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社会不適合者が凄腕のバリスタになっていた件  作者: エスティ
第5章 経営者編
117/500

117杯目「食べていくということ」

 伊織は初めての東京に終始夢中だった。


 この大都市のビル群をキョロキョロとしながら、砂糖とミルクの入ったコーヒーを飲んでいる。彼女がブラックコーヒーの魅力に気づくのは、まだまだ先になるだろう。


 コーヒーは苦いイメージだが、中には素で甘いものから酸味の効いたものまである。


 この数ヵ月間で彼女の行動に変化が出ていた。インスタントコーヒーに戻れない体になってしまっていたのだ。魅力を知ってしまった今、戻る意味はない。彼女は唯と仲良く話しながら窓の外を見て一緒に話している。その様子を見ていると、僕の正面に座っている美羽が僕に話しかけてくる。


「伊織ちゃんのこと、気に入ってるんだ」

「ああ、伊織には才能がある。バリスタになりたいって言うから、それでゲイシャのコーヒーを淹れさせてみたら、初心者にしては限りなく雑味の少ないコーヒーができていた。磨けば光る逸材だ」

「ふーん……金の卵なんだ」

「美羽、1つ相談があるんだけど、伊織がうちに入れなかったら育成部に入れてやってくれねえか?」

「入れなかったらって、どういうこと?」

「僕としては伊織がその気なら、中学を卒業直後にうちに入れたい。でもその時、恐らく親ブロックに阻まれる可能性が高い。伊織の夢を阻止されて、高校や大学まで行ってしまったら、20代の内にトップバリスタになるのは絶望的になる」

「20代でトップバリスタになれなかったら、何か問題あるの?」

「美羽は知らないだろうけどさ、バリスタは貧困率高いし、一生食べていけない職業と見なされてる。トップになるんだったら、学校なんて行ってる場合じゃない。20代の内に大成しないと、多分30代を迎える頃にはバリスタを辞めてしまう可能性が高い。積極的にトップを目指す人が少ないブルーオーシャンだ。今の内から重点的にバリスタ修行をしておけば、20代を迎える頃には一生飯を食えるトップバリスタになれる可能性が高い。伊織はこれからのコーヒー業界に欠かせない存在になる」


 伊織の可能性について、美羽がドン引きするほどに熱く語っていた。


 彼女を一刻も早く学校から脱出させたいのには訳がある。


 ――元同級生の男子の多くは、将来の夢がアスリートだった。だが今のアスリートの選手名簿には誰1人として彼らの名前は載っていなかった。理由は簡単だ。彼らは夢を叶えられるような教育を受けていなかったのだ。彼らが受けていたのは……社畜になるための教育だったのだから。


 極端な話、プロになるだけであれば努力でなれる。だがプロになった後、第一線で長年戦い続けられるかどうかは才能の領域である。故にプロにとって努力は当たり前であり、才能があるかどうかはプロになって結果が出て、初めて分かるものである。


 だが元同級生たちは、プロになると決めた後も学校に通い、社畜教育を受け続けた。もし僕がプロアスリートを目指していたならば、学校に行かずスポーツの練習ばかりしていただろう。彼らは平日の朝から夕方まで授業を受け、放課後は友人と遊んでいたために、あまり練習に時間を割けなかった。


 彼らは才能以前に努力の絶対量が足りないのだ。そんな中途半端な人間が何かの道でプロになれるはずがない。天才は育つものだが、凡人は作られるものである。世界を相手に戦えるようになったのは、悪魔の洗脳を無視し、ずっと好きなことに夢中になってきたからに他ならない。自分にバリスタの才能があると確信したのも、WBC(ダブリュービーシー)で優勝してからだ。


 最初は自信こそあれど、確信は持てなかった。


 だが今ならハッキリ言える。トップになりたいのであれば、無駄な勉強をしている場合ではないと。


 集団生活もしなくていい。これからは個人の時代だ。基礎科目の勉強もしなくていい。どうせしない奴はしないし、立派な格好をして卒業していったところで、ほとんどの人は今までの学を将来に活かすことはない。教育が普及している割に知的水準があまりにも低すぎる。それはあいつらが証明済みだ。


