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社会不適合者が凄腕のバリスタになっていた件  作者: エスティ
第8章 バリスタ社長編
194/500

194杯目「作り手の真心」

 伊織の御膳立てに乗る形でエスプレッソマシンの前に立った。


 着替えを済ませ、いつでもポルタフィルターを拭けるよう、タオルを腰回りに装備する。


 開店と共に客が続々と雪崩のように押し寄せてくる。あっという間に長蛇の列ができると、僕は注文されたコーヒーを次々と淹れていく。課題となるコーヒー10種類を注文するように誘導し、次々と実行していく。コーヒー豆は用意されたものを使い、1杯分のコーヒーを作る。


 ジャッジがいるテーブルに提供する。3人のセンサリージャッジがスプーンでテイストを行い、2本以上のフラッグが上がったバリスタの勝ちになるのだが、3人はヘッドジャッジも兼ねており、味に加えて動きの一貫性や速さなども考慮に入れながらフラッグを上げている。昔出場したCFL(シーエフエル)を彷彿とさせるが、主な違いは勝負の直前まで課題が分からないという点だ。


 3分という制限時間つきであるため、それを意識しながら迅速かつ正確に対応する。


 さながら受けた注文をすぐに作り、提供するバリスタのようだ。いつも通りで大した差はない。この大会は普段どれだけ質の高い仕事をしているかが問われていることに気づく。やっぱり練習は大事だ。伊織はこの1年で大幅に成長した。バリスタとしても、サポーターとしても、人としても。


 成長を実感するだけで、つい頬が緩んでしまう。


「カプチーノとマキアートをお願いします」

「よしきた。待ってて」

「凄いです。とても速いですね」

「まあな。これくらいなら伊織もできるようになる」

「練習すればできますか?」

「ルーチンワークだから、練習すれば誰でもできる」


 誰でもできることに価値はない。作業を効率化する仕組みも、いずれ無意味になる。


 大会中は抽出もタンピングも自分で行うことになる。自動化されたシステムを導入している店が少数派だからだ。懐かしいけど、多分、自力で抽出からタンピングまでするのはこれで最後になりそうだ。そう思うだけで時代の変化を感じると共に、侘しい気持ちになってくる。いつかはこれが懐かしいと思える日がやってくるのかな。時代が変わりきる前に、色んなエスプレッソマシンを試してみるか。


「伊織、今の内にちゃんと見とけよ」

「はい。大会に出てる時のあず君もそうですけど、練習中のあず君を見れるのって貴重ですよね。普段はこういうの全然動画化されませんし」

「じゃあ動画に撮ってみるか?」

「そうしたいところですけど、カメラ持ってきてませんね」

「スマホで十分だ。今は何でもスマホでできる。ジェフに許可を取って撮影させてもらうか」

「じゃあ、早速持ってきますね」


 伊織は意気揚々と部屋に戻っていく。しばらくしてスマホを持ってくると、ジェフに許可を取って僕の撮影を始めたはいいが、満員になっている手前、伊織が働かないわけにもいかないため、スマホはその場に立てた状態で固定する。こんな機転の利いたことができるとは、やはり僕が見込んだだけのことはある。僕はドリンク担当であるため、当然コーヒー以外のドリンクも作るのだが……。


 10種類どころか……20種類を超えていた。


「あのさ、今日の昼飯だけど、僕に作らせてもらえないか?」

「あず君が作ってくれるの?」

「うん。昨日と同じメニューを作る」

「それは楽しみだ。味の違いが露骨に出そうだし」

「でもホントにできんのか?」

「まあ見てなって」


 昨日作ったメニューを片っ端から調理する。


 分量がいつもと全然違うのか、イアンもリチャードも驚いている。


「その量だと味が薄くならないか?」

「デミグラスソースは元から濃いめの味だからこれでいいんだ。ていうか昨日あんたらの調理を見てたけどさ、いつもあんな調子でやってるのか?」

「ああ。ここの人は濃いめの味が好きだから、分量はいつもたっぷりだ」

「それじゃ健康に悪いし、味の濃いものを食べ続けると、舌が麻痺を起こして、薄味のものを食べた時に物足りなさを感じやすくなるんだぞ。どうりで太ってる人が多いと思った。いいか、ただ客の好みに合わせりゃいいってもんじゃない。料理人は美味いものを出すだけじゃなくて、客の健康に配慮したものを提供する責務があるんだぞ」

