34杯目「アドリア海の女王」
空港で飛行機から降りると、ヴェネツィアへと向かった。
渡航費は思ったより高い。大会が終わったらすぐに帰らないと、予算が尽きてしまう。
ヴェネツィアに着くと、集合時間と場所だけ確認する。僕は分厚い服装に重いスーツケースを持ち、待ち合わせ場所であるカフェ・コンタリーニという場所まで行った。それもそのはず、ヴェネツィアは北海道と同じ緯度にあるため寒い。綺麗な街並みそのものが生きる歴史だ。街には水路が広がり、名物であるゴンドラや、通行用の船が通っており、まるで神話の世界にでも迷い込んだような気がする。
「チャオ、アズサだよね?」
突然女らしき人がイタリア語交じりの英語で僕を呼んだ。奇抜だが、清楚な感じもするファッションの金髪女性だった。ロングヘアーだが、仕事中なのか、髪を団子のように丸く飾っている。バリスタらしいと言えばらしいが、とても可愛らしいのだ。
「うん。あんたがフランチェスカか?」
「そうだよ。まさか本当にアズサに会えるなんて感激」
会えて感激なんて初めて言われた。有名人ってこんな感じなのかな?
「大袈裟だよぉ。僕みたいなのは山ほどいるぞ」
実際、僕のように店を持ってるってだけで、ギリギリのところでバリスタを名乗っているような人なら山のようにいる。僕と彼らの差は、ラテアート動画を投稿したかどうかの差だ。
そして彼女こそ、僕をここに招待してくれたメールの主、フランチェスカ・カラーチェ。彼女は祖母の代から現存するカフェ・コンタリーニ3代目マスターであり、当時の祖母の名字がこの店の名前を冠している。彼女は僕のラテアート動画に惚れ込んだこともあり、僕を大会に呼んだ。
「ささっ、入って入って、ここがうちの店、カフェ・コンタリーニ」
「うわぁ……なんて素敵なカフェなんだ」
彼女の店はオシャレな内装だった。配色のバランス、適度に置いてある小物や装飾品、どことなく漂う古風な雰囲気、歴史あるカフェのインテリアとしては申し分ないものだ。初めて生で見る本場のカフェに圧倒され、常にうっとりしていた。僕にとってコーヒーは女であり、カフェは女の家である。
「大会が終わるまでは世話になるよ」
「うん、自分の家だと思って寛いでね。私は店の営業があるから、何か用があったら呼んで」
「分かった。あのさ、僕がいる間、店の手伝いをさせてくれないかな?」
大会が終わるまでの間、彼女に面倒を見てもらうことになる。
故に泊まっている間は無償で店を手伝うことを申し出る。
「別にいいけど、ゆっくりしてもらっても大丈夫だからね」
彼女は僕に観光客として寛ぐことを示唆しながらも、僕に店の手伝いを許可してくれた。旅の疲れを癒した後は彼女の腕を観察させてもらうことに。僕は3階にある客室へと案内され、荷物を置いた。
しばらくしてからフランチェスカのお手伝いに赴いた。
「手伝おうか?」
「えっ、いいの? じゃあ、私がエスプレッソを淹れるから、もしカプチーノが注文されたら、ラテアートでもお願いするね」
「うん、分かった」
店内は繁盛していた。うちみたいにコーヒーだけじゃなく、サイドメニューまでもがしっかりと売られている。ダンディーな客の1人が僕に気づく。某配管工のおじさんにそっくりだ。
「なあ、もしかしてアズサか?」
「うん、そうだけど」
「動画見たよ。すげーラテアートだったよ。あんなのは見たことがない。フランチェスカ、カプチーノを1つ彼に淹れさせてくれよ」
