374杯目「配られたカード」
大会前日、僕らはダブリン市内の会場へと集合する。
この日はバリスタオリンピック本戦における競技時間を決める日だ。
最初に選考会で優勝した51人のバリスタが選考会のスコアが高い順に、競技時間を登録する。1日目から5日目までの5日間から4つの時間帯を選ぶが、1日につき20人までしか入れない。例えば3日目の6番目から10番目を選択した場合、大会3日目の12時から3時に競技を行うことになる。
朝早くと夜からの競技は体力を消耗した状態で行われる。
できれば昼頃に競技がしたいとみんな思うはずだ。
次に伊織を始めとした2位から4位で通過した49人のバリスタがスコアの高い順に競技を行う日と競技順を決めるわけだが、伊織も千尋も選考会での合計スコアは100人の中で30番目くらいの成績だ。しかし、スコアが高い順に空いた枠を埋めていくとはいえ、最優先されるのは順位だ。
伊織は4位通過であるため、かなり最後の方に席を埋めることになる。
僕らは伊織と千尋がどんな順番を選ぶのかを見守った。最終的に決めるのは2人だが、千尋は比較的早く選択機会が訪れる。最悪でも昼間の時間帯は確保できるだろう。
今年は北米勢が強く、アメリカ代表やカナダ代表は4人が選考会通過を決めている。
「みんな揃ってますね」
「昼間の枠は全部取られてるだろうな」
「競技順は最悪の事態を想定しておけよ。ちなみに準決勝以降はスコアの高い順に競技順を決めるから、ハイスコアを記録した方が有利になってる。去年からはメジャー競技会で『ハイスコア競技順選択制度』が採用されてるし、先に競技順を選べるのは、メンタル面でも大きいだろうな」
「1番目から5番目は午前9時から、6番目から10番目は午前12時から、11番目から15番目は午後3時から、16番目から20番目は午後6時からだ。昼間に競技をした方が良いのは何故だ?」
「単純に昼間の方が集中力が高いし、夜だとずっと待つことになるし、疲労が溜まっている状態で競技を行うのはリスキーだ。1週間も早くここに来たのは旅行のためじゃなく、ダブリンの時間に慣れてもらうためだ。分かってるとは思うけど、1日目の朝はNGだぞ」
「1日目の朝?」
若菜が首を傾げた。魔の領域と呼ばれる1日目は誰もが避けたがるものだ。
「開会式の直後にいきなり競技が始まるんだ。切り替えが要求されるし、準決勝進出を決めたとしても、かなりのブランクが生じるからな。2日目から4日目の昼間が1番無難に競技をこなせるし、このあたりの順番で競技をしたバリスタのセミファイナリスト率が1番高い」
「競技する時間帯って大事なんだね」
「そこまでウエイトは占めてないけど、競技はメンタルも大事だからな。しかも今回からタイムポイントが追加されて、早く終われば終わるほどポイントが加算される。30分の短縮でタイムポイントが最大化されるけど、これは別に狙わなくていい。メジャー競技会は2021年から制限時間を迎えたら強制終了するようになった。強制終了を避けるための処置と考えていい」
「ラテアートのやり直しができなくなったのは地味に痛いですね。昔の話ですけど、伊織ちゃん、制限時間が余ったら、何度もラテアートを描くって言ってましたから」
「そこは何とかするだろ。伊織が本当の1番ならな」
1位通過したバリスタたちが競技時間を選択して退場していく。
最も合計スコアが高かったのはマイケルジュニアだ。しかもマイケルジュニアとチームを組んでいたジェシーまでもが2位通過グループの中にいる。この2人は最も過酷と言われるアメリカの選考会をワンツーフィニッシュでクリアした強者だ。
無論、競技時間が被ってもいいのは5人までで、5人が登録すればその時間帯には登録できなくなる。これこそが1位通過する最大のメリットだ。更には本人確認と参加意思を示す最終登録も兼ねている。
