12杯目「屋上での告白」
年末を迎え、21世紀がやってくる。
2001年は人生のターニングポイントでもある。
「あず君、今年の目標とかないの?」
正月を迎えると、新年の目標をリサに聞かれた。
「何だよ唐突に? 目標なんて年毎に決めるもんじゃねえぞ」
「いいじゃん。教えてよー」
「うーん、そうだなー。じゃあ英語かな」
とりあえず英語の習得と答えた。これにはちゃんとした理由がある。
当時の僕は学校を卒業した後、ああいう連中と一緒に仕事をしないといけないと思っていた。それだけは許容できなかった。英語を習得して、労働者の人権が守られている国に行こうと考えていた。
「英語? 何で?」
「この牢獄みたいな国から早く出たいんだ」
「消去法なんだね」
「日本人よりかは話通じるだろうし」
「でも以前から英語話してたよね?」
「日常会話だけどな」
この時点で日常会話レベルの英語を習得していた。国語辞典や英和辞典を読んだりして複雑な日本語や英語を習得し、パソコンでインターネットを使う癖もついていた。
だから他の人よりも論理的だったのかな?
英語は主に義理の伯父であるエドガールのおっちゃんのレッスンで覚えた。正直に言うと、日本語よりずっと簡単だった。日本語って曖昧な言葉が多いし、苦戦することも少なくなかった。
話は少し遡る――。
20世紀末の授業日、小学校では時々英語の授業が行われていた。外国人教師がやってきてみんなと英語を話す。外国人教師が僕のネイティブ発音に気づくと、僕と少し英会話をすることになった。
「自己紹介してくれるかな?」
「僕は葉月梓。趣味はコーヒーを淹れて飲むこと。特に好きなのはブルーマウンテン。ローストナッツのようなフレーバーが大好きなんだ。エスプレッソやカプチーノなんかも淹れて飲むんだ」
「へぇ~、そうなんだ。まだ子供なのに凄いねー。私もエスプレッソが好きなんだよ。ところで、みんなは黒髪のようだけど、茶髪は君だけなの?」
「僕は生まれつき茶髪なんだ。でも日本の学校では黒髪が普通だから、茶髪であることを理由に地毛証明書を出すことになったり、黒に戻せと言われながら暴行を受けたりするんだ。でも保健室の先生以外は誰も助けてくれない。困ったもんだよ」
「――えっ、嘘でしょ!? 地毛証明書って何!?」
「黒髪以外の人は地毛が黒髪でないことを示すために証明書を書かされるんだ」
腕や足についた痣を見せ、指差しながら説明する。
外国人教師はカナダから来ている人だった。
「カナダには地毛証明書はあるの?」
呆気に取られている外国人教師に聞いた。
「うちの国にはそんな酷いことをする学校はないよ」
外国人教師は怖気が走りながらも呟くように言った。
授業の後で担任の新家先生がいる職員室に僕を連れて向かっていく。
「何でこんな酷いことをするんだ? 頭おかしいんじゃないか?」
外国人教師は捲くし立てるように、僕の腕や足にある痣を指差しながら怒っていた。やっぱ外国人から見ても異常なんだな。担任はタジタジみたいだけど、少しは反省しろよな。ずっと放置していたからこんなことになるんだ。他の教師も英語がさっぱりで何の話か理解してないし、せめてもの仕返しとしては十分だろう。もう茶髪狩りをしないってんなら、許してやってもいいんだぜ。
しばらくは茶髪狩りは起きなかった。僕の茶髪は背中まで伸びていた。
伸びるところまで伸びたし、最後までロングヘアーを続けようと思った。
「テストで全然良い点が取れないんだよー」
「僕はテストも受けたことないし、宿題とかも全部無視してるけど、何とかなってるよ」
「ええっ、おばちゃん本当なの?」
ルイはテストの点数の低さを悩みにしていた。彼は僕に相談してきたが、僕はテストすらまともに受けてないこと、宿題も全然やってないことを言ったら驚いていた。
「そうそう。全然やろうともしないの」