「分かった。待ってて。アズサ、早速出番だね」
「じゃあ肩慣らしにやってみるか」
フランチェスカにエスプレッソを渡されると、既にミルクピッチャーに淹れられている牛乳にスチームノズルを入れて温め、牛乳をエスプレッソへとリズミカルに流し込む。
僕が描いたのはラテアートの顔とも言えるハートのチューリップだ。
腕を小刻みに左右に動かしてハートを作り、シンメトリーを意識しながらも中央に牛乳を少しずつ注いでいき、最後に端から端まで真っ直ぐ注ぐ。
「「「おおーっ!」」」
驚嘆の声と共にパチパチと拍手が送られる。いつの間にか、僕の周囲には人が集まっていた。
「確か2日後の大会に出るんだろ? 楽しみにしてるよ」
「ありがとう」
「なあ、よかったら俺とデートしないか?」
「僕、男なんだけど」
「えっ、男だったの? それは知らなかったなー」
「はははは……」
僕にラテアートを勧めた彼が落胆して頭を抱える。これには愛想笑いをするしかなかった。
「……さっきのことは忘れてくれ。俺はガストーネ・フラティーニ。アズサ、ヴェネツィアへようこそ」
「ふふふっ、誤魔化そうとしてるのが丸分かり」
「おいおい、そりゃないだろぉー! フランチェスカだって彼のことを女と思ったろ?」
「そりゃー最初に動画を見た時は女性かと思ったけど、男ってコメントで言われてたから知ってたの」
「ずりーなー、自分だけカンニングかよ!」
フランチェスカは常連と家族のように接していた。まるで家に帰ってきたのようなこの安心感。
これこそがバリスタに求められている『ホスピタリティ』なのだ。
何というか、非常にレベルが高い。果たして僕はこの強豪たちを相手に勝てるのだろうか。ガストーネはここの常連でずっと彼女のファンだ。他の国から来た外国人もいたが、みんなWDCに参加するためにここへ来たそうな。
夜になるまでラテアートを描き続けた。
こんな時のためにイタリア語を学んでいてよかった。日常会話しか話せないが、色々と話している内にこの店の常連たちと仲良くなった。元々英語が話せたこともあって、文法はすぐに理解できた。これはフランス語やドイツ語を習得する時にも役立った。
ネイティブの人と積極的に話さないと、言語というのは身につかないんだと思う。店ではいつも英語であるため、英語はもはや日本語よりも得意になっていた。英語が通じる人もいた。ここの人とは積極的に英会話をしていた。フランチェスカもガストーネもこの大会の常連だ。世界大会ではあるが、参加者の半数以上がヴェネツィア市民であるため、参加者の分布がかなり偏っているものの、レベルの高さは相当なものだ。そんなわけで大会が終わるまで泊めてもらえることに。大会は2日後に行われるが、余裕を持って参加するため、予定よりも早くやってきた。
この日の夜、僕が寝ようとすると、フランチェスカが僕の寝室までやってくる。
「まだ起きてる?」
「うん、起きてるよ」
「大会は2日後だから、明日はアズサにもデザインカプチーノの練習をさせてあげる」
「いいのぉ~? ありがとう」
「私もガストーネたちも、ライバルが強ければ強いほど燃えてくるタチなの」
「そうなんだ。みんな入賞経験はあるの?」
さりげなく尋ねると、フランチェスカの表情に曇りが生じる。あれっ、なんか変なこと聞いたか?