続いて2位通過を決めた千尋たちが、競技時間を決定すると千尋が口角を上げたまま戻ってくる。
「どうだった?」
「3日目の6時から9時が空いてたからそこにしたよ。十分な練習ができるし、準決勝に向けた準備もできるから、都合の良い日だね」
「良い時間帯を選べたんですね。よかったです」
「問題は伊織ちゃんだね。ハイスコアを記録したとはいえ、4位通過で最後の方だし、都合の良い時間帯の枠が余っていればいいんだけど、みんな朝には登録したくないだろうから、難しいかも」
しばらくして3位通過したバリスタまでが登録を済ませた。
根本と黒柳の2人の後ろには松野がついている。何だろう、誰か足りない気がする。
「おっ、葉月社長じゃないすか」
黒柳が気さくに声をかけてくる。みんな柄にもなく正装だ。大会は明日からだというのに。
「あれっ、穂岐山社長は?」
「社長なら東京で鍛冶社長と闘ってますよ。本当は来たかったみたいですけど」
「穂岐山社長が言うには、これが穂岐山珈琲勢最後の戦いになるかもしれないとのことだ」
「鍛冶社長にはバリスタオリンピックが終わるまで、何もしないように伝えておいた」
「えっ……それ、本当なんですか?」
「守ってくれる保証はないけどな。一応釘は刺しておいた」
この約束に期待など微塵もないし、いつ均衡が崩れても不思議じゃない。
穂岐山社長がここにいないということは、あの約束が守られる確率は低い。
美羽には目付け役を頼んでおいたが、本来なら僕が目付け役になるはずだった。アリスは僕に講義を見せるために呼んだわけじゃない。もしケルティックタイガーが潰れたとなれば、バリスタオリンピックチャンピオンがその後の人生で落伍した最初の例になる。アリスはそれを阻止したいのだ。
ただ身内だから守りたいというだけの理由とは思えなかった。
神が血を流すようなことがあれば、誰も神を信じなくなる。
アリスは成功者が成功者であり続けた神話を守りたい。それは他でもない、コーヒー業界の覇者が持つイメージを死守するということだ。アリス自身がバリスタオリンピックセミファイナリストに輝き、大学側からコーヒー学科の主任として呼ばれた実績がある。彼女もそんなコーヒー業界に報いたい。
それが痛いほど理解できるからこそ、僕は今ここにいる。
「……あず君」
血の気が引いたような声が、伊織の小さな口から聞こえてくる。
「伊織? ……どうかした?」
「1日目の朝になっちゃいました」
「「「「「……」」」」」
この時、僕は最悪の事態を予感した。僕の嫌な予感が外れたことはない。
「他の枠はどうだったの?」
「それが……1日目の朝しかなくて、運営の人に早く登録するように催促されてしまって」
「1日目の朝にしちゃったわけか」
「駄目ですよね」
「せめて3日目以降だったら、朝からでもまだ余裕を持ってできた……1日目ってことは準備時間も少ないままだし、今日リハーサルをやらないといけなくなったわけだ。しかも1日目と2日目は桜子が参加するWCRCと、響が参加するWCIGSCがある。2人のサポートを受けられるのは3日目以降だぞ」
「なので千尋君と一緒に3日目にしようと思いましたけど、やっぱり開会式と準決勝から程良く離れている3日目は人気がありますね」
「僕が登録する時も、3日目はほとんど枠がなかったから、4位通過者はまず余らないと思ってたけど」
「それだけじゃない。1日目の朝に競技をしたバリスタは、まだ1人も決勝に進出してない」
「えっ……それ、どういうことなんですか?」
「起きてすぐに開会式を行って、その直後にリハーサルから本番だぞ。体力的にかなりの負担がかかる。だからみんな1日目の朝は嫌がる」
開会式を欠席するという手も考えたが、参加者は必ず出席しなければならない。
