277杯目「取り戻した明るさ」
2月上旬、JCCに優勝した僕は葉月珈琲で祝勝会を行うことに。
昼からの営業に合わせて身内の分だけ予約席として開けておく必要がある。
この日も朝から準備に忙しい。料理とスイーツは必要最低限になったが、それでも世界最高峰の食材を使っているため、経費も値段も高い。あの日最後に渡されたスコアは2位以下に100ポイント以上の差がついており、この差を詰められた時が、プロ契約制度が成熟した時であると定義した。
「またトロフィーが増えましたね」
祝勝会が始まる前、1階のショーケースに飾られている大会のトロフィーを唯が眺めている。
「もう何個目かな。どれもよくできてるし」
「ふふっ、トロフィーを集めているというより、トロフィーから集まってきている感じにも見えます」
「まさかこんなに集まるとは思わなかったけどな。でも……1つだけ懸念していることがある」
「どんなことですか?」
「バリスタが増えてきたのはいいけど、歴代チャンピオンの模倣ばっかりにならないか心配でな」
「最初はみんなそういうものですよ。誰だって最初は教科書を見ないとできませんよ。あず君みたいに自分でプレゼン内容をゼロから考えるなんて誰でもできることじゃないんですから。期待しすぎだと思います。流行なんてすぐに変わるんですし、何度もやっている内にみんな気づくんじゃないですかね」
唯は至って冷静だ。子供を見守る母親のようで、彼女だけが成長しているような気もするし、小さいことを気にしていたら、母親なんて務まらないと言いたげな気もする。
何より、まだ始まったばかりなのだから、まずはじっくり見守るようにと言われている気がした。
「まあでも、あいつらが足踏みしてくれている内かもな。僕がこうやって優勝を重ねられるのは」
「バリスタ競技会に命が懸かっているかのように夢中になる人なんて、それこそあず君くらいしかいなかったんですから、今は我慢して見守るしかないですよ」
「子供の育て方と一緒だな」
「一緒ですね。血が繋がってるかどうかくらいの差ですし、みんな普通で、みんな変わった人ですよ」
唯の言うことは何故だかスッと頭に入ってくる。
誰かしら結果を出せばラッキーくらいに思うのが、最も精神衛生上良いのかもしれない。だったら対抗馬が出てくるまでは絶対王者として君臨してやろうじゃねえか。
そんなことを考えていると、ドアベルが鳴ると共に、伊織と千尋が入ってくる。
客が来るまであと1時間以上もあるが、待ちきれないんだろうか。
「おはようございます」
「おはよー。あれっ、今日は唯さんも営業するの?」
「ちょっと下りてきただけ。子供が4人もいるし、当分は復帰できそうにないかも。こういう時は男の人が羨ましいって思っちゃう」
「あず君も育児やればいいのに」
「駄目。もしあず君が育児に参加したらバリスタ競技会に参加するだけの体力を確保できなくなるし、遊び相手になってくれるだけで十分なの。あず君の才能まで発揮できなくなっちゃったら稼ぎ手がいなくなっちゃうし、人気がある内にいっぱい稼いでもらわないと。だから伊織ちゃん、今の内に一生懸命働いてね。いつか好きな人とつき合うことになった時、私みたいになるかもしれないから」
「どういうことですか?」
伊織が首を傾げた。交際とか全然考えてないやつだな。少なくとも結婚は考えていない。会場で出会った人々から何度も声をかけられ、中には告白する人やデートに誘う人までいた。
何度もそういった申し入れを断り、応対だけで疲れてしまったこともある。
「唯、多分伊織には当てはまらないと思うぞ」
「えっ、そうなんですか?」
「今は仕事が恋人だ。そうだよな?」
「はい。私が人間の恋人なんて持ったら迷惑かけちゃいますよ」
「それでもいいと思える人となら、つき合えるかもしれないね」
柚子が横から割って入ってくると、伊織が目を半開きにさせながら息を吐いた。
