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【爆撒英雄サトルのガイア建国記】  作者: 池上雅
第2章 銀河宇宙篇
302/325

*** 302 中級神昇格 ***

 


 そうこうしているうちに、やっぱり神界から内示が来ちゃったんだ。

 銀河世界70万の120兆の民の暮らしを救った功績で、俺も遂に『中級神』さまだとさ。


 一介のヒト族から2年弱で神にまで昇格したのも圧倒的新記録だったそうなんだけど、初級神からたった2年で中級神に昇格したのもダントツ新記録だそうだ。


 ついでに2つ目の『神界金星勲章』も貰えるらしいなあ……



 昇格式と受勲式では、最前列でまた神界最高顧問の神さまたちが涙だばだば流しながら祝福してくれてたよ……




 金星勲章の授賞式が終わると、俺はまたゼウサーナさまの執務室に呼ばれた。

 ゼウサーナさまは相当に御機嫌だったよ。


「どうだ2つ目の金聖勲章を賜った気分は」


「はあ、なんか仲間の力を借りて自分が出来ることをしただけですのに、こんなに勲章貰っちゃっていいもんなんですかね?」


「わはははは、まあそなた以外には誰にも出来ぬことを為したのだ。

 当然のことであろう」


「はあ……」


「それで、金星勲章に付随する報賞はなにが欲しい」


「それではいよいよ『神界運輸部門』を立ち上げる御許可を頂戴出来ませんでしょうか」


「ふはははは、任務大成功の報賞として新たな任務が欲しいと申すか。

 よかろう、そなたの思う通りに動くがよい。

 だが念のために、どのような組織でどのような活動をするのか説明して貰えるか」


「はい。まずは単なる『運輸』だけではなく、『通信』も加えて『神界運輸・通信部門』にしたいと考えております。

 その役割は……」




 なんかゼウサーナさま、終始ご機嫌なんですけど……

 ま、まあ機嫌悪いよりいいかな……



「話は分かった。

 それで神界からの支援は全く不要というのだな」


「い、いえまあ金銭的物質的には特に必要と致しませんが……

 それよりも、制度的・形式的な御援助を賜りたいと考えます」


「ほう、どういう意味だ?」


「は、はい。

『銀河救済機関』とは異なり、『神界運輸・通信部門』は銀河のヒューマノイドたちとの直接の提携や経済的な取引が発生致します。

 ですから880の中級神管区の神々や、象限地域の管理をしている神々への通達や事前連絡が必要になるかと思いまして」


「問題無い。

 全ては最高神政務庁から通達が行われる」


「あ、ありがとうございます」


「そうそう、管区担当中級神の纏め役である『ヒューマノイド世界統括』上級神が、このほど健康上・・・の理由で引退を申し出ての。

 それに伴う管区統括中級神会議が1カ月後に開催されることになった。

 会議には5日ほどかかる予定だが、最終日にはそなたが直接全員に『銀河救済機関』の業務報告と『神界運輸・通信部門』の説明を行ってくれ」


「は、はい……」


「その際には結構な質問も出ることだろう。

 そのために各管区の現状と担当中級神についての資料を用意させた。

 膨大な資料だが、そなたには問題あるまい。

 これを頭に入れて当日の報告に臨むように」


「はい、畏まりました……」






(なあアダム、この報告書をまた俺の脳に直接転写してくれないか?)


(畏まりました)


(あれ? この報告書って……)