欠席すればスポーツマンシップに違反したと見なされ減点されるため、もはや実力以前の問題になる。伊織にとってはまさに絶体絶命だ。4位通過で上がってきたのは僅か6人。つまり100人中95番目に競技時間を選択するため、ほとんど枠が残っていない状況だ。
1日目の朝を戦ったバリスタは準決勝に進出すらしていない。
伊織は準決勝に進むかどうかの戦いをする前に、まずジンクスとの戦いをしなければならなくなった。千尋は2位通過なだけあって、ベターな競技時間を確保することができた。この時点で競技をこなす環境に格差が生まれてしまったのが懸念材料だが、伊織なら心配ないと思いたい。
今回からレパートリーポイントが弱体化され、創意工夫の種類よりも品質が重視される。
「あず君、リハーサルを手伝ってくれませんか?」
「しょうがねえな。最初は来る気なかったけど、来てよかった」
「ところで、根本さんと黒柳さんは何日目なの?」
「僕は3日目の12時からです」
「俺は2日目の6時っすよ。3位通過なので、そこまで良い競技時間じゃないっすけど」
「今回もチーム戦だけど、今回からは事前にチームが決まるんだって。僕はチームコーヒーカクテル」
「僕はチームクレマです」
「俺はチームフレーバーだ。みんなバラバラだな」
「私はチームクレマです。根本さんと同じチームですね」
「えっ、本巣さんとですか?」
目を細めながら安心する伊織に対し、千尋は生暖かい息を吐いた。
「私じゃ不満なんですか?」
「無理ないよ。伊織ちゃんが1番不利な条件で戦うってことは、チームの合計スコアが下がるかもだし」
「千尋君の意地悪……」
頬を膨らませながら千尋を睨みつける伊織。可愛い。
「ねえ、チーム戦ってどういうこと?」
「予選はチーム戦も兼ねて行われるんです。100人をそれぞれのチームに分けて、合計スコアの上位10人が準決勝に進出して、各チームで残った人の中から合計スコアの高い人が最も高い5人が準決勝に進出するので、合計15人が通過できるんです」
「今回からは10人1組の10チームでチーム戦が行われる。前回は余った人の中から最も合計スコアの高い人が準決勝進出で、11位までは進出確定だったけど、今回からは11位でも下位チームになったら準決勝進出が不可能になる。合計スコアが1位から5位の上位チームから1人ずつ進出するわけだ」
「前回の11位が確定通過した問題点を解消していますね」
「何なら11位だった人が優勝しちゃったからねー」
予選を確定通過させるには、少なくとも上位10人の中に入らなければならなくなった。
チームが拡張されたことで、ワイルドカードの価値が更に高まった。まずあり得ないことだが、1位となったチームから10人全員が上位通過者となっている場合、6位チームからも合計スコア1位のバリスタが通過できることからも、徹底したルールの穴埋めをしていることが見て取れる。
全部で10種類あるチームは、チームエスプレッソ、チームラテアート、チームマリアージュ、チームブリュワーズ、チームコーヒーカクテル、チームクレマ、チームコントラスト、チームフレーバー、チームアロマ、チームアフターテイスト。チームは競技時間の登録と同時にランダムに決定される。
IT技術が大幅に進歩したこともあり、一度の参加登録だけで一連の作業が済むようになったのだ。
「僕はワイルドカードで通過しようなんて甘い考えは持ち合わせてませんよ」
「おー、選考会1位通過者は言うことが違うねー。今回が穂岐山珈琲勢にとって最後の戦いだもんなー。あんたの親父さんのせいで」
「喧嘩売ってるんですか?」
「売ってるのはあんたの親父さんだろ。もし潰れたら、俺はアメリカに帰らないといけなくなるんだぜ。やれやれ、勘弁してほしいなー」
「……良くないですね」
「桜子ちゃんもそう思うだろ。本来なら辞退して鍛冶社長の説得にでも行くべきなのによ。そうすれば伊織ちゃんだって、最悪の順番を引かなくて済んだだろうに」
「いえ、黒柳さんの言い方が良くないと言ってるんです」