「だって意味も分からないまま何かをやらされるのって好きじゃないし、なんか飼い馴らされてるみたいで嫌だもん。宿題って誰も幸せにならないと思うけどな」
「そっかー、そこまで考えてるんだ」
流石にルイもテストや宿題の無意味さに気づいたようだ。しかし、僕と違って真面目なのか、全部放棄することはしなかった。以前よりは気楽に物事を考えられるようになったらしい。
「なんかあず君の話聞いてたら、悩むのがアホらしくなったよ」
この台詞を聞いた時、僕もたまには誰かの役に立つのかなと思った。僕は普通じゃない。普通じゃないからこそ、普通の人には分からないことが分かる。そもそも普通って何だよって話だけど。
小4の3学期を迎えると、教室は意外にも穏やかだった。
僕は相変わらず腫れ物みたいな扱いだ。些細なことでも鋭い指摘をしてしまう癖が、ここにきて大きな効果を発揮したようだった。しかも2学期の件で、先生キラーというあだ名がついた。
いじめも受けないし友達もできない。僕にとっては最高の環境だった。3学期については特に言うことがない。学生生活の中で最も平和な時期だった。女子たちからはクールな存在に見えていたらしい。クラスでたった1人、友達も作らずに本ばっかり読んでたし、比較的クールに見えたのだろうか。
この頃、人生で初めて女子から告白を受けた。物好きな人がいたもんだと思っていたが、悪い気はしなかった。上靴のロッカーには、女子からのものと思われる手紙が入っていた。
――えっ? 何? 果たし状か? 悪いけど僕、決闘とかできないぞ。
恐る恐るハートのシールが貼ってある封を開けてみる。手紙にはこう書かれていた。
『昼休みに屋上で待ってます。絶対1人で来てください』
ハートのシールも貼ってたし……うーん。ということは告白かな? いやいやいやいや、それはない。もしかしたら悪戯かもしれない。まんまと引っ掛かった引っかかった僕を笑うためかも。
どっちに賭けるべきなんだ?
――はぁ~、騙されたと思って行ってやるか。どうせ暇だし。
精神攻撃は基本である。放課後に来いみたいな内容なら無視しようと思ったけど、指定の時間は昼休みだったし、どうせ学校からは逃げられないと思って屋上へ赴いた。
すると、そこには肩に着かないくらいの黒い短髪の女子がいた。
飛騨野美咲。僕と度々クラスメイトになっていた女子で、同じクラスの時に唯一共に下校した女子だ。気さくな女子で何度か話したことがある。ルックスもスタイルも悪くない。
明るい性格でクラスでも人気である。
「あの……私、梓君が好きなの! 私と、つき合ってくださいっ!」
いきなり僕に告白しながら頭を下げる飛騨野。
「何で?」
「梓君が好きだから」
「僕は別に好きじゃないんだけど」
「ああ……そう……分かった。急に呼び出しちゃってごめんね」
「果たし状かと思ったよ」
「ハートのシールで果たし状の人なんていたら怖いでしょ」
飛騨野がツッコミを入れながら笑う。
あっさり振ると、どういった経緯で僕を好きになったかを全部説明してくれた。
僕が男子の中でも特に女子ウケしていたこと、僕が男子たちから迫害を受けていたことで、誰も告白する機会がなかったことを知る。ということは自分の意思じゃなく、他の女子たちが僕を好きだから、彼女も僕を好きになったという解釈でいいのかな?
だとしたら厄介だ。彼女の言うことが正しいなら、他にも手紙を書いている女子がいる。飛騨野が言うには、美少女のようなルックスと、男気があるところのギャップに惹かれたらしい。
「梓君は美少女系イケメンとして評判なんだよー」
――美少女系イケメン? まるで意味が分からんぞ。どっ、どういうことなんだっ!? 美少女系はまだ分かるけど、イケメンって何よ? イケメンってのは、もっと男らしいふざけたキザ野郎に対して使う言葉だ。あえて僕をメンズ系の言葉で形容するなら、カワメン……かな?