 とうとうシスティが俺の子を生んでくれた。

 俺もけっこうおろおろしてたんだけど、さすがは神族で陣痛から1時間ほどで大した苦労も無く出産してたよ。


 ああ、女の子だったわ。

 そうそう、例え神族同士の子といえども、生まれたときは天使族になるそうなんだ。

 神族っていうのは、種族名と言うより階級名なんだそうだ。



 天使族も神族も、子供は母親のみによって育てられる種族なんで名前も母親が決めるんだ。

 システィは俺にも相談してくれたんだけど、システィの提案の通り『シュリスフィーナ』っていう名前になった。

 愛称『シュリちゃん』だ。


 それからも相次いで3人の奥さんたちも子供を生んでくれたよ。


 エルダリーナさまの子も女の子で、名前は『エシュリルリーダ』、愛称は『エシュリル』ちゃんだ。


 ローゼマリーナさまの子も女の子で、名前は『ロザリアルーラ』愛称は『ロザリア』ちゃんだ。


 フェミーナが生んでくれた子は唯一男の子で、名前は『フェルディナンド』、愛称は『フェルちゃん』になった。


 神族はみんなその気になれば男女の生み分けも出来るそうなんだけど、ヒト族の俺に合わせて自然に任せた結果、この男女比になったらしい。




「のう愛しいあなたさまや。

 もうわたしもあなたさまの子を為した女になったのでの。

 御褒美にわたしのことは『エル』と呼んで下さらんか?」


 は、はい、畏まりました……


「そうですね、それではわたしも是非『エッチなペットのローゼ』と呼んで頂きたいのですが……」


 却下!


「それでは残念ですがローゼと……」


 はい。


 システィとフェミーナは、呼び方が変わらないんでちょっと残念そうな顔してたんだけどさ。

 おかげで夜ベッドに入るときには『俺のエッチなペットのシスティ』、『俺のエッチなペットのフェミーナ』って呼ばされるようになっちまったぜ!