「うん、何度かあるよ。でもみんな……優勝したことは1回もないの。前回もローマから参加した人が優勝しちゃったから……元々この大会は、ワールドデザインカプチーノチャンピオンを輩出するためっていうよりも、ヴェネツィアの発展を願って始まった大会なの」
彼女ほどのバリスタでも入賞経験するだけでやっとなのか。ますますやる気が湧いてくる。ワクワクが抑えられなかったのか、この日の夜はあまり眠れなかった。
――大会1日目――
2日後、大会の日を迎えた僕はWDCに参加することに。フランチェスカたちと一緒に外へ出ると会場までゴンドラで赴き、最終登録確認を済ませた。
午前中に開会式が行われ、WDCの開催が宣言される。参加者の人数が多いためか、参加者はブロック分けされる。僕も指定されたブロックへと向かうため、フランチェスカたちとはお別れになる。108人もの参加者が集まり、色んな国の人がいた。国は違えど、ラテアートに対する気持ちは同じだった。ポルタフィルターやミルクピッチャーなどの道具は全て貸し出しとなる。コーヒーは全てインスタントコーヒーだ。108人いる中から翌日の決勝に進めるのは10人だけだ。
まずは準決勝進出の30人を決める予選が始まる。
動物も植物もそれなりに自信はある。10分以内に2杯分のデザインカプチーノを描く。
予選のテーマは動物だった。
評価基準はコントラストとテーマの一貫性だ。何も知らない人が一目で何を書いてるのかが分かるかどうかも評価の基準になるため、僕は誰でも知っている動物を描こうと思った。着色料などで色をつけるのは禁止であり、制限時間10分の中で2種類のデザインカプチーノを描くというルールだ。手描きはスティックペンと呼ばれる細長い棒で描く。この作業を『エッチング』と呼ぶ。
基本的にはフリーポアでモチーフを途中まで描き、フリーポアでは書けない部分をエッチングで書くことになるが、これ自体は慣れてしまえばそこまで難しくはない。集中していると、10分はあっという間に過ぎた。僕の番が来ると、合図と共に牛乳をミルクピッチャーに注ぐ作業から始まった。僕はフリーポアからのエッチングでライオンとシマウマを完成させる。周囲の目が全く気にならないくらいには集中していたし、リアルな印象を持たせるため、コントラストをハッキリさせた。僕が描いたのは比較的コントラストのハッキリした動物だ。この選択は正解だった。
10分かけて描き終わると、すぐに審査が始まった。まず上から写真を撮られ、審査員に公開されてからスコアがつけられる。このスコアの上位30番以内に入れば準決勝進出というわけだ。他のバリスタも集中している様子だった。額に汗をかき、やっと完成したことを喜ぶ者、制限時間内に間に合わず悔しさを露わにする者など、様々な反応が見られたが、10分以内であれば何杯作ってもOKだ。
全員のデザインカプチーノが完成し、厳正な審査が行われる。午後3時にはセミファイナリストが発表され、30分後に準決勝が始まる。進出した者は参加者のエントリーナンバーで張り出される。
何位通過であるかは大会が終わるまで不明だ。
「アズサ、競技はうまくいった?」
フランチェスカが気軽に話しかけてくる。
「うん、うまくいったよ。後は準決勝に進出していることを祈るだけだ」
「アズサのエントリーナンバーは何番だっけ?」
「8番だ。今から見てくる」
「分かった。幸運を祈ってる」
午後3時を回ると、会場の中央にある掲示板にセミファイナリストとなる30人のエントリーナンバーを書いた紙が張り出される。数字の低い順に載せられる。僕は8番だ。確か端っこの方にあるはず。
8番8番8番――ん? ……ああぁ……あったぁ。
端の方に確かに8番と書かれている。大丈夫だよな? 見間違いじゃないよな? 夢じゃないよな?
何度も確認するが、事実は変わらず、ようやく僕は状況を理解する。
「よっしゃー!」
思わず喜びを露わにし、ガッツポーズを決める。
初めての大会で予選通過は嬉しさ以外の何物でもない。
良しっ! 予選は何とか突破した。フランチェスカたちは予選突破したのかな? ん? あれはガストーネか? 一体どうしたんだろうか。
「おっ、アズサか、予選突破おめでとう」
「ありがとう」
「あれだけの参加人数の中で準決勝まで行けたってことは、実力は本物ってことだ」
「だといいね。ガストーネはどうだったの?」
「……それが、俺もフランチェスカも予選落ちだ。全然駄目だ」
さっきまで陽気なイタリア男だと思っていたガストーネが凄い落ち込みようだ。
予選落ちが辛いのは分かるが、ここまで落ち込むものなのか?