3学期は誰も僕をいじめなかったこともあり、やっと女子たちが僕に告白できると安心して手紙を書くようになったとのこと。本気で好きなら、僕が迫害を受けている時期だろうが関係なく告白するくらいの勇気は見せてほしかったと思いながらも、口には出さなかった。
――つまり放っておけば、また手紙を読むことになるな。ここは先手を打つことにしよう。
飛騨野には誰にも興味がないからと、他の女子にも釘を刺しておくように言った。
幸いにもこれは承諾してもらえた。
「梓君はどんな人が好きなの?」
「そーだなー……やっぱあれかなー」
「あれって?」
――しまったっ! 好きな人のタイプなんて何も考えてなかった。どっ、どうしよう。どうにかして誤魔化さないとっ! そ、そうだっ、この前家でこっそり書いた詩を思い出すんだ。
落ち着いて空を見上げ、落ち着いてあの詩を読み上げた。
「香しい花のような香り。近くで見つめ合っているだけで胸が張り裂けそうで、会えば会うほどにその思いは強くなるばかり。頭の中が真っ白になって、どうしようもないほど愛おしくなる。共に甘い一時を過ごすと、心に安らぎと温もりを与えてくれるが、儚くもすぐにいなくなる。最初に出会ったあの時から心を奪われたままだ。君はなんて罪深き乙女なのだろう」
抽象的でポエミーな説明で誤魔化した。
「けっ、結構気紛れな子なんだね……えーっ! 梓君彼女いたの!?」
何故かドン引きしてから急に驚いた。
「いやいや、彼女なんて一言も言ってねえから!」
嘘は言ってないからねっ! ときめいたのはホントのことだし。誰のことかって? 言わせんなよ、恥ずかしい。でも彼女は僕の想いなんてお構いなしだ。
「それって誰のことなの?」
「内緒。それと、この学校の連中に興味ないから」
「何で興味ないの?」
「だってみんな同じで面白くないんだもん。金太郎飴みたいに似たような奴ばっかりだし」
僕が冷やかに言うと、飛騨野はクスッと微笑んだ。
「やっぱり梓君って面白い」
本当に面白い奴であれば、まず迫害なんて受けないと思うけどな。彼女は僕の意思を他の女子たちに伝えてくれたのか、この日以降、僕のロッカーに手紙を置く嫌がらせはなくなった。
何事もなく春休みを迎え、小5に進級する。女子から密かな人気があるのは意外だった。
「ていうか僕、女子っぽい顔だけど、いいのかな?」
当時は男のグループアイドルが大人気だった。故に、てっきりテレビに出ているような、キザでカッコつけで気取ってるイケメンの奴らが好きなのかと思っていた。
僕は美濃羽と飛騨野と同じクラスになった。
小5の担任ガチャはまたしてもクソカード。ヒステリックな女教師だった。この担任の時は毎日のように漢字の小テストがあった。10問出されて全問正解しなければ、翌日の昼休みに再テストをさせられる鬼畜仕様だ。しかもその日にも別に小テストがある。これでひらがなの部分を漢字で書く小テストを毎日やることになり、記憶力が弱い生徒はあっという間にテスト地獄に陥るわけだ。
昼休みに再テストとか、生徒の時間を何だと思ってんだよっ!?