「何でそこまで伊織ちゃんをトップバリスタにしたいの?」

「伊織は勉強が苦手だけど、親からは勉強をするように言われてる。中途半端なポンコツ以外作った試しのない馬鹿げた懲役刑のために、1人の才能が摘み取られようとしてるんだ。見てられねえんだよ。あのままじゃ飯を食えない大人として施設にぶち込まれるのが目に見えてる。今の学校はそういうポンコツばかりを量産してるんだ。義務教育が必要だと思っている奴らは頭の中がお花畑に違いない」

「それは……かつての自分を見ているみたいだから?」

「というよりも、単純に考えてさ、才能があるのに発揮できない社会って悲しいだろ」

「そりゃそうだけど、その様子だと、他にもっと重大な理由があると思うなー」

「……この前悪魔の洗脳を真に受けた連中の成れの果てを見た。あいつらは活躍したがってた。でもどうすればいいのか分からないし、活躍したいのにできなくて悔しいって顔してた」

「つまりあず君は、伊織ちゃんが不才になるのを防ぎたいってこと?」

「そゆこと。やりたいことを言えない人生ほど不幸なものはない。僕が日本人から学んだことだ。伊織には幸せになってほしいんだよ」

「幸せになってほしいんだって」


 美羽は横にいる伊織に注意を向ける。気がつけば唯も伊織も話すことをやめ、僕の方を向いていた。


 ――げっ! やっちまった!


 しかも伊織は顔を真っ赤にしたままこっちを見ている。話に夢中になるあまり、僕の目的が1番ばれてはいけない人にばれてしまった。万事休すか。


「あず君がそこまで私のことを考えてくれているなんて、思ってもみませんでした」

「えっと……今のは忘れてくれ」

「忘れられませんよ。私にとっては今日1番の思い出です。言い方はどうかと思いますけど、私の幸せのために行動してくれているんだって知ったら、心動いちゃいますよ」


 伊織には僕の気持ちが確かに伝わっていた。これはプレッシャーを背負うことでもある。重圧に彼女が耐えられるかどうかまでは分からない。美羽は僕らの様子を見ながらクスッと笑っている。唯はご機嫌斜めになっていたが、僕の気持ちを知ると、安心したような笑顔を見せる。美羽は照れ隠しをしている伊織に抱きつき、幼女のように透き通った体をもふもふと触っていた。


 ――あぁ……尊い。何て尊いんだ……。


 東京でのカフェ巡りが終わると、僕らは岐阜へと戻り、伊織を家に帰してから帰宅する。帰ってきた時が1番安心する。さっきまで引き摺っていた重いスーツケースも、この時だけは軽く感じた。


 8月上旬、璃子が成人した記念に彼女をオーガストへと連れていく。


 店の営業後だったが、辺りはまだ明るかった。僕は璃子と並んで葉月商店街の中を歩いた。オーガストはうちの閉店と同時に開店する。まるで太陽と月のようだ。


「お兄ちゃんの方から誘ってくれるなんて珍しいね」

「酒飲んでみたいって言ってただろ。あそこは是非ともお勧めしたい」

「お兄ちゃんが常連になるくらいだから、凄く良い人がマスターやってるんだろうね」

「そうだな。おっとりしてるけど肝が据わってる。あそこだ」


 璃子と共に景色に溶け込んでいる木造の扉を開けた。


「あっ、いらっしゃいませ」

「いつもの。今日は妹を連れてきた。先月成人したばかりだ」

「あぁ~、そうなんですねー」

「葉月璃子です。兄がいつもお世話になってます」

「いえいえ、いつも貢いでもらってます。加藤真理愛です。真理愛と呼んでください」

「では私のことも璃子と呼んでください」

「はい。よろしくお願いします」

「私、お酒飲んだことないんですけど、何かお勧めってありますか?」

「お勧めですか。えっと、噂で聞いたんですけど、璃子さんはショコラティエなんですか?」

「はい。まだ駆け出しですけど」


 実力者が謙遜すると、何だか嫌味っぽく感じるな。


 璃子はスイーツの大会で入賞するようになっていた。だが未だに優勝とは無縁である。


 ――そんなに競争の厳しい業界なのか?


