160杯目「上京するバリスタ」
9月上旬、バリスタオリンピックまであと1ヵ月。
準決勝までの課題はどうにか終わった。実験スピードが10倍になったお陰か、多くのアイデアが僕にもたらされ、アイデアの応用が得意な僕にとって、それらを競技向けに加工することは造作もない。
結果的に使うコーヒーは多くなってしまったけど、僕としては全然構わない。
――決勝の分くらい自分で考えるか。
「これ美味しいですね」
伊織が僕のコーヒーを味見する。
ドリップコーヒーベースのシグネチャーだが、これもそれなりの工夫がいるのだ。
「腕に縒りをかけて淹れたコーヒーだからな」
「ドリップコーヒーは全部同じコーヒー豆にするんですか?」
「うん。これはどの抽出器具でも全く違う味わいなのに全部美味い。ドリップ向けだ」
「シグネチャーはどうするんですか?」
「ドリップコーヒーは全面的にホエイと相性が良いから、これをどうにか工夫しながら投入すれば純度を保ちながら質感の高いドリンクになる」
ドリップコーヒーを抽出し、様々な製法で作られたホエイの内、最も適していると思ったものを投入して作っていた。すると、これがピッタリとハマったのか、今までにない究極の味を生み出していた。
「貴重な経験ですね」
「ああ、こうしてまた1つ、新しいフレーバーを作り出せたからな」
「それだけじゃないですよ。あず君のコーヒーが飲めて、実験も近くで見られるんですから」
「あー、確かに。後々自慢できる日が来るかもしれないな」
「口には出しませんよ。あず君に紹介してとか言われそうですから」
伊織はうっとりした顔で僕の淹れたコーヒーのアロマを楽しみ、コーヒーを飲み干すまでずっと余韻に浸っている。この時は伊織の休み時間だった。客からの注文は一区切りしていた。
オープンキッチンに座り、束の間の休息を取っていたようだ。
どうも体がうずうずしているようで、早く次の実験がしたいと言わんばかりだった。
「そういえば、サポーターはどうするんですか?」
「サポーターは唯に任せる。真理愛、唯がJBCに出る時はサポーターを頼むぞ」
「はい、分かりました」
「まあ、そういうわけだから、9月下旬からは全員総出で東京に出張だ。みんな東京での長期戦に備えておけよ。バリスタオリンピックが終わるまで帰らないからな」
「東京かー。結構久しぶりかな」
優子が天井でゆっくりと回るシーリングファンを眺めながら呟いた。
結構昔ってことは、小さい時にでも行ったのかな。
「東京行ったことあるの?」
「あるよ。中学の時なんだけど、あたしがパティシエを目指していた時、東京でケーキショーがあってねー、そこにお父さんが参加してたの」
「あぁ~、親父の付き添いね」
「結果は銀賞だった。お父さんは喜んでたけど、あたしはとても落ち込んだ……お父さんのスイーツこそが世界一だって、本気で信じてたから」
「優子って負けず嫌いだな」
「やるからには勝ちたいでしょ」
優子が微笑むように言った。彼女はそれでパティシエを目指すようになり、高卒と共にパティシエの大会に出場していた。小さな大会では優勝したものの、全国規模の大会ではまさかの予選落ちだ。
原因は明らかだった。優子が作るスイーツは味こそ洗練されているが、見た目が比較的地味なものが多かったために、予選落ちの原因となった。大きくショックを受けてからは大会に出なくなった。
ケーキだけでなく、チョコレートやアイスクリームを作るため、ショコラティエやグラシエのスキルも持ち合わせているし、今では見た目も立派に仕上げることができている。にもかかわらず出場しないということは、敗北に対する強い嫌悪があるのだ。
「だったら参加すればいいのに」
「あたしはお客さんが喜んでくれればそれでいいの。あたしにとってスイーツを作ることは、自分の中にある愛情をお客さんに与えることだから。あず君がそれを教えてくれたんだよ」
「僕が?」
「うん」
優子が言うには、僕がWBCで優勝した時のインタビューをテレビで聞いていたらしい。その言葉は優子にも響いていたようだった。
WBC優勝インタビューを思い出す――。
僕が言っていた台詞を聞いて感銘を受けたらしい。
皮肉にもこれで……大会への執着をなくしてしまうとは露知らず。
優子は僕の言葉で本来自分が目指したかったものを思い出した。主体的に大会に出るよりも、通常業務や誰かの応援をする方が自分に合っていると感じたのだ。璃子の修行も璃子を応援するため、うちに入ったのも僕を応援するためだ。優子以外にもこういう人はたくさんいるんだろう。大会に出れば結果を残せるだけのスキルを持ちながら、あえて大会には参加せずにいる人が。僕はこういう連中が人知れず活躍していることを絶対に忘れない。いや、忘れてはならないのだ。
