349杯目「犠牲の上に成り立つもの」
桜子の才能に感心しながらも、隣に座りながらデミグラスオムライスを食べる那月を見る。
ボリューミーだが、あっという間に半分以上を平らげてしまった。こっちまで元気になってくる。
那月には本当に苦労をかけた。大会でも、日常でも、彼女は試練と言っていい日々を健気に過ごしているのだ。オアシスなき砂漠では、どんな逸材でも必ず枯れてしまう。
「それにしてもあいつ、なかなかの『演技』だったな」
「えっ……演技って……どういうこと?」
目が点になり、時が止まったかのようにスプーンの位置を固定する那月。
「根本には学歴マウントを取ってくる嫌なキャラクターを演じてもらった。結構イラッときただろ?」
「あ……あはは……ははは」
真実を知るや否や、那月は机に突っ伏してしまい、豊満な膨らみが所狭しと机の上で変形している。
「それで? 断ったの?」
「相手の方から断ってきたから、あたしの不可抗力によるお見合い失敗ってことになってる。だから家も安堵してもらえることになったと思う」
「那月が断ったという事実がなければ、相手も那月の実家には手出しができない。鍛冶社長は絶対に受け入れないといけないという状況を作りつつ、根本にも受け入れを打診していたみたいだけど、どっちかの弱みがなくなれば、この作戦は成立しなくなる」
葉月珈琲の扉がカランコロンと音を立てながら開いた。
「あっ、マイスターさん。いらっしゃい」
「よっ、うまくいったか?」
「お陰様でな。手術は成功した。君のお陰だ」
「もしかして、ドナーを手配してくれたのって……」
「俺だよ。あず君が骨髄移植のドナーを大至急手配してくれ。1人の命と2人の人生が懸かってるって、めっちゃ慌てながら言ってたから、相川グループの力でドナーの提供者を探してた。幸いにもすぐ見つかって、患者の白血球と同じ型の人を向かわせた」
「後で経費を請求してくれ」
「いやいや、そこはうちに負担させてくれよ。あず君には恩がある」
マイスターこと、相川がカウンター席に腰かけながら言った。
彼の息子の1人がバリスタを目指しており、時々うちにやってきては葉月珈琲塾に参加させ、バリスタとしての基礎から応用までを学習している。学習自体は動画を見ながらリモートで行うことが可能であるため、どこにいても学べるという最大の長所がいかんなく発揮された。
そのことで僕に貸しがあったこともあり、相川グループの力を借りることができたのだ。相川グループの影響力はうちを遥かに凌駕している。世界中に支店があるグループ企業だ。ドナーの1人を見つけることくらい造作もない。僕は伝説の剣と秘伝の盾を手に入れた。
「そうだったんだー。今回は助けてくれてありがとうございます」
「お礼ならあず君に言ってください。これで結婚せずに済むんですよね?」
「はい。あたしは仕事と結婚しているので」
「俺もさー、既に恋人がいるのに、勝手に見合い話を持ちかけられたことがあったんで、那月さんの気持ちはよく分かるんですよ。前代未聞の挑戦をしてると聞いて、応援したくなりました」
相川はしばらくうちでコーヒーを飲みながら世間話をすると、風のように去っていった。
しかし、このままうまくいくかと思えば、そうは問屋が卸さなかった。
6月上旬、僕は32歳の誕生日を迎えた。
僕がおっさんと思っていた連中と同じくらいの年齢になると、相手のことを簡単にはおっさんと呼べなくなってしまう。年を取った証とも言える。若手なんて言葉を使っている時点でお察しだ。年齢なんて目安でしかないが、育つ側ではなく、育てる側という自覚は持つべきと思えてきた。
そんなある日、那月が慌てて葉月珈琲にやってくる――。
「おっ、那月か。今日は早いな」
「あず君……響さん……どうしよう……」
僕らは那月の異変にすぐ気づいた。目からは大粒の水滴が流れ、先に来ていた響の胸に顔を埋めた。
只事でないことは分かった。まさかとは思うが、鍛冶社長が1枚噛んでいるわけじゃなかろうな。
