190杯目「伝統と開拓のジェズヴェ」
毎年の如く、梅雨と共に6月が訪れる。
僕の誕生日を迎えると、親戚やファンたちからプレゼントが送られてくる。
この時期になると、欲しいものリストの中からファンが届けてくれたりする。
有名人になると、人生相談乗るから飯奢ってとか言うと、大体誰かが奢ってくれたりする。もうお金がなくても生きていける自信があるし、飯を食うだけだったら、案外何とかなるもんだな。
伊織はあの屈辱以来、目が覚めたようにコーヒーに没頭している。言い方はどうかと思うが、伊織に火をつけてくれたことには感謝だ。彼女も案外挫折を繰り返して強くなるタイプかもな。
「できました」
「おっ、やっとできたか。どれどれ」
伊織が過集中で淹れたコーヒーは、今まで以上に洗練されていた。
やっぱり黙って淹れた時が1番美味いな。これを喋りながら淹れられるようにならないと、制限時間をオーバーしてしまう。かつては僕もこの壁にぶつかった。でもぶち破った。
近い内にJCIが行われるため、課題をこなしているところだった――。
ジェズヴェで淹れたコーヒーは油分をストレートに感じる。
抽出ではなく、材料を混ぜてシグネチャーを作るような感覚だ。
伝統的にジェズヴェは胴と柄は真鍮や銅などの金属で作られており、場合によっては銀製や金製のジェズヴェも存在する。近年ではステンレス鋼、アルミニウム、セラミックなどの素材でもジェズヴェが作られている。銅はとても効率的な熱伝導体であり、低温から中温程度の熱しか必要としない。一般的な銅製ジェズヴェの厚さは1ミリメートルだが、厚ければ熱の保持や耐久性に優れる。長い柄を有することで手が熱くならない。口をつける縁はコーヒー用に設計されている。開口部が広すぎると、トルココーヒー特有の泡がうまく形成されず、容積が大きすぎると水の沸騰に支障をきたす恐れがある。
基本的にはコーヒーの粉+砂糖などの糖類+水でできるコーヒーだ。
JCIは予選からゆっくり始まるかと思いきや、いきなり予選と決勝を始める予定である。理由としてはジェズヴェがマイナーな抽出器具であるために、ほとんど誰も持っていないことである。しかもその中で大会に通用するレベルの人となると、かなり人数が限られてくるらしい。
中津川珈琲主催の大会だ。ジャパンスペシャルティコーヒー協会の主催ではないため、知名度でも負けており、尚更人が集まりにくいのだ。しかもこの大会にはシグネチャーまで存在する。
普通に淹れることはできても、新しいインスピレーションを取り入れた新しいジェズヴェを淹れられる人となると更に限られてくるため、参加人数が非常に少ないのだ。予選に30人を参加させ、6人を決勝進出にする予定だったが、僕を含めて参加登録者が10人しか集まらなかったため、予選の日に上位6人を決勝進出とし、次の日に決勝を行う方針へと変更された。つまり大会は2日かけて行われる。予選と決勝の日程を近くするのは、大会規模を小さくせざるを得ないということだ。
大会ルールは15分の制限時間で、伝統的なジェズヴェとジェズヴェで淹れたコーヒーに別の食材を混ぜたシグネチャードリンクを2杯ずつ、合計4杯を提供するというものだ。前者は伝統、後者は開拓がテーマだ。伝統を重んじたスタイルのみならず、独自の文化を取り入れた新しいスタイルの開拓も大会の目指すところである。既存のバリスタ競技会に慣れてる人にとっては理解するくらいわけもない。
以前は12分で3種類のコーヒーを提供するというルールだったが、タイムオーバーする人が続出したことや、必然的にスピード勝負になってしまうためにクオリティが低くなりやすいという理由で今のルールに改定された。WLACやWCIGSCのルールも制限時間を8分から10分に延ばす改定があった。あれで少しは大会の質が上がってくれるだろう。