きっと他の国の代表にも、優子みたいな人がバックにいるんだろう。
バリスタオリンピックはただの個人戦ではない。信念と誇りを懸けたチーム戦なのだ。
「あず君はお店を宣伝するために大会に出始めたんだよね?」
「まあな。今は楽しむために出てる。元々競争なんて嫌いだったはずなのに、競争になると何故か本気を出す癖が定着しちまったからな」
「それはお兄ちゃんが中途半端が嫌いだからだと思うよ。お兄ちゃんもやるからには勝ちたいって強く思っちゃうタイプじゃないかな」
「……そうかな?」
「私もそれは分かります。私もコーヒーカクテルを淹れる時は、何より楽しんでもらうことを重視してますけど、その気持ちとは別に、評価されたい、認められたいって気持ちもありますから」
何だよそれ。結局みんな、承認欲求の塊だったってことかよ。そんなものはない方がいいと思ってたけど、評価されなければ運命さえ変えられない状況に追いやられ、早くも10年が経とうとしている。
「でもあたし、あず君や璃子を応援することだけは誰にも負けないから」
「優子さんも私たちと一緒に、バリスタオリンピックとワールドチョコレートマスターズに参加しているようなものですよ。どっちも優子さんのアイデアから生まれたスイーツも作るんですから」
「ふふっ、確かにそうかも」
「準決勝用のマリアージュ部門には璃子のケーキも使うんだぞ」
「それはいいけど、そもそも準決勝まで行けないと使えないんでしょ。ちゃんと作っとくから、お兄ちゃんも早く準決勝用のコーヒーを完成させてよ」
「……そうだな」
璃子のことだから、必ず作って持ってきてくれるんだろう。僕がどのバリスタよりも優れていると信じてくれているからこその自信だ。絶対無駄にしちゃいけない。
璃子も自分が出る世界大会が近いというのに、本当に良い妹を持った――。
9月中旬、決勝用の課題も完成しつつあった。
後は最終調整を重ねるだけだ。予選用、準決勝用、決勝用の手順を全部覚えておく必要がある。どのバリスタもここまでは考えているだろうが、ほとんどのバリスタは予選用しか使えずに敗退していくんだよな。世に出る前に埋もれてしまったアイデアの多いことか。
実に嘆かわしいことではあるが、これが競争社会なのだ。
結果を残すことでしか、本当の意味での『オンリーワン』にはなれない。知られなければ存在していないのと一緒だ。最初から最後まで本気を出すことが要求されるというなら、僕は死力を尽くしてこの大会に臨むまでだ。今までとは全く異なる未知の領域だ。
「お兄ちゃん、優子さんのケーキをいきなり予選で使うの?」
「予選で負けたら、準決勝で璃子のケーキ使えなくなるだろ。僕は最初から本気を出す。今までは1位通過じゃなくても、通過できればそれでいいって思ってた。でも今回は全部1位通過するくらいの気持ちで臨まないと負ける。あの大会には魔物が住んでる」
「大会に出ていないと、分からない感覚だね」
これだけのメニューを揃えたんだ。全部無駄にはしたくない。そんなの参加者であれば誰だってそう思っているに違いない。僕らは試されている。コーヒーに対してどこまで本気を出せるのかを。
「決勝はどうするの?」
「僕ら全員で一緒に作ったあのケーキを使う」
「あれコーヒーに合うの?」
「合うんじゃなくて、合わせるんだよ。コーヒーはフードとスイーツのために、フードとスイーツはコーヒーのために。それがコーヒーマリアージュだ」
「それを言うなら、1人はみんなのために、みんなは1人のためにじゃないの?」
「それ、今のあたしたちみたいだね」
優子が笑いながら言った。元々はチームスポーツで使われていた言葉だが、僕には協調性の概念はなかった。今まではずっと自分のために生きてきた。
でも今はだけは……ここにいるみんなを喜ばせるために勝ちたい。
こんな気持ち――生まれて初めてだ。
「今までで1番良い顔してますね」
みんなが会話をしながら掃除をし始めていると、唯が僕に話しかけてくる。
「そうかな?」
「今のあず君は凄く幸せそうに見えます。見てるこっちまで嬉しくなってしまいます。いつも大会前のあず君はどこか焦っている様子でしたけど、今回は気持ちに余裕があるように感じます」
「どっちかって言うと、結構焦ってる方だけど」
「表に出さないくらいには、成長できたってことじゃないですか?」
「多分、今回が初めてじゃねえよ。ずっと気づかなかっただけで、いつも誰かの想いを背負って大会に挑んでた。ようやくそれに気がついた」
「私はもう気づいているものだと思ってました」
