274杯目「一件落着の後で」
松田さんたちが帰宅すると、愛梨は肩の荷が下りたかのように、音もなく椅子に腰かけた。
壊れた麺棒は処分してもらい、クローズキッチンにある壁も、壊れた部分を修復することに。
「愛梨、今回は不問にするけど、次は給料から天引きするからな」
「了解っす。チョコをショーケースに並べる時しか出ないから大丈夫っすよ」
「君の大丈夫は大丈夫じゃないから言ってんの。それと、やるからには1番を目指せ。うちの流儀だ」
「それはいいんすけど、大会とかって、出場できる人数に制限があるんじゃないんすか?」
「確かにパティシエの大会は時間を食うから、1社1人までの大会もあるけど、うちの会社でショコラティエは璃子と愛梨だけだし、ショコラティエとしてチョコ作りの腕を競う大会には葉月ショコラに所属する者じゃないと出られないことになってる」
「なら良かったっす。必ず大会で結果を残してみせるっすよ」
両腕を握りながら、ドヤ顔で意気込みを見せた。
ふと、まだうちに就職したばかりの伊織を思い出した。伊織もこんな感じの顔だったなぁ~。あの頃が本当に懐かしい。それが今じゃ、世界を相手に戦うトップバリスタかぁ~。若者の成長は早い。僕もまだまだ負けてられんな。うかうかしていると、こういう連中に会社ごと乗っ取られそうだ。
まあでも、僕以上の成果を上げてくれるなら、喜んで譲りたい。
「あず君、何をそんなに喜んでるんすか?」
「あっ、いや、何でもない。とりあえず問題は解決した。葉月珈琲を代表するショコラティエになってくれることを願ってる。愛梨のチョコは物足りないとこもあるけど、ポテンシャルは十分だ。優子と璃子の両方にスイーツを教えてもらった最初の人でもある。自分で試行錯誤ができる人は必ず成功する」
「お兄ちゃんがそこまで言うってことは、きっと大丈夫ってことだよ」
「あず君が言う大丈夫なら信じるっす」
さっきの言葉を根に持ってるな。蓮と静乃はずっとこの光景を見守っている。
璃子と愛梨が再びクローズキッチンへ戻っていく。僕も後に続き、同じ部屋に入って見物する。今日は指導をするらしい。いつもより余分にチョコが並べられていたが、めっきりと減っている。全部で30種類ほどあるが、今は数種類ほどしか残っていない。
――これが世界一のショコラティエなんだな。
「ねえねえ、愛梨ちゃんがショコラティエを始めたきっかけは何なの?」
静乃がさっきまでの気まずい雰囲気をガラッと変えようと、気さくに話しかけた。
「あず君のバリスタオリンピック優勝の後で、璃子さんがワールドチョコレートマスターズで優勝したのを優子さんから聞いて、璃子さんのチョコを買ってきてもらって、その時に食べたチョコが凄く美味しかったんすよ。何だか優しく包み込まれているような気分になって、忘れられなくなったんすよ」
璃子のチョコに恋をしたか。その気持ちはよく分かるぞ。
「ふふっ、なんか微笑ましいね」
「これは璃子の愛弟子になるべくしてなった感じだな」
「勝手に決めつけないでよ。愛弟子じゃなくて、マスターとして教えてるだけ」
「ずっとそばにいたら、その内可愛がるようになる。まるで親子みたいにな」
「お兄ちゃんに言われたくないんだけど」
璃子が目を半開きにさせ、半ば呆れ顔で言った。こういう時の目は愛梨にそっくりだ。いや、愛梨が璃子に似てきたのかも。優子の影響も受けているし、将来が楽しみだ。ショコラティエとしてはちょっと出遅れた感はあるけど、愛梨も今年で20歳を迎える。嫌でも大人と見なされる歳だ。
「実は前から璃子さんに憧れていて、璃子さんの影響でショコラティエになりたいと思って、基礎からチョコ作りを始めたんすよ」
「私の影響で始めたってこと?」