バリスタ競技会は日々進化している。進化というよりはルールの穴埋めという意味合いが強いけど。
優勝すれば来年行われるWCIに出場できる。
1年のタイムラグこそあるが、それはバリスタオリンピックで克服済みだ。
「JCIの課題はもうできたんですか?」
「一応な。今考えうる中で最高のドリンクができた」
「あず君、私にサポーターをさせてください」
伊織が頭を下げて懇願してくる。
かなり積極的だな。遠征にも抵抗がなくなってるし、バリスタ競技者らしくなってきたじゃねえか。
「ああ、しっかり頼むぞ」
「はい、今の内から経験を積んで、必ずトップバリスタになります」
「伊織ちゃん、先月から凄くやる気になってますね。何かあったんですか?」
真理愛が嬉しそうな顔で伊織に話しかけた。
「実は、先月のJHDC決勝の時なんですけど――」
伊織はあの時の出来事を恐る恐るみんなに話した。
大半の人はあれでやる気をなくしてしまうが、伊織はやる気がなくなるどころか、闘志に火がついている上に好奇心を継続している。ここにきて彼女にも生きる力が身についていることを確信した。
これだよ、こういうことだよ。これが生きる力だ。
逆境があっても、物ともせず跳ね返す力、今のこの国に欠けている力だ。
「あず君と出会って変わりましたね」
「そんなに変わりましたか?」
「はい。昔の伊織ちゃんはすぐ折れる子だと思ってましたけど、今の伊織ちゃんはとても力強いです。一体どんな修業をしたんですか?」
「コーヒーのカッピングや抽出を毎日やってた。カッピングは一瞬でも気を抜いたら、それが命取りになるし、僅かなアロマの違いに気づけるかどうかが問われるし、これで集中力や研ぎ澄まされた感覚を養うことができるってわけだ。うちに就職して、スランプを脱出してからは作業ミスをしなかったのはそのためだ。抽出も全く同じコーヒーを淹れるには、何度やっても同じ抽出になるように、粘り強く同じ動作を繰り返す必要がある。これで継続力や辛抱強さを養うことができる」
「同じ作業をずっと繰り返しているように見えてましたけど、ちゃんと修行になってたんですね。どうやって考えたんですか?」
「僕の経験を伊織にも実行しただけだ」
コーヒー用語は声に出して覚えさせることで苦手意識をなくし、1つ1つを確実に覚えているかどうかをさりげなくテストして、該当の物を持ってきてもらうことがあるが、間違えたことは一度もない。
子供の潜在能力を侮っちゃいけない。数千枚を誇るカードや、数千匹いるキャラクターの名前を覚えられるくらいだし、興味があることはいくらでも意欲を持ってのめり込める。
その気になれば15歳どころか10歳でデビューなんてことも可能だ。労働者の場合は法律が許さないだろうが、自分の意思で行う個人事業の場合は制限がないのだ。既に広告収入で億を稼ぐ子供も出てきている。伊織は本来であれば先に持ち越していたはずのバリスタの夢を今叶えている。やりたいと思った時点でやりたいことをやる方が、時間対効果が大きいのだ。
多くの子供が将来の夢を叶えられないのは、大人になった時点で興味が別のものに移っているからに他ならない。今は段々と労働と遊びの境界線が溶けてきている。
伊織はバリスタの仕事を遊びのように覚えている。かつての僕と同じだ。
コーヒーを覚えたての僕はゲーム感覚でバリスタとしての技能を習得していった。
まるで次々に技を習得していくプロゲーマーのようだった。子供の頃は将来に備えて勉強し、大人になってから会社の仕事を覚える時代は終わった。子供の内から遊びのように仕事を覚え、大人になる頃には上級者になっているくらいじゃなければ遅すぎる。
今学校に行かされている子供たちの大半は、恐らく一生貧困に苦しむ可能性が高い。自分で新しいものを作ったり、好きで好きでたまらないものにのめり込んだ人が生きやすい時代だ。ロボットやAIが労働市場に参戦しているのに、労働者になってもらうために何年もかけて教育するのは非効率だ。
