248杯目「次世代のスター」
――コーヒーイベント2日目――
JBC決勝の日が到来した。
今度はちゃんとしたジャッジをしてもらいたいが、またあいつらが良からぬことを考えていないとも限らない。うちからJBCの決勝へと駒を進めたのは千尋のみ。
午前10時、千尋は最終競技者であったため、競技は午後から始まる。この日は彼に同行していた明日香が彼のサポーターとしてステージに上がることに。
この日も杉山親子が観客として最後尾の列に堂々とした顔で座っている。
もし就職なんてしていたら、趣味の悪いクソッタレな連中に見下されながら日々を過ごすことになっていたと思うと怖気が走る。仕事しないで暮らしている人はマジで誇っていい。
「約束は覚えてるよな?」
「おやおや、葉月社長じゃないか。もちろん覚えてるよ。千尋君が優勝できなかった場合は、千尋君にはうちの娘と結婚してもらい、葉月珈琲からも退社させてもらう約束だろ」
「千尋が優勝できた場合は、二度と僕の身内と村瀬グループには手を出さない約束でもある。何ならこっちで契約書でも作ろうか?」
「いや、その必要はない。私は人との約束は守る主義でね。たとえ口約束だろうと約束は約束だ。そこは心配しなくてもいい」
「昨日何者かがセンサリージャッジに千尋のスコアを低く操作するよう脅されていたことが発覚した」
僕が言った瞬間、杉山社長は無反応だったが、杉山はハッとした目で口を開け、疑いの眼差しで僕を見つめた。今にも厚化粧がボロボロに剥がれそうな顔だ。初めて聞いたかのような反応だし、てっきり2人してこの計画に加担しているものとばかり思っていたが、そうではなかったようだ。
「まさか私を疑っているんじゃないだろうね?」
「あんたがやったっていう証拠はどこにもない。でも動機は十分だ。もしあんたの仕業と分かった時は無条件でこっちの要求を飲んでもらう」
「私は潔白だ。そんな薄汚いことをするはずがない」
「僕もそうだと信じてる。真実が明らかになるまではな」
観客席に戻ろうと、この場から離れた。
「あの、少しよろしいでしょうか?」
試合までまだ時間があったため、各ブースの中を歩きながらコーヒーを飲んでいる時だった。
僕の後ろから聞き覚えのある声が聞こえた。振り返ってみると、ヘッドジャッジの山川さんが佇んでいる。今回千尋のヘッドジャッジを務めるのは別の人らしい。
「何か分かったの?」
「昨日内海が全てを白状しました」
「取引の相手は?」
「正体は不明ですが、何者かの下っ端のようでした」
「そいつをとっ捕まえて全部吐かせればどうにかなりそうだけど……内海さんはどこにいるの?」
「内海なら控え室にいると思います。でももうすぐ競技が始まりますから、内海に直接会うのは後にしてください。では、私はこれで」
そそくさに山川さんがジャッジの控え室がある方向へと去っていった。
まさか千尋の賭けがこんな事態を引き起こすとは思ってなかった。一応釘は刺しておいたが、このまま黙って見ているような連中であれば、ここまではしなかっただろう。
昨日、内海さんから色々と話を聞いていた。内海さんは身内の手術のために借金を抱えており、生活費を稼ぐので精一杯な状況だった。足を見るように現れた杉山グループの下っ端に唆され、借金を返せるだけの報酬と引き換えに不正ジャッジをするよう言われたが、奴らの目論見は失敗した。決勝でも同様に不正ジャッジをするよう、正体不明の何者かが現れるはずだ。そこで僕は昨日の内に隠しカメラを内海さんの控え室に設置し、内海さんには隠しカメラの正面に取引相手を誘導するよう言っておいた。
朝早くから現れ、同様の要求をするなら、きっともう現れているはずだ。
しばらくして内海さんからメールが届いた。取引相手との話が終わったようだ。
僕は隙を見て内海さんの部屋へと赴き、隠しカメラを回収してから映像を調べた。カメラ時間は午前8時20分、まだ運営の人たちがここに来たばかりの時間だ。僕が言った通り、内海さんは取引相手の顔の正面にカメラが来る席に誘導してくれていた。
