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【爆撒英雄サトルのガイア建国記】  作者: 池上雅
第2章 銀河宇宙篇
320/325

*** 320 またもや昇格…… ***

 


「ダークエネルギー駆動エンジンなんて……

 そ、そんな凄いもんが普及してるのか?」


(いえ、それほど普及はしておりません)


「それすっごく便利そうなんだけど、なんで普及していないんだ?

 危険なのか?」


(そうですね、危険と言えば危険でございましょうか。

 なにしろ10G以上の加速を続けると、船内のヒューマノイドが皆死んでしまいますので)


「!」


(加速度が1000Gを越えますと、現在知られております銀河最高強度の構造材といえども無事ではいられません。

 なにしろ1000Gと言えば、1トンの構造材の重さが1000トンになってしまいますので)


「そ、そういえばそうだったな……」


(それ故に『超強力な推進装置』というものには、無人探査機以外にはニーズが無かったのでございます。

『慣性(=加速度)吸収の魔道具』が無ければですが……


 また、このダークエネルギー推進のエンジンは、宇宙空間にあるダークエネルギーそのものを利用して推進エネルギーに変換致します。

 つまり、宇宙空間を移動しながら燃料を集めるラムスクープ型推進機になりますので、予め燃料を積んで行く必要がございません。

 従いましていくらでも大きな宇宙船を作れるのでございます)


「そんな強力なエンジンだったら結構な加速度が出せそうだな」


(ええ、現状最高の推進機で最大50万Gほどの推力が得られるでしょう)


「げっ!

 い、1トンの構造材の重さが50万トン!」


(その加速度でしたら、3日ほどで0.99C、すなわち光速度の99%に達することが出来ます)


「そ、そそそ、そうか……

 そ、それじゃあさ、円環体型『空間転移装置』と半球型『空間転移装置』を内蔵した大型宇宙船を、そうだな、予備も含めて少し多めに建造するとしようか。

 その宇宙船と、それを建造するための大型造船ドックの設計を含めて事業計画の策定をお願い出来るか?」


(畏まりました)


「その間、俺は何をすればいいかな?」


(それら宇宙船の構造材としては、やはり純粋資源を複数配合した純粋合金と、マナ建材が超大量に必要になるかと思われます。

 それらの御準備をお願い出来ますでしょうか)


「なるほどわかった。

 アダム、あのゼウサーナさまから賜った岩石惑星を取敢えず100個ばかり砕いて資源抽出をすることにしよう。

 そのための準備を頼むわ。

 今回使わなくっても少し多めに資源を溜めておいてもムダにはならんだろ」


(畏まりました)


「マナ建材も多めに用意しておくか……」







 或る日俺は奥さんたちから相談を受けたんだ。

「もう1人ずつ子供を生んでもいいか」って。

 ま、まあいいんじゃないかな……


 そしたらそのあとすぐに奥さんたちが4人とも妊娠したんだよ。

 やっぱ、排卵を自分でコントロール出来る種族って便利だよなぁ……


 その後、夜の伽を任された悪魔っ娘たちが随分と喜んでたわ。

 うーん、もっと普段から相手をしてあげた方がいいのかなぁ……

 あの娘たち実年齢は俺より上だけど、見た目が中学生ぐらいだからどうしても躊躇しちゃうんだよな……



 そういえばフェミーナが妊娠したら、すぐにフェルくんがフェミーナのお腹に鼻をくっつけてすんすんしてるんだ。

 そのあとお腹をぺろぺろしてたし……

 すごいな。

 もう弟か妹が出来たかがわかるんだね。

 それでもう『おともだち認定』っていうか『子分認定』してあげてるんだ……


 フェルくんはさすがの半分フェンリルで、生後5日ほどで歩き始めてたんだけどさ。

 3人のお姉ちゃんたちも、ようやく摑まり立ちをするようになったんだ。

 まああの子たち飛んで移動出来るから、あんまり歩く必要性を感じてなかったみたいなんだけど、お母さんたちに説得されて練習を始めたんだ。


 でもさ……

 普通乳児が初めて摑まり立ちするときって、ベビーベッドの柵とか椅子の脚に掴まってするそうなんだけどさ。

 どうしてキミたちみんな、フェルくんに掴まって立ち上がろうとするかね?

 そりゃあまあ、如何にも摑まりやすそうなもふもふだけどさ。

 フェルくん痛くて可哀想とか思わないのかね?


