」
「唯さん。どうかしましたか?」
「あなたはまだここに配属されたばかりなんですよ。他の人の心配をする前に、やるべきことをちゃんとやってください。神隠しの噂も千尋君が真相を説明してくれたじゃないですか。お願いですから、今は営業と競技会に専念してください。競技に支障が出たら、皐月さん1人の責任じゃ済まされないんですよ」
「……分かりました」
普段はお淑やかでふんわりとしているからこそ、真剣な時の重みが違う。誰かに言うことを聞かせる場合において、これほど打ってつけと言える存在はない。
「ねえねえ、前々から気になってたんだけど、バリスタトレーナーとバリスタコーチってどう違うの?」
千尋が素朴な疑問を伊織にぶつけた。
「分かりません。ざっくりとしか」
答えに詰まり、困り果てる伊織。
「バリスタトレーナーは、バリスタとしての基本動作とか、礼儀作法とかの立ち振る舞いの基礎訓練をするからトレーナー。バリスタコーチは、基礎を積んでいる前提のバリスタに、競技会で勝つための指導をするからコーチ。バリスタによって経験値の差があるし、相手によって最適な育成方法が変わるの。今はコーチよりもトレーナーの方が不足してて、トレーナーの需要が高まってるってわけ」
「「「「「へぇ~」」」」」
伊織たちが同時にゆっくりと頷いた。まるで今日初めて知ったかのような反応だ。ていうか知らなかったのかよ。バリスタなら知っていて当然の基礎知識だぞ……。
後でバリスタペディアに、ページを追加した方が良さそうだ。
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