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社会不適合者が凄腕のバリスタになっていた件  作者: エスティ
第13章 群雄割拠編
322/500

322杯目「期待と応援」

 那月はパティシエのような白と赤を基調とした制服だが、長い帽子は被っていない。


 動きにくそうな服装からは考えられないような動きを見せ、観客が思わず黙ったまま見守るように視線が釘付けになる。画家のようにデザインカプチーノを完成させると、一気に拍手が沸いた。全ては一瞬の出来事。3分が溶けるように過ぎていき、暇を与える隙さえ与えなかった。


 今までにないほどの流れるような競技だ。スチームミルクの動きを完全に読んでいるばかりか、指の動きにまで芸術性を感じた。スチームミルクで絵を描いたかと思えば、すぐにペンスティックで複雑な翼を描き、天使の絵を完成させてしまった。あれはどちらかと言えばパティシエの動きだ。


 そうか、彼女はバリスタの仕事をパティシエに活かし、パティシエの仕事をバリスタに活かしている。この循環の良さが最大の武器なんだ。経験を他の分野に活かすことはマルチスキルの基本だが、那月はアイデアを分岐させた上でより効率的に作業を進める術を習得しているようだった。


 牛乳はスイーツにも使う。質の高いスチームミルクの作り方を知っていることが、そのまま優位を得られる要因となっている。あの牛乳は脂肪分少なめで、ラテアートに適した牛乳だ。


 素材選びの時点で既に差をつけている。これはかなり期待できる。


「那月さん、凄いです。コーヒーの茶色い部分を利用して、翼に陰影まで描いています。あれを3分で完成させるのは至難の業です。私ならあの絵を描くのに10分はかかりますね」

「手先の細かさだけなら、璃子に匹敵するかもな」

「なんかバリスタの中に1人だけ芸術家がいるみたい」


 千尋の言葉は那月のラテアートの特徴を見事に捉えていた。


 ふと、那月の履歴に言及していた優子の話を思い出した。


 那月は勉強のつまらなさから高校に馴染めず、3ヵ月ほどで中退してしまった。普通の親なら反対するところだが、那月は条件付きで高校から釈放されることに。その条件とは、将来パティシエとなり、実家の店を継ぐことだった。だが那月のやりたいことはバリスタである。


 僕ならそんな約束、とっく反故にしているところだが、那月としてはパティシエもやりたいことリストに入っている夢の1つだ。やりたいことは全部やれと世間に訴えてきた僕としては、どっちも叶えて欲しい気持ちはあるが、問題は那月の親父にばれた時だ。


 戻って来いと言われれば、那月は戻ることになるだろう。優子もパティシエ修行を任されている手前、栗谷家からの評価を下げることになる。家に戻されれば、当然バリスタの道も諦めることになる。多くの場合において、子供に不完全燃焼の人生を送らせているのは親だ。こんな親はどこにでもいる。


 全員の競技が終わると、しばらくして結果発表が行われた。


 那月はファイナリスト5人の中に残った。残りの4人は全員穂岐山珈琲勢だ。


 バリスタ教育の規模ではやはり勝てないか。


「美月さんは脱落かー」

「あの美月さんが決勝にいけないなんて」

「そんなに凄い人なんですか?」

「以前は決勝の常連だった。でも今は穂岐山珈琲勢が強くなりすぎて、他のコーヒー会社は準決勝までしか進めなくなってる。以前からずっと穂岐山珈琲のためのバリスタ競技会になってる」

「どうして穂岐山珈琲はここまで強くなったんですか?」

「バリスタ育成の歴史は穂岐山珈琲の方が長い。今までのノウハウを活かしている上に、コーヒー会社としてのブランドでも、うちを上回ってる」

「まっ、ほとんどはあず君の受け売りだけどねー。日本国内では通用しても、世界が相手だと、やっぱり創造性で差をつけられちゃってる。どうりで誰も世界大会で優勝していないわけだ」