「何でつき合わせようとするんですか?」
「だって私、仲人バリスタを目指してるもん。だから恋人が欲しい時はいつでも言ってね」
「多分頼ることないと思います」
「あず君がここまでやってこれたのは、唯ちゃんの活躍によるところが大きいんだよ」
「うんうん」
千尋が納得するように頷いた。彼にも明日香という伴侶がいる。
伊織はまだ僕がサポーターを務めていない時の自分の実力を知らない。
今年の大会からは誰のサポーターをすることもない。次のコーヒーイベントの時には、伊織も千尋も成人してから最初の大会を迎える。そこからが正念場と言っていい。どんなバリスタ競技会に出るのかも楽しみだし、穂岐山珈琲勢との競争も見所の1つだ。
「私は1人でも大丈夫ですよ。去年は今まででキャリアハイの成績でしたし」
「結構あず君にサポートされてた気がするけど」
「今は1人でできます」
「ふーん、じゃあやってみたら。苦戦すると思うけど」
「その言葉忘れないでくださいよ」
「はいはい」
息をするように千尋が挑発とも言える言葉をかけた。挑発に乗ってしまった伊織は1人で戦う決意をするが、千尋にとっては大会に挑戦するかを迷っていた伊織の背中を押す行為でもあった。
伊織の目標は、あくまでもバリスタオリンピック優勝のみ。
それに向けて戦うなら、1つでも多くの大会に出場し、結果を出しながら経験を積み続けるしか方法がないのだ。実績が少なければ、書類選考で落とされる恐れもある。止まっている暇はない。時代は下りのエスカレーターだ。止まっていれば下に流されてしまう。
トップで居続けることが、そう容易いはずがない。
祝勝会は主にJCCをパソコンで見ていた身内を中心に役者が揃い、吉樹と美羽がやってきたところで、初っ端から賑やかに始まった。
美羽から穂岐山バリスタスクールの件で呼び出された。
なかなか深刻な事態になっているらしい。
「じゃあ、バリスタスクールは今年の9月で廃校になることが決定したと?」
「うん。だから10月からは葉月珈琲の業務に専念できると思う。昔は生徒が100人を超えていた時もあったのに、今じゃたったの4人だよ。もうずっと赤字だし、兼業してて本当に良かった」
「今までに何人くらい卒業したの?」
「300人くらいかな。みんなちゃんとコーヒー会社に就職していったし、生徒の中には指導する側の人までいたの。なんかああいう光景を見てると、やってて良かったと思う」
「あのさ、美羽がここでバリスタスクールをやってた理由は何?」
「えっ、何いきなり?」
「バリスタスクールをやるだけなら、地元東京でもできたはずだし、葉月梓公認とでも言っておけば人数もそれなりに集まったと思うけど。今だったら言えるんじゃねえの?」
質問を聞いた時、美羽は一瞬黙ってしまった。
今までずっとこんな疑問を持ちながら全く聞けなかった。
だが潰れるというなら話は別だ。今だから言えることもあるだろう。吉樹と交際しながら仕事をするだけが理由とは……とても思えなかった。
「じゃあ、本当のことを言うね。あたしは葉月珈琲に心底惚れ込んでるの。だから葉月珈琲が事業拡大を目指すようになった時のために多くのバリスタを育てておきたかったの。葉月珈琲には葉月珈琲塾があるけど、子供がバリスタになってくれるとも限らないし、なるにしても時間がかかるでしょ。1人でも多くの即戦力を輩出して葉月珈琲に送り込めるようにしておいたの。前にも言ったと思うけど、当時の穂岐山珈琲は社員が多いせいで、才能があるのに育成部に入れずにいたバリスタもいた。そーゆー人たちにチャンスを与える意味でも、引き抜きをするための企業としても機能するようにしていたわけ」
――美羽の本音は、如何にも僕のためと言えるものだった。
葉月珈琲の事業拡大構想は以前から知っていたようで、企業方針に沿うように、美羽は卒業生や穂岐山珈琲で埋もれているバリスタを次々と葉月珈琲の新店舗へと送ってくれた。