ビンゴ。カメラの画面には犯人の顔がくっきりと映っていた。取引相手は頭の禿げた中年の男で酷く痩せこけている。ひらひらとしたカジュアルな青い服と黒いズボンが特徴だ。
後はこいつを捜すだけだ。内海さんには昨日の不正ジャッジの分を含めた報酬を後で渡しに来るよう伝えさせている。犯人はまだこの会場の中にいる。特徴が特徴だし、すぐに分かるはずだ。
千尋の競技時間が一刻一刻と迫ってくる。だが競技に構っている暇はなかった。
会場内で取引相手を見つけて素性を聞き出せば、それが証拠になるはずだ。
まるで監視カメラのように目をキョロキョロとさせながら会場内の人という人を見て回った。タイムリミットは千尋の競技が終わるまで。捜し出して証拠を掴めれば、結果に関係なく無条件降伏に追い込める。それまでに捜し出せなかった場合は……千尋の優勝に全てを賭けるしかなくなる。
僕としては証拠を掴み、二度と手出しができないようにしたいところだ。
いくら会場内を探しても見つからない。ここは優子と柚子に伝えるか、手分けして探してもらおう。
「なるほど、それで犯人を捜し出してから無条件降伏させるわけね」
「千尋の順位が確定してからじゃ遅いから、早く見つける必要がある」
「でも千尋君が優勝した場合は、犯人を捜す必要なくない?」
「あのジャッジの中に、杉山グループとの取引に応じた人がまだいるかもしれないし、そうなると千尋の優勝が危うくなる。杉山社長と杉山には一応釘を刺しておいたけど、まだ懲りてない可能性がある」
「そこまでして結婚させたいものかなー」
「でも杉山は計画を知らなかったみたいだ」
「知らなかったってことは、杉山社長単独の企みってこと?」
「可能性は高い。奴らは強引な手段でのし上がってきた連中だ。これで終わるとは思ってない。今日の結果発表が終わるまで、油断は禁物だ」
「文字通り、千尋君にとっては審判の日かもね。分かった。あたしも一緒に捜してあげる」
「私も協力させてもらうね。あず君のお陰で、次の夢が見つかったし」
柚子が天使のように微笑みかけた。
こんなに健気で可愛い子がモテないなんて間違ってる。
いや、可愛いからこそ、高根の花と見なされていると思いたい。柚子は歳なんて関係なく愛されるべき存在だ。千尋は未来のコーヒー業界を牽引していく逸材である。今彼を失うことはコーヒー業界を事実上リードしている葉月珈琲にとっては大きな損失だ。あいつらのくだらないトレンドのために僕らの未来が失われることなどあってはならない。この日はまさしく、審判の日以外の何ものでもなかった。
僕、伊織、優子、柚子の4人は取引相手の写真をスマホで共有し、キョロキョロとハンターのように広い会場内を探し回ったが、それでも一向に見つからない。毎年行われるこのコーヒーイベントだが、バリスタオリンピック2015東京大会以降はコーヒー人気に拍車がかかり、今までコーヒーにそこまでの興味を示さなかった人たちまでもがコーヒー業界に参戦するようになった。昔よりも会場の広さが段違いとなっており、数年前の何倍もの広さを誇る大規模なイベントとなっていたのが仇になった。
しばらくの時間が経ち、時刻は正午を過ぎた――。
千尋の競技時間が迫ってくる中、僕らは焦りを隠せなかった。
1秒毎に全身の血液が沸騰しそうになる。既に第5競技者が競技の準備を始めてしまったのを確認してからは焦りが顕著に表れた。千尋もスタッフの案内で明日香と共に参加者の控え室へと引っ込んでしまったし、このまま捜し出せなければ、千尋の優勝に全てを賭けるしかなくなる。
内海さんが準決勝での不正を行ったという嘘の弱みを握られ、相手の脅しに屈してしまう可能性を考えれば、やはりここは取引相手を見つけ出し、不正の証拠を掴むのが確実な方法だ。
千尋の準備時間が始まったところで、僕らは再び集合した。
「やっぱ見つけるのは無理かー」
「まだ諦める時間じゃないでしょ。あず君はそんなにすぐ諦める子だったっけ?」
「僕だって諦めたくはないけど……」