唯が僕に擦り寄ってくる。あのー、胸が腕に当たってるんだが……やばい、興奮してきた。
息子よ、今は抑えてくれ。この静かに誘ってくる感じがたまらない。
「……唯、夕食が終わったらなんだけどさ――」
「はい。いっぱいつき合ってあげます」
唯が僕の耳元まで近づくと、色気のある声で囁いた。完全にコントロールされている。分かってはいても逆らえない。唯のお陰で生活リズムを崩さずに済んでいるような状態だし。
僕らはこんな時期でも、恋人であることを忘れないのであった――。
9月下旬、この日から店の営業が停止するが、みんな相変わらずうちに来てくれている。彼女らにとっては休むことよりも、僕を手伝う方がずっと心の休息になるようだ。
「お客さんがいないと、何だか違和感ありますね」
「仕方ねえよ。昔はたった15分の競技にだけ集中していればそれで良かったけど、今回は事情が違うからな。サイフォンとエアロプレスは覚えたか?」
「はい。あの、これからはタイマーつきのドリッパーじゃなくても大丈夫です。もうお客さんがいても気にならなくなりましたから」
「それならいいけど」
伊織もようやく、外国人観光客の群れに慣れてきたようだ。うちに就職して早半年、伊織はもう立派なバリスタへと成長していた。大会デビューをさせてもいい気がする。
伊織は観客ではあるが、世界大会を間近で見ている。伊織は自分のことはこっち側、僕のことはあっち側と言っていた。中学生の時点であんな考え方ができるのは本当に凄いと思う。大半の人は憧れを持ったまま終わることがほとんどだが、今度は伊織があっち側に行く番だ。
大会3日前、正午を迎えた。
僕らは予約していた東京都内のホテルへと向かうため、一度葉月珈琲に集合することに。子供は瑞浪が面倒を見ることになっている。必ず勝って戻って来るからなと思いながら子供に顔を向けた。
「荷物は揃ったんですか?」
「うん。持ち運びは大変だけど、何とかなるだろうな」
「移動はどうするんですか?」
「優子が大型の車を借りてくるってさ。あいつは運転免許持ってるからな」
「流石は優子さんですね」
「おっ、噂をすれば」
優子が8人は乗れる大型車をうちの近くに停めた。
優子は車を持っていない。つまりこれは借り物だ。今は運転免許を持っていたとしても、車を所持せずに必要な時だけ借りる『ワーキングシェアリング』が流行り始めていた。
「で? 何で君がここに?」
「私もバリスタオリンピックに興味を持ったんすよ」
運転席には優子、助手席には真理愛、真ん中の座席には左から璃子、唯、美月、後部座席には左から愛梨、僕、伊織が乗っている。美月はまだ分かるけど、何故愛梨がここにいる?
僕が後部座席の真ん中に乗った時、左側に隠れていた。あの時はマジでビビった。スヤスヤと寝ていたけど、僕がビックリした時の声で起きてしまったようだ。
「優子、事情を説明してもらおうか?」
「あ、あはははは。実はね――」
優子は僕らの長期出張が決まった日、葉月商店街の自宅に帰る時に親父の店に寄った。
親父にバリスタオリンピックの日程を聞かれて話し、様子を見ていた愛梨と美月から自分も連れて行ってほしいと言われたのだ。しかもあろうことか、伊織までもがこの日程を親戚に話したことで、静乃や莉奈だけでなく、小夜子たちにまで伝わってしまい、みんな僕らの車の後続車両に乗っているのだ。
……どうしてこうなった。応援だったら大会当日に来ればいいだろうに。うちのメンツは人が良いだけあって、何でもペラペラ話してしまうところがある。身内だけならともかく、言った相手が見境なしに噂をする奴だったら、すぐに情報が拡散してしまう。つまりここまで噂を広めた犯人は……みんなだ。
「お前ら喋りすぎな」
「すみません」
「ごめんねー」
ふと、後ろの車を覗いてみる。中には見覚えのある顔が揃っていた。
運転席と助手席には見知らぬ2人が仲良しそうに話していた。
「じゃあ今後ろの車にいる連中は、みんな知り合いってわけか」
「そうですね。運転しているのは静乃のお父さんで、隣が静乃のお母さんですね」
短髪黒髪の真面目そうな男性の隣には、金髪碧眼でサラサラとしたロングヘアーで、静乃にそっくりな女性が座っている。マジでみんな一緒に連れて来やがった。
「でもバリスタオリンピックまでまだ3日もあるぞ。仕事はどうすんだよ?」
「しばらくは静乃のお父さんが面倒を見るので大丈夫ですよ。静乃の家はお金持ちみたいですから」
「実家って確か、コーヒーの卸売りをしてるんじゃなかったっけ?」
「はい。実家はそうなんですけど、会社も経営していて、割と何でもやってますよ。最近は岐阜和傘の店を作ったりしてますし、今じゃ中津川グループが、岐阜市では1番のグループ企業なんです」
