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本当に怖いことになった仮想通貨の税金の話

目次

1 はじめに

2 夢のような現実

3 悪夢のような現実

4 仮想通貨の税制

5 年末に売り抜けた欲張りなA氏の末路

6 無知なB氏の末路

7 小説のような現実

1 はじめに

 2017年末に「億り人」とまで言われるほどの利益を生み出す人が続出した仮想通貨取引。

 そのうちどれだけの人が、無事に2018年3月15日を迎えられるのでしょうか。


2 夢のような現実

 2017/1/1    117,353円/BTC

 2017/12/17 2,224,994円/BTC(年内最高値)


 2017年頭にビットコインを買い年末に売却した人は最大で約19倍になったことになります。

 うらやましい話ですね。

 でも、話はここからです。


3 悪夢のような現実

 2018/1/17 1,068,530円/BTC(月内最安値)


 年末~年始に仮想通貨取引業者のCMがバンバン打たれたのとは裏腹に、年明け早々仮想通貨市場は一気に崩れました。

 一番の勝ち組は、「年末に売り抜けた臆病者」でした。

 二番目は、「売り時を見る目のない人」でした。

 では一番の負け組は、「高値で買って暴落に巻き込まれた人」でしょうか?


 いいえ、違います。その人は下から二番目の負け組です。


 一番の負け組は、「年末に売り抜けた欲張りな人」と「無知な人」です。

 どういうことでしょうか。


4 仮想通貨の税制

 「日本円ではないから仮想通貨に税金はかからない」

 「国税庁の見解が示されるまでは税金はかからない」

 「日本円にしたときにはじめて税金がかかる」

 「先物取引と同じく、分離課税で税率は固定になる」

 「譲渡所得になる」

 

 すべてダウトです。 

 界隈では憶測・願望交じりの様々な意見が出ていましたが、昨年8月末のタックスアンサーでおおまかな方針が例示され、12月に詳細が発表されました。


 タックスアンサー「No.1524ビットコインを使用することにより利益が生じた場合の課税関係」

 https://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1524.htm

 平成29年12月1日付個人課税課情報「仮想通貨に関する所得の計算方法等について」

 https://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/joho-zeikaishaku/shotoku/shinkoku/171127/01.pdf


 「仮想通貨の売却」

 「仮想通貨での商品の購入」

 「仮想通貨と仮想通貨の交換」


 これらは所得を発生すると明らかにされました。

 仮想通貨の売買で利益が出た。これは当たり前。

 安く買った仮想通貨で高いものが買えた。これもちょっと考えればわかること。

 別の仮想通貨に変えた。利益が発生していないようにも感じますが、新しく手に入れた仮想通貨を「ビックカメラで買ったカメラ」に置き換えれば、しっくりくる。

 要するに、物々交換みたいのものです。譲渡所得ではないけれど。


5 年末に売り抜けた欲張りなA氏の末路

 昨年初めに1,000万円で仮想通貨を購入し、色々な通貨を何度も売買した結果、年末に1.5億円になりました。

 利益の計算が面倒になったので一度すべて売却し、日本円にしました。

 利益は1.5憶-1,000万=1.4億円。全く簡単だ。

 でも、仮想通貨はまだ上がる。

 そう踏んだA氏、1.5億円で即座にビットコインを購入しました。

 そして迎えた大暴落。

 半額になったビットコインをすべて売ると7,500万円。

 それに対して所得税+住民税が約7,220万円。

 一時は億り人だったA氏の手元に残ったのは、たったの280万円……


6 無知なB氏の末路

 円にしなければ仮想通貨に税金なんてかからないと思っていたB氏。

 昨年初めに1,000万円で仮想通貨を購入し、色々な通貨を何度も売買した結果、年末に1.5億円になりました。

 でも、日本円にしなければ税金なんてかからない。

 そして迎えた大暴落。

 半額になったのは残念だけど仕方がない、7,500万円で売却。

 欲しかった4,000万円のマンションを購入し、残りで税金も払えるだろう。

 (3年後)

 税金の調査ですか? ちゃんと申告しましたよ? 

 えっ! 計算が間違ってる!?

 加算税と延滞税で約1,800万円に、差し引きで納めたりない税金が4,500万円!?

 手元には税金を納め終えた後の400万円しか残っていないのに……


7 小説のような現実

 投資(機)家にとって、納税資金を確保するのは常識です。

 仮想通貨で新規に参入した投機家の中には、その常識を身に着けないまま参入した人も多いことでしょう。

 数年前にFX取引がはやり始めたときも、同じ現象が起きました。

 

 年末に急騰し、年始に暴落。売却しても納税資金が足りない。

 納税しようにも、預けていた資金が取引所から引き出せない。

 小説みたいな話が、今、現実で起きています。

追記

 年末に頂点に達して年明け以降暴落に転じたって展開、1989年末の日経平均最高値からのバブル崩壊と同じですね……

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― 新着の感想 ―
[良い点] うまい話には落とし穴があるってはっきりわかんだね
[一言] そういえば利益20万以下なら問題ないんでしたっけ?
[気になる点] 5 について おそらくなのですが、仮想通過は利益も計算出来るけど、損益も計算出来るのでは? だからA氏はやはり手元には3500万円くらい残るのでは無いでしょうか? 半分税金と…
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