根本は恥を忍んで嫌なキャラクターを演じ、再び穂岐山珈琲へと戻ったばかりであった。すぐに何が起きたか想像がついてしまう自分の敏感さが時々恐ろしくなるが、それは響も同じのようだ。
「那月、どうかしたのか?」
「あたしの実家が……更地になっちゃった」
「「「「「!」」」」」
最悪のシナリオが実行されたことを僕らは痛感する。
作戦通りになったと思えば、またしても戦争を仕掛けてくるとは……人間の愚かさは宇宙のように無限大で、枚挙に暇がないほど繰り返されている。どうしてこうもうまくいかないのか。
「……那月、済まなかった」
「何であず君が謝るの?」
「この事態を防げなかったのは僕の責任だ」
「家が更地になったとはどういうことだ?」
「鍛冶社長が社宅になった実家を更地にするって言い出して、お父さんが作業員の人たちに家から追い出されて、今はパティスリークリタニにいる状態で、しかもパティスリークリタニまで更地にするって」
「那月に非があったわけじゃないなら、何で更地になるんだ?」
「分からない。私の方から断ったわけじゃないのに」
許し難い暴挙だ。ショッピングモールが国道沿いの方が売り上げが上がるのは知っているが、やはり最初からこの計画を実行に移す気だったようだ。那月が結婚しても、阻止できない計画なのは明白だった。那月の実家を救うのは二の次だったが、いざ救えないことを知ると、無力とさえ思えてくる。
「根本が僕と組んでいたことがばれたんだろうな。お見合いが失敗した時点で、社宅になった実家を保護する理由がなくなったってことだ。でも心配すんな。こんなこともあろうかと策を練っておいた。那月の実家にあった日本庭園の設計図を作っておいた」
「設計図があるとは言っても、栗谷家の職人じゃないと再現できないよ」
「そんなに優れた技術なら、継承した人がいるはずだ。新しい家と職人を探して作ってもらえ。費用はうちが負担する。本当は更地にされる前に移動させる予定だったけど、こうなるとは思わなかった。あのろくでなしは正しい道じゃなく、茨の道を選びやがった」
やはりあの計画はどの道論だったか。甘く考えていたのは僕の方だった。
こういうことがあるから、仕事や交渉をする相手は選ぶべきなのだ。
奴らは那月たちから大事なものを奪った。あいつからも大事なものを奪ってやろうと考えた。勝利の味に酔い痴れている奴ほど、敗北の味を思い出した時に面白い顔をする。
「あず君、顔怖いですよ」
「僕は最終警告を出した。今度うちのスタッフを困らせたら、ぶっ潰すとな」
「戦争でも仕掛けるつもりですか?」
「いや、まともに戦うことはしない。あいつがやってきたことをそっくりそのままお返しする」
何も知らないまま首を傾げる伊織。守りたい、この真顔。
この日の那月は仕事があまり手に着かず、早々にクローズキッチンに入らせた。
あんなしょぼくれた顔で接客なんてしてほしくない。那月は桜子から料理を教わっている。料理はバリスタの仕事だけじゃなく、パティシエの仕事にも活きるはずだ。まずは仕事に没頭させ、この嫌な流れを断ち切ることにスタッフの誰もが無言の同意を示し、いつも以上に業務に励んだ。
この日も無事に営業が終わり、夕食後の風呂に入った――。
「だからみんな真剣に仕事をしていたんですね。いつもはもっと楽しそうにしてましたけど」
湯船に浸かる僕の右隣には唯が、左隣には伊織が陣取っている。
まだ慣れていないが、この光景に違和感を持つことを放棄しようとする自分がいる。2人共色白で肌の光沢がとても若々しく、まるで10代の生娘のようだ。
「ここ最近も色々あったからな。ああいう会社にだけはしたくない」
「誰かの犠牲の上に成り立つ企業ですか。葉月グループも、誰かの犠牲の上に成り立ってるんですかね」
「ええ~っ!」
「ふふっ、冗談です」
「もぉ~!」
両頬を膨らませる伊織。やばい、可愛すぎるっ!
