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社会不適合者が凄腕のバリスタになっていた件  作者: エスティ
第15章 最果てのバリスタ編
353/500

353杯目「多国籍バリスタ」

 選考会の参加者たちが順調に競技を終えていく。


 参加者たちは5つの部門を全て終えると、1日中働いたかのように全身の力が抜けてしまい、後はこの日のために費やしてきた準備が報われることを祈るのみ。


 ブースは2つに分けられ、午前10時から6時間かけて1人を残して全員分の競技が行われると、優勝候補の根本がステージに立つ。ジャッジは外国人ばかりということもあり、世界大会と同じ仕様だ。これまでの国内予選とは訳が違う。日本人のジャッジにのみウケる内容はまず通用しない。


 しかも2021年からは全てのメジャー競技会において各国の言葉でのプレゼンが認められるようになったことも追い風だ。英語の方がより伝わりやすかったが、翻訳技術が進み、モニターに通訳者の英語訳が素早く表示されるようになったことで、語学が苦手というハンデが克服されてしまった。


 根本も恩恵を受けた1人であり、2021年以降の大会は全て日本語で行っている。


 今までは語学に費やす時間がネックだったが、その時間をコーヒーの開発に注ぐことができた。だがうちのバリスタは自分の言葉で伝えることをモットーにしているのか、相変わらず英語を用いている。


「おっ、葉月に本巣に村瀬までいるな」


 後ろから松野が話しかけてくる。僕らは観戦の真っ最中だ。


「穂岐山珈琲のバリスタを応援しに来たんですか?」

「そうだ。うちは根本だけじゃねえからな。それにこれから競技を始めようとしているのは、うちの主力の1人だからな。去年からうちの育成部に加入した」

「あの外国人みたいな人ですよね」

「あいつは黒柳保世(くろやなぎほせ)。父親がパナマ系アメリカ人で母親が日本人。まだ20歳(はたち)を迎えたばかりの二重国籍だ」

「二重国籍ってことは、アメリカの選考会にも参加できるってことですか?」

「ああ。でもあいつ、アメリカの選考会はレベルが高いからって理由で日本の選考会に来やがった」


 不機嫌そうな顔で視線をステージ上に向けたままの松野が言った。海の向こう側でアメリカ代表を決める戦いは熾烈を極め、それは二重国籍のバリスタが他の国の代表を目指すほどであった。軍人のような角刈りに長身と鱈子唇が特徴で、祖父はアフリカ系アメリカ人の元マイナーリーガーである。


 ステージ上にテーブルや椅子を接地しながら、サポーターに指示を出している。


 16歳でバリスタになってからは二重国籍であることを最大限に活用し、日本代表やアメリカ代表としてバリスタ競技会で実績を残している。マイナー競技会ではあるが、日本代表とアメリカ代表という2つの枠でファイナリストに輝いている。二重国籍のバリスタが複数の国の代表で世界大会の決勝進出を果たしたのは史上初の快挙であった。響も日本代表とノルウェー代表になり、複数の国で代表になった史上初のバリスタだが、僕がこれを知ったのは、去年の暮れのことである。


 日本代表の座を狙っているのは、国内のバリスタだけではないのだ。


「結構舐めてるよね」

「多分あいつも、代表にさえなってしまえば、国は関係ないっていう考えだろうな」

「ここにいたか」


 真後ろからクールな声が聞こえた。響の後ろには皐月と弥生が続く。


「響、遅いぞ」

「すまんな。やっと終わったところだ。皐月と弥生がサポートをしてくれたお陰でどうにかなった」

「結果はどうだったんですか?」

「優勝した。またWCIGSC(ワシグス)の日本代表になれたぞ」

「流石は響だな」


 響は別のブースにいた。大会6日目から7日目にかけて行われていたJCIGSC(ジェイシグス)に参加し、見事優勝を果たした。前回大会ファイナリストということもあり、シード権により、準決勝からの参加となった。優勝候補のバリスタは僕が協会に意見して導入させたシード権の恩恵を受けている。


 当たり前のように国内予選を制覇することができるあたり、もう立派なコーヒーカクテラーだ。


 松野は悔しそうな顔で響の優勝トロフィーを睨みつけている。


「タイム。私は初めてゲイシャのコーヒーを飲んだ時、別の飲み物を飲んでいるような感覚に魅せられました。コーヒーの虜になり、様々なフレーバーのコーヒーを研究してきました。祖先が飲んでいた味を知ろうと思い、祖父のルーツがあるケニアを始めとしたアフリカ、父のルーツがあるドミニカを始めとした中南米といったコーヒーを調べ尽くしました。今回は私のルーツに沿ったコーヒーをご紹介しようと思います。各品種のフレーバーとタクタイルをご紹介していくので、ペンとメモのご用意をお願いします」