「はい。できればもっと早く始めたかったんすけど、あの時の私は生き方を迷っていたんすよ。このまま引き籠りとして生きていけば、恐らく安全に一生を終えられるだろうと思っていたんすよ。でもそれじゃつまらないって思う自分もいて、もどかしかったんすよ」
「人と関わるとロクな目に遭わないし、トラブルも多いと思う一方で、人から注目されて、輝く人生も送りたいと思っていた。そうだろ?」
「……はい」
図星を突かれた顔の愛梨が、正直に認めることを恥ずかしいと思いながらも頷いた。
愛梨を見ていると、人が矛盾の塊であることがよく分かる。
璃子は安心したような笑みを浮かべると、重荷を下ろしたような顔で口を開いた。
「そういう気持ちって、誰でも持ってるんじゃないかな。私だって目立ちたくはないけど、私みたいな悩みを抱えている人は他にもたくさんいて、SNSを通して繋がっていくのが楽しいと思える自分もいて驚いた。私も5年ほど前までは同じ気持ちだったよ。でも世界一のショコラティエになるっていう夢を叶えてから、今後の自分はどうあるべきかで悩んだの。悩む時期が来たってことは、自分の人生をちゃんと考えるくらい、長い道のりを歩んできた証でもあるんだよ」
「1番を究めると、そういう気持ちになるんすね」
「お兄ちゃんはやりたいことがいっぱいあったから、私みたいにこれからどうすればいいんだろうみたいな状態にはならなかったみたいだけど」
「いやいや、僕だってこれからどうしようか、悩んだことくらいあるぞ」
「いつもその場その場でやりたいことを思いつける人だって、唯ちゃんが言ってたよ」
「それはおじいちゃんの影響だな。アクシデントが発生した時にも、すぐにアイデアを思いついて対応する柔軟さがあったからだ。生き方は自由だ。引き籠りたかったら引き籠ってもいいし、外に出たかったら外に出てもいい。その時の自分が最も幸せになれる生き方を選んでいけ。別に終身刑になってるわけでもないんだし、もし大会に出たくなったら、考えてくれよ」
「了解っす」
僕の演説のような話し方に、愛梨が笑顔で応えた。
彼女の顔は、昨日までよりもずっと輝いて見えた。まるで怪我から復帰したアスリートのような明るい表情だ。愛梨はもう大丈夫だろう。ここまではおんぶにだっこだったが、きっとそれ以上のものを返してくれると信じている。返せなくても問題はないが、何もできずに終わるタマじゃない。早めに葉月ショコラから徒歩で帰宅し、僕、唯、柚子、瑞浪の4人がかりで4人の子供の面倒を見ていた。
慣れない育児に体力を奪われてクタクタになり、夜は電池が切れるように熟睡するのだった――。
しばらくして美羽が葉月珈琲に勤めるようになると、店内の雰囲気がガラリと変わった。
彼女にとってはこれが葉月珈琲初日だ。タブレット注文が主流となったうちだが、それでも時代の流れに逆らうかのように、タブレット注文に慣れていない客に対しては、アナログな対応ができているのも彼女の特徴の1つだ。早く慣れてほしいとは思うが、焦らなくてもいいのかもしれない。
「なあ、追加でパナマゲイシャの注文を頼むよ」
「じゃあ俺も貰おうかな」
「かしこまりました。パナマゲイシャが2つですね。少々お待ちください」
美羽が笑顔で接客に応じると、釣られるように客にも笑顔が広がった。うちが目指しているカフェの姿だ。最新版に更新すればいいというものではないことを彼女が教えてくれている気がする。
流石は穂岐山珈琲の店舗に務めていただけあって、行動がテキパキとしている。バリスタ競技会に参加していただけあって英語も堪能だし、大学卒業まで英才教育を受けてきただけのことはあると関心すら覚えた。独立やら出産やらでブランクがあると思っていたが、店の仕事はできるみたいで安心した。
「伊織、初めてのマスター代理はどうだった?」