しかし、今年から導入されるバリスタ競技会の方針により、会社に関係なく出場できるようになってしまったため、引き抜きの意味が薄れたのだ。しかも育成部は過去2回のバリスタオリンピックでの反省から、バリスタたちの自主性を尊重する方針に転換したことや、育成部の枠を増やしたことでより多くのバリスタがコーヒーの研究に没頭できるようになったのだ。企業規模で勝る穂岐山珈琲がうちの方針のほとんどをトレースしたため、これから多くのトップバリスタが世に出てくることが予測できる。
「穂岐山バリスタスクールは、歴史的役割を終えたわけだ」
美羽の後ろから不意に声をかけた千尋に、美羽はつい体を震わせながら後ろを振り返り、正体が千尋であると認識すると、何だこいつかと言わんばかりにため息を吐いた。
「千尋君、いつから聞いてたの?」
「じゃあ、本当のことを言うねって言ったところから」
「最初っからじゃん。あんたホントに耳がいいね」
「いやぁ~、それほどでもぉ~」
「褒めてない。でもまあ、歴史的役割を終えたのは確かかもね。引き抜く人もいなくなっちゃったし、生徒も来なくなっちゃったし。今雇っている人たちも9月を過ぎれば全員解雇予定だから、みんなには就活を勧めているところなの」
さっきまで高かったテンションが急に暗くなり、この落差が僕らをのけ反らせた。
人を解雇する辛さは僕には分からない。未だ経験したことがないからだ。
自分から辞める人はいても、なくてはならないのに首を切らなければならない気持ちは分からない。
いつかは僕にもそれが分かる日が来るんだろうか――。
「美羽、うちの葉月珈琲塾だけどさ、来年から教育部を拡張する予定で、学校を卒業した直後にうちに入ってきた連中を研修する場所が必要になった。入る人はバリスタスクールの経験者が望ましい」
「――もしかして、みんなを雇ってくれるの?」
「別の場所に移転するかもしれないけどな」
「ありがとう! じゃあ早速伝えるねっ!」
美羽はポケットから可愛らしい花柄のスマホを取り出した。
満面の笑みでメールを打ち始め、安心しきった顔で送信する。
「気分屋だね」
「それが美羽だ」
「お情けでそんなこと言っちゃっていいわけ?」
「教育部を拡張するのはホントだ。去年うちに中卒で入ってきたトップバリスタ候補生が数人程度いたからさ、そいつらがどの店に行っても業務をこなせるようにするために研修の場を設ける必要が出てきたんだ。あいつらにはマイナー店舗のような調整の場が必要だと思ってな」
「段々メジャーリーグみたいになってるね」
「穂岐山珈琲でも同じ現象が起こってるはずだし、これがバリスタ革命だ」
教育部の葉月珈琲塾は、トップバリスタ候補生を育てる上で大きな役割を果たしている。
最も面倒だったのは、学校で植えつけられた固定観念や奴隷根性を取り除く作業だった。伊織はこういった固定観念があんまりなかったから本当に育てやすかった。
言われたことをこなすだけの人間はいずれ淘汰される。何でも世間任せで自己判断ができないものを人生とは言わない。そんなものはただのロボットだ。
「バリスタの仕事にエンターテイメント要素を加えたいのは分かるけど、一体何を証明したいの?」
「バリスタという仕事を通じて、世の中捨てたもんじゃないってことを証明したいのかも。だってさ、バリスタの仕事に必要な味覚とか、嗅覚とか、品種とかフレーバーとかを覚えて精緻に語れる才能ってサラリーマンだったらまず使わないじゃん。才能があるのにレールに乗せられてさ、無能のレッテルを張られて不貞腐れてるような奴らがいっぱいいるのを見て、放っておけなくなった。僕の足元にはな、何もできずに餓死した世界線の……僕の死体の山があるんだ」
「……なんか他人事とは思えないかも」