 ヘッドジャッジとセンサリージャッジが一斉にメモの準備を始める。


 口々に説明しながらエスプレッソ部門から始めると、後の部門に備えてエスプレッソとドリップコーヒーを手早く入れ始めた。早めに淹れるということは、時間のかかるシグネチャーになるってことか。


「今回マリアージュ部門で使用するコーヒーは、パナマ、チリキ県フルトゥンゴ、ゲイシャ、標高1900メートル、プロセスは『アナエロビック・ハニー』です。1900メートル地点の自然の熱帯雨林とコスタリカとの境界に位置し、大西洋からやってくる温かい風と、冷える夜の寒暖差があり、コーヒーチェリーはゆっくりと熟成されます。それがこのコーヒーの甘みと酸を増加させているのです。アナエロビック・ハニーと呼ばれるプロセスですが、完璧に熟したコーヒーチェリーのみを摘み取り、甘みを引き上げています。加えて高い標高に位置しているため、シトラスのような酸を持っています。摘み取った後でパルピングし、発酵可能なミューシレージを残したまま、コントロールルームにある密閉容器に入れてから容器いっぱいまで水を入れ、5日間発酵させます。発酵プロセスによって乳酸菌が増加し、マウスフィールを向上させ、甘い林檎のフレーバーを生み出します。5日後、レイズドベッドに移し、1ヵ月かけて乾燥させる。ゆっくりとした乾燥工程が、フレーバーと甘味濃厚していきます」


 アナエロビック・ハニーは最近になって注目され始めたプロセスの1つ。


 コーヒーの品種だけじゃなく、良質なプロセスを用いることで、ただでさえ濃厚な味わいを楽しめる高級豆を更なる次元へと昇華させることができる。これだけの創意工夫を凝らしたコーヒーが不味いはずもなく、シグネチャーになる頃には極上のドリンクとなる。ヘッドジャッジの顔を見れば分かる。


「始めて見るプロセスだな」

「あんなの見たことないよ」

「ねえ、何で黒柳は穂岐山珈琲に入ったわけ?」

「1番の理由は、日本で活動するための拠点を確保するためだ。穂岐山珈琲はトップバリスタを輩出するためにあらゆる国籍の社員を用意し始めた。世界中にスカウトをばら撒いて穂岐山珈琲に入社させれば、日本代表になれなくても他の国の代表として参加させることもできるし、バリスタにとっても最大限のサポートを受けられるわけだからWINWINな関係だ。外国のバリスタにチャンスを与えることで、その国のコーヒー市場を拡散させる狙いもある。外国の国内予選は参加者の枠が狭い国も少なくないからな」

「そういうことか。1人でも世界チャンピオンが出てくれば注目されるってことは、葉月珈琲が証明済みだからな。私も葉月珈琲には知名度で入った。決め手になったのは、大会での充実したサポートだ」

「うちもそれくらいやってるんだけどな。穂岐山珈琲に来ないか?」

「葉月珈琲に実績で勝ったら考えてやる」


 ニカッと笑いながら、響は確信を持ったように放った言葉は松野に頭を抱えさせ、前方の席にまで聞こえるほどのため息を吐かせた。穂岐山珈琲からスカウトを受けたが、響はうちに来るためにあっさりと断っている。その時のスカウトが松野である。彼が経営していた松野珈琲塾は、穂岐山珈琲育成部によって吸収合併され、自らは再び育成部の部長兼スカウトに就任している。原因は塾の不振に加え、将来有望なバリスタの多くが葉月珈琲へと流れてしまっていたことにある。東京付近の都道府県にいたバリスタの卵は岐阜へと引っ越していったのを見て、あえなく吸収合併に応じる道を選んだ。


 ――やっぱ経営って難しいんだな。今思うとすげえリスキーなことをしていたのかも。


「ジャスミンとライムのミスト、カスカラヌガーシロップ、発酵させたアップルジュース、卵白のフォームをミキサーで混ぜ合わせることで本来のフレーバーを開かせることができます。シグネチャーのフレーバーは、ライム、ジャスミン、アフターにはマンゴー、煮込んだ林檎を感じます。プリーズエンジョイ」


 あっさりとシグネチャーを完成させると、あっという間に各部門を終わらせてしまった。


 最後にラテアート部門を始めるが、彼はやり直すことなく、一発でラテアートを成功させ、フリーポアラテアートでジャガー、デザインカプチーノでオニオオハシを完成させた。


「何回もやればもっとうまく描けそうだけど、作り直ししないんだな」

「あれっ、ラテアート部門の採点方式の変更見なかったの?」

「えっ……そんなのあったっけ?」

「今回から全ての部門で、作り直しによる点数水増しを防ぐための処置として、一発でクリアできた場合は加点するという方針が決まった。作り直しをした場合は本来の点数だけど、あくまでも減点はせずに加点方式にするんだって。今年の海外での選考会の時から試験導入されて、本戦でも正式導入されることが決まったよ。ワールドコーヒーニュース見てないの?」