唯の冗談は冗談に聞こえないんだよなー。葉月グループとて、誰かの犠牲の上に成り立っているのはあながち間違いではない。ていうかこいつら、いつの間にか姉妹のように仲良くなってやがる。
全裸でお互いの体を寄せ合い、僕が場違いに見えるくらいにイチャイチャしている。唯は伊織を人形のように抱き寄せ、たっぷりとした膨らみを当てている。
「唯さん、背中に当たってるんですけど」
「当ててるんですー」
「なんか背骨のあたりがむずむずします」
「なあ唯、僕はここにいていいのかな?」
「いいに決まってるじゃないですか。いつもはじっくり見ながら滅茶苦茶にしてくれるのに」
「あず君は変態です」
「あのなー、恋人なんだから当然だろ」
「あっ、そういえばそうでした。唯さん、どうして私があず君を好きだって気づいたんですか?」
「簡単ですよ。他の人と会話する時は淡々と喋るのに、あず君を見る時だけ緊張してましたから。多分、他の人たちも気づいていると思いますよ。そんなピュアな伊織ちゃんも好きですけど」
不意の誉め言葉に赤面する伊織。可愛い。
「わっ、私を受け入れてくれた理由は何ですか?」
「伊織ちゃんは誰かを出し抜いたりするような性格じゃありませんし、安心して妾を任せられます。伊織ちゃんには幸せになってほしいんです。今まで散々な目に遭った分、報われてほしいんです。私は家事育児ばかりで、バリスタになりきれませんでした。でも伊織ちゃんはバリスタとして大成できるだけの実力と経験があります。本当の意味であず君のパートナーに相応しいのは、伊織ちゃんだと思ってます」
「そっ、そんなことないですっ!」
慌てて首と両手を横に振る伊織。可愛い。
「唯さんのサポートがあったから、あず君はここまでやってこれたんだと思いますよ。あず君の体調管理のために、あんなに手の込んだ献立まで考えるなんて、凄いです。あず君が長年大会で結果を出してこれたのは、唯さんのお陰でもあるんですから、もっと自信持ってください」
「伊織ちゃん……」
「唯さん……」
お互いの手を握りながら情熱的な目で見つめ合う2人。
「じゃあ僕、そろそろ上がるぞ」
「え~、今日は満足させてくれないんですかぁ~?」
「この状況でやりにくいだろ」
「私は全然構いませんよ」
「私も異存はありません」
この2人……本気だ。飢餓に喘ぐ獅子のような瞳を光らせている。
逃げるように風呂から去った。このまま居座っていたらと思うと震えが走る……。
妾と呼んでるってことは、あくまでも自分が第一恋人ってことか。競合になった時は交代で僕の相手をする協定まで結んでいるし、こういうところはしっかりしている。あれだけ仲が良いなら大丈夫だろう。こんなことが公になれば、最初は反対されるだろう。だが最終的には受け入れてもらう。
のぼせてしまった。入浴時間はいつもと変わらないはずなのに。
6月中旬、千尋と響がミラノへと旅立った。
僕が世界大会に出始めた頃とは違い、今ではより快適に参加しやすくなっている。
葉月グループからの参加であれば、宿泊施設から練習場所まで提供され、結果を残せる確率が格段に上がっているのだ。穂岐山珈琲が始めたアイデアだが、今では葉月グループにも浸透している。
他のマイナー店舗から2人をサポーターとして付属させ、現場の経験を積ませることが習わしだ。葉月珈琲におけるサポーターの文化は唯が作り出したもので、彼女のファインプレイに何度も救われた。伊織が引き継いでからはサポーターの有用性が認められ、うちに根付く形となった。
うちからは2人がいなくなる。帰ってくるまでの期間中は葉月創製から2人のバリスタが代行となる。
「あず君と一緒に勤務できるなんて光栄です」
葉月創製の宇宙をイメージしたフリルのスカートを履いている弥生が言った。
