116杯目「甘味と酸味の調和」
7月中旬、JSCまではもう少し時間がある。
そこまで余裕があるわけでもなく、珍しくアイデアが思いつかないまま時間だけが過ぎていった。
このまま家に引き籠っていてもしょうがないと思い、数日後のカレーパーティに参加するべく、商店街の中央でカレーを作ることに。商店街の中央には、早速人だかりができていた。
男が多めで人目を気にしない清潔感のなさ、ヨレヨレの短パンにTシャツ、もはや自己紹介をしてもらわなくても分かる。そんな連中の目線の先にあるのが、企画をマイクで発表中の柚子である。ドタキャンしていたら、確実に赤っ恥をかいていただろう。
「あっ、あず君、やっぱり来てくれたね」
「……これっきりだぞ」
「分かってる」
「予定は?」
「今から班分けをして、あず君があの人たちにカレーの作り方を教えていくの」
「教えていくってことは、あの連中はカレーの作り方も知らないってことか?」
「そうだよ」
――おいおい、マジかよ。
僕が大阪で見たあの連中も、優子が言ってた連中も、地域を問わずどこにでもいるってことは、全国にはああいう好奇心の抜け殻のような連中がうじゃうじゃいるってことだよな?
もしそうだとしたら……これは大問題だろ。
またしても衝撃を受けた。この状況を放置すれば間違いなくこの国は駄目になる。面倒だけど、ここは僕なりに生き方ってやつを教えてやるか。商店街の連中を助けるわけじゃない。こいつらが無敵の人と化した時、切羽詰まって犯罪を犯さないようにするためだ。
「じゃあまずは班分けをして、班毎に決められた食材をスーパーで買ってきてください」
「ちょっと待て。全員同じものを作るんだったら、工場労働者を作るための訓練と変わりない。そんなのカレー好き以外は喜んでやらないぞ」
「じゃあどうするの?」
「カレーにも種類があるし、家庭によって好みの味も使う材料も千差万別だ。まずはどんな種類のカレーが好きなのかをみんなに言ってもらって、好みが一致する人たちだけで班を作る。その後アイデアを出し合って食材を買いに行く」
「ちょっと何言ってんの? 予算の範囲内でやらないと、企画の意味がないでしょ」
「元々こいつらに社会復帰の機会を与えながら、商店街に人手を増やすための企画なんだろ? だったら外の世界には面白いもんがたくさんあるってことに気づいてもらわないと、それこそ意味がない企画に終わっちまうぞ。誰かが規定したものに全員を従わせたところで、そこに本当の学びはない。そんなものは既定路線を歩ませたい連中の自己満足にすぎない」
「……はぁ~、どうせ譲れって言っても譲らないんでしょ……好きにしたら?」
「そうさせてもらう」
カレーパーティは僕の提案により、辛口肉カレー、甘口肉カレー、辛口野菜カレー、甘口野菜カレーの班に分かれ、それぞれの班が好きな食材を買いに行くことに。
参加した連中は総勢約50人、その内約40人が引きこもりの参加者だ。
僕は甘口肉カレーの班に、柚子は辛口野菜カレーの班に入る。指揮を執るのは楠木マリッジの社員たちではあるが、婚活イベント会社なのに、婚活以外のことをやらされて違和感ないのか?
日本の会社員は事実上の何でも屋。うちはメインの仕事以外に手を出す習慣はない。そう考えてしまうのも無理はないか。班分けの後は買い物をするべくスーパーへと向かった。僕はみんなと少し距離を置きながら、一行を導くように歩いていた。そこに1人の女が横に並んでくる。
「あず君、私のこと、覚えてますか?」
「――もしかして花音か?」
「! 覚えててくれたんですね」
声をかけてきたのは花音だった。
確か桃色喫茶でバイトしてたはずだけど、何故彼女がこいつらに混ざってるんだ?