「内海さんが千尋君の競技を終えたら、もう一度会うことになってるんでしょ?」
「その時にはもう結果が出てる。一応内海さんには、うちが借金を肩代わりする代わりに、絶対に裏切らないように言っておいたけど、もし千尋が優勝してしまった場合は、虚偽の報告を理由に協会を追われることになる。次の就職先まで面倒を見てやらないとな」
「そこまでしてあず君が面倒を見る理由は何?」
「この問題が発生したのは、杉山グループへの牽制を怠った僕の不手際でもあるし、何よりコーヒー業界の未来を懸けた戦いでもある」
大いなる力には、大いなる責任が伴う。
僕はコーヒー業界の顔として、この業界に入り込んだ異物を取り除く責任がある。肝心な時に責任を取れないようでは……どんな業界であれ、人々を引っ張っていくのは難しいだろう。
「あれっ、伊織ちゃんどこ行ったのかな?」
優子が伊織の不在に気づいた。そういや伊織の姿がない。
メールを見てみると、伊織からのメッセージが届いていた。
『ブロックBのウガンダコーヒーのコーナーにいましたよ。あず君は来ない方がいいかもしれません。かなり警戒している様子でした』
相手側も感づいていたか。杉山社長が取引相手にメールを送った可能性が高い。
仮に僕の姿が見えたら、すぐ退避するよう言われていたとすれば――。
「ちょっと行ってくる」
「私たちは行かない方がいいんじゃないの?」
「伊織にスマホをスピーカーモードにしてもらうようメールを送っておく。その上で取引相手にさりげなく話しかけてもらう」
「あぁ~。それなら近づかなくても話を聞き出せるし、録音もできるね」
「そゆこと」
早速伊織が見張っているブロックBへと足を運んだ。
伊織が中年の男と話をしているのが遠目からでも分かる。
こうして見ると、何だか親子みたいだ。伊織は相手が不正の取引相手であることを知りながら包み込むような可愛らしい笑顔で、純粋無垢な子供を演じるように話しかけている。伊織はもう19歳だが、外見はまだ10歳くらいで、子供っぽいところがあの人の警戒を解いたんだろう。
柚子と優子にはJBC決勝が行われる観客席へと戻ってもらった。
『あの、あなたもコーヒー好きなんですか?』
『うん、そうだよ』
『私もコーヒー大好きなんです。いつか私も、こういう舞台に自分のブースを設けて、カフェを出店したいと思ってるんです』
『へぇ~、夢があるねぇ~』
『おじさんにも夢はあるんですか?』
『あー、ないない。私は生まれた時期が悪かったからねー。もう少し早く生まれてたら、良いところに就職できてたんだけどねー』
中年の男が言いながらため息を吐いた。
どうやら犯行自体は自分の本意ではなさそうだ。生まれた時期が悪かったということは、恐らく氷河期世代だ。後はどこのパシリであるかをハッキリさせたい。
すると、伊織が僕の意図を汲み取るかのような質問をした。
『おじさんはどんな仕事をしてるんですか?』
『えっと、会社員かな』
『コーヒー会社ですか?』
『いや、大手のグループ企業。まあ普段は末端の仕事なんだけどねー』
『普段はどんなものを売ってるんですか?』
今度は核心に迫る質問をした。中年の男はハンカチが必須になるほど汗だくだ。
ITなら相川グループ、酒造なら村瀬グループ、居酒屋なら杉山グループあたりか。
『普段は宿泊業の売り込みとかかな』
『宿泊業ってことは、虎沢グループとか?』
『いやいや、あそこはもう潰れたよ。今は杉山グループだよ』
中年の男がクスッと小馬鹿にするように笑いながら言った。
犯人確定だ。子供らしい天然さに気を緩めたのが敗因だ。伊織を知らないことからも、コーヒーには微塵も興味がないことが窺える。嘘で塗り固めた人生も年貢の納め時だ。
取引相手の顔とも見事に一致している。だがこいつを突き出したところで、杉山社長は知らぬ存ぜぬを貫こうとするだろう。後は中年の男と杉山社長の通信記録さえあれば、確実な証拠として突きつけられるのだが、ここまではスマホを盗んだりしない限りは流石に難しい。
どうすれば……どうすればいいんだっ!