岐阜で1番のグループ企業か……。
出発から2時間以上が過ぎたところで東京に着き、窓の外にはスカイツリーが見える。僕らはそこで降りると、久しぶりに東京の空を見上げた。
相変わらず人が多すぎる。バリスタオリンピックが始まったら、もっと多くの人が雪崩のように押し寄せるんだろうな。考えただけで胃が痛くなる。
「あず君は課題を完成させたんすか?」
「一応な。後は最終調整をするだけだ」
「調整はどこでやるんすか?」
「穂岐山珈琲育成部の部屋を借りることになってる」
「穂岐山珈琲って、ライバル会社じゃないんすか?」
「名目上はな。でもあの会社は日本代表からバリスタの世界チャンピオンを輩出することを目標にしているから、日本代表に対しては所属を問わず全面的に協力する方針だ。それに僕には、最高のビジネスパートナーがついてるからな」
いつもは真由の家で最中調整をしていたけど、今回ばかりはもっと本格的な設備がある場所で最終調整を重ねるべきと考えた。そこで東京都内のホテルに泊まり、近くにある穂岐山珈琲のオフィスビルで最終調整を重ねることにしたのだ。ホテルには僕の身内を始めとした面々が泊まることに。
僕は璃子と唯と同じ部屋で3人部屋だ。隣の部屋には伊織、優子、真理愛の3人が泊まり、愛梨や美月たちは静乃の父親が予約した部屋に泊まることに。
ホテルに徒歩で移動し始めた時だった。
「君が葉月梓くんだね?」
声をかけてきたのは静乃の父親らしき人物だった。長身でダンディーな男だった。その隣には静乃の母親らしき人物と静乃がおり、ずっとこっちを見ている。
「そうだけど」
「私は中津川康弘。妻のエレーナだ。静乃がいつも世話になってるみたいで」
「世話とかしてないけど」
「今日はみんなで君の応援をしようと思って来たんだ。何せ4年に1度しかない大舞台だからね。陰ながら応援してるよ」
「……お、おう」
「ふーん、なかなか可愛い子じゃない」
長身のウクライナ人、エレーナが流暢な日本語で話しながら近づいてくる。静乃が言うには、一家揃って僕のファンだ。中津川社長は日本製の抽出器具を売り込みに行った時にエレーナと出会っていた。
「うちの実家は色んな抽出器具が揃っていて、お母さんがジェズヴェで淹れたコーヒーが好きで、ジェズヴェコーヒーも淹れることになったの」
「ふふっ、静乃はジェズヴェが好きだもんね」
「ジェズヴェか。飲んだことはあるけど、結構ドロッとしてたな」
「一度飲みに来る?」
静乃はまるで友達と話すように、満面の笑顔で僕に一家の事情を話してくれた。
「ああ、今度行くよ」
静乃の実家はコーヒーの卸売りだけでなく、コーヒー抽出器具の開発もしている。
タイマーつきドリッパーもここの発明品だ。
ホテルに荷物を置いた後、僕らは穂岐山珈琲の育成部がある部室まで行き、最終調整を重ねた。大会が終わるまでは自由解放してくれるとのこと。
璃子たちと会場に下見まで行くと、他の国の代表も同様に下見に来ていた。
世界が日本にやってきたって感じだな。
「――ここで行われるんですね」
「ああ。僕は大会3日目だけど、大会1日目の開会式には出ないといけない。それが終わったら今度は最終調整だ。競技時間に合わせて、璃子と優子にはここでスイーツを作ってもらう」
「分かった。フードはどうするの?」
「フードは競技中に作る。食材だけ持ってきてくれたらそれで十分だ」
璃子と優子にはフードとスイーツを作るため、僕の番になった時は食材を会場まで運んできてもらう予定だ。出来立てが1番美味いのは万国共通だ。
「この大会って、優勝賞金いくらなんすか?」
「100万ドルだ。日本円だと1億円くらいかな」
「使い道は決めてるんすか?」
「全部コーヒー農園に寄付する」
「好きなものを買ったりしないんすか?」
「ないと不便だから稼いでるってだけで、お金自体に興味はない。稼いでいたのは店を潰さないようにするため。今は余ったお金を全部コーヒー農園に寄付するか、子供の教育に使おうと思ってる」
「意外と現実的っすね」
「まあな」
愛梨がいる方に顔を向け、ドヤ顔で言葉を返した。
愛梨はお金自体が好きでたまらないらしい。典型的な拝金主義者だ。この国の人間は拝金主義の割に表面上はお金を嫌い、お金の知識がほとんどない矛盾を抱えている。
いや、お金のことを全く知らないからこそ、闇雲な物欲に走るんだろう。
穂岐山珈琲にはまた世話になる。最良のビジネスパートナーがいるお陰だ。
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中津川康弘(CV:速水奨)
中津川エレーナ(CV:皆口裕子)