「俺さ、今年のファイナリストになれなかったら引退するって決めてたんだ」
ガストーネが俯きながら話し出す。引退ってどういうことだ?
「フランチェスカも俺の事情を知ってるんだ。俺も普段は彼女と別の店でバリスタやってんだけどさ、最近出来の良い新人が入ってきて、そいつと競争させられてるんだ。うちの店に所属するバリスタは大会での結果が絶対視される。ましてや予選落ちなんて、もはやクビになってもおかしくねえ」
だからそんなに落ち込んでたのか。
コーヒーの本場ならではの厳しい現実を目の当たりにした。
「その新人はこの大会に参加してるの?」
「ああ、あそこで喜んでるジュリエッタ・ベルサーニって女だ」
ガストーネに指差された方向へ顔を向けると、何やら若い子が喜んでいた。
ジュリエッタは大学に通いながらバリスタをやっているらしい。
上品に微笑むジュリエッタが僕に気づいた。
「あっ、もしかしてアズサ?」
「うん、そうだけど」
「うわー、すごーい。本物だー!」
彼女は僕が動画の投稿主であることが分かると、まるでマスコットに抱き着くように僕の体をもふもふと触り出した。なんか暑苦しいけど良い匂いがする。これはラベンダーの香水か?
「あんたも予選突破したんだ。私も動画見てたよ。どこまで通用するか楽しみ」
「そりゃどうも」
間近で話してみると、随分と高飛車な人のようにも見える。
ブロンドの短髪で、高身長でスレンダーな体に、スラッとした長い脚が特徴的だ。
「おやおや、誰かと思えばガストーネじゃない。うちで結果を残せないのがどういうことか、ちゃんと分かってるよね? もう辞めちゃえば? あんたは才能枯れてんの! フランチェスカにうつつを抜かしてるからそうなんのよ。今からでも辞表出したら?」
「……そうするよ」
「あのさ、この人に何か恨みでもあるの?」
「えっ、イタリア語が分かるの!?」
「一応な。日常会話くらいならできるよ」
ジュリエッタは僕がイタリア語を理解できないと思っていた。
――というか、あれだけあからさまに嫌悪が顔に出ていたら、たとえ言葉が通じていなくても怒ってることくらい分かる。表情も言語の内だ。
「彼ね、うちの店で客を相手に暴れちゃって、それが原因で客足が遠のいて、うちの売り上げが大幅に下がっちゃったの。だからみんな消えてほしいって思ってるわけ」
「えっ……ガストーネ、それ本当なの?」
「ああ、本当だ。じゃあな。準決勝頑張れよ」
ガストーネは力なく言うと、大衆の中へと消えていった。
ふぅ……引き摺っていてもしょうがないか。訳は後で聞くとして、今は目の前の競技に集中しないと。
30分が経過し、セミファイナリストが召集される。アジア人が僕だけだったのが寂しい。いきなりアジア勢最後の希望になってしまうとは。他に残った人はみんなヨーロッパ勢ばかりだった。どうすれば評価されるのかを知っているようだ――。
準決勝のテーマは植物だった。
決められた順番通りに1人ずつ競技を行っていく。準決勝からは大きな画面で上映され、観光客にとっても価値のある大会だ。2つのブースでそれぞれ15人が1人ずつ競技を行うため、競技は7時くらいに終わる。この時のヴェネツィアはずっとお祭り騒ぎであるとのこと。
植物もまた、ラテアートにおいては基本中の基本。僕は薔薇と百合をデザインカプチーノで描いた。両方共フリーポアだけでも描けるが、エッチングを施すことでより繊細な出来栄えになる。
薔薇は葉っぱや茎の部分までを描き、百合にはエッチングで角度をつけた。僕は勝負の舞台であることをすっかり忘れ、思う存分楽しみながら描いた。
10分が過ぎると、僕の競技が終わり安堵する――。