「緊張はしましたけど、いつもあず君の動きを見ていたので何とか最後こなすことはできました。簡単ではないですけど、私にもできる仕事で安心しました」
「そりゃ良かった」
「あれだけ頑張ったのに、それだけですか?」
「伊織だったらできると思ってた。大人ってのはな、できて当たり前って思われる生き物だ。褒められたいなら、今まで以上に成功することだな」
「子供に戻りたいです……」
シュンと落ち込みながら伊織が言った。この諦め顔も凄く可愛い。大人になってもこういうところは変わらずにいてくれると嬉しいな。子供の頃に比べれば、褒められる回数はかなり減るだろう。
できて当たり前が大人の世界だし、そう思われているのは一人前と見なされた証拠だ。ちょっとしたことで褒められてる内は子供扱いされているものと思った方がいい。だからもう……ちょっと何かができたくらいで褒めることはない。伊織は既に一人前のバリスタなのだから。
しかし、大会で優勝は、大人でもなかなかできることじゃない。
他の人にはできないことをした時は、惜しみなく称賛するのが僕の流儀だ。
「そういえば、来週からJCCですね」
「でもさー、確か1社から5人までしか出られないんじゃなかったっけ?」
「そうでもないぞ。今年からルールが変わったからさ。これを見てみろ」
「――あっ、ホントだ」
スマホ画面を除いた千尋が『ルール改定』にあっさり納得する。
今年からバリスタ競技会は方針が大きく変わったのだ。メジャー競技会の国内予選決勝は必ず9月に行われることとなり、次回からのバリスタオリンピックは選考会も本戦も9月に行われることとなる。
JCCは今年のみ、1月と9月に開催されることに。
9月の大会では、来年度の世界大会に向けた国内予選として開催される。
バリスタ競技会の参加方針も変わった。出場するバリスタの数が大幅に増加したことを受け、個人や会社を問わず、制限なしにバリスタが参加応募できるようになったのだ。会社所属の場合は社名を記載する必要があるが、これで社内予選の必要がなくなり、会社が参加者を管理する必要もなくなった。
参加希望者は個人でオンライン応募をするだけでいい。
応募数が定員である1000人を超えた場合、前回大会までの各バリスタ競技会での実績に優れたバリスタが優先され、前回大会で決勝進出を果たしているバリスタについては予選免除となり、準決勝から出場できるようになったのだ。つまり、ファイナリストにさえなれば、次回からは確実に予選免除となり、優勝でなくても、より上を目指す意義が出てきた。
この経緯に至ったのには深い訳がある。各バリスタ競技会は、どれも毎回同じ人ばかりが決勝進出を果たしているという現実があり、JBCに至っては、3大会連続でファイナリストが全く同じという顕著な結果だった。それだけ昔からコーヒーに関わってきた者と、そうでない者との差が激しく、初心者が入りにくい一方でいちいち予選をやらされるファイナリストが不憫だったのだ。
そこで僕がシードを導入してはどうかと世界中のスペシャルティコーヒー協会に意見した結果、改革案が見事に通過し、国内予選上位者には『シード権』が与えられることとなった。
シード権を持つ者は参加登録するだけで予選突破が確定する。言っちゃ悪いが、どうせ強い人が上がってくるのだから、わざわざ予選に参加させる作業自体に無駄を感じたのだ。
「へぇ~、なかなか鋭い指摘をしたねー」
「あず君って、コーヒー業界の御意見番になっちゃってるよね」
「そりゃあず君の一声で1億人のファンが動くんだから、流石に協会も従わざるを得ないよ」
「でもそのルール改定自体は結構良い案だよね。私も次回のJCTCには、準決勝から参加できるっていうことかな」
「その通り。柚子は準優勝だし、次は予選免除だ。予選免除された最初の例だ」
「でもさー、そうなると予選を突破する楽しみがなくなっちゃうと思うよ」