『あの……大事な話があるんです』
『大事な話?』
『はい。9年前の話なんですけど、実は何の罪もない1人のバリスタが……あるグループ企業に貶められたことがあったんです』
伊織は悲しそうな顔で訴えかけるように、僕のあの出来事を話した。
中年の男は共感を装い、うんうんと頷きながら伊織の話を聞いている。もう同じ過ちを繰り返すなと遠回しに伝えている。中年の男は自分がしている過ちが9年前のものと酷似していることを自覚する。
『だから私、二度とあんなことが起こらないようにするためにも、コーヒー業界の地位を上げていく必要があると思ったんです。皮肉な話ですけど、その出来事を聞いたことが、私がバリスタ競技会に参加するようになったきっかけだったんです』
『コーヒー業界に対する想いが強いんだねー』
『はい。なのでもしコーヒーに興味があるなら、おじさんも協力してくれませんか?』
『……ああ、別にいいよ』
伊織から目を逸らしたまま返事をした。だが残念、もう時間切れだ。伊織に全てを任せ、千尋の競技が始まる前に観客席へと戻った。こうなったらもう千尋の結果に全てを託すしかない。
「最後の競技者です。第6競技者、株式会社葉月珈琲、喫茶葉月米原市本店、村瀬千尋バリスタです」
拍手に応えるように、千尋が両手を振った。
装着した小型マイクテストをしてから定位置に立ち、深く息を吸って静かに吐いた。
「始めます。僕は最初にコーヒーを飲んだ時から、バリスタを目指したいと思っていました。今回主に使用するコーヒーは、パナマ、ブリランテ・フトゥロ農園、スーパーナチュラルプロセス、ゲイシャのコーヒーです。今回は僕がバリスタを目指すきっかけとなったコーヒーを紹介します」
まるで杉山親子に訴えかけるように、自分が何故バリスタを志したのかを丁寧に説明しながらシグネチャー用のコーヒーを抽出する。これは自分なりのあいつらに対する抵抗のように思えた。それであいつらに対して響くとはとても思えないが、何もしないよりはマシか。
手早い動きでオートタンパーを使い、エスプレッソを4杯抽出する。
今やうちのコーヒー農園の中で最も広い面積を誇るようになったブリランテ・フトゥロ農園では採れた生豆が様々なプロセスで独特の個性を持ったコーヒーとなり、葉月珈琲を始めとした世界各国のコーヒー会社へと輸出されるようになっている。2011年以降はコーヒー豆の品評会で度々優勝を重ね、2015年に最優秀コーヒー農園賞を受賞した。千尋はその中でも印象に残ったコーヒーを選択した。
「砕いたコーヒー豆の粒度を細かくすることで、濃厚な味わいが楽しめます。エスプレッソでは、柑橘類のフレーバーが強く感じられます。フレーバーは、ウンシュウミカン、オランジェット、アフターはハニーシロップ、チョコレートを感じます。ミディアムウェイト、クリーミーテクスチャー、ロングスイートフィニッシュです。スプーンで5回混ぜてからお飲みください」
フレーバーからタクタイルまでの説明が終わると、抽出したエスプレッソをセンサリージャッジに配っていき、拍手が送られた。センサリージャッジの1人である内海さんは入念に味わった。
エスプレッソを少しばかり口に含むと、何も言わずスコアシートに記載していく。