「いきなり僕の名前を呼ぶ店員なんて珍しいからな」
「あー、あれですか……あの時はまだ新人だったので」
「桃色喫茶で働いてるもんだとばかり思ってたけど」
「それが……私のせいで、桃色喫茶が潰れちゃったんです」
――マジかよっ!? 気に入ってたのに……。
まあ、ずっと行ってなかったし、確かめようがないけど、自営業の宿命か。
「潰れたって、どういうこと?」
「桃色喫茶は銀行から借金していたんです。ある日銀行の人が融資の件で店まで来ていたんですけど、私が慌てたせいで銀行員にコーヒーをかけちゃったんです」
「あぁ~、それで交渉決裂しちゃったわけか」
「はい。それからしばらくして桃色喫茶が倒産したんです。私は椿さんから居場所を奪ってしまった責任を取って、どこにも就職しないで引き籠ってました。倒産が決まったあの日から、全くやる気が出ないんです。人の居場所を奪っておいて、私だけのうのうと仕事をするなんてできないです」
「この企画に参加した理由は?」
「親がチラシを見て、あず君もいるからって言うので」
僕が初めて花音に会った時も彼女はかなりドジを踏んでいた。頭より先に体が動くタイプで、急かされると慌ててしまう典型的なドジっ子だ。客層を女にだけ絞っていたのが災いしたのかな?
「潰れたのっていつ頃?」
「4年前の終わり頃だったと思います」
なるほど、桃色喫茶も環境の変化に飲まれたところに花音のドジっ子カノンが炸裂したわけだ。あの頃は僕も持久戦の構えだった。だが解せないところもあった。ニートがしたくてニートをするのは構わないが、誰かに遠慮してニートをするのは違う気がする。椿がこれを知ったらどう思うだろうか。
スーパーではそれぞれの班が好みの食材を買っていた。
どれも個性的な食材だ。みんなそれぞれの家の隠し味を知っていたのか、僕が実験すらしたことのない食材が混ざっていた。それぞれが家庭の味に使っているアイデアを出し合いながら買う食材を決めるというものだが、これはどんな味になるのか想像もつかない。
だが意見する人は班全員の半分もいなかった。恐らく他の班も同じことになっているだろう。買い物が終わると、全員が商店街に戻ってくる。何人かが食材の入った袋を持ちながらしんどそうに歩いていると、見ていた他の人が代わりに荷物を持ち、礼を言われていた。
生きる力のない連中の特徴はある程度共通している。
優しい、真面目、大人しい。言われたことはできるが、やりたいことは言えない。
あのメンタルブロックさえどうにかできれば……。
それぞれの家庭の味が混ざったオリジナルカレーを作っていたが、みんな調理を知らない。このままだと僕が全部作る破目になる。何で休日にまで、わざわざみんなのために料理を作らなきゃいけないんだろうか。考えれば考えるほど悲しくなってくる。食材を切るくらいならできるはずだと思い、班の人の内の何人かに切る作業を任せてみた。だがいずれも切るの意味を履き違えていたのか、食材を微塵切りにしてしまう。これじゃ微塵切りカレーじゃねえか。
まあいい。世の中には食材とルーが一体化したカレーもある。
調理を行うため、カレールー、ビーフ、ジャガイモを鍋の中に次々と入れていく。残るは林檎とヨーグルトか。林檎はまだ分かるけどヨーグルトって何だ?