「いいから小テストを受けなさいっ!」
この小テストを意に介さず無視しようとしたが、担任は僕に対して小テストを受けるよう指導する。
「嫌だ。テストで人の価値を決めつけること自体、馬鹿げてる!」
「あんたそんなことしてたら将来困るよ」
「じゃあこの勉強が将来役に立たなかったら責任取ってくれるの?」
「取れるわけないでしょ!」
「だったらどう生きようと僕の勝手だろ!?」
日本人は責任を取りたがらない人が多い。僕はそこに目をつけた。僕に対して押しつけたことが将来に活きなかった場合の責任をチラつかせると、どんなに押しつけがましい人でも最終的には大人しくなってしまう。これで何とか僕だけは漢字の小テストを受けずに済んだが、他のクラスメイトからは嫉妬を買うことになった。嫉妬するということは、こいつらも小テストを受けたくないということだ。
だったら受けなきゃいいじゃん。ボイコットをするだけの度胸も持ち合わせてないのに、嫉妬するだけの余裕はあるんだな。小テストは他の人にとっては拷問そのものだった。記憶力が弱い生徒は昼休みの時間がなかった。これじゃ暗記を苦痛だと思うようになるわけだ。泣きながら小テストをやらされていた生徒は、大人になったら二度と勉強しないだろうな。
子供の頃は親と学校に言われるがまま勉強するが、大人になると今までの反動から勉強しなくなるのはこの国あるあるだ。何のために小テストをやるのかと言えば、恐らく高校や大学受験のためだろう。だが裏を返せば、この勉強は受験までしか役に立たない。受験が終わってしまえばただの無駄知識だ。
良い会社に入るには良い大学を、良い大学に入るためには受験に受からないといけない。つまり上級国民になるには、無駄な勉強をしないといけない仕組みになっている。
小学校の段階から事実上の就職予備校だ。組織に向いてない人間には辛かろう。
少なくとも、僕みたいに受験すら考えてない人間には必要のないものだ。担任は度々僕に小テストをやるように言ったが、当然のように突っ撥ねてやった。
そんな時だった。三者面談の日がやってくる――。
家で僕とお袋と担任の3人で小テストの件を話すことに。
「葉月君がなかなか小テストをやらないんですよ」
「息子は昔からテストが苦手なんです」
「このままだと受験の時困りますよ」
「そうですねー」
「僕、受験しないから」
「えっ!?」
「高校って義務じゃないんだろ? だったら行かない」
「ちょっと、何言ってるの?」
「高校行かなかったら人生詰むよ」
「僕の人生が詰んだところで、先生には関係ないよね?」
僕が言うと、担任は黙ってしまった。ここまであからさまに学校が嫌いな子供を今まで見たことがなかったのだろう。担任が追い出されるように帰ると、お袋は僕を問い詰めた。
このことは親父にも伝えられ、親父にまで怒られてしまった。親父からは自分たちが良い大学に行けなかったことや、より高学歴な方が良い生活ができることを言い聞かされた。だが僕の心には全く響かなかった。当の僕にそんな不安はなかった。行きたくもない場所に行かされる不安ならあるけど。
『人生は死ぬまでの暇潰し、きっと何とかなる』
麻酔で痛みを和らげるようにこの言葉を用いていた。
春休みの頃、長年にわたって好きな曲であるケセラセラと出会った。親からも担任からも将来の不安を煽られ、くじけそうになっていた時に出会った曲だ。辛くなる度にこの曲をピアノで弾く。大人になってからも1番好きな曲で、不安な時に背中を押してくれた。
英語が話せたこともあり、すぐにこの曲を好きになった。
人生なるようになる。先のことなんか気にしたってしょうがないし、未来なんて誰にも分かりゃしないんだ。当時の僕にとっては最も新鮮な言葉にして、最も欲しかった言葉でもある。この曲でどれだけ救われたか。何というか凄く気が楽になった。いくら不安を煽られても平気でいられた。この曲に出会ってなかったら、僕は親と担任の言葉に押し潰されていたかもしれない。
――責任も取れないくせに不安ばっか煽りやがって。
こうして、僕は無事に三者面談を切り抜けた。だがホッとしたのも束の間、またしても困難が立ちはだかることになる。林間学舎の時期がやってきたのだ。林間学舎になんか参加したくなかった。ただでさえ学校にすら馴染めていないのに、学校の外でこいつらと過ごすなんて尚更無理だ。
――ていうか風呂どうすんだよ? 僕が男子風呂に入ったらパニックになるぞ。
親に林間学舎に行きたくないことを伝えるも、反対されて行かされる破目に。これは当日無理やり連れて行く展開だな。林間学舎に行かされる前日、林間学舎の時に同じ班と同じ部屋で過ごす人をくじ引きで決めることに。班として一緒に行動するのは、男子と女子が均等に3人ずつとなる。
人数が余った班はどちらかが2人になる。部屋は5人か6人1組になる。いずれも同性だ。みんな班のくじ引きの時は、祈りを捧げながらくじを引く。このクラスで1番の美少女たちと同じ班を狙っているのだろうか。みんなライバルだが、もし駄目ならグレちゃうのかな?