「えっ……」
普段はあがり症の桜子が、いつもとは違う雰囲気を醸し出している。
桜子は争い事が好きではない。他人の争いを見ていると、まるで自分が争っているかのような顔になるほど共感性が高い。平たく言えば平和主義だ。
「どうして同じ穂岐山珈琲の仲間なのに、そんな争いをするんですか?」
「だってこいつの親父さんに会社を乗っ取られようとしてるんだぜ。育成部が潰されたら、今いる連中は食い扶持を探さないといけなくなる。こいつは何にも分かっちゃいねえ。俺たちの居場所を潰そうとしている奴の息子が俺たちの一員として参加することに腹が立つのは当然だろ」
「文句なら鍛冶社長に言えばいいじゃないですか。それとも立場の弱い人間にしか言えませんか?」
「……」
黒柳が押し黙り、ポップコーンのような角刈りの髪をカリカリと掻き始めた。
「そう怒るなって。育成部がなくなって困るのは俺たちも同じだ」
「どうせ鍛冶の野郎にどっかのポストでも用意されてるんだろ。面白くねえ」
吐き捨てるようにしながら、黒柳がこの場を去っていく。
根本と一緒にいたというよりは、松野と一緒にいるところに根本が合流した格好だ。
誰かが脱落した場合、同じ会社であればサポートするのが定石だが、根本と黒柳の2人が協力し合うことはないだろう。会社が潰れそうな時こそ団結しなければならないのだが、彼らのコンビネーションはちぐはぐのように見える。穂岐山珈琲育成部からファイナリストを輩出すれば、育成部が廃止される可能性を減らせると考えているのは根本だけらしい。憎んでいる暇などない。
そんなことを考えながら黒柳の後を追った。
「何でそんなに根本が気に食わないわけ?」
「何でって、あいつの親父がうちの会社を潰そうとしてるからに決まってるでしょ」
「気になったのはそこ。会社を潰そうとしているのが気に食わないとは言っても、穂岐山珈琲が潰れたら帰る場所がないような口ぶりだったからさ」
「……俺はアメリカ代表を目指してたんすよ。でも向こうはレベルが高すぎて、国内予選を突破することさえ困難で、俺の居場所なんてなかったんすよ。そんな時に穂岐山社長から誘われて、アメリカ代表が駄目なら、日本代表を目指してみないかと言われて……最初は断りましたよ。でも穂岐山社長から熱心な誘いを受けている内に気が変わったんすよ。君が勝てないのは最高品質のコーヒーと最高の抽出器具がないからだと言われて、プロ契約を結んだら、練習したり勉強できる場所を用意してやると言われたんすよ」
「それはその通りかもな。バリスタ競技会にプロ契約制度が本格導入される前は、ファイナリストのほとんどが大卒で大手に入った人だった。最初は気のせいだと思ってたけど、大卒大手組は家が裕福で、最高の豆や機材が手に入る環境にいた。バリスタの勉強をしようと思えば、いくらでも本を買ったり、コーヒーを淹れたりする場所を確保できる。高卒までのバリスタと比べると、水面下で明らかに有利な土俵で戦っていることが判明した。プロ契約制度はな、高卒までのバリスタが不利な戦いを強いられることを防ぐための制度だ。バリスタだけじゃない。色んな分野で学歴と資産による格差が浮き彫りになってる。なのにみんな、自分が勝てないのは才能がないからだと勘違いしてる。才能がないと言ってもいいのは、できることを全部やり尽くしてもできなかった奴だけだ。才能以前の問題を抱えてることにさえ気づけないって意味では、みんな才能ないんだろうけど」
「もし穂岐山珈琲が吸収合併されたら、俺はまた才能以前の問題に逆戻りするってわけっすね」
「配られたカードで勝負するしかない時もある。そんな状況で勝つには、革命の一手を打つ必要がある。僕にとっての革命の一手は、世界最高峰の豆と偶然出会えたことだ。いや、コーヒーが巡り合わせてくれたのかもな。僕は運が良かった。コーヒーを学ぶ上で最高の環境にいたし、色んな人に投資までしてもらって、知識と技能を得ることができた。バリスタ競技会で問われるのは才能だけじゃない。今までに得た全てが問われる人間力勝負の場所だ」