「つまり世界大会に出るには、まず穂岐山珈琲の壁を超えないといけないんですね」

「そういうことだ。コーヒー業界発展の代償だな」


 那月の周囲には、虎視眈々と優勝を狙う穂岐山珈琲の連中がいる。


 今年の6月にアテネで行われたワールドコーヒーイベントでは、7種類のメジャー競技会に出場した6人の穂岐山珈琲勢の内、3人が4大会でファイナリストに入ったが、優勝はまだない。創造性に乏しいために、世界大会で勝ちきれない弱点が露呈している。これが穂岐山珈琲の限界なのだ。


 全体的に学歴も高いし、基礎は申し分ない。だが相変わらず前回大会を制覇した人の模倣をするのが精一杯なのが残念なところ。彼らが優勝する可能性があるとすれば、WCTC(ワックトック)WCRC(ワックロック)といったところだ。この2つは基礎がいかにできているかが物を言う。


 基礎だけでバリスタの世界大会を制することがいかに難しいかが見て取れる。


 僕としては色んなコーヒー会社が知識を出し合っている。


 群雄割拠のような勢力図になっていけば、日本代表が優勝候補と目される日がやってくるだろう。穂岐山珈琲勢が勝てないもう1つの理由は僕だ。世界中にバリスタの極意をばら撒いた。海外のバリスタたちは日本代表の快進撃に驚き、10年ほど前から日本代表のコーヒーを研究するようになった。花音がきっかけで閃いたホエイも、今や色んな国の代表がシグネチャーの食材として使っている。


「やっぱり葉月さんたちも来てましたか」


 爽やかそうに声をかけてきたのは根本だった。


 JBC(ジェイビーシー)JBrC(ジェイブルク)の両方でシード権を獲得し、既に準決勝まで駒を進めている穂岐山珈琲のエースだ。松野の元でかなり修業を積んできたようだ。バリスタとしての腕前も、強豪穂岐山珈琲の中で頭1つ抜けている。


 薄紫のチョッキを着た根本が伊織の目の前に立つと、怯むようにそっぽを向いた。


「そっちの様子はどう?」

「順調ですよ。今回は全大会での穂岐山珈琲勢2連覇が懸かってますから」

「まだ世界チャンピオンになってないのに?」

「うっ……なかなか言うようになりましたね」


 千尋に図星を突かれ、ロクに言い返せない根本。日本国内においては、穂岐山珈琲の全盛期と言っていいのかもしれん。だが葉月珈琲には世界チャンピオンを何人も輩出している確かな強みがある。


 肝心なところで勝ちきる力は実証済みだが、全ては過去の栄光である。


 今の穂岐山珈琲に勝てない限り、葉月珈琲からチャンピオンが出ることはない。マーケティング戦略では穂岐山珈琲が上回っているし、僕が世界へと羽搏くきっかけとなった。


 花を持たせてやらんこともないが、こちとら手加減することだけは教わってないんでね。


 故に全力で上回ってやりたい気持ちの方が強い。


「葉月さん、今年僕が出た世界大会、見てくれました?」

「一応動画で見たよ。他のどこよりも優れたコーヒーじゃなかったけどな」

「どこが駄目だったんでしょうか?」

「君は何のためにコーヒーを淹れる?」

「何のためって、そりゃコーヒーが好きだからですよ」

「大会中の君からはそんな想いは感じられなかった。コーヒーよりも勝つことを考えてた。でもそれじゃ駄目なんだよ。他から抜きん出るためには、使うコーヒーを誰よりも知り尽くす必要がある。コーヒーが持つ個性を最大限に引き出すには、時として誰もやったことがない挑戦をする必要がある。それができていたと、胸を張って言えるか?」