「そんなの客に伝わるかよ」

「そうそう。それに俺たちの賃金には、そこまでの仕事は含まれてない。俺たちは食っていくので精一杯なんだ。最近は移民の連中に仕事を奪われるし、そんなことを考えてる余裕はねえよ」

「そう言ってやるな。あんたらがめんどくさがってやらない仕事を移民が引き受けてるんだ。あいつらの待遇知ってるか? あんたらの倍も働いてんのに、給料はあんたらの半分だ。仕事と賃金は必ず比例するわけじゃない。だからあんたらが仕事の質の割に給料を貰いすぎている可能性だってある。貧困から脱出したいなら、まずはそのいい加減な仕事を改めることだな」


 咎めるように言うと、2人はタジタジな様子で呆れている。


 呆れたいのはこっちの方だ。そんなんだから移民に仕事を奪われるんじゃねえのか? 賃金がどうだろうと関係ねえ。最高の仕事ができない奴に働く資格はない。


 どこの国でも一緒なんだな。貧困者ほどモチベーションが低い。


 賃金以上の仕事はしたくない……か。言いたいことは分かるけど、最低限の仕事しかしない奴はいずれ淘汰されていく。こいつらはとりあえずできることしかしようとしていない。仕事は本来スキルを習得するためにやるものだが、こいつらの場合は最初っから生活が目的になってしまっている。


 それだと新しい技術革新がやってきた時、真っ先に淘汰される。


 そんな体たらくで移民を恨むのはお門違いだと思うが。大体仕事を奪われたくないってんなら、みんなができないような仕事をこなして差別化を図るくらいしてみろってんだ。


 イアンとリチャードは席に着くや否や、伊織に愚痴を言い始めた。僕はその間にも淡々と調理をこなしていく。いくつもある鍋やフライパンを使い、イギリス料理を次々と調理し、提供していく。ていうか焼いたり煮たりする料理が多いな。これは恐らく生で食べるのが危険と見なされている影響だろう。


「よくあんな偏屈な奴のサポーターなんてやってられるよな」

「全くだ。俺はあいつにはついていけねえよ」

「彼は曲がったことが嫌いなんです。何事にも全力な人ですから、中途半端に生きている人を見ると、イラついてしまうところがあるんです。でも私はそんな彼が好きなんです。不器用だけど真っ直ぐで、本質を見落とさない目を持っているんです。意欲を失うことなく、何度でも実験につき合う粘り強さも持っています。だから彼は……ずっと勝ち続けてこれたんです」


 イアンもリチャードも伊織の話を真剣に聞いている。


 まだまだカタコトだけど、2人は僕の話よりも伊織の話にずっと夢中だ。何でこうも伊織の方が話がうまいんだろうか。波長を合わせるのがうまいというか、やっぱ笑顔なのかな。


