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【爆撒英雄サトルのガイア建国記】  作者: 池上雅
第1章 ガイア建国篇
74/325

*** 74 俺の『攻撃』デモンストレーション ***

 


「それじゃあそろそろ、本邦初公開、攻撃のデモンストレーションを始めるよー。

 最初はみんなを守るためにフィールド構築からだ。

『俺の北方5キロ地点を中心に、半径3キロ、高さ5キロの絶対アブソリュートフィールド(神級)を円筒状に構築せよ。

 底部は蓋をするが、上面は蓋をせずにオープンのままとする。

 倉庫内の岩石を径1メートルほどに砕いた上で、厚さ500メートルほどに敷きつめよ。尚、その際に、すべての生物は倉庫内に残していくこと』


 あ、しまった。

 絶対アブソリュートフィールドが完全に透明でみんなに見えないわ。


絶対アブソリュートフィールドの表面を光の反射率20%で可視化せよ』


「「「「「「「「 わぁぁぁぁぁぁぁ~っ! 」」」」」」」」


 おお、見えるようになったか。


「それじゃあ第1弾行くぞー。

 魔法マクロ定義、マクロ名【メテオ1】

絶対アブソリュートフィールドの20キロ上空に100トンの岩塊を転移させ、フィールドの中に時速5000キロの速度で落下させよ』

 以上、魔法マクロ定義終了」


 遥か上空に黒い点が出現した。

 その物体が素晴らしいスピードで落下してくると、絶対アブソリュートフィールドの中央部に突き刺さる。

 途端に凄まじい光と共にきのこ雲にも似たイジェクタが噴き上がった。

 轟音は13秒ほどかかってギャラリースタンドに届いたようだ。

 あ、ヤバいなこれ、イジェクタが少し絶対フィールドを乗り超えてるわ。


絶対アブソリュートフィールドの高さを8キロに延長せよ。

 それからこのギャラリースタンドも絶対フィールドで覆え。

 なあアダム、絶対アブソリュートフィールドは持ちこたえているかな?」


(まったく問題はございません。

 さすがは『神級』の絶対アブソリュートフィールドでございます)


「よし、それじゃあ次だ。

 魔法マクロ定義、マクロ名【メテオ100】

『魔法マクロ【メテオ1】を100回繰り返せ』

 以上、魔法マクロ定義終了」


 わははははは。これ迫力あるなー。

 まあ、ひとつひとつが戦術核兵器並みの破壊力を持つ隕石が、いっぺんに100個も降って来てるんだものなー。

 もんのすごい破壊力と轟音だわ。


「「「「「「「「 わぁぁぁぁぁぁぁ~っ! 」」」」」」」」

「「「「「「「「 パチパチパチパチパチパチパチパチパチ 」」」」」」」」

「「「「「「「「 すごい! すごい! すごい! 」」」」」」」」


 へへ、ギャラリー大喜びだぜ。

 それじゃあ調子に乗ってもう一発。


「魔法マクロ定義、マクロ名【溶融の焔】

『このギャラリースタンド全体をさらに耐熱絶対アブソリュートフィールド(神級)で覆ってギャラリーを保護せよ。

 前方円筒状の標的絶対フィールドの上空20キロに、直径1キロ、表面、内部温度共に3000度のプラズマ球を出現させて円筒内に落下させよ』

 以上、魔法マクロ定義終了」


 わははは。来たぜ来たぜ巨大な火球が。

 うおおおお、熱そうだなアレ。

 いや実はもっと高温にも出来るようなんだけどさ。

 太陽の中心温度の1万2000度ぐらいまで。

 でもそうすると、遠くの木でも燃えちゃうかもしれないし、岩石の沸点も遥かに超えちゃって、岩石が岩石蒸気になっちゃうんだ。

 そんなの吸い込んだら健康に悪そうだろ。

 だからこれは地上では3000度までね。

 1万2000度以上を試すのは、今度宇宙空間に行ったときにするわ。


 うおっ、絶対フィールドの中の岩石がぼこぼこ煮立ってるわ。

 す、すげぇ……

 やっちまった本人の俺ですらすげぇって思うほどすげぇわ……


 ああ、みんな歓声も拍手も忘れて煮え滾る溶岩に見入ってるよ。

 まあ、みんな溶岩なんか生で見るの初めてだろうからなあ。

 かく言う俺も初めてだけどさ。



「すごかったです…… まさに英雄サトルならではの攻撃でした……」


「ほんにお前は可愛いらしい顔してとんでもないことをしおって……

 数千年ぶりにわたしも滾ってしまったではないか……

 今度わたしもめちゃめちゃにしておくれ……」


(エルダさま…… やっぱりあなたさまは『破壊』がお好きだったんですね……)


