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【爆撒英雄サトルのガイア建国記】  作者: 池上雅
第1章 ガイア建国篇
67/325

*** 67 『9時街』の住宅ユニット工場と魔道具作り ***

 


『9時街』の住宅ユニット工場の隣の棟では、ドアとアルミサッシを試作中だ。

 土の大精霊ノームくんがチョイスした地球のサッシと同じものを作るために、俺たちは純粋アルミニウムに銅も含む様々な鉱物を加えて『練成』させ、地球で超々ジュラルミンと呼ばれるアルミ合金も作ったんだ。

 この超々ジュラルミンは、地球では鉄道車両の構造材として使われるほど強度が高いんだが、溶接が難しいことで知られている。

 でも俺たちには『練成』があるからなあ。

 分子レベルで融着させるから溶接どころの強度じゃないし。

 さらに純粋マナを8%ほど混ぜたら、さらに強度の高いアルミ合金が出来ちゃったんだ。

 このハイパージュラルミンなら、ドアやサッシの素材として申し分無いだろう。


 それに、ガラス原料に少しだけ純粋マナ粉末を混ぜて『練成』させると、やっぱり異常に強度の高いガラスが作れることもわかってたんだよ。

 もうかなり魔力の上がった土の精霊たちが、こうした超強度ハイパーアルミ合金や超強化ガラスを使って、次々に各種アルミサッシを試作している。


 その隣ではドアの試作をしていた。

 玄関ドアは、やはりハイパージュラルミン製のドア枠に、薄いマナ建材製のドアを取り付けていっている。

 室内用のドアは、もう少し軽量で簡素だが、材質が無機質な分だけここでも装飾がすごいぞ。

 本物みたいな果実や森や幾何学的デザインが浮き出し彫りになってるからなあ。

 しかも表面を軽くサンドブラストしてマットな仕上がりにしてあるから、まるで石の彫刻みたいに見えるんだよ。

 土の精霊たちの美意識ってすごいわ。


 蝶つがいは地球製のものをやはりハイパージュラルミンを使ってコピペして作っているけど、ねじは不要だ。

 金属同士は『練成』で融着出来るし、マナ建材とですら融着出来たよ。

 ドアノブは簡単なものを作ってみた。ノブを回すと棒が出入りして閉まるだけのものだ。

 因みにドアノブが低い位置についているタイプのドアもあるぞ。

 背の低い種族もいるからな。

 

 一応玄関ドアには簡単な錠をつけたけど、まあ鍵を使ってる種族なんかほとんどいないだろう。

 やや重い玄関ドアのドアダンパーはちょっと悩んだけど、土の精霊たちが地球のドアダンパーを参考にして作っちゃったよ。

 マナ建材製の円筒内を同径の短い円柱が移動して動く形式だ。

 大きさを変えられる小さな穴が開いていて、そこから中の空気が出入りしてドアの開け閉めをゆっくりにさせる機構になっている。

 精霊たちも器用になってきたもんだわ。


 まあ、サッシもドアも試作は結構大変だったけどさ。

 でもいったん規格品が出来れば、あとはそのコピペの過程をマクロ化すれば量産は楽だろう。


 さらにその隣では、俺が原型を作った『照明の魔道具』、『蛇口の魔道具』、『調理用熱の魔道具』、『冷暖房用温風&冷風の魔道具』、『クリーンの魔道具』なんかの『魔道具シリーズ』を、住宅に合うように改造中だ。