林檎を刻んでミキサーにかけてジュースにして濾したものをカレーの鍋の中に入れた。
「あのさ、ヨーグルト買ってきたの誰?」
「はーい、私でーす」
「――何でヨーグルトなわけ?」
「うちのカレーには隠し味にヨーグルトを入れるんです。辛口が苦手な私のために、お母さんが毎回入れてくれるんですよ。辛さが緩和されて、より濃厚でまろやかな味になるんですよ」
「ふーん、僕は入れてもいいと思うけど、どれくらい入れるの?」
「大匙1杯入れるんです。えいっ!」
大匙1杯分のヨーグルトの塊が、茶色に染まったカレーの中へと溶けていく。
「みんなの許可は取った?」
「あっ!」
花音が咄嗟に声を出しながら口をパックリと開けた。
「ふふっ、君もこっち側の人間みたいだな」
「ごっ、ごめんなさいっ! 私、私、またやっちゃったぁ!」
「別にカレーの美味さを競う大会に出てるわけじゃないんだし、もっと気楽に考えろ。これは元から甘口のカレーだから、あんまり緩和する意味はないけど、案外美味いかもしれないぞ」
「そ、そうですよね。新しいものって、意外と失敗から生まれたりするもんですよね」
「そうそう。失敗から――」
あることに気づいた。カレーに隠し味としてヨーグルトを入れたように、普段は全然使っていないような食材をコーヒーに使ってみたらどうなるのかと。
「どうしたんですか?」
「いや……何でもない」
ちょっと変わったビーフカレーが完成すると、班の人がホカホカの白米が入った人数分の皿にカレーをよそっていく。食べる時はみんな同じ場所である。僕としては1人で食べたかったが、もうこんな光景にはお目にかかれないかもしれないし、最後の機会と思って目に焼きつけておこう。
「花音、先に食べてくれないか?」
「は、はい――! これ、凄く美味しいですっ!」
「……マジで?」
毒見のつもりだったんだが、もしやと思い食べてみる。
……! 何だこの味は? 微塵切りされたビーフとジャガイモがルーに溶け込むことで絶妙なハーモニーを生み出している。仄かに感じる林檎の風味も素晴らしい。ジュースにしたのは正解だったようだ。そして何より、カレーとヨーグルトの相性がここまで良いとは思わなかった。
ヨーグルトの酸味が林檎の甘味をより一層引き立てている。
――ん? これ、シグネチャーにも応用できるんじゃないか?
「どうですか?」
「美味いっ!」
意外な美味さに、ついほっぺが落ちた表情になってしまった。花音のドジっ子カノンは僕には良い意味で効いたようだ。みんな違う環境に生まれていれば、多分大物になれていたかもしれない。
カレーパーティは意外に高評価だった。食材を自分たちで選べる点、好みを考慮した点、同じ好みの友人ができた点が要因だった。何故カレーの好みで班を分けたのかと言えば、日本人にみんな仲良しは向いていないと思ったからだ。逆説だが、外見や能力の差が浮き彫りになりやすいアメリカ人の方がみんな仲良しに向いているし、日本人は共通の好みや趣味を持つ者たちだけで固まることを知っている。
「良かったです。あず君が喜んでくれて」
「花音、1ついいか?」
「何ですか?」
「椿のことなんだけどさ、相手の不幸を痛みたい気持ちは分かる。でもやっぱりさ、椿のためにニートになるのは違うと思うぞ。椿がニートでいてくれって頼んだのか?」
「……いえ」
花音は何か思いつめた表情をしながら食べるのをやめた。
「ニートとして生きていくって心底から思うんだったら、それでもいいけどさ、そうじゃないならもう一度チャレンジしてみろよ」
「……もう遅いですよ。高校を卒業してからはロクに働いていないんですから。ずっとニートをやってた人を雇いたい人なんていませんよ」
「商店街の花屋、うちの親が辞めてからずっとバイト募集中でさ、誰でもいいから働きに来てほしいって言ってた。今あそこにいるし、頼みに行ったらどうだ?」
「……でも」
「このイベントにやってきたのは、もう一度人生をやり直すチャンスが欲しかったからじゃねえの?」