 それにしても、コーヒーにだけ集中しているかと思いきや、ちゃんと僕のことも見てたんだな。仮にもずっと一緒に仕事をしてきたのだから、当然と言えば当然か。


「できた。これが正真正銘のバンガーズ&マッシュだ」

「「「「「おお~っ!」」」」」


 僕以外の全員が一斉に驚いた。見た目からして全然違うからだ。


 それぞれが自分の分を取り分け、評論家のように食べている。


「これ凄く美味いね。食材変えたの?」

「全く一緒だ。変わってるのはソーセージの火加減とマッシュポテトの潰し具合だ。グレイビーソースは少し味を薄めにした。その方がジャガイモの風味を感じやすいからな」

「何だか別の料理を食べているようだ。マッシュポテトの柔らかさにも全くムラがないし、ソーセージの焼き加減も絶妙で食べやすい」

「もしかして、イギリス料理を作り慣れてるのか?」

「作ったのは初めてだ。食べる側の気持ちになって考えれば、これくらいできるはずだ。忙しいのは分かるけどさ、それは妥協してもいい理由にはならないぞ」


 昨日食べたバンガーズ&マッシュは、ソーセージの火加減にもマッシュポテトの柔らかさにも明らかなムラがあったし、ジャガイモの皮も所々に残っていた。


 急いで作った感が味に表れていた。正直に言えば、店に出していいものじゃなかった。


「これくらいのものを作れば、もう少し値上げしても文句は言われないと思う。どうしても今のやり方をやめないならそれでもいいけどさ、中途半端な仕事をしてると、死ぬ時後悔するぞ」

「「……」」


 氷のように冷たい声で言うと、2人が押し黙ってしまった。


 成功するチャンスを掴みたいなら、まず目の前の仕事を一切の妥協を許さないくらいのつもりで一生懸命やるべきだ。そうやって力をつけていくことでチャンスが転がってくる。


 こいつらは成功したくても具体的な方法が分からない。今の仕事が好きかどうかさえ分からないし、試行錯誤中なのは分かるが、目の前の仕事さえ満足にできないようじゃ、チャンスが逃げてしまう。


「ジェフ、何で2人に文句の1つも言わないわけ?」

「今のご時世じゃ、都市部の郊外で料理人をやってくれる人なんてなかなかいないんだよ。あず君は知らないかもしれないけど、国力が下がってるのは日本だけじゃない。イギリスも貧しい人が増えてる。あの2人もそうだけど、大半の人は仕事において10段階の達成度の内、良くて7段階くらいまでしかやらないもんだよ。それ以上やっても給料を上げられない」

「だったらさ、ここをまたホテルとして復活させて、ここにしかない名物を作ったら?」

「難しいことを言うねぇ~」


 ジェフも困った顔だ。先代の飯はもっと美味かったし、客も多かった。料理人は先代たちがいなくなった後、繰り上がりで見習いだった2人が担当するようになった。客が減ったのはそれからだろう。