「……それは」


 ただ相性だけでコーヒーを選んではいけない。


 大会データが重視されるようになってきたからこそ、データでは測れない可能性にもっとフォーカスするべきなのだ。データに沿ったコーヒーを淹れる者が多い中で勝ち抜くには、コーヒーに対する探究を継続することが必須なのである。まだそこまで成熟しきっていないのも無理はないが。


 僕の言葉が刺さったかのように、伊織も下を向いてしまった。


 だがそれはまだ良い傾向だ。伊織はまだ諦めていない。全く新しい味わいを創造することを。


「前回チャンピオンの模倣を作るだけなら誰でもできる。誰もやったことがない創意工夫を見せれば優勝できるかもな。マネする側じゃなく、マネされる側を目指してみろ。元からあるものを改良するだけじゃなく、今までなかった発想を生み出せ」

「それは難しい注文ですね。でもやってみますよ」

「楽しみにしてるよ」


 僕が余裕の笑みを返すと、これ以上は見ていられなかったのか、根本が去っていった。


 伊織と言葉を交わすことはなかった。根本は今回もそれなりのコーヒーを考えてきたようだが、伊織はコーヒーの開発すらできなかった。この事実だけが伊織の背中に重く伸し掛かる。伊織が披露する予定のコーヒーは、桜子がいなければじっくりと考察するはずだったコーヒーだ。それはWBC(ダブリュービーシー)で千尋が優勝を決めたコーヒーを改良したものである。うちのコーヒーを使ったシグネチャーではあるが、創造とは程遠い模倣と呼ばれても仕方がないものだった。


 千尋でさえ伊織らしくないと、ドン引きしていたくらいだ。


 ――大会2日目――


 この日は伊織と千尋が準決勝を戦う予定である。


 伊織はJBC(ジェイビーシー)でシグネチャーのみのプレゼンを行い、千尋はJBrC(ジェイブルク)準決勝でオープンサービスと必修サービスを行い、決勝でも作業を行うこととなる。


 予選は必修サービスのみであることから、準決勝以降が濃密となっている。


 午前10時を迎え、会場各地で競技が始まった。伊織が競技を行っている間、僕はJLAC(ジェイラック)決勝を見ることを優先した。千尋の競技は既に終わった。それに那月のことも気になる。メジャー競技会では初参加ながら決勝まで上がった。


 バリスタとしてもパティシエとしても基礎は十分磨かれている。


 フリーポアラテアートでは球落としを活かした葡萄、マキアートではオレンジの断面図、デザインカプチーノではパイナップルを描いた。まるでアニマル革命へのアンチテーゼだ。ラテアートの大会は種類を問わず動物のラテアートが人気を博し、優勝したバリスタのほとんどが実在する動物か神話などに登場する架空のキャラクターを選び、ハイスコアを記録している。動物は特に繊細な技術が必要とし、ミスをするリスクが高いのだが、その点さえ克服すれば大きなリターンを得ることができるのだ。


 みんながその点に気づいてからというもの、ほぼ動物ラテアート選手権になっている。


 あえて流れに逆らうとは、大した根性だ。


 那月のインタビューが終わった後、僕はステージの外から声をかけた。


「お疲れさん。よくやったな」

「あっ、あず君、見てくれてた?」

「もちろん。大会って疲れるでしょ」

「えっ、あたしは全然平気だよ。もう終わりって感じ」


 平日のようにケロッとしている那月に度肝を抜かれた。大会でのプレッシャーを感じていないばかりか競技前と変わらないほどエネルギッシュな姿を見せてくれている。このバイタリティ、只者じゃない。


「……タフだな」

「パティシエの大会の方が疲れるもん。あれに比べたら、バリスタの大会はすっごく楽なの。レベルは高いけど、準備から競技するまでの工程はこっちのほうがずっとマシかな」

「……パティシエの大会って、そんなに大変なの?」

「うん。現地に着いてから準備をするまでが滅茶苦茶大変なの。食材がどれもデリケートだから、管理するだけでも一苦労だし、フルーツなんかは現地調達しないといけないから、準備を整えるまでが過酷で、大会本番も半日くらいずっと働きづめで、インタビューを受けながら気の遠くなるような作業をこなさないといけないというか、璃子さんもショコラティエの大会の時はそんな状態だったと思うよ」