「どこに行っても失敗ばかりでした。そんな私が働いたところで、みんなに迷惑をかけるだけです」
「うまくいかないことなら、僕だって何度もあった」
「あず君にもあるんですか?」
「ああ、理不尽な目に遭わされた回数なら誰にも負ける気がしない。今思うと、あの経験があったからこそ、最後の最後まで諦めない反骨精神を持つことができた。最初はただの石ころでも、叩かれたり削られたりすることで光沢のある宝石になる。人間も同じだ。散々苦しんだ経験が、人を強くするんだ」
何でこんな説教臭いことしてるんだろ。自分でも分からない。でも放っておけばまた1つこの世から才能が消えるような気がした。一度の失敗で挫折するのはあいつらの悪い癖だ。あいつらは何をやるにも失敗するなという不敗神話を押しつけられている。故に失敗した時に受けるショックが大きいのだ。
「うまくいかないことを失敗とは言わない。それは試行錯誤っていうんだ。本当の失敗は、何もしないで無為に時間を過ごすことだ」
「……あず君、しばらく考えさせてくれませんか?」
「別にいいけど、決心がついた時のためにメアド交換するか?」
「メアド交換してくれるんですか?」
「ああ、ちゃんと考えるんだったらな」
「はいっ!」
花音とメアド交換をした後、カレーパーティが終わる前に完食して帰宅する。集団の場にいると背中が痒くなる。一刻も早くあの場から離れたかった。本人に自覚はないだろうが、花音からは色々と学ぶことができたし、シグネチャーのアイデアが浮かんできた。忘れない内に早く実験がしたい。
「それでカレーパーティが終わる前に帰ってきたと」
「あいつらと接していて分かった。やっぱ僕みたいなのは、引き籠りの方が向いているってな。新しいアイデアが浮かんだからさ。大会にはどうにか間に合いそうだ」
璃子と他愛もない話をしながらシグネチャーを作る。
「お兄ちゃんがあんなに張り切ってるところ、久しぶりに見た」
「きっと何か掴んだんですよ。あず君は全てから学ぼうとしますから」
この日の僕は夜中までコーヒーの研究を続けるのであった――。
7月下旬、東京でJSCの決勝が行われた。
決勝は15分でプレゼンをしながら8杯のドリンクを提供する。僕、唯、伊織の3人で一緒に東京まで赴き、伊織は機械的動力を伴わない手動の抽出器具のマニアだったこともあり、僕についていくことを熱望していた。そこで彼女を通して伊織の親に許可を貰うことに苦労を要した。
予選では4台のサイフォンを使っていたが、決勝はシグネチャーも作るためにサイフォンを5台使うことになる。5台目のサイフォンで淹れたコーヒーはシグネチャー用である。
無論、これも練習済みである。シグネチャーを完成させてからうちのスタッフを相手にプレゼンの練習をしていた。日本人恐怖症は以前よりも緩和されていたようだ。カレーパーティの後で気づいたのだが、距離を置いて目を合わせなければ普通に話せた。
――カレーパーティを思いついた人には感謝しないとな。
観客が見守る中、僕の出番になるとステージ上で準備をする。
唯も快く手伝ってくれていた。もうすっかり見慣れた光景だ。
「最終競技者です。第8競技者、株式会社葉月珈琲、葉月珈琲岐阜市本店、葉月梓バリスタです!」
僕の肩書きも随分と長くなったもんだ。本当なら代表取締役とまで言われているところだが。
「それではご自身のタイミングで始めてください」
この感じ、久しぶりだな。予選の時こそあんまり人が集まらなかった。
だが今回は悩み抜いた末にできたドリンクを披露する時だ。
「タイム。僕は最初、ブレンドコーヒーの焙煎、これを使ったシグネチャーにとても迷っていた。僕はある料理からヒントを得たことで、これらの課題を解決することができた」
競技が始まると、英語のプレゼンをしながらジャッジ用の水を注ぎ、予め熱湯を入れておいた5台のサイフォンから保温用の熱湯を捨て、新しい熱湯を順番に入れていった。熱源を入れると、そこに混ぜ合わせて焙煎したオリジナルブレンドコーヒーを5台のサイフォンに入れて竹べらで混ぜる。