「私の夢の1つが叶った。いつかは正式にここで勤務したいな」
皐月が誇らしげな顔で言った。向上心の高い若者がいるのは良いことだ。
「その頃には僕がいなくなってるかもしれないぞ」
「なっ、何故だっ!?」
「簡単な話だ。誰かが入ってくるってことは、誰かがいなくなるってことだ。ここで正式に勤務する機会があるとすれば、誰かが独立するか、誰かを押し退けるか、この2つ以外に方法はない」
「あず君はマスターを辞めたらどうするんだ?」
「まだ決めてないけど、経営も他の人に任せてるし、かなり自由なポジションに就くと思う。実は前々から決めていたことでな、うちの伊織にここのマスターを継いでもらいたいと思ってる」
「じゃあ、バリスタを辞めるのか?」
「いや、僕は生涯現役だ。コーヒーが好きだし、バリスタを辞めることはない。でも僕だって段々年を取るわけだし、いつかは次世代に席を譲る時が来る。そう簡単には譲らないけどな。だからこういう機会を利用して、1人でも多くのバリスタと一緒に仕事をしてみたいと思ったわけだ」
身が引き締まるような思いなのか、弥生と皐月が胸に手を置いた。
うちは独立推奨だが、独立しないなら他の店舗のマスターかエースになってもらう。
他のメジャー店舗からも、5年後、10年後に活躍するであろう逸材が、次々とその片鱗を見せ始めている。うちが始めた教育の成果が徐々に表れている。中でも弥生と皐月は群を抜いている。これからの葉月グループの命運は、こいつらの腕に懸かっていると言っても過言ではない。
「伊織さん、1つお願いがあるんですけど、私を選考会のサポーターにしてくれませんか?」
「皐月さんをですか?」
「はい……まだ決まってないなら」
「分かりました。是非お願いします」
「ホントですかっ!?」
伊織の両肩を掴みながら再び問い質す皐月。
「はい。でもどうして私なんですか?」
「伊織さんはあず君から直々に英才教育を受けた最初の例と言われています。私は伊織さんから学びたいんです。サポーターとして経験を積むことも大事ですし、私は今回の選考会には参加できません。4年後を見据えて選考会を間近で見たいんです。それに大会のルールも変わりましたから」
「えっ、何かルールが変わったんですか?」
「はい。2020年まではサポーターは観客席に戻らないといけなかったんですけど、2021年からは1人のサポーターのみステージ上に残って見守ったり、忘れ物を取りに行ったりすることが認められるようになりました。ステージに立っていると分かりにくいですよね」
「そうだったんですね。私がサポーターの時よりも便利になっているなんて、気づきませんでした」
伊織は後輩に指摘されても強がることはなく、あっさりと自分の無知を認めて受け入れた。ここにも伊織の人柄が表れている。うちで育ったバリスタには先輩も後輩もないのだ。上下関係が全くないわけではないが、一般的な日本企業の先輩後輩が王様と奴隷なら、うちの場合は兄と弟のような関係だ。
ルールは日々進歩する。サポーターに関する規定が曖昧だったが、僕がサポーターの重要性を協会に説いたことで、参加者と同等の権利を取得することが認められたのだ。
ワールドコーヒーイベントが取り入れると、他のコーヒーの大会でも導入されることとなり、一気に標準化されることとなった。サポーターは参加者のメンタルに大きく作用する。
たった1人で大会を勝ち抜くことの難しさを物語っていた。
サポーターはバリスタの下積みのようなポジションになりつつある。早い内から現場を知り、自らが世界大会に参加する時、有利になる礎を築いたのは伊織だ。サポーターの仕事だけなら、伊織の右に出る者はまずいない。無論、本人は参加者でありたいと思っているだろうが……。