 ……なんか聞いてるだけで疲れてきた。もう社畜とかそんなレベルじゃねえ。


 大会という名のサバイバルだ。那月曰く、決勝まで残れるかを気にする余裕すらないとのこと。まずは予選用の作品を無事に作れるかどうかがポイントなのだ。


 作品を完成させても、審査開始までに崩れてしまったり、形や色が悪くなってしまう場合まで想定し、かなり手の込んだスケジュールまで組まなければならないのだから、もはや創作という名の地獄と称してもいいくらいだ。璃子はそんなスケジュールを何度もこなしていたのか。


 引き締まったくびれはショコラティエとして過酷な作業をこなしてきたからであることが那月を通して改めて分かった。那月も凄くスタイル良いし、パティシエの大会を何度も乗り越えてきたことが窺える。スイーツを作る職業をこなす人は頑丈と聞くが、そりゃタフにもなるわな。


 しばらくして結果発表が行われた。那月は最終5位となり、彼女の秋が終わった。


 他のバリスタは動物ばかりだ。那月は決勝進出ギリギリのラインであったため、準決勝敗退でも不思議ではなかった。動物縛りで上振れを引いたってところか。このままじゃ次は決勝も厳しいだろうな。


 ――あの繊細な技術を他に活かせれば。


 記念撮影を終え、那月が僕のそばへと歩み寄ってくる。


「駄目だったぁ~」

「見事なアンチアニマル革命だったな」

「あたし、動物苦手なの。だから果物にしたんだけど、やっぱり動物の方がスコアを稼ぎやすいのかな」

「動物のラテアートは技術面の克服さえできれば、コントラストの調整がしやすいからな。才能があるのに動物は苦手なのが残念だな」

「あず君は動物大丈夫なの?」

「人間以外は平気だ」

「ふふっ、何それ」

「他の動物は差別をしてこないし、制度や仕組みを使って虐げてくることもない。些細な価値観の違いで弾圧とかもしないし、大規模な戦争も起こさないし、絶滅を目的とした大量虐殺もしない。人間観察をしているとな、他の動物の方が、まだ真っ当に思えてくる」

「そうなんだ……」


 こんな話をしたのはいつ以来だろう。人間を知れば知るほど嫌になってくる。


 だが捨てたもんじゃないと思わせてくれたのも人間だ。僕が世界に出てから出会った人間は本当に良い人たちばかりだった。小さな世界で通用しなかった自分を認めたくなかった。


 本当の意味で自分を認めてやれるのは自分だけだというのに。自分の喜びも痛みも、理解できるのは自分だけなのだ。他人が嫌いな人は、他人に対する期待が大きすぎた反動なのかもしれん。期待に応えてくれたらラッキーくらいの感覚で接するのが1番だ。


 そう思えるようになってからは、他人が嫌いではなくなった。


 好き嫌いを通り越し、無関心の域に達したのだ。


「植物だとラテアートの難度で負けるし、動物以外で勝つとなると厳しいぞ」

「あたしはそれでもいい。自分に嘘を吐いてまで勝ちたくはないから」


 この拘り……かつての僕に通じるものがある。


 みんなと同じことをしていれば、飛び抜けた存在にはまずなれない。


 言葉には出さないが、本能ではそれが分かっているかのようだ。璃子は動物や植物を描かず、日本文化をモチーフにしてWLAC(ワラック)を制した。果物は味のバラエティこそ豊富だが、外見のバラエティは動物ほどじゃない。難度を考えても不利だ。ポテンシャルはあるのに勿体ねえ。