「少なくとも最初は必ず予選を経験できるし、上位者の予選を免除することで、シグネチャーとかを考える時間を更に多く与えられるし、その特権のために多くのバリスタが死に物狂いで上位を狙おうとするわけだ。前回大会までファイナリストになっていた人の内、いつも上位をキープしている人にとっては本戦に集中しやすくなるし、そうでない人には良い餌になる」
「予選突破の枠はどうなるの?」
「今までより狭くなるな。JBCだったら、準決勝に進出が16人から20人まで増えるけど、5人はシードで上がってきた人だ。でも心配する必要はない。それで競争力も上がるし、結果的に優勝しそうな人だけ残るからな」
千尋は納得がいかない様子だ。無理もない。シード権が発生することで、うちのバリスタが予選免除の恩恵を受けやすくなる一方で、大会初心者が入りにくくなる問題があるのだ。
「でもベテランばっかりになったら、歯が抜け落ちるように参加者がいなくなっていくんじゃない?」
「その通り。だからバリスタという職業にプロ契約制度を設けた。コーヒー業界がメジャー業界になっていけば、プロとして大会に出ることにも価値が出てくる。生半可なアマチュアは、予選にさえ姿を現さなくなる。そんな時代がやってくる前に優勝を重ねておくことだな。コーヒー業界が成熟しきった頃には、多分僕らでも優勝するのが難しくなってるだろうし」
「あず君が優勝できなくなったら、もう魔境じゃないですか」
伊織が顔を真っ青にしながら声を震わせる。
自ら勝率を下げる行為をするなんて、ドMの所業としか思っていないんだろうが、それでも優勝し続けることができれば、過去の優勝の価値も証明されるのだから、むしろ望むところだ。
最初から勝つ人が決まってるなんてつまらないだろ。
張り合いがあったっていいじゃねえか。ライバルがいるのは良いことだ。僕にもマイケルという史上最大のライバルがいた。でもあの時以上の死闘は望めないんだろう。
「ああ、魔境だ。僕はな、誰が優勝するのかが最後まで分からない環境が望ましいと思ってる。僕はバリスタ競技会で一度も負けたことはない。でもそれはバリスタ競技会そのものが創成期だったからだ。参加者の個人差も激しかった。競技としてのレベルも低かったし、競技としての歴史も浅いから無敗だったと言える部分も大きい。10年ほど前までは毎日のようにコーヒーに熱心に向き合って、風味という風味を知り尽くしてきたような人自体が珍しかった」
「あず君がバリスタオリンピック選考会に出た時なんか、高校球児の中に1人だけメジャーリーガーがいるような状況でしたよね」
「それは言わないで……お願い」
沈んだ表情の美羽が、落ち込みながらも伊織に懇願する。
「あっ、すみません。美羽さんのことを悪く言ったわけじゃないんです」
美羽の心境に気づいた伊織が慌てて駆け寄った。
「分かってる。だからこそ辛いの……あの時は本当に実力の差を思い知らされた。伊織ちゃんも分かるでしょ。優勝以外の順位で自分の名前を発表される悔しさが……」
「……はい。でも私、バリスタ競技会が魔境になっても、挑戦してみたいです」
「流石はあず君の愛弟子だね」
「何言ってんの。千尋君も伊織ちゃんと同じ舞台で戦う日が来るかもしれないんだから、JCCに向けた練習でもしたら? お店のことは任せて」
「う、うん……そうする」
千尋は吉樹のいるクローズキッチンまで足を運ぶ。
焙煎機を使い、吉樹にアロマやフレーバーを評価してもらっていた。大会当日に使う焙煎機は会場内にあるものの中から好きなものを使ってもいいが、使うコーヒー豆は全員同じである。生き残った者たちが最後に行うこの競技を練習するのは本気で優勝を狙いに来ているということだ。間違いない。こいつはWBCとWCCの両方で制覇を狙っている。