「それでしたら、ショコアテペックは如何でしょうか? チョコレートを使ったコーヒーカクテルなんですけど、とっても甘くて美味しいですよ」

「ではそれをお願いします」

「畏まりました」


 真理愛はすぐにショコアテペックを完成させる。


 傍から見ていると、何だか上品なパフェのようにも見える。


「――美味しいです」

「それは良かったです」

「シンプルで冷たいカクテルとかありますか?」

「それでしたら、マザグランは如何でしょうか? アイスコーヒーとブランデーで作るシンプルなコーヒーカクテルなんです」

「ではそれをお願いします」

「畏まりました」

「カフェテテ1つ」

「はい、少々お待ちください」


 真理愛はすぐ注文の品をテキパキと作っていく。通常のコーヒーを淹れる場合は作業工程が地味なのだが、コーヒーカクテルを作る作業工程はパフォーマンスのようだった。見ていて全然飽きない。これほどの知識や技術を持っていながら、店があんまり繁盛していないのは何故だ?


「真理愛、店の宣伝はしてる?」

「一応してはいるんですけど、あず君たち以外で気に入っていただけた人が、いずれも遠方の人ばかりなので、あまり来られないみたいなんです。宣伝も兼ねて岐阜コンに参加したいところなんですけど、昼間から飲む人があんまりいない上に、普段は夜からの営業なので、わざわざ夜の商店街に来る人が少ないんです。そもそも常連さん以外は、あまり飲みに来られてませんし」

「真理愛さんはお兄ちゃんに憧れてコーヒーを始めたんですよね?」

「はい。父がフランス系スイス人で母が日本人なんです。元々スイスの生まれなんですけど、父がソムリエだった影響で、幼少期からソムリエとしての立ち振る舞いを教わりました。まだお酒も飲めない内からですよ。成人してからは大学を卒業して、ソムリエの仕事に就く予定でしたけど、なかなか乗り気になれなくて、どっちかって言うと、コーヒーの方が好きなんです。そんな時にあず君の活躍を見て、バリスタになりたいと父を説得しました。でも父からは反対されて、ソムリエ修行をすることを条件に3年だけバリスタになることを認められたんですけど……どうせ修行することになるのであればと思ってコーヒーカクテル専門店を始めたんです」


 彼女の言葉から察するに、真理愛の両親はかなり子供を縛るタイプのようだ。


「この店を始める時の資金源は親父なんだよな?」

「はい。大学を卒業してからは父の下で働きました。コーヒーカクテルの知識もそこで学んだんです」

「じゃあ、この店は3年限りの店ってこと?」

「――そうですね」


 真理愛はどこか寂しそうな顔で力なく返事をする。


「納得いかないなら続けたいって言ってみたら?」

「そんなの怖くてできませんよ」


 これは従うことを刷り込まれてるな。かつての璃子とよく似ている。璃子がレールに乗ったまま高校や大学まで行っていれば、ショコラティエとして活躍することはあったのだろうか。


「真理愛さーん、やりたいことは納得いくまで、やった方がいいと思いますよぉ~。じゃないと多分、死ぬ時にもっとバリスタやりたかったっていう悔いが残ると思いますよぉ~」