少し時間が過ぎたところで、泡と粉と液体の3層になっていれば良い状態だ。
抽出後にコーヒーの粉の表面がドーム状に盛り上がり、1番上の層に泡がついていれば理想的に抽出しているサインだ。後は抽出したコーヒーをフラスコからコップに移せば、梓流ブレンドコーヒーの完成である。ここまでは予選と同じ。違うのはここからだ。
「カレーとヨーグルトの相性の良さに注目して、もしやと思ってコーヒーにも試してみたところ、抜群の相性だった。ヨーグルトだけじゃなく、ヨーグルトのホエイのみを混ぜたドリンクでも試した。これも申し分ない美味さだった。ホエイは高タンパク低脂肪で、乳成分由来のカルシウムなどの無機栄養分やビタミンB群をはじめ、各ビタミン類など栄養価が高い点、消化が速く、タンパク質合成、インスリン分泌を促進する点などから、優れた食品であると認識した。試行錯誤の結果、このホエイがコーヒーの持つフレーバーを更に高めてくれることが分かった」
そんな説明をしながら、残り1台のサイフォンからコーヒーを別の容器に移す。
予め用意されたシグネチャー用の食材を公開する。
「ゲイシャはフローラルな香りに加え、甘味と酸味が調和されたフルーティなフレーバーだ。それをゲイシャ以外のコーヒーで再現するべく、甘味が強いコーヒーと酸味が強いコーヒーを味が喧嘩しないよう工夫しながら混ぜたこのブレンドコーヒー、桃をペーストしてから濾して作った甘味のあるピーチシロップ、酸味のあるヨーグルトのホエイを少しずつ投入し、このブレンドコーヒーが持つ甘味と酸味を更に引き上げる。桃を選んだのは味をまろやかにするためだ」
食材を全て投入すると、ブレンダーで数秒間混ぜ合わせることで、アフターまでフレーバーを伸ばすことができる。その後は4つのコップにドリンクを均一に注ぎ、センサリージャッジに提供する。
これがゲイシャなしで作った梓流フルーティコーヒーだ。
甘味と酸味の調和、これが梓流コーヒーの基礎として固まった。
「サイフォンは僕を新たな領域にまで進化させてくれた。僕にこのコーヒーを淹れるきっかけを与えてくれた人たちにも感謝している。タイム」
こうして僕の競技が終わった。それからすぐにインタビューが行われ、全員の競技が終わると、結果発表が行われた。順位の低い順に名前が発表されていく。
そして――。
「今年のジャパンサイフォニストチャンピオンシップ優勝を発表します。優勝は……株式会社葉月珈琲、葉月珈琲岐阜市本店、葉月梓バリスタです。おめでとうございます!」
最後に名前を呼ばれて優勝した。9月に行われるワールドサイフォニストチャンピオンシップ、略してWSCへの出場権を得た。表彰式では穂岐山社長の手からトロフィーを受け取った。
トロフィーを受け取り、しばらくして会場を後にする。
「あず君の競技、凄く感動しました」
話しかけてきたのは伊織だった。
その後ろには、唯、美羽の2人がいて、2人共にっこりと笑っている。
「参考になったか?」
「はい。ずっと夢中になって見ていました。まさかホエイを使うとは思いませんでした」
伊織とのコーヒーの話に夢中になっていた。
「唯ちゃん、あの子は誰なの?」
「本巣伊織ちゃんです。今年からあず君のお店で修業をすることになったんです」
「じゃあ彼女もあず君に選ばれた子なの?」
「はい。元々は璃子さんの友人のいとこなんです」
「ふーん、意外なところで繋がってたんだー。あんなにコーヒーのことを熱く語り合えるなんて、2人共余程のコーヒー好きなんだねー」
「ですね。羨ましい限りです」
東京でカフェ巡りを楽しんだ。伊織には早い内から最高のコーヒーに触れさせてやりたかった。
伊織は初めて飲むコーヒーに好奇心を震わせるのだった。
気に入っていただければブクマや評価をお願いします。
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