 はは、『蛇口の魔道具』って、地球のものにそっくりだわ。



 うん。さすがはノームくんだ。

 俺が参加する余地がほとんど無いじゃないか。

「おらたちに任せてくれろ」って言ってたのは伊達じゃあなかったわ。


 あとはカーペットの種類と色を決めて、地球に大量発注するだけか……

 クローゼットやチェストはそろそろ搬入が始まったようだし。


 カーペットやカーテンが届いたら、あとは【ユニット集合住宅作成1】のマクロを作って、それを8024回繰り返せばいい。

 ユニット集合住宅には『浮遊の魔道具』も『移動の魔道具』もつけてあるから、後は人海戦術で運んでいけばいいだろうな。

 他の街を作るときのことも考えて、ここでも魔法マクロを作って自動化するか。


 あ、その前に実際に何人かで住宅に住んでみて、不都合が無いか確認してみた方がいいだろう。

 システィと2人で2~3日住んでみようかな。

 へへ、まるで新婚生活だぜ……



 うん、やっぱり実際に何日か暮らしてみてよかったよ。

 この家って、完璧すぎて湿気がすごく籠るんだ。

 特に実際に人が入って生活してたりすると、窓とかが水滴でびっしょりになっちゃうんだな。

 ま、まあシスティと2人っきりになって、俺がオオカミさんと一緒になって興奮しまくっちゃったのもあったんだけど……

 それでシスティにも後で「ごめんね」って謝ったんだけど、「えへ、わたしとたくさん『子作りの練習』してくれてどうもありがとう♡」って言ってくれたんだよ……


 こちらこそ本当にありがとうシスティ……

 俺、明日からもキミのためにがんばるよ……

 はは、愛とリビドーが地球のヒト族のエネルギーの源泉のひとつ、って本当だったんだなあ。



 それで、ユニット住宅には『空気入替と湿度調節の魔道具』も開発して設置することになったんだけど……

「実際に暮らしたら、窓の結露が酷かったもので」って言ったら、エルダさまにだけ「何をそんなに興奮したのかのう」って言われてジト目で見られちゃったぜ……



 さて、これでどうやらユニット住宅の原型モデルも出来たかな。

 後は「体長3メートルクラスの種族」のためのモデル住宅と、「体長1メートル以下の種族」のためのモデル住宅作りか。

 あとは魔道具シリーズの量産だな。


 それで俺は魔道具シリーズを大量に作り始めたんだよ。

 いくら余分に作っておいても容量無限の倉庫にしまっておけるから。


 まずは『照明の魔道具』を作るか。

 これは各部屋に配置するから、都市ひとつにつき最低でも5万個は要るだろう。

 っていうことは、全部で60万、余裕を見て70万か……

 それでまず俺は、【照明の魔道具作り1】の魔法マクロを作って、それからとりあえず【照明の魔道具作り1000】に拡大して量産を始めたんだ。

 慣れたら【照明の魔道具作り10万】でも作ろうかと思って。


 そしたらさ、なんか5000個ぐらい作ったところで、みょーに体がダルくなって来たんだよ。それで8000個作ったところで、もう限界が来ちゃったんだ。

 あと1000個作ったら気絶するだろうっていうぐらいに。

 おっかしいよなあ、まだ体内マナは97%も残ってるのに。


「な、なあアダム。なんだか強烈に体がダルくってさ。

 もう立ってられないぐらいなんだわ。俺どうかしちゃったのかな?」


(それでは失礼してお体を拝見します。

 あ、これは『マナ操作力』の枯渇でございますね)


「『マナ操作力』…… そういやあそんなもんもあったな。

 それにしてもなんでこの程度の作業でこんなに枯渇するんだ?

 あのダムを作ったときですらなんともなかったのに……」


(『マナ操作力』とは、使用する体内マナエネルギーの量とはあまり関係がございません。

 強いて言えば、「魔法マクロ式の行数」に比例致しますか)


「マクロ式の行数……」


(ええ、この魔道具を造る際には、使用エネルギーは大したことはございませんが、細かい作業が多いために、マクロ式の行数はそれなりのものがございます。

 あのダムの内壁を1枚作るときの式に比べて3倍ほどの行数になっておりますね。

 ですから【照明の魔道具作り1000】を実行されると、あの内壁を3000枚作られたのと同じだけの魔力操作力を必要と致します)


「そ、そのマクロ式ってさ、単に「コピー」と「ペースト」の2行だけじゃあないんか?」


(マクロ式内では2行ですが、実際の作業量は試作品を作ったものと同じになります。ですからマクロ式を書くのは楽なのですが、実際の作業量については多いままなのですよ)


「それじゃあ気絶寸前になるのも仕方ないなあ。

 困ったぞ、まだまだたくさん魔道具を作らなきゃならないし。

 マナポーションでは元に戻らないのか?」


(あれは体内マナを補給するものでございますから。

 かなり上級の『治癒キュア』でしたら回復可能でございましょう。

 ですがサトルさま、今後のことをお考えになって、気絶されるまでマナ操作力をお使いになられたらいかがでしょうか。初期の魔力UP訓練のときのように)


「おお! それいいアイデアだな!

 でもそんなに時間が無いんだよな。「能力成長促進」の神授スキルはもう貰っちゃってるし、そんなに早くマナ操作力はUPするものかな」


(それでは『神界銀聖勲章』の中にある、『おまけでどん!』というスキルをご使用になられたらいかがでしょうか)


「なんじゃそりゃ?」


(やはりご覧になっていらっしゃいませんでしたか……

「能力成長促進」のスキルをお持ちの方でも、さらにその能力UPのスピードを倍にするものなのですが……)


「そ、そんな便利なスキルだったのか……

 あ、あまりにも名前がアヤシイんで、無視しとったわ……

 それにしてもなんだよこのネーミングセンス。

 もっとマトモなもんにしろよな」


(さあ、この勲章をお造りになられたのは、最高神さまだそうでございますので……)


(だいじょーぶか、最高神さま……)



 それで俺はシスティに頼んで傍にいてもらうことにしたんだ。

 もう1回【照明の魔道具作り1000】を実行したところで俺は気絶したんだけど、目が覚めたらシスティが俺にキスしてくれていて、『エンゼルキュア』をかけていてくれたんだよ。

 へへ、これ役得だな。なんかシスティも嬉しそうだったぞ。


 次は魔道具を1万個作ったところで俺は気絶した。

 その次は1万2000個、その次は1万5000個……

 こうして俺のマナ操作力はみるみる育っていったんだ。

 まああんまり『エンゼルキュア』を使うとシスティも負担になるみたいだったから、気絶は1日3回までにしておいたんだがな。


 でも…… システィさん……

 最初気絶から目が覚めたときには、あなたはほっぺにちゅーしてくれてましたけど……

 その次は口でしたよね。そうして次は首筋。翌日は胸……

 な、なんだかどんどん下がって来てるんですけど……

 ま、まさかそのうち……


 それで恐る恐るこれからどうなるのか聞いてみたんだけどさ。


「えへへ、役得役得♪」って言われちゃったよ!


 だから、システィの耳元で「ここから先は夜のベッドの中でな」って言ったら抱きつかれちゃったけど……


 あっ! お、俺のオオカミさんが元気なときって、明らかに俺の魔力量が上がっとる!

 ゆ、許してくれ…… こ、この『仕様』、は、恥ずかし過ぎるわっ!




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