僕は飛騨野と同じ班に決まる。他に僕と同じ班になった女子たちも喜んでいた。
美濃羽はどこか不満そうだ。好みの男子と同じ班になれなかったのだろうか。
次は同じ部屋に泊まる男子だ。いじめの前科がある奴と同じ部屋になったら、僕には拳銃の携帯許可が下りてもいいと思う。僕が女子と一緒に寝ても分からないんじゃないかな? マジで違和感持たれなさそうで怖い。でも飛騨野の言っていた言葉が本当なら、僕が女子に襲われる可能性もある。
「葉月と同じ班かよ。こいつ女子じゃなかったっけ?」
僕と同じ班になった男子がからかってくる。
「「「「「あはははは!」」」」」
担任もクラスメイトも一緒になって爆笑していた。
「迷惑なら欠席しようか?」
反射的にそう聞くと、クラスメイトは黙ってしまった。
次にキャンプファイヤーで誰と踊るかを決めた。男子と女子が必ず手を繋ぐクソ行事だ。
担任の大中先生が仕切り始める。
「キャンプファイヤーのペアを決めるよー」
「「「「「えええええーーーーー!」」」」」
女子たちが大袈裟に嘆く。
「「「「「うおおおおーーーーー!」」」」」
男子は女子たちとは対照的に大盛り上がりだった。
「じゃあどの女子とペアになるか決めてね」
「俺、美濃羽がいい」
「俺も俺も」
「俺だって美濃羽がいい」
「俺もだ」
担任が火蓋を切ると、男子が次々と手を挙げ始めて、クラスで1番の人気女子である美濃羽とペアになりたいと言い出した。この時の教室は某テニスプレイヤー並みに暑苦しかった。
――美濃羽ってやっぱモテるんだなー。
勉強も運動もできる女子で、常に他の男子が鼻の下を伸ばすくらいの美少女だ。
「美濃羽さんは誰とペアを組みたい?」
担任がそうと聞くと、美濃羽が僕を見て答える。
「私、梓君とペアになりたいです」
美濃羽は以外にも僕を選んできた。予想外の選択にクラス中が凍りつく。
――おいおいおいおい、またトラブルの種を撒く気か? 君のせいでまたみんながこっちを憎しみの眼光で睨みつけてきてるじゃねえかっ!
他の男子が慌ただしく理由を聞いた。
「えっ、何で葉月なの?」
「だって梓君カッコ可愛いんだもん。ねえ、一緒に踊らない?」
「別にいいけど」
「ちょっと、私だって梓君とペアになりたいのにー」
「そうだよ。小夜子だけずるいよ」
珍しく女子たちが意気揚々と発言している。
いつもこういう時は男子ばかりが喋ってるのに、今日は一体どうしたんだ?
飛騨野が屋上で言っていた言葉を思い出した――。
『梓君は自覚ないかもしれないけど、モテてるよ。かなり』
これを聞いた時、冗談だと思っていたが、この言葉が冗談ではないとようやく気づく。
何故モテたのかは知らない。あいつらの趣味はよく分からないし、あいつらに聞いてくれとしか言いようがない。はぁ~、まいったなこりゃ。前途多難とはまさにこのことだ。
もはや林間学舎に対しては、波乱の予感しかなかった。
ケセラセラには何度も励まされました。
外へ出る度に何かしら問題に巻き込まれていたので。
飛騨野美咲(CV:花澤香菜)