こんなことを言うと、労働は尊いみたいなことを言う人がいるが、そんなんじゃ、労働に価値があると思わせることで搾取を容易にしようとしている上層部の思う壺だ。今の常識を誰が何のために作ったのかを疑うことすらしないからずっと貧困なのだ。こんなことも分からん奴は一生搾取されてろ。
「伊織ちゃん、本気でチャンピオンを目指すって言ってましたよ」
「本気で好きなことなら、僕が何もしなくても自分で勝手にやるもんだ。ここから先は僕が何もしなくても自力で訓練ができると思うぞ」
ある程度育ったら、そこから先は本人任せだ。自分の頭で考えられる者については、もはや指導する必要はない。練習メニューも自分で作れるようになっているし、子育てで言えば巣立ちの状態だ。本来であれば、親と学校がここまでやらないといけない。だが今の教育システムは、子供を巣立ちの状態にまで育てられるようにできていない。だからすぐ周りに流されるような、主体性を持って戦えない人たちばかりになってしまうのだ。本来これをやらないといけない人たちに代わって人を育てているのだと思うと、何だかやるせない気持ちになってしまう。生む才能と育てる才能は一致しないらしい。
「次は誰を育てるんですか?」
「子供かな。もうすぐ2人目が生まれるし」
「どんな子供になるか楽しみですね」
夜を迎え、僕、璃子、唯、瑞浪の4人で食事をしている時だった。
璃子と唯の作る和食がもうすっかりと板についていた。瑞浪に伊織の様子を聞かれ、出会った時から今までの経緯を話していた。今日から伊織には一切の指導をしないことを話したのだ。
「ふーん、今日は買い物の帰りに伊織ちゃんと会ったんだけど、凄く逞しい子になってた。目つきが先月までと全然違うというか、仕事が終わったのに、コーヒーの話を嬉しそうに続けてたの」
「まるで誰かさんみたいだね」
「弟子は師匠に似るって言いますからね」
「僕に弟子はいないぞ」
「事実上の弟子になってるじゃん。ずっと教えてきたんだから、お兄ちゃんの動画を見てバリスタを目指してる人たちも含めて、もう立派な師弟関係だよ」
立派な師弟関係か……個人的には血の繋がっていない弟や妹のような感覚だけど、周囲にはそんな風に見えているらしい。実に慣れない感覚だ。
6月中旬、JCI予選の日、僕は伊織と共に東京へと赴いた。
ジェズヴェの国内予選とはいえ、ジェズヴェで大会に出るのは初めてだ。しかもいきなりの決勝だ。準備はしていたけど、果たしてどうなることやら。会場にはそれなりに人がいた。
「あず君、今日の大会応援してるね」
静乃が話しかけてくる。中津川珈琲で働く静乃も大会運営側だ。
「言っとくけど、贔屓にするのはなしだぞ」
「心配ないよ。ヘッドジャッジはWCIで審査員を務めていたこともあるトルコ人のジャッジを呼んでるし、センサリージャッジやテクニカルジャッジも、ジャパンスペシャルティコーヒー協会の会員から選ばれた人が勤めてるから」
「なら良かった」
人数も少なくて規模が小さい割に、きっちりすべきところはきっちりしている。
予選を無事にクリアし、上位6人に残った僕はあっさり決勝進出を果たした。
翌日、正午を迎える前に決勝戦が始まると、しばらくして僕の番からスタートすることに――。
「タイム。僕はこれまでジェズヴェを扱ったことはほとんどなかった。興味深いことに、この抽出方法で淹れたコーヒーは油分がとても多く、フレーバーをよりストレートに感じることが分かった。伝統を継承しながらも、これからの時代を象徴するジェズヴェも淹れていこうと思う」
昨日と同じように、英語でプレゼンをしながらジェズヴェに必要な食材を入れて火にかけた。