 ――あっ! これもう完全に出来上がってるな……璃子も下戸だったか。


 僕も璃子も5杯を超えるコーヒーカクテルを飲んでいた。


「ふふっ、そういうところ、あず君によく似てますね」

「こーんな堅物とぉ~、一緒になんてしてほしくないですぅ~」

「堅物はともかく、僕に似てるのは否定できないぞ」

「誰のせいだと思ってるのぉ~。全部お兄ちゃんのせいだよぉ~。私は高校まで行ってぇ~、OLになってぇ~、良い人と結婚してぇ~、普通の人生を送るはずだったのぉ~。それをお兄ちゃんが全部台無しにしたせいでぇ~、いつ食べていけなくなるか不安だぁ~」


 璃子はカウンターテーブルに俯せになり、こっちを見ながら今まで思っていた本音をホースから出る水のように吐き出した。ずっと不安な気持ちを押し殺していたことが見て取れる。


「うちはベーシックインカム制度だから、うちに限って言えば、食べていくって言葉は死語だ。うちが潰れない限りは、最低限度の生活は保障するから安心しろって」

「安心できないよぉ~。もっとぉ~、頑張らないと……」


 璃子は意識がなくなっていき、スヤスヤと寝てしまった。


「寝ちゃった」

「璃子さん、相当滅入ってたみたいですね」

「滅入ってた?」

「はい。何度も酔っている人を見てきたので、状態を見れば分かるんです。璃子さんはきっと、既定路線の人生を羨ましいと思う気持ちと、不安定でも自分らしく生きたいという気持ちが葛藤してるんだと思います。それに世界的バリスタの妹としてのプレッシャーも重く伸し掛かっていたと思います」

「プレッシャーねぇ~。僕は僕、璃子は璃子なんだけど」

「あず君はそうでも世間はそう思わないんですよ。璃子さんは自分がそんなもんって思われることで、あず君まで侮られるのが怖くて仕方ないんですよ」

「よくそこまで分かるな」

「分かりますよ……私は偉大なソムリエの娘ですから」


 真理愛の言いたいことは、何となくだが分かる気がした。


 ――そっか……仕事に夢中で気づきもしなかったが、璃子も大変だったんだ。修行に追われる日々に怯えながら、いつも通りの自分を僕に見せ続けていたのか。


 璃子の寝顔を見ながら、そっと片手で璃子の髪を撫でた。


 しばらくして璃子を起こした後、僕らはオーガストを後にするのだった。


 8月中旬、僕と璃子は親戚の集会に参加する。


 レオとエマは僕が以前のカレーパーティの件を解決したこともあり、すっかり僕に懐いていた。リサもルイもバリスタ競技会に出場するようになり、レオとエマは2人のサポートをするように。みんなはコーヒーもフードもスイーツも作れるし、法人チャンネルの運営を任せてもいいかもしれない。


「あず君、次は世界大会だね」

「そうだな。優勝目指して頑張るよ」

「あず君って、元々は店を宣伝するために、大会に出てるんだよね?」

「そうだけど、今はコーヒー業界の地位をメジャー業界に押し上げるためにやってる。そうなったら、コーヒー豆が安く買い叩かれなくて済むようになる」

「でもそうなったらさー、コーヒーの値段上がっちゃうよね?」

「売る側の立場で考えてみろよ。高く売れるはずのものを安く買われたら嫌になるだろ。コーヒー農園が倒産したら、あの美味いコーヒー自体が飲めなくなる。日本は客単価が安すぎるし、1杯1000円を超えるドリンクとか、もっと普及していいと思うけどな」

「そんな未来が来たら、もうコーヒー飲めなくなるよぉ~」

「そこで諦めるから駄目なんだ。まずは値段を見ないで買い物ができるくらい稼げるようになればいいだけだし、稼いでる客だったら文句言わねえぞ」


 エマがきょとんとした表情になってしまった。


 客単価が安いのにハードルが高く感じる人が多いのは日本が貧しくなっているからだ。しかしみんなは未だに日本が豊かであると本気で信じている。レオは柚子の会社で立派に働いていた。