そんなことを考えていたのも束の間、愛梨の件を優子に報告することに。
客足が落ち着いた頃、タクシーで珈琲菓子葉月へと赴いた。葉月ショコラがうまい具合に客足を分散してくれているお陰か、忙しすぎず暇すぎずの状態をキープできている。だが僕らの中からチャンピオンが出てくればまた長蛇の列だ。嬉しい悲鳴だが、コーヒー豆の補給路が心配だ。
「さっすがあず君、愛梨ちゃんの抱えてた問題まで解決するなんてー、凄~いっ!」
僕に正面から抱きつき、柔らかい胸を押しつけてくる。どうにか体を反転させても、背中からべったりと抱きついてくるところはホントに変わってないな。人懐っこいのか気難しいのかよく分からん。
「こうなるように仕向けたのは誰だ?」
「えぇ~、そんなの仕向けてないよ~」
「愛梨から聞いたぞ。どこにも就職できなかったら一緒に引っ越すって」
「だってあの子を引き籠りのまま1人にしておいたら病むよ。精神医学によると、孤独はかなり健康に悪いんだって。だから外に出てほしかったの」
「僕は1人でも大丈夫だけどな」
「――それはあず君が、本当の1人ぼっちを知らないからだよ」
さっきまでの明るい声とは打って変わり、急に暗い声に変わった。優子にはもう両親がいない。
去年6月、あれだけ元気だった優子の母親が老人ホームで静かに息を引き取った。母子家庭になってからも、店と優子を支え続けていたというのに……どうして時間とは、こうも残酷なものなんだろうか。
なのに優子はJCTCに出場し、優勝してしまったのだ。
何という強いメンタルだろうかと、関心すら覚えた。
気まずい。優子のあの落ち込みよう。ずっと堪えてたんだな――。
「お母さんね、ずっと孫の顔が見たいって言ってたの。でも結局見せてあげられなかった。あたしが結婚してもいいって思える人は雲の上まで行っちゃったから。すぐそばにいるはずなのに手が届かない。こうやって抱きしめても……全然手に入れた気がしない」
「……優子、寂しくなったらいつでも戻ってこい。商店街の中じゃ、みんな家族みたいなもんだろ。ずっと生活を助け合ってきたみんなはまだ健在だ」
「ありがとう。でもあたしはここでやるべきことがある。言ったでしょ、あたしはあず君の会社に一生を捧げるって。ここでヤナセスイーツの味をみんなに一通り教えるまでは、ここでスイーツ作りを指導していくつもり。ここにいるみんなが一人前になったら戻ってこようかな。それに、あたしは35歳、結婚はとっくに諦めてるから安心して」
「元から誰とも結婚する気なかったくせに」
「それはあず君も同じでしょ。愛梨ちゃんのこと、ありがとね。ああでも言わないと、あず君動いてくれないかなって思ったの。でもこれで安心した」
「前々から思ってたけど、優子は本当に策士だな」
「策士にでもならないと生きていけなかった。あず君にも心当たりあるでしょ」
言いたいことは分からんでもない。賢くなければ潰される。
でも僕を巻き込むのはやめてくれ。心臓に悪いから。
こういうところは幼少期から全然変わってない。持ち前の美貌と話術で、みんなを手の平の上で操っていた商店街チルドレン最強の策士……いや、世界一の策士かもな。人を使って別の人を動かすことにおいては超一流だ。そんな彼女を見る度に思う。敵に回さなくて良かったと。
「じゃあ、あたしはユーティリティーたちの修業があるから。また5月に会おうね」
優子はクローズキッチンへと引っ込んでいった。
会える前提かよ。でも……それだけ信頼されてるってことだよな。そんなことを考えつつも、優子が丹精込めて作った珈琲菓子葉月の看板メニューを土産に買って帰宅する。
だったら望み通り会ってやるよ。来週は全力で戦うまでだ。
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