「見てる暇なんてねえよ。僕は傍観者に徹するって決めたし」


 つい弱音を吐いた。これでラテアート部門におけるスコア水増し問題も解決か。


 世界は思ったよりも早く動いている。問題があればすぐに改善し、そのためなら当たり前のようにルールを動かすことも辞さない。それが今を生き抜く条件なのかもしれない。


 ワールドコーヒーイベントは頻繁にルールを変更する。


 前回大会で発生した問題を次回大会では見事に解決している。これで僕やマイケルが使っていた方法はもう使えないってわけだ。しかも制限時間をギリギリまで使わず、早く終わらせるほど時間差分加点するというクイックエンドルールも採用されたお陰か、大会を早く進行することができている。


 どうりでみんな終わるのが早かったわけだ。伊織も50分切ってたし、本戦でも無駄のないプレゼンで50分を切って、少しでもスコアに反映させるバリスタが出てくるかもな。


「皆さんに私のコーヒーを提供できたことを嬉しく思います。これからも私が培ってきたアイデアを作品に反映させていきたいと思います。タイム」


 誰よりも流暢な英語のプレゼンが終わった。


 黒柳保世、あいつはなかなかの逸材だ。うちにとって脅威になるかもしれん。


 松野が気に入らないのも分かる。海外に遠征したスカウトと競争し、松野は響を一本釣りできなかったために社内での立場を悪くしていると、穂岐山珈琲の社員たちから聞いた。逃した魚は大きかったな。


 黒柳がインタビューを受けている最中、隣のブースで根本のプレゼンが始まろうとしていた。


 背水の陣の如く、根本は襟を正すようにステージ中央に立ち、右手を高々と上げた。


「タイム。僕はコーヒーを提供し、お客さんに飲んでもらうことがどれほど幸せなことであるかを噛みしめています。今回主体的に使用するのは、『レッドブルボン』、標高は1100メートル、ナチュラルプロセス、生産国はブラジルです。ブルボンはティピカに比べて20%以上の収穫量ですが、他の品種よりも収穫量が少ないんです。ティピカほど円錐形の形はしていませんが、ティピカよりも枝が多いのです。幹と側枝の角度が狭く、側枝と側枝の間隔が狭く、葉は幅広く端が波打っています。赤いチェリーの平均スクリーンは15前後で密度が高いです。完熟するまでは早いですが、強風や大雨によって実が落ちてしまう危険性があります。栽培に一番最適な標高は、1100メートルから2150メートルと言われています。この品種がブルボン島、現在のレユニオン島に持ち込まれたのは1715年以降とされています」


 レッドブルボンか。これを選ぶとはお目が高い。芳ばしいナッツの様な香り、重厚なボディ、ほのかなチョコレートの後味が特徴の品種だが、酸味よりも苦みが強い癖のあるフレーバーだ。


 昨今のバリスタ競技会では酸味と甘味が重視され、渋味や苦味は軽視されるようになっているが、バリスタたるもの、全てのフレーバーを余韻に浸りながら楽しめるくらいになれば一流と言えよう。


 僕や伊織が子供の頃からコーヒーを嗜むことができたのは、渋味や苦味を楽しめるほどの類稀な味覚を持っているためである。変わった子供と言われればそれまでだが。


「これをカフェオレとして食後に飲むと、酸味が抑えられている為、ほのかな苦味とビターチョコレートの後味が感じやすく、とても濃厚な味わいです。レッドブルボンは他のフードメニューやスイーツメニューとのコーヒーマリアージュの相性が注目されていて、これと一緒に蜂蜜をかけたブルーチーズと一緒に食べていただくことで、癖のあるフレーバーが混ざり合い、更なる複雑さが増します。脂肪分が多めの牛乳と混ぜたレッドブルボンのカフェオレとミルクチョコレートを一緒に食べていただくことで、異なるチョコレートのフレーバーにギャップが生まれ、このコーヒーのフレーバーがより強調されます」


 根本は最難関とされるマリアージュ部門から入り、驚きのスピードで各部門をこなしていく。


 意外にも実家から取り寄せた日本酒を使い、コーヒーカクテルまで作ってしまった。


 日本酒でのコーヒーカクテルはかなり難しいが、千尋でも難しかったこれにあえて挑戦するところが、こいつらしいと言えばこいつらしいか。松野の下で修業していたこともあり、奇抜なアイデアが目立つ。しかも炭酸入りのコーヒーを作った。カクテルと炭酸は相性が良いことには気づいていたようだ。


 負の遺産と言われた松野のアイデアをここで昇華させてきたか。あのコーヒーコーラと呼ばれるカクテルはセンサリージャッジの度肝を抜き、一瞬だけ表情に出るほど舌を唸らせている。