 そんなことを考えながら、ここでの日々を過ごした――。


 大会当日の朝、僕と伊織は呼んだタクシーで会場まで赴いた。


 レストランの中にあるテレビには大会の様子が映されることになっている。バリスタオリンピックの時も毎回テレビの前に集まった客が様子を見守っていたらしい。


「手ぶらで行けるのは、この大会の良いところですね」

「そうだな。道具も食材も運営側が会場用のオープンキッチンに用意してくれるし、参加者は食材のある場所を覚えるくらいしかすることがない」

「間近で見る方が臨場感があって面白いと思いますけどね」

「あいつらは仕事があるからしょうがねえよ。ほとんどの店は定休日以外休む余裕なんてないし、うちが恵まれているだけだってことが、よく分かっただろ」

「はい。みんな生活のために仕事をしているんですね」

「今気づいたの?」


 ふと、横を見てみれば、隣の席には愛想笑いを浮かべる咲さんの姿がある。


 どうやら本当に知らなかったらしい。ずっとうちのことしか知らなかったし、無理のない話だ。もう少し外の世界を味わった方がいいのかもしれん。


「私はみんな好きなことを仕事にしているものだとばかり」

「好きなことを仕事にしてる人は少数派だ。でもそれじゃ駄目だ」

「どうしてですか?」

「これから先は定年がなくなる。この前ジェフが日本もイギリスも国力が弱くなったって言っただろ。国力が弱くなるってことは、年金に頼るのはやめた方がいいってことだ」

「つまり、どういうことなんですか?」

「自力で好きな仕事をして稼げってことだ」


 定年がなくなるってことは、死ぬまでずっと仕事を続けないといけないってことだ。


 ずっと仕事を続けるなら、好きな仕事の方が良いに決まっている。仮にそれで社会が回らなくなるというなら、その程度の社会だったということだ。


 それにしても、ジェフも咲さんも、あの2人を雇い続けるのだろうか。


 昨日は料理の味をさりげなく客に聞いてみた。


 すると、案の定先代の時よりも味が落ちたと語る者が多かった。ジェフたちに伝えなかったのは彼らを気遣っていたからだろう。僕だったらまず耐えられなかっただろう。


 イギリス料理が不味いとされる理由は食材のせいじゃない。産業革命以降、料理への意識が一気に薄れていき、食えればそれでいいと考える人が増え、食事をガソリンくらいにしか思わなくなった影響が大きい。食に対する意識が低く抑えられ、文化的背景も手伝い、食に意欲を燃やす人が少ないのだ。


「イギリスで美味しい料理を広めるのが無駄な気がしてきました」

「そうでもないぞ。食の素晴らしさを広めていけば、滅茶苦茶良い商売ができる。飯の種はどこにでも転がってる。言っただろ。何でもビジネスになるって」

「あず君の思考は怖いものなしですね」


 伊織が少しばかり笑みを浮かべながら答えた。


 あぁ~、守りたい、この笑顔。


 ミラー越しに見えるタクシーの運転手も嬉しそうだ。


「あんた、アズサハヅキだよな?」


 40代くらいのタクシー運転手の男が話しかけてくる。シーザーカットの金髪に、誠実そうで嫌みのない笑顔だ。日本だったら真面目に仕事しろよと言われているところだ。


 これくらいのユーモアはあっていいと思う。


「ああ。今から大会の会場に向かうところだ」

「アズサといえば、バリスタ競技会だもんな」

「やっぱそのイメージあるんだな」

「今はコーヒー業界のために大会に出続けてるんだってねー。大したもんだ」

「コーヒーは僕に全てを与えてくれた。富も名声も仲間も与えてくれたけど、貰って1番嬉しかったのは生きる力だ。僕は生きる力を他の人にも分け与えているところなんだけどさ、不思議なことに、いくら与えても、減るどころか増えていくんだ」

「奪い合えば足りず、分け合えば余る。世の中ってのは、よくできてるもんだ」


 初対面なのに全く緊張しなかった。そればかりか、大会前の緊張が解れている。


 自動運転が導入されれば、タクシー運転手は廃業するだろうが、これだけみんなに笑顔を分け与えられるこの人なら、きっと時代が変わっても生きていける。そんな気がした。


「着いたよ。優勝目指して頑張れよ」

「ああ、ありがとう」


 いつもより大目にチップを払ってしまった。


 本命はチップの可能性もあるが、それでも良い仕事をしてくれた人には、相応の報酬が払われてしかるべきだ。会場には多くの人が集まっている。何でも、コーヒーフェスティバルというイベント内で行われる大会であるとのこと。伊織は僕から離れないよう、くっついたまま一緒に会場内を歩いた。


 最終登録を済ませ、午後までは好きに過ごしていいとのこと。ここの飯でも堪能するか。ドーム球場のような会場にはたくさんのブースがあり、コーヒー関連の商品が販売されている。


 イベント限定のコーヒーも販売されており、僕も伊織も今にも涎が垂れそうなまま、色んなブースを夢中になって回りながら商品を見つめている。


「――これ美味しいですね」

「凄くフルーティだ。まるでゲイシャみたい」

「君、まだ小学生なのに、コーヒーの味分かるの?」

「小学生じゃないです。一応これでもバリスタやってます」

「えっ、そうなの?」

「ああ、将来の天才バリスタだ。よーく覚えとけ」

「ふーん、それは楽しみだね」


 ブースにいる人は接客に慣れているだけあって人当たりが良い。


 何だか唯や伊織の接客に近いものを感じた。CGM(シージーエム)は午後から予選が各ブースで行われ、8つのブロックに10人が分けられる。総当たり戦を行い、各ブロック成績上位2人がベスト16に進出し、トーナメント戦を行う。いつも以上に気が引き締まる思いだ。