割と早く終わったし、他の競技者を観戦しに行った。ジュリエッタはラベンダーを描いていた。香水といい、ラテアートといい、本当にラベンダーが好きなんだな。
あの言動さえなければ良い女なんだけどな。
夜の審査発表まで待つ――。
各ブースに1人のヘッドジャッジと4人のビジュアルジャッジがおり、この5人の配点の中央値が競技者の得点となる。中央値を採用しているのは贔屓を防ぐためだ。高得点を叩き出すには、少なくとも3人以上のジャッジから評価される必要がある。徹底してるなー。ヘッドジャッジは競技者の競技を不衛生と見なした場合、スコアを減点できる権限を持つため、清潔さを保ちながら競技に挑まなければならない。例えば地面に手を触れた後、手を洗わずに競技を行うと減点される。
ここでは司会者の口頭でファイナリストが発表される。決勝進出は10人。今残っている30人の3分の2がここで消える。司会者が次々とファイナリストのエントリーナンバーと名前を発表していく。
「エントリーナンバー8、アズサーハーヅーキー!」
司会者の発表と共に歓声が盛り上がる。決勝へと駒を進めたのだ。エントリーナンバーを間違えてないか何度も目視で確認した。何度見ても僕のファイナリスト入りに変わりはない。
僕は地元のヴェネツィア市民に囲まれ、決勝進出を称えられていた。彼らが言うには、アジア勢で決勝進出を果たしたのは僕が初めてのこと。元々ヨーロッパ勢ばかりの大会なのだから当然だろう。お世辞以外で人から褒められたのは生まれて初めてだ。悪い気はしない。
ジュリエッタも決勝進出を決める。彼女は当分、同僚にも常連にも胸を張れるだろう。
フランチェスカはヴェネツィアの発展のためにこの大会があると言っていたが、彼女は大会のためにバリスタを辞める人が出てくることをどう思っているのだろうか。何か違うと思ってはいたが、この違和感の正体には気づけなかった。決勝は明日の正午から行われ、1人ずつ競技が行われる。
ブース分けしないため、会場の注目を集中的に浴びることになる。しかし僕は何のプレッシャーも感じなかった。教室の中にいた時のプレッシャーに比べれば全く大したことないし、みんな応援してくれる人ばかりなのだから、緊張する意味が分からなかった。失敗したらどうしようじゃない。そんなことを考えるくらいなら、最初から参加するべきではないのだ。覚悟ができている人にはまず勝てない。
大会の運営が一旦ここで終わり、明日の決勝を待つことに。夕食の時間を迎えると、カフェ・コンタリーニでフランチェスカたちから決勝進出祝いのパーティを開いてもらった。
「じゃあ、アズサの決勝進出を祝って、カンパーイ!」
「「「「「カンパーイ!」」」」」
夕食はご馳走だった。他の参加者も店に入って僕を称えてくれた。この時もナンパされたが、僕が男だと説明すると、やはりしょんぼりしていた。
「アズサ、決勝進出おめでとう」
「ありがとう」
「私の見立てに間違いがないことが証明されたね」
「まだ戦いは終わってないよ」
油断なんて微塵もなかったし、酒が飲めないのは幸いだった。しばらくフランチェスカと話した後でガストーネの座る席に向かった。彼はご馳走に乗っかって飲んだくれていた。
「ガストーネ、本当にバリスタ辞めるの?」
「ああ、仕方ねえよ。もう才能枯れちまったんだよ」
「……1つ約束してくれねえか?」
「何だよ!?」
僕には1つの考えがあった。無謀とも思えるが、どうしても……彼の中にある男の意地のような信念を見過ごさずにはいられなかった。本当の勝負はこれからだ。
明日には決勝も控えていたこともあり、深い眠りに就いた――。
あず君の初陣です。
ヴェネツィアはカフェラテ発祥の地と呼ばれています。