「ラテアートには脂肪分の少ない日本産の牛乳を使うことで完成度の高いラテアートに仕上げることができます。描くのは竹を食べるパンダ、魚を口に咥えているヒグマです。プリーズエンジョイ。如何でしょうか。今回は今までにないシグネチャーをご用意しました。皆さんに僕のコーヒーを飲んでいただいて、僕は今、幸せです。競技の場ではありますが、競技とは別にコーヒーを楽しんでください。タイム」


 選考会最後の競技が終わると、観客席からは惜しみのない拍手がステージ上に降り注いだ。


 パンダとヒグマを描いていることからも、根本の強気が見て取れる。どちらも繊細な技術力と心臓の強さが要求される難度の高い動物だが、ラテアート部門を最後に持ってくることで、時間が許す限り何度も作り直すことができるため、幾分か気を楽に持ちながら描くことができる。


 僕の前例に倣ってなのか、最初にマリアージュ部門、最後にラテアート部門を持ってくることが定石になりつつある。作り直しをすれば加点はされなくなるが、ミスによる減点を防ぐことはできる。


 結果発表は午後6時、伊織も千尋も心臓に手を当て、現場の緊張感を味わっている。


 久々の選考会は勢力図が大きく入れ替わっていた。4年前には上位にいたバリスタの多くが姿を消し、前回までの選考会を経験した中で30人の内に入っているのは根本だけだ。世界大会で結果を残すバリスタが増え、穂岐山珈琲のバリスタも世界大会ファイナリストになるほど実力を伸ばしている。


 あいつらが躍進した理由は僕の競技を参考にした結果だ。


 それにチャンピオンに到達するまでのプロセスもかなり分析が進んでいる。


 ジャッジの好みでないとは言い切れないが、毎回それなりの傾向はあるようで、今回はソーダマシンを使って炭酸にしたコーヒーを使ったバリスタがハイスコアを記録している。根本のサポーターに就任していた松野が根本に歩み寄り、労いの言葉をかけた。今回の選考会はとても長かった。


 僕が参加していた時とは異なり、参加者数が増えている。しかもメジャーなバリスタ競技会の中で唯一シード権がない大会であり、直近5年の成績のみが考慮されるため、実績がなければ書類選考を通過できなくなった。他の大会は選考会の前哨戦にすぎないのだ。


 根本が松野と共に僕らが座っている観客席へと歩み寄ってくる。


「お疲れ様です」

「本巣さんも、他の皆さんも、お疲れ様です。あの……1つ気になることがあるんですが、あの後栗谷さんはどうしたんですか?」

「鍛冶社長の目論見通り、那月の実家は更地にされたよ」

「……そうですか。何とお詫びすればいいか」

「那月さんなら、今頃うちのお店で楽しく営業してると思いますよ。唯さんがマスター代理で、那月さんにはオープンキッチン担当代理を任せています。マイナー店舗からユーティリティー枠の人が何人か派遣で来ているので問題ありません」


 伊織が淡々とした口調で説明を続ける。


 那月は春先の騒動の影響で選考会への参加を辞退したが、この競争率を考えれば、那月が耐えられなかった可能性は非常に高い。しかも那月は10月開催のパティシエの大会に向けて準備を進めていた。


 根本は那月への罪悪感から集中しきれないところがあったが、それが競技に表れることはなく、最も悪い張本人が何も反省していないことを除けば、事態は思ったよりも悪くないことが見て取れる。パティスリークリタニは再び独立を望んだが、鍛冶社長から拒否され、店まで取り壊されようとしている。


 実家の近くに家を借りて暮らしているようだが、那月は笑顔の裏に悔しさを滲ませている。


「那月さんなら大丈夫です」

「だといいんですけど、父さんがまた迷惑をかけてないか心配で」

「本気でそう思ってるなら、牙を剥いてやったらどうだ?」

「そーそー、心配する時間が無駄だよ。いっそ株でも暴落させちゃう?」

「冗談きついですよ――」

「本気で言ってるんだよ。人間はね、大事なものを守るためならどこまでも残酷になれるんだよ。僕にも後を継ぐはずだったグループ企業があった。けど今は老害共に乗っ取られてしまって、親父が大事にしてきたブランドは全部おじゃん。だからその復讐として、内側から崩壊させてやってるんだよ」


 冷たい顔を根本に向けながら千尋が言った。


 怖い怖い……こいつがこんなことを言うとマジでシャレにならない。株や投資で損をしたことがない奴が言うなら尚更だ。株の動きが読めるということは、株を暴落させることもできるってことだ。


 まあでも、鍛冶社長は一度敗北を知るべきだろう。


 千尋が敵じゃなくてホントに良かったと心底思うのだった。

読んでいただきありがとうございます。

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黒柳保世(CV:増田俊樹)

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