黒柳は壁に凭れながら曇り空を眺めている。
威風堂々としていた姿からは想像もつかないほどのやるせなさが伝わってくる。
各国の国内予選でも最難関と言われているアメリカ代表を目指していたんだ。突然現れてあっさり日本代表の座を掻っ攫っていっただけのことはある。アクシデントがなければ、伊織がこの舞台に立つことはなかった。それだけの実力はあるんだ。育成部を生き残らせたいなら戦えってんだ。
「人間力勝負の場所ねぇ~。まあでも、言いたいことは分からんこともないっすよ」
「君が言いたいことも分かるけど、今は競技に専念しろ。みんな真剣にコーヒーのプレゼンをすることだけを考えてる。自分が最も好きな豆を魅力的に宣伝することに全神経を注いでる。他人のすることにいちいち文句ばかり言っているような奴じゃ勝負にならねえよ。プロを名乗るんだったら結果で語ってみろ。バリスタにとってコーヒーは最愛の恋人だ。たとえ言葉は通じなくても、誰かと一緒に飲んだら友人になれる共通言語でもある。文句があるなら次世代の覇者になれ。残念ながらプロは結果を残すことでしか自己主張ができない。悲しいよな。でも結果を出して、誰もが一目置くような存在になれば、一声で世の中を動かせるようになる。小さな力で大きな石を動かす梃子のようにな」
「……分かりましたよ。そこまで言うなら、大会中は文句言わねえっすよ」
顔を後ろに向けたまま黒柳が去っていく。
穂岐山珈琲育成部が生き延びるには、価値のある存在であることを証明する必要がある。
そのためには対抗勢力を結果で黙らせるしかないのだ。この大舞台で結果を残し、育成部が利益を上げることができれば、仮に乗っ取られたとしても、育成部の廃止は免れるかもしれない。僅かな希望かもしれん。だが諦めてしまえば、その僅かな希望さえも失っちまうんだ。
「あず君も言う時は言うんですね」
後ろから足音を立てながら伊織が声をかけてくる。
「ライバルが強くないと、張り合いがねえからな」
「放っておけば勝手に自滅していたのに、何でライバルをその気にさせちゃうかなー」
伊織の隣にいる千尋がアホ毛を靡かせながら言った。
「何言ってんの。伊織と千尋がここまで実力を伸ばせたのは、ライバルの存在が大きいんだぞ」
「そうですね。穂岐山珈琲のバリスタと切磋琢磨してきたお陰だと思います。自分1人だけじゃ、成長するには限界がありますから」
「あず君は誰がライバルだったの? やっぱりマイケル?」
「僕以外の全員が仮想敵だ」
「うわ……なんか首相みたいなこと言ってる」
「ライバルは多ければ多いほど、勝った時の価値が高まるってもんだ。最善と言えるのは2人共生き残ることだ。どっちかが生き残ったら、負けた奴がもう片方のサポーターに回る。個人戦じゃない。会社を挙げたチーム戦でもある。それは穂岐山珈琲も同じだ」
「負けた人は勝った人に希望を託すか。まさにチーム戦だね」
「本当なら会社という垣根を超えて、日本代表が優勝できるよう団結するべきだけど、バリスタ競技会はまだナショナリズムが弱いからな」
ここが他のプロと明確に違うところだ。会社が違えば協力し合うメリットはない。
あくまでも勝者は1人のみという事実が団結することを難しくしているが、アメリカ代表やカナダ代表は会社が違っても共通のサポーターが確立している。アメリカ代表の4人中2人は、マイケルの陣営ではないが、その2人もマイケルが結成したサポーターチームの保護を受けている。
僕らは伊織のリハーサルを急ぐべく、ケルティックタイガーに戻るのだった。
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