通常は熱した砂で食材を熱していくのが本来のやり方だが、僕はランプの上に台を乗せ、そこにジェズヴェを置くという方法を用いた。ルール上は熱し方に関する規定はない。より自分に合ったやり方で調理を行ってもいいのだ。今回使ったコーヒーはコロンビアのシドラだ。シドラは1粒1粒のコーヒー豆のサイズが大きく、その分内部に含まれるコーヒーオイルの量が多いのだが、油分を持てあますことなく味わえるジェズヴェとはかなり相性が良いと感じた。
まずはこのシドラの豆を粉にしたものに、砂糖、超軟水を投入して混ぜたものを作る。
15分で4杯で良いことから、シグネチャーにかなりの時間を割けると思い、すぐに伝統的なジェズヴェコーヒーをトルコでよく使われている小さめのコーヒーカップに淹れて提供した。
「このコーヒーのフレーバーは、オリーブオイル、トロピカルフルーツ、アフターにはクランベリーチョコレート、シナモンを感じる。プリーズエンジョイ」
残り10分のところでシグネチャーを作る作業へと移った。シドラの豆を粉にしたもの、きび砂糖、バニラビーンズを浸けておいた超軟水をジェズヴェに投入して作ったコーヒーに加え、桜のシロップと牛乳のホエイを窒素充填機に投入し、窒素を含ませてからシャンパングラスに注いで提供する。
伝統とは真反対の全く新しいジェズヴェコーヒーだ。
マウスフィールからアフターテイストまでがコーヒーオイル天国だ。様々な食材がジェズヴェ特有の雑味を消しながらコーヒーオイルの旨味を更に引き上げてくれるのが特徴だ。窒素を含ませ、クリーミーな質感をもたらす。この数か月間、ずっと試行錯誤をし続けた末にできたコーヒーだ。
何だかんだ言っても、こうやって新しいコーヒーのレシピを作る作業が楽しくて仕方ない。
連日の実験で疲れていることも忘れて没頭し続けられる。これが才能なのだ。
「このシグネチャーのフレーバーは、レッドグローブ、カカオ、アフターにはマスカット、白ワインが感じられる。プリーズエンジョイ。タイム」
大きな拍手と声援が送られると、両手を振って応えた。
インタビューに答えた後は結果発表を待つことに。
「凄く個性に溢れたシグネチャーだったね」
また静乃が話しかけてくる。さっきまでは伊織と楽しそうに話していた。
「最初はジェズヴェコーヒーの特徴に慣れるのが大変だったけど、何とかなったな。油分が多めな特徴をとことん活かそうと思ってな」
「――主催者側がこんなことを言ったら終わりだけど、もうあず君の優勝が分かっちゃったかも」
「それまた何で?」
「他の参加者たちを見ていれば分かると思うけど、そこまで大きな工夫をしていないし、創意工夫を何重にも仕掛けているのが素人でも分かるから」
静乃の言う通り、他の客はそこまでの工夫をしていなかった。
プレゼンにも迫力がないし、バリスタ競技会自体が初めての人ばかりだった。経験値が明らかに違いすぎるのが手に取るように分かった。彼らはジェズヴェの経験では僕よりも上だった。でもシグネチャーの経験は見れば分かるくらいの圧倒的な差だった。
シグネチャーはもう10年以上作ったきたからな。
そして――。
「今年のジャパンジェズヴェイブリックチャンピオンシップ優勝は、株式会社葉月珈琲、葉月珈琲岐阜市本店、葉月梓バリスタです。おめでとうございます!」
大喝采と共に僕の優勝が発表された。もっとジェズヴェを使いこなせる参加者を多く参加させるという課題が残った。中津川珈琲がこれにどう向き合っていくのかが楽しみだ。
大会の性質上、新しいコーヒーを求められるため、創造性は必須だ。純粋に伝統的なジェズヴェのみの競技であれば負けていたかもしれない。やっぱ新しいものを作ることが競技の中に組み込まれると、必然的に好奇心旺盛な人間が有利になることがよく分かった。
「流石はあず君ですね」
「まあな。これで来年のWCIに進出だな」
「また日本代表になっちゃいましたね」