「わ、わたしも…… わたしもめちゃめちゃにして欲しい……」


(フェミーナ…… キミもアブナイ性格だったのか……」



「ということで、攻撃の実演はこんなところだ。

 ご満足頂けただろうかキング」


「あ、ああ…… 

 サトル殿だけは絶対に敵に回してはいけないということだけはよくわかった……」


 まあそらそうだわ。

 これだけの戦闘力があれば、たとえ地球の全軍を相手にしても負ける気はしないし。

 あのメテオの有効攻撃範囲は、多分星全域になるだろうからな。

 ミサイルとか飛ばして来ても、アダムに探知させて出力5ペタワットのレーザーパルス1万本飛ばして撃墜してやれるぞ。

 しかもだ。

 現在地球人類最強のペタワットレーザーはパルス時間が1ピコ秒しか無いから、そのエネルギー転移もせいぜい1000ジュールしか無いんだけどさ。

 俺のレーザーパルスは0.1秒間持続出来るから、移転されるエネルギーも1発当たり100ペタジュールになるんだ。日本の総発電量の約8日分な。

 第2次世界大戦で使用された全ての火薬の爆発エネルギーの5倍と言った方が分かりやすいか。

 こんなもん1万本も喰らって無事でいられる物体は存在しないだろう。



「そうそうシスティ。

 こちらは中央のゴブリンを束ねるゴブリン・キングさんだ。

 キングさんは配下の村長さんたちを連れて、俺たちの街の視察に来て下さったんだよ。

 キング、こちらが創造天使システィフィーナさまだ」


「お、お初にお目にかかります。

 ゴブリン・キングを務めさせて頂いておりますゴブルーンと申します。

 父祖より代々言い伝えられる創造天使さまにお会いできて、これに勝る喜びはございません……」


「ゴブルーンさん。今日は視察に来て下さってどうもありがとうございます。

 わたしたちの街を隅々までご視察くださいね。

 そうして、もし移住して下されば、とっても嬉しいです♪」


「も、もったいないお言葉を……」



 俺たちは歩いてギャラリースタンドを降りていった。

 ああ、精霊たちや悪魔っ子たちは、「凄かったねー♪」とか「面白かったねー♪」言いながらふわふわ飛んで戻って行ってるわ。


「それじゃあサトルさん、私たちは『フェンリル街』に帰るわね」


「今日は本当にありがとう。

 後で2時街にもお邪魔させてもらうってフェンリーに伝えておいてくれるか」


「はい、お待ちしてますね♪」



 俺たちは街の北門の前に立った。

 前に立つと、改めて門の大きさを実感出来るな。

 総金属製の高さ20メートルもの門か。

 しかも細かい彫刻まで入ってるわ。


「それじゃあアダム。開門してくれ」


 おお、こんなデカい門が音も立てずに滑らかに開いていくじゃないか。

 そうか、反対側にも同じ重量物を作ってバランスを取っているんだな。

 土の精霊たちもよくこんなもん造ったなあ。


 キングたちは、道の両側の5階建てのビルをきょろきょろ見ながら歩いていた。

 まあ、こんな建物見たこと無いだろうから仕方がない。


「この辺りの建物はみんな学校にするつもりなんだ」


「学校?」


「字を教えたり計算を教えたりするところだ。

 他にも生活に便利ないろいろなことを教えるつもりだが」


「そうか、我々の村の『教場』みたいなものか……」


 おお、ゴブリン達って教育機関も持ってるのか……


「さて、中央棟までは転移で行くかい? それともこのまま歩いて行くか?」


「あ、ああ、もしよければ歩かせてくだされ」


「了解」



 あ、道の両側のプランターに花がいっぱい咲いてるわ。

 ふふ、植物の精霊の子供たちがたくさん飛び交って世話をしてる。

 こいつら本当に植物と仲がいいよなあ。


「あー、サトルさまだー。

 ねえねえ、サトルさまが言ってた、『油が採れる実をつける花』が見つかったってパパが言ってたよー♪」


「そうか! それはありがたいな。

 それじゃあパパに、その花をこのプランター10個ぐらいに植えといてくれ、って言ってもらえるかな。

 それに、もっと他の種類の油が採れる花も探してくれって」


「わかったー♪」


「役に立ってくれてありがとうな」


「えへへー♪ サトルさまに褒められちゃったー♪」



「サトル殿、あの小さな精霊さまは?」


「彼らは精霊の子供たちなんだ。半年前ぐらいに生まれたばっかりなんだよ」


「こんなにたくさんの精霊さまの子供たちも暮らしているのか……」



 中央棟に近づくにつれてゴブリン達の足取りが遅くなって来た。

 みんな上を見上げている。

 まあ高さ100メートルの構造物だからな。

 さっきのギャラリースタンドも高さ100メートルあったけど、こっちの方がより建造物っぽく見えるから迫力があるんだろうなあ。


「この右手の建物は『病院』だ。

 いつでも光の精霊たちが常駐していて、誰でも病気や怪我を治してもらえるようにしようと思っている」


「光の精霊さまがいつもいらっしゃってくださるのか……」


「まああいつらは、いてくれるだけで安心だよな。

 さあ、ここがこの街の中央棟だ。

 1階は大食堂になっているんだけど、みんな食事はどうかな?

 この街自慢の料理が出るからぜひ食べて行ってくれ」


「それではご馳走になろうか……」


 ふふ、みんな中央棟の回廊をびっくりしながら見てるわ。

 まあこんな凝った回廊、地球人が見ても驚くだろうからな。


「それじゃあみんな、すまんがこの箱に手を入れてくれるか。

 たくさんあるけどどれでも大丈夫だ。そうすると手が綺麗になるから」


「そうか。食事の前に手を洗うということか。我々の習慣と同じだな」


 おお、こいつら衛生観念まで持ってたか……




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