「あの、私も選考会のサポーターやりたいんですけど」
「じゃあ弥生には千尋のサポーターを頼もうかな」
「ありがとうございます」
「ねえ、サポーターって何やればいいの?」
「あー、そっか。那月はサポーターをやったことがなかったな。サポーターの仕事は多岐にわたる。参加者のメンタルコントロール、参加者が希望する食材の調達と管理、宿泊施設や練習場所の確保、結構忙しくなるから、やるんだったら相当な覚悟と行動力がいる。誰でもできる仕事じゃねえぞ」
「あ……あはは……そうなんだ」
引き攣った顔のまま離れていく那月。
サポーターが充実している今の環境を考えれば、万全なサポートがない中でよく結果を残せたもんだ。ずっと自援護で戦ってきたわけではないが、自援護の割合もそれなりにあったと僕は自覚する。
6月下旬、千尋と響がミラノから帰還する。
結果から言えば、千尋はWBrC優勝。響はWCIGSC準優勝。流石はうちの精鋭部隊と言ったところか。穂岐山珈琲から輸入した祝勝会の文化を継承する形で、千尋たちが帰ってくると同時にクラッカーで2人を歓迎する。
大きな音を立てながら、時間差で鳴り続けるクラッカーに2人は驚いた。
「千尋君、優勝おめでとうございます」
「響さん、準優勝おめでとうございます」
「まっ、僕にとっては当然だけどね」
「ありがとう。でも私は納得してない。次は優勝できるように、もっと精進するぞ」
「これで千尋君は8つのメジャー競技会の内、2大会を制覇した2人目のバリスタですね」
「24人目だよ。まっ、日本勢に限って言えば2人目で合ってるけど」
捕捉を入れるように千尋が言った。明らかにグランドスラムを意識している伊織の言葉をいなそうとしているようにさえ思えた。世界は思ったより広いことを彼は知っている。
「千尋君、トロフィー持ってる?」
「あるよ。やっぱ伊織ちゃんも気になるんだねぇ~」
「一応モニターで見たけど、やっぱり実物には敵わない」
「ほらっ、以前より小さくなってるけど、価値は本物だよ」
見せびらかすように、千尋は片手で持てるくらいの黄金のトロフィーを見せた。
隣にいる響と目を合わせると、響も千尋に誘われる形でバッグから銀色のトロフィーを出した。
「私が負けた相手はアメリカ代表のジェシーで、予選も1位通過だった」
「えっ……ジェシーさんって、マイケルジュニアさんと一緒にWBTCに出ていた人で、凄腕のラテアーティストですよね?」
「ああ。一応調べてみたけど、彼女は全米ナンバーワンのバリスタだ。マイケルに誘われるだけのことはある。ラテアートもコーヒーカクテルも一流だ。これは相手が悪かったとしか言いようがねえな」
「彼女はアメリカの選考会でも1位通過を決めている。バリスタマガジンによると、彼女はバリスタオリンピックチャンピオンの最有力候補と目されている」
伊織と千尋が勝ち残る上でジェシーは攻略必須の相手だ。破竹の勢いで日本代表最有力候補に躍り出た千尋だが、トップバリスタとしてはまだ若手である。
穂岐山珈琲には、マイナー競技会を既に3つも制覇した精鋭部隊がいる。根本もその内の1人である。彼は鍛冶社長とまたしても疎遠になり、穂岐山珈琲に戻ってからは選考会の準備に没頭している。会社は引き継がないらしい。実の親を盾にされたら、そりゃ見限るわな。
根本が言うには、鍛冶社長は息子の不妊治療を始めるとのこと。
結構親の言いなりになっていたけど、あれで幸せなのかねぇ~。
まあでも……那月と根本が解放されて本当に良かった。
読んでいただきありがとうございます。
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