「そういえば、伊織ちゃんと千尋君はどうなったの?」

「あっ……」


 すっかり忘れてた。那月のための大会じゃない。


 そのことを思い出した僕は伊織の元へと向かった。


 伊織は競技を既に終えており、結果発表を待つだけであった。


 準決勝は4杯のシグネチャーを5分でプレゼンする簡易的なもの。20人いてもすぐに終わるが、準備時間やインタビューが長いために、まだセミファイナリスト全員が競技を終えていない。


「伊織ちゃんって可愛いよね」

「何? 伊織のこと好きなの?」

「そーゆー趣味じゃないけど、女のあたしから見ても可愛いって思えるんだよねー。なんかこう、子供っぽいっていうか、親しみやすいっていうか」

「一応言っておくと、あいつは君と同い年だ」

「ええっ! そうなのっ!?」

「ていうか出番終わったんだろ。帰らなくていいのか?」

「もう少しここにいる。璃子さんの都合もあるから、今日中には帰ることになるけど……次は負けない。それに11月にはワールドケーキショーの国内予選があるし」

「忙しそうだな」


 ワールドケーキショー、確かパティシエの大会の中でも大規模な競技会だ。


 書類選考を通過するだけでも難しいって優子が言ってたなー。


 100人以上の応募の中から10人しか本戦に進めず、本戦で作ったケーキは観客に向けて大々的に公開される。本番までに一切のミスが許されず、完成予定時間から作業開始時間まで逆算しなければならないことを考えれば、ある意味バリスタ競技会よりも過酷だ。


 どっちの大会でも、予選や書類選考を通過できるほどの力はあるってことか。どちらかに集中すれば、すぐにでも世界的バリスタか、世界的パティシエのどちらかにはなれていただろう。


 しかし、それは那月の本意ではない。那月は両方究めたいのだ。


「サポーターは優子か?」

「えへへ、当たりー。あたしには夢があるの。いつか……バリスタオリンピックと、ワールドパティスリーカップの両方で優勝する」

「大きく出たな。どっちもバリスタとパティシエの大会の中でも最高峰の大舞台だ。分かってるとは思うけど、そう易々と勝ち抜ける舞台じゃねえぞ」

「うん……だからこそ挑みたいの。そこに山があるから登る。なんてね」


 作り笑いのような顔で那月が言った。


 伊織に声をかけようとすると、割り込むように根本が伊織の隣に座った。


「あれが本巣さんのコーヒーなんですか?」

「えっ……」

「あれって、葉月さんがバリスタオリンピックで使っていた作品によく似てる気がするんですけど」

「新作のアイデアを煮詰められなかったので、前々から考えていた作品にしたんです」

「この前村瀬君と話した時、本巣さんは今までにない作品を発明しようとしていると言ってました。あれが今までにない作品なんですか?」

「違います。あれは――」

「だったら、何で辞退しなかったんですか?」

「……」


 責められているようだ。伊織は以前僕が使ったアイデアを更に改良することを目指した。元から完成度の高いものにあえて挑戦しようとしたのだ。それは皮肉にも、穂岐山珈琲のバリスタ考案したアイデアだった。根本自身は型にはまることを良しとしていないし、バリスタオリンピック以降は自分のアイデアで勝負するようになった。そんな彼にとって、伊織は国内最大のライバルだ。


 期限までにアイデアを煮詰め切れなかったことを苛立っているようにさえ思える。


 それだけ根本が伊織に期待しているとも言える。


 僕は期待なんてしない。できなくても怒ることはない。期待なんかしたところで、別に成功率が上がるわけじゃない。それでうまくいくんだったら、どんな奴でも指導者で飯を食っていける。何なら期待がプレッシャーになって押し潰される人もいる。だから期待する必要もないし、期待に応える必要もない。


 期待はしない……でも応援はする。


 葉月珈琲は期待ではなく、応援でバリスタを育てていく。


 そこが穂岐山珈琲とは根本的に違うところと、僕は改めて思い知るのだった。

読んでいただきありがとうございます。

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