 なるほど、葉月家がモノ消費で稼ぐのに対して、楠木家はコト消費で稼ぐ路線というわけか。


「おかえりなさい。夕食できてますよ」


 璃子と共に帰宅するや否や、唯が声をかけてくる――もはやいつもの光景である。


 夕食中、唯から1つ提案をされた。この提案が僕の命運を分けることに。


「あず君、ゲイシャ同士のブレンドはまだやってないんですか?」

「ゲイシャ同士のブレンドねぇ~。ゲイシャの豆って、まだ残ってたっけ?」

「在庫だったら、まだ残ってたと思うよ。でもあの豆高いでしょ。使ってもいいの?」

「それはそうだけど、やってみる価値はありそうだ。でも数は少ないから焙煎はライトからイタリアンまでをそれぞれ1回限りにするとして、中から1番良かったものを選ぶか。今はパナマゲイシャ、コロンビアゲイシャ、エチオピアゲイシャが揃ってるし」


 8月下旬、僕は最も良い組み合わせのブレンドを発見すると、今度はこのゲイシャブレンドのシグネチャーを作ることに没頭する。結局は定番の焙煎段階に落ち着いた。


「美味いっ!」

「美味しいですねこれ。葡萄の風味がします」

「コロンビアのカウカ県にある『アルマ・ヘメラ・へメロ農園』のコロンビアゲイシャは、葡萄のフレーバーが特徴で、ボディが強いんだ」

「パナマゲイシャはボディの弱さが課題でしたけど、ゲイシャブレンドは改善されていますね」

「後はこれを元にしたシグネチャーを作るだけだな」

「まだ続くんだ」


 璃子はずっと実験に飽きず、当たり前のように続ける僕にすっかり呆れている様子。


 最愛の恋人が進化する時だってのに黙って時間を過ごしてる場合じゃない。本来であれば食事の時間さえも惜しいくらいだ。腹が減らなくても生きられる体であれば、もっと実験に時間を割けるのだが、それができない以上は時間をうまく使うしかない。大会は待ってくれないのだから。


 9月を迎えると、ようやく新しいブレンドコーヒーとシグネチャーが完成した。


 毎日根気強く、味と香りの研究を続けた成果だ。僕が作ったのは、2種類のゲイシャをブレンドしたコーヒーだ。これで究極の味を現出することができた。


 カッピングをしてくれた唯も、この味には驚きを隠せなかった。


 シグネチャーはこのゲイシャブレンドコーヒーに、コーヒーのホエイとピオーネ果汁のシロップを少しずつ混ぜた。このコーヒーが持つ葡萄のような酸味と甘さを更に引き立てられる。奇しくもピオーネはイタリア語で『開拓者』という意味である。まさにコーヒーの開拓をし続ける僕に相応しい食材だ。


 ピオーネコーヒーと名付けよう。店で売り出すとしたら1杯1万円くらいだろうか。ただでさえゲイシャブレンドは貴重だし、ホエイや自家製ピオーネ果汁も作るのに手間がかかっている。これくらいは出してもらっていい。こんなことをラジオで言えば間違いなく炎上し、拝金主義者のレッテルを貼られるに違いない。むしろあいつらの方が拝金主義者だ。


 知的水準をあいつらに求めるのが、そもそもの間違いかもしれない。


 ――コーヒー豆が出来上がるまでにたくさんの手間がかかる。


 常に夏場の気温で雨も降らないと育たないために、熱帯か亜熱帯の気候でしか収穫できない。そうやって色んな作業工程を経て、ようやく僕らの元に届くわけだ。なのに過酷な経過を経たコーヒーをぼったくりと決めつける者もいる。あいつらは人件費という言葉を知らないのだろう。


 これだけ色んな手間暇がかかってるんだ。むしろ安いくらいだけど、高いと買ってもらえない。これくらいの塩梅が丁度良いのではないかと思った。


 想像を巡らせながらも、僕は世界大会への準備を進めるのであった。

気に入っていただければブクマや評価をお願いします。

読んでいただきありがとうございます。

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