 昼間なんかに、4人の奥さんたちが揃って子供たちにおっぱいあげてる姿は壮観だ。


 もちろん父さんも母さんも呼んで、俺の子供たちを見せてやったんだけどさ。

 2人ともぽろぽろ涙零しながらずっと見てたよ。

 途中で奥さんたちが巨大な胸をさらけ出して、子供たちにおっぱいあげ始めたんで、父さんが怯んでたけど。

 まあ、そういう性的羞恥心があんまり無い種族なんで仕方ないかな。


 そうそう、妹の美樹に、

「この子たちはみんなお前の姪っ子や甥っ子だからな、仲良くしてやるんだぞ」って言ったら、なんか腕組んで仁王立ちしてドヤ顔になってたぞ。



 それからシスティとローゼとエルが、かわるがわるフェルディナンドにおっぱいあげてたんだ。

 どうやら神族のおっぱいには特別な加護があって、子供たちの成長が良くなったりその他にもいろいろとメリットがあるそうだ。


 うーん、このぐらいの時期って実に貴重だからさ。

 あんまり早く成長しなくっても……

 でもまあお姉ちゃんたちばっかり大きくなって、フェルくんだけ小さいままだと可哀想だからまあいいか……



 そしたら3カ月ほどでみんなお座りが出来るようになったんだ。

 それでさ、お姉ちゃんたちはみんな背中に小さな可愛らしい翼が生えてるんだけど、フェルくんだけは頭に狼耳があって、お尻には可愛らしいしっぽが生えてるんだわ。


 だからフェルくんは、いつもよじよじと近寄って来たお姉ちゃんたちに、耳もしっぽもかじかじされたり触られまくったりして涙目になってるんだ。


 でも……

 あるときフェルくんがくしゃみをしたんだよ。

「くちゅん!」とかいう可愛いらしいくしゃみを……


 そしたらさ、フェルくんが突然フェンリルに戻っちゃったんだわ。

 それも地球の大型犬並みの大きさの仔フェンリルに……


 もーお姉ちゃんたちびっくりしてぎゃん泣きよ。

 フェルくんも自分の手足や鏡見て大泣きだし……


 慌ててお母さん達みんなで宥めてたけどな。



 だけどそのうちみんな慣れて来てさ。

 フェンリル姿になったフェルくんに抱きついて、お姉ちゃんたちがみんな寝てたりするんだわ。

 フェルくんも体丸くしてしっぽでお姉ちゃんたちを守ってたりするし……

 ときどきベルシュラちゃんも乱入してるけど。



 でもエシュリルちゃん。

 自分の羽でフェルくんの鼻をくすぐってくしゃみさせて、フェンリル枕にしようとするのはヤメてあげなさいね……



 それにしてもみんな成長が早いよなぁ。

 まだ歩けもしないのに、3人のお姉ちゃんたちが翼をぱたぱたさせながら浮かび始めたんだもの。

 それからはベルシュラお姉ちゃんの指導で飛ぶ練習を始めたんだけどさ。

 フェルくんが自分の背中を見て悲しそうな顔をしたんだわ。


 だからフェルくんの背中にも翼を生やしてやって、飛行能力のスキルもあげたんだ。

 それからはもー、リビングでみんなきゃーきゃー言いながら飛びまわってタイヘンよ。

 美樹が来ると6人で飛びまわってるんだ。



 それにしても……

 6人が1列になって飛んでるとか、V字編隊を組んで見事に旋廻しながら飛んでるとか……

 シュールな光景だわぁ……


 でもお父さんにボールを落とす爆撃訓練はしなくてもいいからね……



 それから沙希が来たときにも翼をねだられたんで、仕方ないから「この神域でだけだぞ」って言って生やしてやったんだ。


 でも……

 沙希さんや。

 みんなと一緒にパンツ一丁で飛びまわるのはヤメなさいね……




 そうそう、フェミーナがフェルくんをつれて里帰りしたんだわ。

 背中の翼を消すとフェルくんが泣いちゃうんで、翼生やしたまんまで。


 そしたらさ、その場にいた全てのフェンリルが弾かれたように仰向けになって、みんなお腹見せてちんちん姿勢になったんだと。


 まあ、フェルくんの狼耳としっぽは明らかにフェミーナからの遺伝だけど、でも背中の翼は俺からの遺伝だと思ったらしいんだ。


 だからフェルくんは、俺に準ずる存在として崇拝の対象になっちゃったんだよ。


 でも、フェルくんはぱたぱた飛んで、長老さんのお腹の上に着地して、号泣する長老さんの頬をぺろぺろ舐めたんだと。

 ちょっと首を傾げて「なんでそんなに泣いてるの?」みたいな感じで……

 長老さんが自分の曾々祖父だって本能的にわかったのかもな。



 そうやって大人のフェンリルたちは、一発でフェルくんの配下になったんだけどさ。

 でもそんなことは小さい子供たちにはわからないじゃないか。


 だから、フェミーナがフェンリル姿のフェルくんを同年代の子供たちのところに連れてったら、みんなから匂いを嗅がれたんだそうだ。

 フェンリルの世界では、『相手の匂いを嗅ぐ』っていうのは自動的に仲間に迎え入れるっていうことを意味するからな。

 フェルくんにもお友達が出来てよかったよ。


 それからフェルくんは、同年代の子やそのひとつふたつ上のお兄ちゃんお姉ちゃんたちと群れて遊んだんだ。

 まあそうやって取っ組み合いしたり、お互いを甘噛みしたりするのは、『狩りの練習』、『仲間に対する手加減の練習』っていう意味があるんだ。

 ついでにお互いレベルも上がるし。



 でもさあ……

 周りを取り囲んだ大人たちのうち、自分の子がフェルくんに飛びかかって行ったりすると、そいつら全員顔面蒼白になってるんだと。

 フェミーナが制止するんで自分の子を止めるわけにもいかないし。


 最後に子供たちが全員疲れ果てて寝ちゃってから、フェミーナは神域に帰って来たんだ。

 フェルくん、お友だちがたくさん出来てよかったね。

 俺にも実に嬉しそうにわふわふ言いながらその日の様子を伝えようとしてたし。


 何を言いたいのか念話でちょっと覗いてみたら、

(おともだち…… たくさん…… たのしい……)

 って思ってたんで安心したよ。

 それで、「おともだちが出来たのかー、よかったなぁ」とか言いながら頭わしゃわしゃしてやったら、もうしっぽぶんぶんよ。


 それを見てたお姉ちゃんたちもよじよじ寄って来たんで、全員わしゃわしゃしてやったけど……


 俺も『父ちゃん』になったんだなぁ……


 そうだ、もう少ししたら、3人のお姉ちゃんたちもガイアの保育園に通わせるか……




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