「ミルクビバレッジでは、このエスプレッソに高温殺菌した脂肪分が多めの牛乳を加えることで、コーヒーが持つフレーバーを開花させていきます。このコーヒーは混ぜる牛乳が脂肪分の多いものであれば濃厚で深みのある味わいになると分かり、数ある牛乳の中でも、生クリームなどに使われている粘性に優れた牛乳を使っています。このコーヒーのフレーバーは、ココア、アールグレイ、アフターはブルーベリーヨーグルト、チョコバナナアイスクリームを感じます。5回混ぜてから飲んでください」
カプチーノの提供と共に拍手が送られた。ここまでの提供と説明で10分が経過した。
残る課題はシグネチャービバレッジだが、あの複雑なフレーバーをよく説明できたもんだ。
JBCではバリスタが必ずフレーバーを宣言しなければならず、宣言した通りの味であれば加点され、違う場合は減点されるため、フレーバーを読み取る能力も問われている。ただプレゼンを行うだけでなく、競技者自身がコーヒーの特徴をしっかりと把握しているかも見られている。誰かの受け売りじゃまず勝てない。プレゼンを自分のものにできているかが問われている以上、模倣するだけの人間は、この世界でまず通用しないのだ。
「シグネチャービバレッジでは、このコーヒーが持つ個性を存分に発揮するべく、様々な食材と混ぜ合わせていきます。このパナマゲイシャを大学教授の酒井田教授に調べてもらったところ、柑橘類に代表される成分であるクエン酸が、他のコーヒーよりも多く含まれていることが判明し、このコーヒーのメインフレーバーがオレンジであることが分かりました。そこでまずは先ほど抽出してから急冷したエスプレッソ4ショット分に、柑橘類をイメージしたオレンジマーマレードを絞って、ニホンミツバチから採れた蜂蜜と混ぜて作ったオレンジシロップを加えます」
エスプレッソをマグネチックスターラーで自動撹拌し、そこに他の食材を混ぜ合わせていく。
まるで化学実験のような光景だが、コーヒーとは化学である。
オレンジシロップに加え、コーヒーとオレンジの皮とさっきの牛乳を加えてから抽出したコーヒーのホエイを加え、全体の質感を底上げする。更にそれをバキュームブレンダーでよく混ぜ、コーヒーに含まれる二酸化炭素を取り除くことで、シルキーなテクスチャーとなる。
黄土色になったシグネチャーを4つのシャンパングラスに均等に注いだ。
「最後に香りづけをします。オレンジジュースをこのドライアイスに入れて作ったオレンジスモークを容器に注ぐことで、アロマをより豊かにしてくれます。シグネチャードリンクのフレーバーは、ベルガモット、イエローピーチ、アフターにはミルクチョコレート、ローヤルゼリーを感じます」
豊かな香りを含んだ煙がシャンパングラスから噴き出る様は、まさにマジックショーのようだった。
センサリージャッジはポーカーフェイスを貫きながらも、参加者のようにコーヒーを楽しんでいるようだ。提供と共に拍手が送られると、千尋は残り時間を最後に使った場所の拭き掃除に費やした。
コーヒーの提供は大成功に終わった。彼のプレゼンからは、新たな舞台に飛び立ちたい想いがメッセージとして確実に観客たちの心に強く伝わっていた。
「僕はコーヒー業界の行く末を見守ると共に、認めてくれた居場所で生きていき、新たなコーヒーの創造に携わっていきます。終わります」
昨日の準決勝では余裕がなく、シグネチャーの提供と同時に競技を終えていたが、この時の千尋は最後に訴えるような言い回しで競技を終えると同時に杉山親子を睨みつけた。
時間はジャスト15分、これを言うためだけに作業を急いだようだ。
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