千尋がげんなりした表情を見せた。彼もまた、レールから飛び出したクチだ。
僕の言いたいことが痛いくらいに分かるからこそ、千尋は苦虫を噛み潰したような顔になったことが見て取れるが、こういうところも可愛かったりするんだよなー。
とりあえず、これで美羽が抱える問題は解決した。
そんなことを話していると、葉月珈琲のドアベルがカランコロンと鳴り、1人の少女が落ち着いた様子で入ってくる。それは以前より力強く凛々しい顔の凜だった。
ポニーテールに少しばかり大きくなった胸、これでもまだ12歳なのだから驚きだ。彼女は奇しくも僕がWBCを制覇した日に生まれた。あれからもう12年経ったんだな。
「あず君いる?」
「あそこにいるけど」
「あず君っ! 久しぶりっ!」
「凜、どしたの?」
「あず君、私をここで働かせてほしいの」
「えっ、でも今12歳だよね?」
「12歳じゃ働けないの?」
「労働基準法では就職できるのが15歳以上かつ義務教育を卒業していることだから3年はかかるぞ」
「そんなに待てないよ。だって私が働かないと、お父さんのお店が潰れちゃうもん」
「店が潰れる?」
凜に話を聞いてみれば、葉月商店街にある土産物水野が倒産の危機にあるという。父さんだけに。
彼女はそこから通学するような感覚で葉月珈琲塾に通っていた。
しかし、店が潰れてしまえば、祖父母の実家がある北海道に帰ってしまうんだとか。
元々は30年以上も前、アパレル業界が真っ盛りだった岐阜市に出稼ぎでやってきたものの、服が売れなくなってからは土産物屋として再び商売を始め、一度潰れてからは葉月商店街の店で働き、再び土産物屋を始めたという。だから最初に行った時、いくつか古そうな服も置いていたわけか。
途中からは伊織が真摯に彼女の言い分を聞いていた。
彼女にとって伊織は初対面以来、姉貴分のような存在であり、最も安心できる相手だ。
「つまり、もうすぐ店が潰れて、凜ちゃんは北海道に戻らないといけないんだね」
「うん。だから私を雇ってほしいと思って来たんだけど……駄目なんだ」
「一応修業するということなら、ここに置いてもいいぞ」
「えっ、でも家はどうするの?」
「実家に泊めてもらう。商店街の中だったら、抵抗ないだろ?」
「おじさんが許可を出すかな?」
「社長命令だから問題ない。とりあえず4月からは全寮制の場所を確保するから、それまでは預かってもらうことにする。凜、1人で生活できるか?」
「うん。家事だったら慣れてるよ」
決まりだ。学校に依存しない子供に限ってしっかりしてるなぁ~。
自分でこういう判断ができるあたり、まだ生命力は失われていない。それにあそこまで背中を押しておきながら見捨てるのもどうかと思うし、しばらくは面倒を見るか。
誰もこういう子供の受け皿にならないんだったら、うちがなってやろうじゃねえの。
「じゃあ、早速親父に預かってもらうようにメールするよ」
「……ありがと」
「凜ちゃん、あず君の両親に迷惑かけちゃ駄目だからね」
「うん。だいじょぶだいじょぶ」
「美羽、凜は僕らが思ってるよりしっかり者だ」
「でもいいの? おじさんの家に泊めて」
「今ここで凜の夢を断つようなことがあれば、凜の親は『終身養育刑』を科されるぞ。それに凜を立派なバリスタにできなかったら一生分の年金を払う約束だからな」
「終身養育刑?」
美羽がきょとんとした顔で首を傾げた。
自分もそうなる可能性を秘めていたというのに、呑気な奴だ。
終身養育刑とは、自分の子供をニートにしてしまった保護者が背負う『事実上の刑罰』である。
今後数多くの保護者がこの業を背負うことになるだろう。子供から生きる力を奪い、外に紹介するのも恥ずかしくなるような存在にしてしまった挙句、一生面倒を見ることになる。これを防ぐためには、生きる力にフォーカスした教育が必要だが、今の日本の教育は生きる力を奪う方向に作用してしまっている。労働者を量産したはいいが、多くの企業からお祈りメールを送られて居場所を失い、ニートになる若者が後を絶たない。かと言って捨てるわけにもいかず、何割かは生きるために犯罪に走る。