「なれたのは嬉しいけど、僕以外に日本代表が務まる人がいないのは悲しいな」
「ライバルが欲しいですか?」
「張り合いがないと面白くないだろ。バリスタオリンピックの時はマイケルという明確なライバルがいたから頑張れたけど、世界にはジェズヴェコーヒーの天才もいるはずだから、そいつらを超えるくらいのつもりで、また新しいコーヒーを作るだけだ」
マイケルは次のバリスタオリンピックにも出場するらしい。
連覇の夢は潰えたが、次は史上初の複数回優勝を目指すらしい。ホントに飽きないよな。ずっと君臨し続けたいんだろう。僕もその気持ちはよく分かる。ただ、僕としては自分が君臨し続けるよりも次世代のトップバリスタを担う人材を育てる方がずっと重要だ。自分が育てた人を大会に出すと、何だか自分も一緒に出場しているような気持ちになる。今度は僕がサポーターでもしてみるか。
「優勝おめでとう。流石だね」
中津川社長が話しかけてくる。伊織の人生が僕によってコントロールされていると遠回しに言われてからは妙な苦手意識を持ってしまい、距離を置いていたが、今の伊織を見て、彼は何を思うだろうか。
「そんなことあるぞ」
「……伊織ちゃん、あず君の下でかなり成長したみたいだね」
「うん。入賞はできなかったけど、この方法では駄目だという発見ができたから、次はもっとコーヒーの声に耳を傾けてやってみる」
伊織の力強い声に中津川社長は静かに驚いた。どうやら伊織が本気だと分かったらしい。
「伊織ちゃんは自分の道を見つけたようだね」
「全部あず君のお陰だよ。あず君がいなかったら、私は埋もれたまま、影のように生きていたと思う。今凄く楽しいの。世界一のバリスタの競技を間近で見られて凄く勉強になったし、私はあず君を超えるくらいのトップバリスタになる」
「――そうか。なら好きなようにやりなさい」
「うん。早く帰ってコーヒー淹れたい」
「伊織ちゃん、しばらくあず君と2人きりにしてくれないかな?」
「うん、分かった」
伊織が静乃を連れて会場内にあるブースへと遊びに行った。
とても楽しそうだ。コーヒーと感覚を一体化させている時の僕とよく似ている。
「あの子がうちの娘じゃないのが残念だ」
「それ、静乃が聞いたら傷つくぞ」
「代わりが欲しいわけじゃないよ。静乃は大事な娘だ。ただ、静乃はコーヒーよりもお客さんに商品を売ることの方がずっと楽しいみたいでね。バリスタの仕事もしているけど、洗練されたコーヒーを淹れるほどの才能は持ち合わせていないみたいだ」
「才能は作るもんだ。伊織も新しいコーヒーを淹れる才能はまだ開花していないし、僕を超えるバリスタになるには、時間がかかりそうだけどな」
僕の才能はおじいちゃんが育てたものだ。
才能は遺伝するものじゃなく、伝染するものでもある。見て盗むことができる人であれば、大抵の技術は習得できる。だがきっちり教えてやらないとできない人の方が多数派であることも事実だ。
その証拠に、寿司屋の後継者問題が浮上している。見て盗むやり方だけでは限界がある。
だからこそ基礎から応用までをきっちり教えられる人が必要だ。
短期集中プランを確立すれば3ヵ月で職人になれるとは思うが、多くの人はこの作業を数年以上かけて習得しようとしている。これはバリスタに対しても言える話である。満足にラテアートを描けるようになるのに1年以上もかかる人が多いのだが、集中的に指導できる人がいれば、1週間もかからないはずだ。伊織だって僕の指導で1週間もかからずハートのチューリップを描けるようになった。
鉄は熱い内に打つべきだ。やる気がなくなってからでは、何もかもが遅すぎる。
時間対効果を考えて試行錯誤できる人でなければ大成しない。人生は限られた時間なのだから。
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