 そう思ってたらフェミーナが教えてくれたんだよ。

 この子毎日フェンリルのお友だちともみ合って遊んでるから、もうレベルが30もあるんだと。

 さすがは半分フェンリルだ、びっくりだよ。


 だから乳児に毛を引っ張られたぐらいではぜんぜん痛くないそうなんだ。

 でも、なんか諦めきったフェルくんの目が印象的だったわー。

 立ったままドヤ顔して褒めて褒めてオーラ出してるお姉ちゃんたちへの対応もおざなりだったし……




 そうこうしているうちに、最高神さまの出産予定日が近づいて来た。

 それで名前の案を見せられて、どれがいいかって聞かれたんだけどな。

 考えてみれば、俺最高神さまの名前知らなかったんだよなー。


 そしたら奥さんたちに、「自分の子を生んでくれる女の名前も知らないのか!」って怒られちゃったんだけど……


 でも、どうやら神界では誰も畏れ多くって最高神さまの名前なんか口にしないそうなんだわ。

 だ、だから、し、仕方ないよね……


 それでどうやら最高神さまって、『ニミーネウス・インペリウム』っていう名前だったんだわ。

 そうか…… 最高神さまにだけは苗字があるのか……


 それで生まれてくる子の名前は『ニキールネウス・インペリウム』になったんだけどな。

 まだ男か女かわからないのに名前決めていいのか、って言ったらさ。

「両方だから構わないよ」って言われちゃったんだわー。


 そ、そうだった……

 最高神さまって、そのときの気分で男にも女にもなれるんだった……


 っていうことは……

 俺の子って、「男の娘」になるのか!



 最高神さまの出産のときには別室に大勢の医療班が控えていたけど、やっぱり1時間ほどで無事生まれたよ。

 産室の前でうろうろしてたゼウサーナさまが印象的だったわ。

 あなたの子じゃないんですけど……


 そうそう、無事生まれた子をじっくり見てみたけど、両方ついてたよ……




 ニキールちゃんは、生まれたときからお兄ちゃんとお姉ちゃんに囲まれてびっくりしてたわ。

 でもすぐに嬉しそうに笑ってたけど……


 美樹なんか、子分が増えたと思って腰に手を当てて仁王立ちして喜んでたぞ。

「わははははははー!」とか言って……


 そうか、俺の子供たちは、母親は違うとはいえ最高神さまの子の兄姉になって、美樹は親戚になったのか……





 最高神さまのご希望で祝賀行事は控えめだったけど、それでも神界中の神々から祝電やらお祝いの品やら届いてタイヘンだったわ。


 それからは最高神さまは午前中は執務室で仕事をして、その後はガイアの神域でずっと子供と遊んでるんだ。

 ま、まあ『空間転移装置』のおかげでドアを潜ればもうそこはガイアの神域だからな。

 ゼウサーナさまも1日1回はお土産持ってガイアに来て、ニキールちゃんをあやしてたし……


 なんか孫を可愛がるおじいちゃんみたいだわー。

 なんだか最高神さまも嬉しそうだったよ……




 アダムとイブの子も無事生まれた。

 今度は男の子だ。


 まさか『カイン』っていう名前にはしないよな、って思ってたら、『太郎』っていう名前になってたよ。

 どうもこれから大勢子供を作って行くんで、みんな日本人みたいな名前で統一していくそうだ。



 タロウくんは、お姉ちゃんのアワンちゃんと同じく、生まれて来た時から既に2歳児並みの行動力を持っていた。

 歩けるし少しなら喋れるし。


 それを見た俺の子たちも、今まではあーうーとかしか口にして無かったのが、一生懸命なんか喋ろうとしてるんだ。

 どうやら対抗心燃やしちゃったらしいな。


 それで1カ月もすると、俺もようやく子供たちから『ぱぱ』って呼んで貰えるようになったんだわ。

 はは、俺もとうとう『ぱぱ』か……


 ニキールちゃんだけは、そんなお姉ちゃんやお兄ちゃんたちを不思議そうな顔して見てたけどな。







『銀河連盟』の発足が本決まりになった。

 6カ月後に俺の神域の宮殿で式典をして正式に発足するそうだ。

 その後は連盟の本会議場としてあの宮殿を貸して欲しいって言うんで、銀河連盟発足のお祝いに、銀河のヒューマノイド達にあの神殿はプレゼントすることにしたんだ。


 そしたら俺の迎賓館としてもう1個宮殿を造れるって、土の精霊たちが大喜びしてたわ。

 キミタチほんっと仕事するの好きなんだね。



 そしたらさー。

 またゼウサーナさまからお呼び出しがかかっちゃったんだわ。

 それで何事かと思ってすぐに神界に行ったんだ。



 執務室で俺を迎えてくれたゼウサーナさまは、いつにも増してご機嫌だったよ。


「このたびヒューマノイド世界に『銀河連盟』を発足させた功績により、そなたの上級神昇格が内定した」


「えっ……

 い、いくらなんでも早過ぎませんか……

 ま、まさか……」


「勘違いするな。

 そなたが最高神さまの御子の父親になったということは一切関係無い。

 純粋にそなたの功績が認められてのことだ」


「で、ですが……」


「そなたも大いに活躍したあの管区担当中級神たちの不祥事事件以来、神界の人事改革は大幅に進んだのだ。

 それは、在任期間の長さといった要素を縮小して、なによりも功績を重要視するという方向に進んでいる。


 そこにそなたは、ヒューマノイドたちに『銀河連盟』を発足させるという大功績を成し遂げたのだ。

 昇格をもってこれに報いるのは当然であろう」


「は、はぁ……」


「それで昇格祝いには何が欲しい?

 なんでも言ってみよ」


「あ、あの……

 それについては少し検討する時間を頂戴出来ませんでしょうか……」


「はは、構わんぞ。いくらでも考えろ……」





 まいったよな……

 俺、とうとう上級神サマになっちまうのかよ……





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