何の対策も施さなければ、こういう家庭の割合は年々増えてくるだろうな。
「生きる力ねぇ~」
「子供の養育を20年で済ませたいなら、飯を食える大人を育てることだな。できなかったら何もできずにただぶら下がってくる子供の面倒を一生見ることになると思え」
「うっ……それは嫌かも」
千尋が青褪めてしまった。頭は切れる方だが、子育てに関しては初心者だ。
ほとんどの場合、子供をニートにしてしまうのは親と学校である。ニートの親たちは、ある意味その罰を受けていると言えるのかもしれん。だが問題なのは、学校側が一切の罰を受けることがないという点だ。罰も受けないし、責任も取らない。そして同じ過ちを繰り返す。しかも通うのが事実上の義務、これ以上に害悪な存在があるだろうか。そして何より、この問題を親世代のほとんどが理解していないという点が最も厄介だ。そういう奴らに限って、学校に行かないと立派な大人になれないと豪語する。
生きる力もロクに育てられない連中が偉そうに!
「まっ、そういうわけだから、君の親父にちゃんと伝えておけ。一生娘の面倒を見たくないなら、凜が本当の意味で独立することに同意しろとな」
「なんか脅しみたいだけど……分かった。じゃあ伝えとくねー」
凜がクスッと笑いながら言った。意図を汲み取ってくれたらしい。初めて会った時は暗い子と思っていたが、本来は明るい子と判明した。惨めな思いをせずに済んだのか、以前よりも生き生きしている。
「凜、葉月珈琲塾を卒業したら、ここに修行しにこい」
「いいの?」
「うん、いいぞ。成績次第でここに就職させてやる」
「分かったぁ!」
満面の笑みを見せると、凜は駆け足で帰宅していった。
子供らしいというか、あんなに天真爛漫で素直な子供だったんだな。
冷めきっていたのは通学させられていたせいだ。最初は恥ずかしくてコーヒーの授業にも目をくれなかったが、エドガールのおっちゃんが言うには、最もラテアートがうまい生徒として評価されている。
「あの子って、どんな子なの?」
「葉月珈琲塾の優等生だ。不登校になって入ってきた」
「最初は何も手につかないほど暗い子だったのに、どうしてあんなに変わったんでしょうね」
「学校を離れたからだ。課題がちゃんとできなかったら学校に戻れって言ったら、あっという間にハートのチューリップを描けるようになった」
「余程学校が嫌だったんだね。なんかあず君みたい」
「ほっとけ。でもこれで飯を食えない大人を1人減らせそうだ」
「あたしはその考えには賛同できないけどね」
「賛同しようがしまいが、親と学校が子供の生きる力を摘み取っている事実に変わりはない。本来こういうのは、国がやらないといけないことだぞ」
「勉強はどうするの? 最低限の読み書きくらいはできるようにならないといけないと思うけど」
「それなら習得してるだろうけど、多分大人になった頃に忘れるだろうな。覚えたところで使わない知識は忘れちまうからこそ、大人になってから使う知識を教えてやる必要があるんだ」
どうせ必要に迫られて習得した知識しか身につかないし、大人になる頃に忘れるような知識を習得する必要はない。そんなものは趣味で覚えればいい。古文や漢文と変わらん。
読解力に至っては、みんな小学生で止まってるし、レールは人生を守ってはくれない。
自分で自分を守り抜ける人間を育てるべきだ。ただでさえ親戚たちの面倒を見ているんだ。
これ以上自力で稼げない大人を量産するのだけは勘弁してくれ。
しばらくの間、凜の面倒を見ることになるのであった。
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