 緊張することに対して負い目はない。むしろ楽しいと思っているくらいだ。


「10人で総当たり戦ということは、9回も勝負するんですか?」

「うん。予選突破は上位2人だから、7勝2敗がボーダーってとこだな」

「厳しい戦いになりそうですね」

「僕はこれ以上に厳しい戦いを知ってる」

「ですね」


 朝早く起きるのが珍しかったのか、いつもより眠気があったが、ここでコーヒーを飲んだことで眠気も吹き飛んだ。伊織は周囲にいたイギリス人のコーヒーファンに話しかけられ、情報交換をしている。


 時々微笑みながら受け答えをする姿勢に、相手も思わずうっとりしている。愛嬌があるのはいいが、誘拐されないようにちゃんと見張っとかないと。僕も有名人だし、周囲に人だかりができている。集団は苦手なはずだったのに、今じゃそれを苦にしていない。伊織もかつては人見知りだったが、今ではしっかりと1人1人の相手と向き合うことができている。


 バリスタという仕事は、コミュ障という弱点さえ取り除いてくれた。


 そんなことを考えていると、僕の目の前に見覚えのある長身の男が立っていた。


「アズサ、ずっと前のリベンジをさせてもらうぞ」

「もしかして、ベネディクトか?」

「覚えててくれたのは光栄だ。どうやらお前も参加者のようだな」

「9年前のCFL(シーエフエル)以来かな」

「あの時は僅差で負けてしまったが、今度はそうはいかないぞ」


 相変わらず闘争心剥き出しだな。伊織は僕の後ろで覗き込むように彼を見ている。


 伊織は人の威圧感に敏感だ。かつて日本人と接していた時の僕によく似ている。


 ベネディクトは主にアメリカの競技会に参加しているが、ロンドンを拠点としたバリスタで、生粋のイギリス人だ。彼が勤めているカフェには多くのファンが毎日詰めかけているのだとか。彼は自慢せずにはいられない性格らしい。そのためこっちが何も聞かずとも、情報が勝手に入ってくる。


 しばらくは彼の自慢話を聞いた後、ベネディクトは満足そうな顔で去っていく。


「あのベネディクトって人、あず君に似てますね」

「えっ! どこが?」

「知識をひけらかすところとか、プライドが高いところとか、女性に凄くモテているところとか、どうしようもないレベルであず君に似ている気がします」

「何であんなのがモテるんだろうな」

「やっぱり実力があるからじゃないですか。あれで実力がなかったら、ただの形なしですから」

「伊織も言うようになったな」


 日本には形なしが山のようにいるから恐ろしい。


 最初に型にはまってから破ることを型破りと呼ぶ。最初から型にはまらないのは形なしだ。つまり僕は形なしの状態から、自分なりの型を作ってきた型作りだ。一方で伊織は一度僕という型にはまった。それをどう破ってくれるのかが楽しみで仕方ない。僕が伊織をコントロールできなくなったら、それは彼女が更に成長した証だ。従順で扱いやすいだけが能じゃないはず。


 しばらくして競技の時間を迎えた。


 司会者が観客たちの注目を集め、各ブースでコーヒー勝負が繰り広げられていった。


 AブロックからHブロックまでの内、僕はDブロックであるため、出番はもう少し後になる。


 ローカル路線にフォーカスした世界大会はお祭りのようであった。勝つことよりも楽しむことを目的としている人が多く、まるで的当てや金魚すくいのような感覚だ。


 コーヒーを心から楽しむこの姿勢は、是非見習いたいと思った。

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読んでいただきありがとうございます。

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